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2012年7月17日火曜日

2012 INDYCAR ニュース:「ダラーラのパーツ代が高過ぎる!」と出場チームがインディカーに抗議

ダラーラ、DW12のパーツの独占供給権も保有
 今年から採用されているダラーラのシャシー=DW12だが、シリーズでは今、「パーツ代が高過ぎる!」とチームオーナーたちから不満が噴出している。
 この件に関しては、オーナー達は非常に理論的で、ルール違反の件のように傲慢に振る舞っているワケではない。
 DW12のローリングシャシーは、2011年までに使われていたIR07よりも低く値段設定されているのだが、シャシーの単独供給権を手に入れた際、ダラーラはインディーカーにパーツの独占供給権もチャッカリ契約に加えさせる事に成功した。これが大失敗だった。DW12のパーツ価格がIR07のものと比べるといずれもバカ高く、「ランニングコストがかかり過ぎ。これじゃコスト抑制という目標がまるで達成されていない!」とオーナーたちは怒り心頭。彼らは結集し、「パーツの値段は今より4割は低くすべき!」という主張をインディーカーに叩き付けた!


あまりにもエグい!? ダラーラの値付け

 「4割引き」って数字だけ聞くと、なんだかメチャクチャな話を強要しているように思える。そもそも、商品の値段を買う側が決めるっていうのは実におかしな話だ。しかし、そうじゃないんである。ダラーラの値付けがそこまでメチャクチャだということ。なにしろ、パーツによっては、ダラーラから買う必要ゼロの、普通に世間に流通しているものがあって、その巷での値段がダラーラで買う場合の5分の1! なんてヒドい例もあるという。アメリカのレーシングチームはパーツを自製できる施設を整えているので作れるものは自分のチームで作って来た。DW12の場合も、ダラーラから買うより、自分たちで作った方が8割も安くできるケースさえあるという。さらに、インディアナポリスにはパーツを安く作ってくれる会社が幾つもある。

バーンハートはチームオーナーの要求に応えられるか?
 ダラーラをシャシーのサプライヤーに選んだのはインディーカーなので、彼らサンクショニングボディーは、ダラーラとオーナーの間で板挟みになっている。しかし、この問題をインディーカーがマジメに解決する気があるのか、去年まで競技担当社長をやっていたブライアン・バーンハートをその任に充てている。果たして彼は、インディーカー、ダラーラ、オーナーたちのどちらを向いて仕事をしているのか? 交渉のスタートとして、彼はパーツの値段を1~2割下げられないかという打診をダラーラに対して行ったようだが、そんな値引きでは、仮にダラーラが受け入れても、オーナーたちが首を縦に振る可能性はゼロだ。やっぱりバーンハートじゃダメだ。オーナーたちは、「4割ダウン死守」という看板をすでに掲げている。
 60台以上も売れているDW12だというのに、ダラーラの儲けは非常に小さいという。インディアナポリスにファクトリー設立という投資も行なっている彼らだが、パーツで儲けるというビジネスモデルは完全ナンセンス。それを許したのはインディーカーなのかもしれないが、これではオーナーたちが怒るのも当たり前。この問題、どういう解決に至るんだろう??

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