2012年9月17日月曜日

2012 INDYCAR 佐藤琢磨コメント79 R15 MAV TV 500フォンタナ 決勝 「レースの時々のコンディションにうまく合わせることができて、非常に良かったですね。最後のふたつのリスタートではボルティモアと同じようにエンジンの息付きが始まって、苦しくなってしまいました」

R15 MAV TV 500
カリフォルニア州フォンタナ
オートクラブ・スピードウェイ
2マイル・スーパースピードウェイ×250周

決勝 7位 249周 クラッシュ リードラップ6周

21番グリッドから一気にトップ・グループへ
そして優勝争い、トラブル発生、そして悪夢の……


 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、フォンタナでも目覚ましいパフォーマンスを見せた。21番グリッドからスタートし、第1スティント終了時点でトップに立った。マシンを仕上げるエンジニアリングが良く、それにプラスして燃費良く走り続けた結果だ。
 しかし、最後の最後に落とし穴が待っていた。ターン1~ターン2で琢磨がグリップを失ったのは、4位の座を賭けたバトルの中でだった。そして、それは今年のインディー500とまったく同様に最終ラップでの大きな出来事となってた。


「最後は純粋なトップスピード勝負になりましたが、
伸びしろがもう残ってなかった」

Jack Amano(以下――):最終ラップにクラッシュしてしまったのは本当に残念でしたね。

佐藤琢磨:はい。すみません。

――21番スタートからオーバーテイクを重ね、楽しいレースになっていたと思うんですが、どんなクルマになってたんですか?

佐藤琢磨:予選までであまりにもプラクティスが短かかった。1ヵ月前のテストでたくさんの収穫が得られてはいたんですけど、クルマ作りで後手々々に回ってしまっていて、レースに向けての満足の準備っていうものはできなかったんですけど、それでもプラクティスと予選、そして昨日の最後のプラクティスで非常に有用なデータ、感触を得て、そこから今日に向けてかなりまた大きくクルマを変えました。 

 もちろん、それでクルマが良くなると信じてエンジニアと一緒にやったんですけど、実際に走ってみないとマシンが良くなっているかはわからないっていうのが正直なところですよね。それでスタートをして、今日もまた暑いコンディションで、まだ陽がある中で結構クルマがスタビリティを持っていたので、思い切って攻めることができたし、それによって順位をひとつずつ上げることができたのはすごい良かったと思います。

 一番心配していたのは、陽が落ちて気温が下がってからのクルマの動きでした。それに対しても、何とかレース中に調整をしながら、時々のコンディション、コンディションにうまく合わせられたと思います。そのあたりは非常に良かったですね。
 ただ、最後はどんどん路面のグリップが上がって、全体的にペースが上がって来ると、ちょっとトップスピードが伸び悩んでる感じがあって自分たちは苦しかったのと、あと、最後のふたつのリスタートではボルティモアと同じようにエンジンの息付きが始まってしまったんです。今、その原因を調べてもらってますけど、あれによって順位を上げるどころか、大きく下げてしまった点はかなり苦しかったです。

――トップグループに入って行くのが早かった。第1スティントを終えるところでトップに立ちましたよね? 燃費もすごく良かった。スタート直後から本当にクルマが良かったという感じだったんですか?

佐藤琢磨:いや、徐々に良くなって行った。最後は伸びしろがもう残ってなかったというか、最後は本当に純粋なトップスピードの勝負になっていたので。路面もできあがって、路面温度も落ちて、結構色々なラインをみんなが取れるようになってから結構スピード勝負になっちゃって、エドとはかなりやり合ってたし、ガナッシの2台を抜いてタグリアーニと争ってたあたりが僕らとしてはベストの状況でした。あの後に最後のリスタートがあって、リスタートがあって、ちょっとトラブルが出始めて非常に苦しい展開になってしまったって感じです。あと、僕の走り方も、昨日のプラクティスだけでは練習時間が足りなくて、ハイレーンはまったく走れなかったんですけど、それが徐々にできるようになって、ラインをみつけて走っていました。レースを戦う上で、そういうマシンにできていた点は良かったです。

――最後は優勝が難しくなった感じもありながら、3位争いができていましたよね?

佐藤琢磨:そうですね。エンジンの息つきがなければリスタートで2、3位は行けてたと思います。さらに1位まで行けてたかどうかはちょっとわからないですけどね、やっぱり、リスタートでポンポンッと順位をふたつずつぐらい落としてしまって、最後の方は順位を確保するだけという苦しい戦いになっていました。

「赤旗解除でレースが再開された時、
僕のエンジンも息を吹き返していたので
よし、あと5周で上を狙うぞ、と思ってました」

――アクシデントはどのように?

佐藤琢磨:最終ラップで1~2コーナーへと入って行く時、僕とライアン・ハンター-レイサイド・バイ・サイドで、彼が僕の真上にいたんですけど、ふたりともラインをコーナーのエイペックスに向けて降ろして行くところでね、自分のリヤが旧にフラついてスピンしてしまいました。

――最後に赤旗が出て、もう一度リスタートをして、グリーンでゴールを迎えることが目指されましたが、佐藤選手としては、4位であのまま終わるより、チャンスを与えられることを希望してましたか?

佐藤琢磨:ちょっと微妙でした。あの時はもうトラブルが出始めてたから。一端ストップして、またエンジンをかけてっていう戦いができるかどうか、不安があったんですよ。でも、赤旗解除でレースが再開された時、僕のエンジンも息を吹き返していたので、よし、あと5周で上を狙うぞ、と思ってました。


「ものすごく良い経験となったシーズンでした
来年いい形でインディーカーにカムバックできるようオフを過ごしたいです」



――今シーズンはこれで終了ですが、どんなシーズンでしたか?

佐藤琢磨:悔しい、惜しいレースがたくさんあった1年。ただ、その代わり非常にコンペティティブに走れたところがたくさんあった。何度もレースをリードして、何度か表彰台を狙えれるチャンスがあったというところは大きな収穫だと思います。自分自身はようやく表彰台に乗り始めて、残るはもう優勝のみ。今日は、予選を戦った後までは非常に苦しいレースになるかな、とも思ったんですけど、レースは最後までわからないもので、終盤に僕らは良い走りができていました。ものすごく良い経験になったシーズンでした。

――来年については?

佐藤琢磨:シーズンが終わったばっかりですが、今シーズンの本当に良かったところ、悪かったところ、すべての反省点をもう1回見直して、僕自身、また来年のインディーカーで走れるように精一杯の良い形でカムバックできるようにオフを過ごしたいと思います。今年これだけ、何度もトップを奔って、可能性というか、チームと一緒にやって来てポテンシャルを見せられたと思うので、来年こシッカリ結果を残したいと思います。

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