2012年3月10日土曜日

2012 IZODインディーカー・シリーズ 佐藤琢磨コメント2 3月8日セブリング プレシーズンテスト3日目 「開幕戦を見据えた試行錯誤で、ラップタイム以上に満足感を得ることができました。自分自身の準備も今年はいい状態です。チームはまだ生まれたばっかりのような状態ですが、少しずつ追っかけて行きたいです」

3月8日
フロリダ州セブリング
セブリング・インターナショナル・レースウェイショートコース
コースタイプ:クローズドサーキット
全長1.67マイル(=約2.687㎞)


天候:晴れときどき曇り
気温:23~27℃

52秒4111(86周走行) 16台中5位


セブリングテストに臨む佐藤琢磨。マシンのカラーリングもフレッシュな印象だ
Photo:Masahiko Amano\Amano e Associati

いろいろなセットアップをトライしてマシンへの理解度が向上

Jack Amano(以下――) 午後もトラブルがありましたが、ラップタイムは良くなってました。どういうセッションでしたか?

佐藤琢磨: 前回はかなり順調なステップアップをしてった感じがあるので、今回はそういう意味では、確認を含めていろんな方向性のセットアップをやってみたんです。それでクルマへの理解度は少し良くなった感じがする。今回のテストでは、ショートランでセッティングの良し悪しを見極めていってます。最後にトラブルが出て止まっちゃったのは残念でしたけどね。

―― 今日1日でのマシンの仕上がりは?

佐藤琢磨:今日のセットアップは必ずしもこのコースに合った方向性じゃなかった。ストリートコース、セント・ピータースバーグを見据えたトライっていうか試行錯誤をいろいろやってみて、そういう意味では良いデータを残せたと思います。

―― ラップタイムが良くなくても、満足感得られるケースがあるということですね、テストにおいては。

佐藤琢磨:そうですね。

―― コースコンディションはどうでしたか?

佐藤琢磨:風向きが前回の時と結構違ってたんですよ。110何度も違った。完全にリバースじゃないんだけど、結構な違いなので大きな影響を受けてました。あとはタイヤラバーの乗り具合だけれど、これは案外コンシスタントでしたね。1日を通してグリップは安定してました。昨日まで3日間、昨日はインディライツでしたけど、ずっと走り続けていたことで、そういうコンディションが作られたんでしょうね。ただ、ターン8だけはすごく乗りづらかった。色んなゴミが出てたり、ダストがあったり、風向きによってラインが1本しかない状況になっていたりで。前回のテストの時の方があそこは安定してたと思います。

エンジニアは今日が初めて。明日が開幕前最後のテスト

―― エンジニアのジェリー・ヒューズ氏は、今日はどんなことを?

佐藤琢磨:今日の彼は聞き役ですね。まだいろんなことを勉強している最中だから。でも、明日は多分、ジェリーでやるんじゃないかな?

―― ジェリー氏がサーキットに来るのは今回が初めてなんですか?
佐藤琢磨:そう。だって昨日の夜着いたから、ロンドンから。つい最近までバルセロナだったんじゃない?

―― 明日はどういうプログラムを予定してますか?

佐藤琢磨:今日の学んだことから、もう一歩煮詰めてやってくと思います。
―― 明日が開幕前の最後のテストになるということですが……。
佐藤琢磨:はい。なんか、来週結構な台数がバーバーに行くらしいじゃないですか?
―― それに琢磨選手も参加すると思ってましたが……。

佐藤琢磨:それをやると僕らはセント・ピータースバーグに間に合わなくなるらしいんです。

自分自身の準備はこれまでの中でもよい状態

―― 開幕前最後のテストを迎えて、自分の準備の整い具合というのは、過去の2シーズンと比較してどうですか?

佐藤琢磨:僕自身の準備というのはこれまでの中で良いわけだけども、経験も積んだし。だけど、チーム側がまだやっぱり……ノウハウはあるチームだとはいえ、このメンバーでやるのはまだ……生まれたばっかりのような気がする。だから、そういう意味では去年、一昨年に僕が走ったKVレーシングの場合は、そういうところは3台体制ってこともあって、結構整ってた。今の自分たちの場合、例えば今日、ピットストップの練習はできなくて、走行時間終了後に始められたぐらいなんで、少しフラストレーションというか、我慢しなくちゃいけないところはあるかもしれませんね。

―― オーナーであるボビー・レイホールのリーダーシップ、マネージングディレクターに起用されているトム・アンダーソンという体制はどうですか?
ボビー・レイホールとトム・アンダーソン。キャリアも実績も
申し分ない二人がチームを支える
Photo:Jack Amano \ Amano e Assiciati
佐藤琢磨:もう文句なしですね。でも、自分たちの持っている中でベストを尽くさなくちゃいけなくて、幾つか足りないものもあるので、少しずつ追っかけて行くしかないですね。

2012年3月9日金曜日

2012 IZODインディーカー・シリーズ レポート 3月8日 セブリングプレシーズンテスト 3日目「第2グループのテスト初日、ガナッシ勢が第1グループを圧倒するタイムをマーク! 佐藤琢磨は5番手のタイムで好発進」

3月8日
フロリダ州セブリング
セブリング・インターナショナル・レースウェイショートコース
コースタイプ:クローズドサーキット
全長1.67マイル(=約2.687㎞)


天候:晴れときどき曇り
気温:23~27℃


ディクソン、圧倒的なタイムをマーク。フランキッティも続く

 合同テストで今日から第2グループが走り始めた。気温は朝から高くなっていたが、風も強く、コンディションは決して良いとは言えなかった。しかし、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が午前中にいきなり52秒を切るラップタイムをマークした。一昨日まで走っていた第1グループでのトップ、エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)のベスト=52秒1413を0.3481秒も上回る51秒7932を出したのだ。
それでもディクソンは、「このコースにセッティングを合わせ、タイムを出そうとはしていない」と余裕の表情だった。昨日のメディアデイ、コースではインディライツのマシンが走り込みを行っていた。今日の路面のコンディションが、第1グループの走っていた時よりも良くなっていたことは十分に考えられるが、このタイムはライバル勢を驚かせるに十分なインパクトを持っていた。
午後にはダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)がトップタイムをマーク。今日のトップ2はディクソン、フランキッティの順となった。チップ・ガナッシ・レーシングの1-2だ。ある意味、予想されていた事態となったとも言える。


注目のバリケロが3番手タイムをマーク

 3番手にはルーキーのルーベンス・バリケロ(KVレーシング・テクノロジー)が来た。インディーカーでは彼をルーキーとして扱わないこととしたが……。
今日はアンドレッティ・オートスポートのジェイムス・ヒンチクリフ車でアナ・ベアトリスが走行していた。まだ正式な契約は結ばれていないが、ブラジル戦やインディー500への出場を睨んで、双方の陣営として実力チェックを行ったのだ。
ドラゴン・レーシングは女性ルーキーのキャサリン・レッグを走らせた。セバスチャン・ブルデイはサーキットにこそ来ているが、明日走れるかも完全には決定していない。レッグが走行を今日で終える決断がなされれば、ブルデイが走ることが可能になる。彼らはまだエンジンが1台しかデリバリーされていないのだ。


佐藤琢磨、トラブルにもかかわらず走り込みに手応え十分

 佐藤琢磨はセッティングパッドの故障で走行開始は10時過ぎだった。ランチブレイク中にデフの交換作業などがあり、午後の走行開始も2時過ぎと、同じく1時間以上の遅れがあった。さらに、夕方の4時を回ってからクラッチにトラブル発生。琢磨はコースサイドにマシンを停めた。それでも今日だけで彼らは86周を走り込んだ。今日の彼のベストは午後に記録された52秒4111で、16台走行中の5番手だった。
「午前、午後ともにトラブルはありましたが、全体的に見て良い1日にできました」と琢磨の表情は明るかった。新チームでのテストもこれで3回目。もう随分と馴染んでいるようだ。
今日のテストはテクニカルディレクターのジェイ・オコーネルがエンジニアを務めながら進められたが、彼の横にはジェリー・ヒューズの顔があった。06年のスーパー・アグリF1で琢磨の担当エンジニアを務めていた男だ。07年から同チームでテクニカル・ディレクターを務めた彼は、琢磨のまた一緒に戦うこととなったのだ。「今日は多くのセットアップを試せましたし、多くのデータを集めることもできました。マシンに対する理解度をまた一段深めることができたと思います。明日はジェリー・ヒューズがエンジニアをやるかもしれません」とも琢磨は話していた。

2012年3月8日木曜日

2012 IZODインディーカー・シリーズ 佐藤琢磨コメント1 3月7日プレシーズンテスト メディアデイ 「DW12はダウンフォースも高く、ロードのパフォーマンスはとても高いです。今年はシャシーだけでなくエンジンの開発にも携わることができるので、試したことがうまくいくかどうか、そのあたりが今シーズンのレースを面白くすると思います」

 今日、セント・ピータースバーグに佐藤琢磨も姿を現した。明日からのテスト、そして新しいシーズンへの抱負を聞いた。

2回のテストで遂げた進化に確かな手応え

Jack Amano(以下――):新チームでのシーズンが始まりますね。ボビー・レイホールのチームはどうですか?

佐藤琢磨:歴史のあるチームであるとはいえ、完成されたパッケージの中へと飛び込んだんじゃなくて、今回は「チーム再結成」という形です。新しいインディーカーのプロジェクトで、新しいメンバーも加わっています。だから、少し時間はかかるかもしれないけれど、すでに行った2回のテストで大きな進歩を遂げているので、すごく楽しみにしています。

――明日からの合同テスト2日の後、さらにテストを行いますか?

佐藤琢磨:いえ、しないです。

――では、開幕前の最後のテストとなる明日と明後日、何がメインテーマとなるんでしょう?

佐藤琢磨:もちろんクルマを進化させるのはいつもどおりです。いろんなテストプログラムをやらなくてはいけないです。ただ、今はまだ僕らは1台体制なので、テストプログラムでやりたいことの全てを試すことはできません。何を優先して行うべきなのか、慎重に選択を行う必要がありますね。あとは、ピットストップの練習も、まだ1回もできていないので、今回、チーム全体のパフォーマンスアップを果たすべく、やっておくことになります。今回のテストではエンジニアも全員揃うので、そこらへんの流れも大事になってきます。

――エンジニアの話は、おいおい聞いていきます。

佐藤琢磨:はい。

非常に高いニューマシンのロードでのポテンシャル

――今年から始まるエンジン競争はどうですか? 琢磨選手はホンダ・エンジンで走りますが、ライバル勢の実力など、どんな印象をこれまでのところ持っていますか?

佐藤琢磨:前回一緒に走った時には、まだロータスはフルブーストになっていないみたいな話でしたから、多少の差があったようですけど、開幕までには彼らもエンジンを仕上げて来るでしょうね。シボレーとホンダはかなりコンペティティブな争いをテストの時から見せているので、実際にレースで戦うのが楽しみですね。

――新シャシーはどうでしょう? DW12はロードレースでの使用を十分に考慮して設計されたもの
ですが、フィーリング、ポテンシャルなどはどんな印象ですか?

佐藤琢磨:オーバルはまだ走ってないんですけど、ロードでのパフォーマンスは去年のクルマよりずっと高いところにあります。ダウンフォースも高いし。でも、色々な方向性を見ていくとウィンドウっていうか、コンペティティブなラップタイムを出せる幅っていうのは意外と狭そうです。

――旧型マシンより走らせていて楽しいですか?

佐藤琢磨:やっぱり、ラップタイムが良くない時は楽しくないですね。でも、色々な部分で進化を遂げているし、特にブレーキはカーボンになって、今まではカーボンはオーバルでだけ使ってたんだけど、今年からはロードでも使えます。ロードでこそカーボンブレーキは真価を発揮するので、安定したブレーキパワーが得られることは、レースでも良い効果を表すことと思います。クルマのフィーリング自体は、去年までのものとそんなにかけ離れてはいないんですよ。同じようなカンジはある。やっぱり、それは重さから来ているんだと思うけど……。ただ、今年からはターボエンジンなので、パワーの出方とかは全然違っていて、そのあたりがレースの鍵を握ることになるかもしれない。

エンジン競争のカギとなりそうな3つのブーストレベル

――コースのよって異なるブーストレベルが設定されるルールになるということですね? そうすると、コースによってエンジンのフィールなども変って来るということですか?

佐藤琢磨:ブーストレベルの違いは、スーパースピードウェイ、それ以外のオーバル、ロード&ストリートに分けられるのですが、確かに、エンジンメーカーによってブーストレベルの違いが多少のパフォーマンスの違いとなって現れることは考えられますよね。ひとつのメーカーのエンジンが、三つあるブーストレベルのひとつかふたつに特性が合ったり合わなかったり……ということは出てくるかもしれない。そのあたりは、逆に競争がおもしろくなるところ。ドライバーやチームにとっては、ブーストレベルが三つ存在することがそんなに大きな違いになはらないですね。

エンジンを進歩させようというユーザーチームの結束が頼もしい

――今年からシャシーのセッティングに関してだけでなく、エンジンのパフォーマンスに関しても注文を出すことができます。今までのインディーカーとは違ったレースになりますね。

佐藤琢磨:そうですね。そのあたりは、各メーカーごとにユーザーチームが力を結束して、とにかく進歩させようって動きがあります。それはすごく頼もしい。エンジンに関しては、自分たちだけじゃなくて他のチームからのインプットなどもあって、テスト毎に良くなっていることを感じられてます。僕らの場合、前回のテスト2回は連続していたので、エンジンは同じ物を使ってやりましたけど、マッピングを変えたりはしました。12月にマニュファクチャラーテストをやらしてもらった時には、新しいマクラーレン製の共通ECUを使っていかにパフォーマンスを上げるかということをやったんですが、その開発みたいのは楽しかったですね。

――エンジンの開発なども重要な要素なって関わって来る今年からの戦いでは、F1でマシン開発に携わった経験が有利に働くのでは?

佐藤琢磨:どうなんだろう? わからないけれど、でも、チームを含めて新しいアイディアとか、試したことがうまく行ったり行かなかったりはあると思うので、そのあたりがレースを面白くして行くんだろうと期待しています。

2012年IZODインディーカー・シリーズレポート プレシーズンテストメディアデイ 「KVレーシング・テクノロジーに新スポンサー」

電子機器メーカーのマウザー、今季メインスポンサーも4戦予定

 正午前、コース内シアタービルディングで会見が行われ、KVレーシング・テクノロジーにマウザー・エレクトロニクス(半導体を始めとする電子部品のメーカー)が新たなスポンサーとして加わると発表された。
 マウザーは昨年、サム・シュミット・モータースポーツのサポートをしていたが、参戦規模を大きくし、同時にチームをKVレーシングにスイッチした。
 2004年チャンピオンで、昨年からKVレーシングで走っているトニー・カナーンのマシンは、今年からカーナンバーが11に変わる。彼がアンドレッティ・オートスポートで使っていた親しみあるナンバーだ。そのマシンのメインスポンサーは、保険会社のガイコだと言われて来たが、そこに今回、マウザーが新たに加わった。
 しかも、マウザーはアソシエイトスポンサーとしてではなく、ロングビーチ、テキサス、インフィネオン、青島の4戦でメインスポンサーを務める。そして、インディ500ではガイコと共に11号車のメインスポンサーになる。今日の会見ではカナーンが着用するレーシングスーツ、およびマウザーがメインスポンサーで走るマシンのカラーリングも明らかにされた。