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Photo:Penske Entertainment |
優勝か、それに近い順位でパロウよりも上位フィニッシュが必須
ポイント・スタンディングで2番手につけているパト・オーワード(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)がアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)を逆転してチャンピオンになるためには、今週末は必ずやパロウよりも上位でレースをフィニッシュしなくてはならない。
オーワードは、スピードがあるだけでなく、若いうちから(今でも26歳だが……)ポイントを確実に稼ぐという点でも優れた能力を発揮して来ているドライヴァーだ。2025年のNTTインディーカー・シリーズにおける彼は、開幕からの14レース=1870周のすべてを走り切って来ているただ一人のドライヴァーとなっている。しかし、今週末の彼に求められるのは完走ではなく、優勝かそれに近い成績だ。
勝負のポイントはやはりタイヤへの対応
昨年のポートランドでポール・ポジションを獲得したのは、サンティーノ・フェルッチ(AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレー)で、彼にとってキャリア初のPPとなった。フラットでハイ・スピードのポートランド・インターナショナル・レースウェイは、高回転域でのパワーで優れていると言われるシヴォレーV6ツイン・ターボエンジンに有利なコースなのかもしれない。
ただし、今週もファイアストン・タイヤが昨年とは異なるスペックになっているので、それらへの対応が勝敗に大きな影響を与えることとなるだろう。プライマリーは耐久性が少し上がり、グリップは少し低下。オルタネートはより高いグリップを発揮。耐久性はそれに伴って下がっているかもしれない。去年はレッドの良さに着目し、フレッシュ2セットをレースに投入する作戦を選択したウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)が見事な優勝を飾った。レッドを1セットしかレース用に残していなかったパロウとチップ・ガナッシ・レーシングは完敗を食らわせられた。今年はオーワードとマクラーレンがその再現を果たしたい(その上でパロウには2位でなく、もっと後方の順位でのゴールとなって欲しい。2位だと、オーワードが勝ってもパロウがチャンピオンになってしまう可能性が十分あるので)。
ポートランド戦に自信をみなぎらせるパロウ「今年の僕らは去年までとは違う!」
オーワードは、レース・ウィークエンドを迎えるに当たり、「去年のポートランドは厳しい戦いになっていた。ハッキリ言って、ポートランドは僕らにとってのベストのコースではない。しかし、今年の僕らは去年までとは違う。今年はずっと上位で戦えて来ているから。今週末に向けての期待もそうしたものになっている。チャンピオン争いは難しい戦いとなっているが、持てる全てを注ぎ込んで戦い抜くのみだ」と語っていた。走行初日のプラクティスを終えると、「明日まだやるべきことが残された。去年ほど悪い状況ではないが、自分が望んでいたレヴェルには、まったくもって達することができていない。レースまでにそこに到達する自信はあるけれどね」とコメントした。
ルンドガールドが順調な滑り出しを見せ、マクラーレンの仕上がりは上々
チームメイトのクリスチャン・ルンドガールドがブラック、レッドの両タイヤでトップ・レヴェルのパフォーマンスを見せていることからも、マクラーレンのマシン・セッティングは”戦えるウィンドウ”に入っていると見ていい。あとはドライヴァーの好みにどれだけフィットさせられるか。また、チームと共に新しい仕様のファイアストン・タイヤをどこまで正しく理解できるかも大きなポイントとなる。
予選での目標は? ポール・ポジションを獲れたら最高だが、そこまでマシンをうまくチューニングし切れるだろうか? ロード&ストリート・コースでの予選パフォーマンスに関して言えば、ポイント・リーダーのパロウは、オーワードに対して明確な優位にある。
・ポール・ポジション4回獲得=今シーズン最多
・Q3進出9回=今シーズン最多(単独)
・Q1敗退ゼロ=シリーズで唯一
というのが彼の成績で、対するオーワードは、
・ポール・ポジション1回
・Q3進出2回
・Q1敗退4回
と差は大きくあるのだ。
ポートランドを乗り切れば、残る2戦はオーヴァル=ミルウォーキーとナッシュヴィル。オーワードとすれば、そちらまでチャンピオン争いを何とか引き伸ばしたいところ。今シーズンのアイオワでパロウはオーヴァル初勝利を挙げているが、オーヴァルでの実績ならオーワードの方が高い。
以上
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