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2025年9月1日月曜日

2025 INDYCAR レポート R17 ボーシェッタ・バーボン・ミュージック・シティ・グランプリ Race Day 決勝:最終戦のウィナーはジョセフ・ニューガーデン!アレックス・パロウはミルウォーキーに続いて2位

Photo:Penske Entertainment 

前戦ウイナーのラスムッセン、オープニングラップに単独クラッシュ!


 スタート時の気温は30°C。路面は47°C。日差しが強く、数字以上の暑さを感じるコンディションとなった。そして、レースは波乱で始まった。先週のミルウォーキーでファースト・ウィンを飾ったばかりのクリスチャン・ラスムッセン(エド・カーペンター・レーシング/シヴォレー)が、スタート直後の1周目にしてクラッシュ、リタイアしたのだ。


マルーカスもクラッシュ!そしてトップ快走中のオーワードもタイヤトラブルでウォールに激突


 自身4回目の予選2位から初優勝を目指していたデイヴィッド・マルーカス(AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレー)は、すでにレース・リーダーにパスされて周回遅れに陥っていたルーキーのルイ・フォスター(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)と接触し、ターン1〜2の壁にハード・ヒット。ヘリコプターで病院へ搬送された。

 ポール・ポジションからトップを快走し、バックマーカーも次から次へと瞬く間に処理して初のポール・トゥ・ウィンへとラップを重ねていたパト・オーワード(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)は、フロント・タイヤをカットしたのか、温度が上がり過ぎてしまったか、トップ独走中の127周目にクラッシュした。


パワー、ピット・インでオーバーシュートして自滅、ハータもペナルティ!


 10番手スタートから100周でトップ争いまでのし上がって来ていたウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)は、ピット・ストップでオーヴァーシュートするミスを冒してシーズン2勝目のチャンスを失った。

 パワーより後方の13番手スタートだった昨年度ウィナーのコルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)は、パワーがミスったのと同じピット・ストップで、ジェイコブ・エイベル(デイル・コイン・レーシング/ホンダ)のピット・インを妨害する”危険なリリース”をチームがしたためにペナルティを受け、ペース・カーが先導する列の最後尾までポジションを下げられた。


レースはペンスキー2台とパロウの戦いに


 強力なコンテンダーがレース前半にして次々脱落したレースとなったが、インディーカー・シリーズは人材豊富。ここからはジョセフ・ニューガーデンとスコット・マクロクリン(いずれもチーム・ペンスキー/シヴォレー)、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)が優勝争いを繰り広げた。


 パロウはバックマーカーが現れると苦労する……というレースを続けていたが、最後のピット・ストップを早めに行う”アンダーカット”を成功させ、225周のレースの192周目にトップに躍り出た。そのすぐ前までトップを走っていたニューガーデンは3番手への後退を余儀なくされ、2番手はマクロクリンというオーダーになった。


Photo:Penske Entertainment

  逃げ切りたいパロウだったが、ノーラン・シーゲル(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)と、彼のすぐ前へとピット・アウトして来たマーカス・エリクソン(アンドレッティ・グローバル/ホンダ)の2台の背後へと追いつくと、そこにスタック。

 そこまでの戦いでトラフィックでの走りで明らかに勝っていたマクロクリンがパロウからトップを奪い、すぐ後にニューガーデンにもパスを許した。


ニューガーデン、マクロクリンから首位を奪い返し、最終戦で今季初勝利

パロウは最後のリスタートでマクロクリンをパスして2位


 201周目、レースは再びペンスキー・ドライヴァーたちによるチームメイト・バトルとなり、マクロクリンがラインを外れるミスを冒してニューガーデンがトップを取り返した。

 マクロクリンは最後のリスタートでパロウにもパスを許した。ニューガーデンは今シーズン初優勝へと逃げ切り、パロウはシーズンを締め括るオーヴァル・レース2戦で連続2位フィニッシュ。


 3位争いは……は、ゴールを目前にしてマクロクリンにキフィン・シンプソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)が襲い掛かり、5周に渡ってサイド・バイ・サイドのバトルを展開。ついにシンプソンが前に出たが、ゴール前2周でマクロクリンが最後の力を絞り出して逆襲。最終ラップのターン3〜4で3位の座を奪い返し、ミルウォーキーから2週連続3位フィニッシュでシーズンを終えた。シンプソンはキャリア2度目の表彰台を逃したが、4位はオーヴァルでのキャリア・ベストとなった。


安堵と歓喜のニューガーデン「今日はチーム・ペンスキーらしい戦いができていた」


 

Photo:Penske Entertainment

  「何も悪いことの起こらないレースだった。クルーたちのためも、このようなレースを戦い抜き、優勝できて嬉しい。チームと勝利を祝いたい。今日はチーム・ペンスキーらしい戦いができていた。ウィル・パワーがまずすごいスピードを見せた。スコット・マクロクリンも速かった。僕ら3人のうちの誰が勝ってもおかしくなかった」と安堵と喜びを語った。


 リード・チェンジ20回、フル・コース・コーション4回、オーヴァーテイクはトータル502回、トップ5内だけでも74回あったのが今年のナッシュヴィル・スーパースピードウェイでの最終戦だった。

 5位はコナー・デイリー(フンコス・ホリンジャー・レーシング/シヴォレー)、6位はカイル・カークウッド(アンドレッティ・グローバル/ホンダ)、7〜10位はフェリックス・ローゼンクヴィスト(メイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)、サンティーノ・フェルッチ(亜AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレー)、カルーム・アイロット(プレマ・レーシング/シヴォレー)、アレクサンダー・ロッシ(エド・カーペンター・レーシング/シヴォレー)だった。


ルンドガールド、トラブルでリタイアし、ランキング3位はディクソンの手に

 ハータの追い上げは11位まで。ディクソンは12位でのゴールとなったが、シリーズ・ランキング3位の座は守った。クリスチャン・ルンドガールド(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)がトラブルでリタイアを喫したためだ。


ルーキー・オヴ・ザ・イヤーはフォスター


 ロバート・シュウォーツマン(プレマ・レーシング/シヴォレー)はオーヴァルで3回目のトップ10フィニッシュへと突き進んでいたが、ブロッキングのペナルティを受けてゴールは14位に。20位でレースを終えたフォスターが2点差で2025年のルーキー・オヴ・ザ・イヤーとなった。


以上


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