得意のミド‐オハイオで有意義なデータを収集
佐藤琢磨とレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは、7月26日(木)にオハイオ州コロンバス郊外レキシントンのミド‐オハイオ・スポーツ・カー・コースでテストを行った。この日、同コースには24台ものインディーカーが終結した。カナダ遠征を終えたばかりだが、短いインターバルを利用してテストを行わねば、インディーカー・シリーズの激しいバトルを戦うことは難しいのだ。
大雨によってテストは予定より1時間半早く終了となったテストだったが、そこまでに琢磨は全長2.258マイルの常設ロードコースサーキットを53周に渡って走行し、有意義なデータ収集を行えた。
午前中に35周し、ランチの後に18周を走行。午後3時頃に大雨はやって来た。平坦な地形が続くアメリカの中西部地方では、天気の変化は大きく、そして速いのだ。
1周に13個のコーナーを持つミド‐オハイオ・スポーツ・カー・コースは、琢磨が好きで、得意としているコースのひとつだ。琢磨は過去2回ミド‐オハイオでレースを戦っているが、去年の4位が、今年のブラジルでの3位フィニッシュを飾る前までの彼のベストリザルトだった。スタート・ポジションは9位だったが、そこから表彰台まであと一歩の4位まで順位を上げたレースだった。現在の琢磨のベストリザルトは、先週のエドモントンでの2位である。
2010年のミド‐オハイオ、琢磨は予選で3位という好成績を残している。レースではピットでの後れを挽回しようとスコット・ディクソンにアタックしてコースアウト。25位となったが……。
「すでに昨年の予選タイムを上回っています。マシンは速いです」と琢磨
シーズンが開幕して以来初のプライベートテストを行った琢磨とレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは、「天候によって短縮されたとはいえ、とても良いテストとなりました。ギヤ・レシオ、ライド・ハイトなどなど、レース・ウィークエンドの最初のプラクティスで確認すべき多くの要素をチェックできたのは良かった。そして、それらをすべて朝のプラクティスでこなし、その後には実際のマシンセッティングに取りかかったのですが、これが非常におもしろかった。マシンにひとつひとつ変更を加え、それをチェックする作業はとても楽しいものとなりました。変更をする度にマシンが良くなって行くのを感じ取ることができたからです。価値あるデータを収集できていると感じることができ、とても実りの多い1日となりました。まだまだテストしたい項目はたくさんあり、雨で走行が短縮されてしまったことは本当に残念でした。それでも、チームがワークショップに戻って今日得られたデータを解析することで、来週のレースに向けては良い準備が行えること間違いなしです」と語った。
今年の新車については、「今回はDW12をミド‐オハイオで初めて走らせましたが、すでに去年の予選タイムを上回っています。マシンは速いということです。マシンには去年までのものより少し大きなダウンフォースがありますね。マシン間には性格の異なる部分がありますが、それはこれまでのレスースでも感じて来た通りです。レースウィークエンドは走行時間が少ないため、本当なら試したい多くのセッティングを行えません。それだけに、今日の走行が雨で短くなったのはとても残念。もっともっと色々と試せるチャンスだっただけに。でも、天気ばかりは僕らは何もできませんからね」とコメントした。
レースウィークエンドに向け確固たるプラットフォームはできた
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのテクニカル・ディレクターであるジェイ・オコーネルは、「今日のテストでは大きな進歩を遂げ、来週のレースに向けて良い準備できたと思う。ギヤリングと車、サスペンションのスプリングレートとジオメトリーの土台となる部分を絞り込めたことは大きい。レースウィークエンドに向け、確固たるプラットフォームを作り上げることができたということだ。ベストは1分07秒44だったが、フルスティントを走ったタイヤで記録されたものだった。つまり、我々のマシンは、第2戦アラバマでの時よりもロング・ランでも安定した速さを発揮できるようになっているということだ」と話し、
プッシュ・トゥ・パスに関しては、「まだミド‐オハイオでのレースにどれだけの秒数が我々に与えられるかが不明だが、そのためのギヤリングのチェックも今回行ってある。ミド‐オハイオはオーバーテイクが難しいコースだ。アタックのチャンスとなる場所が1ラップの中に少ないし、前を行くマシンに接近することも容易ではない。プッシュ・トゥ・パスがその手助けになるのは間違いないだろう。ただ、プッシュ・トゥ・パスはオーバーテイクのチャンスを生み出すものでありながら、前を走るマシンも持っているので、防御的に使う事が可能でもある。F1のドラッグ・リダクション・システムでは、前を行くマシンは何もできない。効果を得られるのは後方を走るマシンだけで、後方を走るマシンにチャンスが与えられている。インディーカーでもあのシステムが導入されれば、もっとレースはエキサイティングになるだろう。
*プライベート・テストのため、各チームのラップ・タイムは公表されていません。
2012年7月28日土曜日
2012年7月25日水曜日
ジャック・アマノのINDYCARレポート メールマガジン・プレミアム:佐藤琢磨ロング・インタビュー エドモントンで自己ベスト更新の2位フィニッシュ
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Photo:Masahiko Amano\Amano e Assiociati |
佐藤琢磨:うーん、嬉しいのと悔しいのと、両方がありますね。初めての表彰台だったブラジルの時とは、やっぱりちょっと違うかな? ブラジルの時は最後尾スタートで、予選も走ってない状況で、クルマがどうなっているのかもよくわかってなかった。そこから追い上げてったレースで表彰台に上った。あの時は嬉しさとか安堵感とかが爆発するみたいな喜びでしたね。それが今日の場合は、すごくソリッドなレースを戦えていました。ただ、全力出し切って、引き離されての2位だったら仕方がないんだけれども、やっぱり、トップ争いを本当にしてて、何人かリーダーが入れ替わる中で常にそこで自分が戦えていたっていうのはすごくポジティブだけど、そこにいたからこそ2位の悔しさみたいなのがドライバーとしてはありますね。
――スタートから振り返って下さい。ターン1に到達する前に、アレックス・タグリアーニが完全に前に出てましたね?
佐藤琢磨:ちょっとスタートが予想外でね、みんなの加速が早かったんですよ。加速区間より随分前から加速が始まってた。自分もいつも通りにスタートは狙ってたんですけどね。タグはすごく良いロケットスタートをして、みんな抜いてっちゃうぐらいの勢いでした。僕はそれによって4番手に落ちたんだけど、次のヘアピンのターン5でライアン・ブリスコーを抜いて3位に上がれた。意地でも3番手には這い上がろうと思ってましたから、前の景色は変わったんだけど、3番手に戻れたのは良かったですね。
――今回はフレッシュレッドを2セット持っているということで、スタートはレッドでしたね?
佐藤琢磨:今日は追い上げて行くレースではなく、シッカリとしたペースで走る必要があると思ったので、レッド~ブラック~レッドというオーソドックスな戦略にしました。逆に、オーソドックスでない、勝負に出る作戦で行く必要がない状況だったと思います。
――1周目に順位が固まって、こう着状態に入りましたね。
佐藤琢磨:みんなフューエル・セービングでした。とても燃費が厳しい状況だったので。イエローが入ればまた状況は変わったんだけど、燃費を考えてみんなのペースが落ち着いてました。その中で離されず、しっかり燃料セーブしながら前を行く2台に追いついて行けていたのは良かったと思います。どこかの時点でイエローフラッグが入れば大分状況は変わったかもしれない。そうなっていたら、もうちょっと攻めて行くこともできました。チャンスがあれば抜くっていう展開になっていたけど、そこまでには至りませんでしたね。後ろも少し離れていたし、チャンスを伺いながらもシッカリとペースを守るスティントになっていました。
――そうこうしているうちに4番手に浮上して来たエリオ・カストロネベスがすぐ後ろまで来て、1回目のピットストップの後で先行をされてしまいました。レッドを履いた彼は、宅間選手だけでなく、フランキッティもパスして2位にまで浮上しました。
佐藤琢磨:そう。自分たちもベストを尽くしたんですけど、やっぱりペンスキーのピットストップが速かったのと、ピットアウトした時にあっちはレッドを履いてたので抜かれちゃいまいたね。それでまた4番手に順位が下がった。ここで僕らはブラックにスイッチしていて、ダリオ・フランキッティも同じ作戦で、彼との熾烈なバトルになりました。
ジャック・アマノのINDYCARレポート メールマガジンプレミアムでは、本インタビューの全文をメルマガ配信しています。
優勝のカストロネベスはブラックタイヤでスタート 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング=RLL)が、エドモントンでの第11戦で自己ベストとなる2位フィニッシュを記録した。今年2回目の表彰台だ。そして、今日のレースでの彼の戦いぶりは、まさしく優勝まであと一歩というものだった。
しかし、2位と1位の間にある差は、3位と2位の間にあるものより遥かに大きい。エドモントンでの第11戦は、それを痛感させられるレースともなっていた。5番手スタートで優勝したエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)と、2位フィニッシュだった琢磨、両陣営の差は、例えばタイヤマネジメントに現れていた。
今回のレースは非常に稀なケースで、予選の第2セグメントがウェットコンディションとなって、多くのトップコンテンダーたちがフレッシュレッドを2セット持って決勝スタートを迎えていた。普段通りに3セグメントがフルにドライで争われていたら、セグメント1敗退の後方グリッド組はフレッシュレッドを2セット有しているものの、それ以外のドライバーたちは決勝で使えるフレッシュレッドは1セットのみとなる。
予選でトップ6に食い込んで上位グリッドから戦うレースを豊富に経験して来ているペンスキーと、今回がロードコースでのトップ6入りが初めてだったRLL、その差がエドモントンでは出ていた。
経験値の少ないRLLにとって、正攻法のレッドスタートは誤りではない
ブラックでのスタートが正解。それは結果論だ。今回の場合、ペンスキーは様々な経験を踏まえてブラックでスタートする作戦を選んだ。近頃は脱セオリーで、ブラックスタートに勝機を見出そうとするチームが増えている。実際、今回のレースではブラック装着でスタートしたチームの方が明らかに多かったほどなのだ。以前なら、ある程度中団に埋もれている、あるいは後方グリッドからスタートするチームがブラックスタートを選ぶパターンだったが、トロントで6番手スタートからライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が優勝したように、近頃では上位グリッドでも敢えてライバルたちと異なる作戦を選ぶケースが出て来ているのだ。
RLLはといえば、レッドでスタートして上位のポジションを保ち、順位の安定する中盤はブラックで戦い、勝負どころとなる可能性の高い終盤はまたレッドで……というオーソドックスな戦い方を採用していた。ドライバー、チームともども上位スタートの経験値の少ない彼らとすれば、まずはセオリー通りに戦い、データやノウハウをチーム内に蓄積させる必要があるからだ。
3年連続、合計4度のタイトル獲得経験を誇るダリオ・フランキッティを擁するチップ・ガナッシ・レーシングでさえ、今日のレースをポールからスタートするにあたり、レッドでのスタートを選んでいた。オーソドックスな作戦とは、つまりは理論的に正しい作戦だからだ。そして、彼らや琢磨陣営のようにオーソドックスな作戦を多くのチームが採用するからこそ、奇襲的に異なる作戦を選ぶチームが現われるのだ。
ピット作業でもアドバンテージがあったペンスキー
ペンスキーは3カー体制を活かし、フロント・ロー・スタートのライアン・ブリスコーにはセオリー通り、つまり琢磨と同様のレッドスタートをさせ、5番手スタートだったエリオと、17番手スタートだったウィル・パワーのふたりにはブラックスタートを選択させた。5番手という上位スタートのエリオにブラックを履かせた大胆さが今回は見事に当たったということだ。
その一方でRLLは1カー体制で戦っており、作戦を分散させることは不可能。経験の量からしても、今回はオーソドックスな作戦を選ぶのが当然だった。そして、同じ作戦を選んだチーム群の中で、琢磨とRLLは最良の結果を手に入れた。
作戦以外でも、ペンスキーは確実かつ迅速なピットストップでRLLよりも優位にあった。エドモントンでは2回のピット・ストップが両方ともグリーン下で行われていた。小さなタイム差が如実にコース上での差に繋がる状況だったのだ。RLLもこのオフに作り上げたチームとしてはピット・ストップのクォリティーは高く、今回もミスはなかった。しかし、カストロネベスが1回目のピットストップで琢磨の前に出て、2回目のピットではタグリアーニの前に出た。それは彼らのピット作業の速さによってだっただろう。
2位という経験が、RLL優勝へのジャンピングボートに
ジャスティン・ウィルソンとデイル・コイン・レーシングがテキサスで勝利したように、ペンスキーやガナッシといえども倒せない相手ではない。今、インディーカー・シリーズの競争は益々激しく、ハイクォリティになっている。ほんの小さなアドバンテージが優勝をもたらし、ごく小さな不利によって勝利から遠ざかってしまう。今回、琢磨とRLLはひとつ大きな経験を彼らの中に積み上げた。今後は作戦にも今まで以上の幅が生まれ、より広く、深く様々な要素を検討した上でレースの戦い方が選ばれて行くようになるだろう。それは彼らが、また一歩チームとしてのレベルを上げるということだ。残る4戦のうち、3レースの行われるコース(ミッド・オハイオ、ソノマ、フォンタナ)で事前テストを行うことにもなったRLL。彼らのシーズン終盤戦の戦いぶりが非常に楽しみだ。
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佐藤琢磨の2位フィニッシュは自己ベスト更新、歴代日本人の最上位タイ そして、1シーズン複数回表彰台は日本人として初の快挙だ Photo:Masahiko Amano\Amano e Associati |
しかし、2位と1位の間にある差は、3位と2位の間にあるものより遥かに大きい。エドモントンでの第11戦は、それを痛感させられるレースともなっていた。5番手スタートで優勝したエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)と、2位フィニッシュだった琢磨、両陣営の差は、例えばタイヤマネジメントに現れていた。
今回のレースは非常に稀なケースで、予選の第2セグメントがウェットコンディションとなって、多くのトップコンテンダーたちがフレッシュレッドを2セット持って決勝スタートを迎えていた。普段通りに3セグメントがフルにドライで争われていたら、セグメント1敗退の後方グリッド組はフレッシュレッドを2セット有しているものの、それ以外のドライバーたちは決勝で使えるフレッシュレッドは1セットのみとなる。
予選でトップ6に食い込んで上位グリッドから戦うレースを豊富に経験して来ているペンスキーと、今回がロードコースでのトップ6入りが初めてだったRLL、その差がエドモントンでは出ていた。
経験値の少ないRLLにとって、正攻法のレッドスタートは誤りではない
ブラックでのスタートが正解。それは結果論だ。今回の場合、ペンスキーは様々な経験を踏まえてブラックでスタートする作戦を選んだ。近頃は脱セオリーで、ブラックスタートに勝機を見出そうとするチームが増えている。実際、今回のレースではブラック装着でスタートしたチームの方が明らかに多かったほどなのだ。以前なら、ある程度中団に埋もれている、あるいは後方グリッドからスタートするチームがブラックスタートを選ぶパターンだったが、トロントで6番手スタートからライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が優勝したように、近頃では上位グリッドでも敢えてライバルたちと異なる作戦を選ぶケースが出て来ているのだ。
RLLはといえば、レッドでスタートして上位のポジションを保ち、順位の安定する中盤はブラックで戦い、勝負どころとなる可能性の高い終盤はまたレッドで……というオーソドックスな戦い方を採用していた。ドライバー、チームともども上位スタートの経験値の少ない彼らとすれば、まずはセオリー通りに戦い、データやノウハウをチーム内に蓄積させる必要があるからだ。
3年連続、合計4度のタイトル獲得経験を誇るダリオ・フランキッティを擁するチップ・ガナッシ・レーシングでさえ、今日のレースをポールからスタートするにあたり、レッドでのスタートを選んでいた。オーソドックスな作戦とは、つまりは理論的に正しい作戦だからだ。そして、彼らや琢磨陣営のようにオーソドックスな作戦を多くのチームが採用するからこそ、奇襲的に異なる作戦を選ぶチームが現われるのだ。
ピット作業でもアドバンテージがあったペンスキー
ペンスキーは3カー体制を活かし、フロント・ロー・スタートのライアン・ブリスコーにはセオリー通り、つまり琢磨と同様のレッドスタートをさせ、5番手スタートだったエリオと、17番手スタートだったウィル・パワーのふたりにはブラックスタートを選択させた。5番手という上位スタートのエリオにブラックを履かせた大胆さが今回は見事に当たったということだ。
その一方でRLLは1カー体制で戦っており、作戦を分散させることは不可能。経験の量からしても、今回はオーソドックスな作戦を選ぶのが当然だった。そして、同じ作戦を選んだチーム群の中で、琢磨とRLLは最良の結果を手に入れた。
作戦以外でも、ペンスキーは確実かつ迅速なピットストップでRLLよりも優位にあった。エドモントンでは2回のピット・ストップが両方ともグリーン下で行われていた。小さなタイム差が如実にコース上での差に繋がる状況だったのだ。RLLもこのオフに作り上げたチームとしてはピット・ストップのクォリティーは高く、今回もミスはなかった。しかし、カストロネベスが1回目のピットストップで琢磨の前に出て、2回目のピットではタグリアーニの前に出た。それは彼らのピット作業の速さによってだっただろう。
2位という経験が、RLL優勝へのジャンピングボートに
ジャスティン・ウィルソンとデイル・コイン・レーシングがテキサスで勝利したように、ペンスキーやガナッシといえども倒せない相手ではない。今、インディーカー・シリーズの競争は益々激しく、ハイクォリティになっている。ほんの小さなアドバンテージが優勝をもたらし、ごく小さな不利によって勝利から遠ざかってしまう。今回、琢磨とRLLはひとつ大きな経験を彼らの中に積み上げた。今後は作戦にも今まで以上の幅が生まれ、より広く、深く様々な要素を検討した上でレースの戦い方が選ばれて行くようになるだろう。それは彼らが、また一歩チームとしてのレベルを上げるということだ。残る4戦のうち、3レースの行われるコース(ミッド・オハイオ、ソノマ、フォンタナ)で事前テストを行うことにもなったRLL。彼らのシーズン終盤戦の戦いぶりが非常に楽しみだ。
2012年7月23日月曜日
2012 INDYCAR レポート R11 エドモントン・インディー 決勝:自己最高位!佐藤琢磨、2位フィニッシュ!! カストロネベスと最後まで一騎討ち
ブラックでスタートしたカストロネベスがレース後半トップに浮上
アレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポート)が母国カナダのファンの前で見事なスタートダッシュを見せ、ポールスタートだったダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)さえパスしてトップを突っ走った。しかし、彼は予選でレッドを2セット投入しており、ファイナルスティントはユーズドレッドで戦うしかなかった。この差は非常に明快で、2セット目のフレッシュレッドを持っていたライバルたちに次々と先行されて5位フィニッシュが精一杯となった。
そんなタグリアーニをレースの後半に入ってからパス、トップを走ったのがエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)だった。ブラックタイヤでスタートし、26周目に行った1回目のピットストップでフレッシュレッドを装着した彼は、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)とフランキッティをパスして見せた。
ブラックで走った最初のスティント、カストロネベスはフレッシュレッドを履くチームメイトのライアン・ブリスコーとのバトルで勝利し、4位を走行。燃費セーブも重要だった26周でトップ3に追いついてピットタイミングを迎えた。このパフォーマンスが大きくものを言った。
スピード的に不利なブラックで、レッド装着ライバルたちと結果的に同等のスピードを示した。それが今日のカストロネベスだった。
2回目の、そしてこの日最後のピットストップは51周目だった。ライバル勢より1周早いタイミングだったが、1周後に他のトップグループがピットストップを行い、彼らがコースへと戻ってみると、トップの座はカストロネベスのものとなっていた。
そのカストロネベスに襲いかかる佐藤琢磨
20周あまり一進一退の攻防に 琢磨はタグリアーニをピットアウトから2周目の55周目にパスした。フレッシュレッドを装着した彼は、ユーズドレッドのタグリアーニとの勝負を、お互いにまだタイヤの内圧が安定しないタイミングを選び、見事に成功させた。
パスを成功させ、2位へと浮上した琢磨だったが、すでにカストロネベスはリードを2秒以上へと広げていた。
そして、ここから琢磨が目覚ましいアタックを開始した。
ハイペースでの連続ラップは、予選アタックのようだった。75周のレースが61周目を迎えた時、ついに琢磨はカストロネベスのリヤに食らいついた。二人の差はコンマ4秒しかなくなった。
このバトルで彼らは3位以下を遠く引き離した。彼ら2人のスピードは突出しており、優勝争いは完全に彼らだけに絞り込まれた。
キャリア26勝利のカストロネベスと、初勝利を目指す琢磨、ふたりの一騎打ちはゴールまでの20周に渡って続けられた。
琢磨はブレーキングが安定しており、一気に差を縮める。しかし、コーナーの中、あるいは立ち上がりではカストロベベスに分があり、差を広げられてしまう。その繰り返しだったが、琢磨はハードに攻め続けた。
どちらのドライバーもミスを冒さず、軍配はカストロネベスに上がった。今季2勝目、キャリア27勝目を彼は記録した。3度も2位フィニッシュして来たエドモントンで、ついに念願の勝利を手に入れたのだ。
琢磨は初優勝に0.8367秒届かず、2位となった。しかし、キャリアベストだったブラジルでの3位を上回った。08年のアイオワで武藤英紀が記録した日本人ドライバー最高位フィニッシュに並ぶ2位フィニッシュだ。
「タクマとの戦いは非常に激しかった」とカストロネベス
勝者カストロネベスは、「ブラックでスタートするという作戦がまず正解だった。みんなより1周早いタイミングでのピットは、ちょっと心配だった。しかし、チームの作戦はどれも正しかった。終盤の琢磨のアタックは非常に激しかったが、最終的に僕らは勝利を納めることができた。長年インディーカーで走って来た経験を活かして戦っていた」とカストロネベスは語った。
琢磨は気迫に満ちたアタックを続けた。実に見応えある二人の戦いぶりだった。カストロネベス攻略はならず、2位となった琢磨だが、今日のレースでまた一段、インディーカー・ドライバーとして大きなステップを上がったように見えた。次に巡って来るチャンスで、琢磨はより力強い戦いぶりを見せてくれるだろう。
3位でゴールしたのはパワーだった。17番手スタートで表彰台へ。カストロネベスと同様のブラックタイヤスタートを見事に好結果に結びつける戦いぶりだった。「イエローの出なかったレースで17位スタートから3位フィニッシュできたら、何も言うことはない。もちろん、タクマとエリオのバトルに絡んで行けたら最高だった。二人が激しく戦っているのは見えていた。しかし、そこに加わって行くことは不可能だった」と彼は語った。
4位はグレアム・レイホール(チップ・ガナッシ・レーシング)、5位はタグリアーニのものとなった。フランキッティは6位で、11位スタートだったポイント・リーダーのライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は7位でのゴールとなった。
アレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポート)が母国カナダのファンの前で見事なスタートダッシュを見せ、ポールスタートだったダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)さえパスしてトップを突っ走った。しかし、彼は予選でレッドを2セット投入しており、ファイナルスティントはユーズドレッドで戦うしかなかった。この差は非常に明快で、2セット目のフレッシュレッドを持っていたライバルたちに次々と先行されて5位フィニッシュが精一杯となった。
そんなタグリアーニをレースの後半に入ってからパス、トップを走ったのがエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)だった。ブラックタイヤでスタートし、26周目に行った1回目のピットストップでフレッシュレッドを装着した彼は、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)とフランキッティをパスして見せた。
ブラックで走った最初のスティント、カストロネベスはフレッシュレッドを履くチームメイトのライアン・ブリスコーとのバトルで勝利し、4位を走行。燃費セーブも重要だった26周でトップ3に追いついてピットタイミングを迎えた。このパフォーマンスが大きくものを言った。
スピード的に不利なブラックで、レッド装着ライバルたちと結果的に同等のスピードを示した。それが今日のカストロネベスだった。
2回目の、そしてこの日最後のピットストップは51周目だった。ライバル勢より1周早いタイミングだったが、1周後に他のトップグループがピットストップを行い、彼らがコースへと戻ってみると、トップの座はカストロネベスのものとなっていた。
そのカストロネベスに襲いかかる佐藤琢磨
20周あまり一進一退の攻防に 琢磨はタグリアーニをピットアウトから2周目の55周目にパスした。フレッシュレッドを装着した彼は、ユーズドレッドのタグリアーニとの勝負を、お互いにまだタイヤの内圧が安定しないタイミングを選び、見事に成功させた。
パスを成功させ、2位へと浮上した琢磨だったが、すでにカストロネベスはリードを2秒以上へと広げていた。
そして、ここから琢磨が目覚ましいアタックを開始した。
ハイペースでの連続ラップは、予選アタックのようだった。75周のレースが61周目を迎えた時、ついに琢磨はカストロネベスのリヤに食らいついた。二人の差はコンマ4秒しかなくなった。
このバトルで彼らは3位以下を遠く引き離した。彼ら2人のスピードは突出しており、優勝争いは完全に彼らだけに絞り込まれた。
キャリア26勝利のカストロネベスと、初勝利を目指す琢磨、ふたりの一騎打ちはゴールまでの20周に渡って続けられた。
琢磨はブレーキングが安定しており、一気に差を縮める。しかし、コーナーの中、あるいは立ち上がりではカストロベベスに分があり、差を広げられてしまう。その繰り返しだったが、琢磨はハードに攻め続けた。
どちらのドライバーもミスを冒さず、軍配はカストロネベスに上がった。今季2勝目、キャリア27勝目を彼は記録した。3度も2位フィニッシュして来たエドモントンで、ついに念願の勝利を手に入れたのだ。
琢磨は初優勝に0.8367秒届かず、2位となった。しかし、キャリアベストだったブラジルでの3位を上回った。08年のアイオワで武藤英紀が記録した日本人ドライバー最高位フィニッシュに並ぶ2位フィニッシュだ。
「タクマとの戦いは非常に激しかった」とカストロネベス
勝者カストロネベスは、「ブラックでスタートするという作戦がまず正解だった。みんなより1周早いタイミングでのピットは、ちょっと心配だった。しかし、チームの作戦はどれも正しかった。終盤の琢磨のアタックは非常に激しかったが、最終的に僕らは勝利を納めることができた。長年インディーカーで走って来た経験を活かして戦っていた」とカストロネベスは語った。
琢磨は気迫に満ちたアタックを続けた。実に見応えある二人の戦いぶりだった。カストロネベス攻略はならず、2位となった琢磨だが、今日のレースでまた一段、インディーカー・ドライバーとして大きなステップを上がったように見えた。次に巡って来るチャンスで、琢磨はより力強い戦いぶりを見せてくれるだろう。
3位でゴールしたのはパワーだった。17番手スタートで表彰台へ。カストロネベスと同様のブラックタイヤスタートを見事に好結果に結びつける戦いぶりだった。「イエローの出なかったレースで17位スタートから3位フィニッシュできたら、何も言うことはない。もちろん、タクマとエリオのバトルに絡んで行けたら最高だった。二人が激しく戦っているのは見えていた。しかし、そこに加わって行くことは不可能だった」と彼は語った。
4位はグレアム・レイホール(チップ・ガナッシ・レーシング)、5位はタグリアーニのものとなった。フランキッティは6位で、11位スタートだったポイント・リーダーのライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は7位でのゴールとなった。
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