2015年3月18日水曜日

2015 INDYCAR 佐藤琢磨コメント2 バーバー・オープン・テスト 2日目終了:「2カーの恩恵を[すごく感じたテストでした。今日の最後に7番手のタイムを出せて、総合でトップ10入りできたのは非常にうれしいですね」

バーバー・オープン・テスト最終日の午後、字間ギリギリでマシンをまとめ上げることに成功 ニューエアロキットへの手ごたえをつかむ Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大

プラクティス3では依然として苦戦。
しかし、最終プラクティスで7番時計!

Jack Amano(以下――):2日間お疲れさまでした。今日の最後の方で好タイムがババッと出ましたね。

佐藤琢磨:そうでしたね、ようやく……で。それまでは下準備というか、いろいろなデータを集めて来てたんですが、それらをなかなかうまく使いこなせなくて、正直ちょっとヘコミ始めてたんですよ。今日の朝、スピードが上がるだろうと思ってたのにまったくダメで、お昼ぐらいまで非常に苦しかったんです。それでも、色々とデータを収集して来て、現状の問題点を治すのと同時に、先週のNOLA(ニュー・オリンズのコース)とこことで集めて来たデータをエンジニアたちが、”次はこうしてみようか?”ってなって、大分メニューとしてでき上がって来て、それを試してみたら、“あぁ、こういうことなのか”って感じで理解が深まったようでした。オールド・タイヤでも非常にいいパフォーマンスが出始めて、フィーリングも良くなって来て、ニュー・タイヤを着けて一気にタイムが上がったのはヤッパリうれしかったですね。


「NORAも含めて3日間のテストで
本当にいろんなことを吸収できました」
――そこで更にもう1セット、フレッシュ・タイヤを投入しましたね?

佐藤琢磨:はい。アレでほぼ同じタイムが出ましたね。コースが多少良くなっていたので相対的に見れば速くはなってなかったかもしれないんですけど、幾つか確認したいことがあって、ニュー・タイヤ同士でバック・トゥ・バックのテストができる機会なんてあまりないですから、それを試しに行きました。速くはなんなかったけれど、非常に有意義なデータが採れたんじゃないかなって思います。

――最初は周回数が少なめなんじゃないかなって感じられたテストでしたけど、最終的にフレッシュ・タイヤを連続投入するようなテストもできた。まずまずの成果が得られたテストにできたっていうところでしょうか?

佐藤琢磨:そうですね。ニュー・オリンズが正直言ってシェイクダウンみたいな形で終ってしまって、不完全燃焼だった。バーバーに来てからは、知っているコースなんだからもうちょっと行けるかなって思ってたのに全然ダメで、今日の昼ぐらいまで苦労をしてました。それが最後にね、NOLAでのテストも含めた3日間は非常に好い新車のテストになったと思います。本当に色んなことを吸収できました。

――まだ開幕前にもう一度テストをしますよね?

佐藤琢磨:来週は開幕ですけども、来週のアタマにセブリングでもう1回、今度はストリート・コース用のテストをします。そこでまたもう一度、マシン・セットアップを良い状態にして開幕に臨みたいです。

――テストは何日間ですか?

佐藤琢磨:2日間です。

――バーバーでの2日間ではロング・ランはやらなかったんですよね?

佐藤琢磨:やってないですね。タイヤの耐久性に関しては、色々とやりながらもチェックを常にしていました。タイヤは6セットと数が非常に限られていたので、1回ロング・ランをやっちゃうと、そのセットが完全に終っちゃうので、やりませんでした。次のセブリングのテストでやるか、ブッツケ本番になるか……どうでしょうね。僕らはタイヤを1セットずつ、それぞれが走れる距離を、何回かに分けてではありますけど、走り切っています。連続ランができてないけれど、その点は大丈夫だと思います。

「ダウンフォースの出方がピーキーで
マシンのスイートスポットが小さくなっています」
――レッド・タイヤでのエアロ・キット装着マシンはどうなるんでしょうね?

佐藤琢磨:わからない。そればっかりは走ってみないとわからないですね。新しいエアロ・パッケージになったことで、非常にマシンはセンシティブになりました。昨年までのマシンはどっちかって言うと空力効率の高い方のクルマではなかったので、メカニカル・グリップに頼った走り、足回りを積極的に使うセットアップになっていたんですけど、今回のレギュレーションでエアロキットを着けることになって大幅にダウンフォースが上がったので、インディカーのオフィシャルがディフューザーのサイド・ウォールを取っ払ってしまい、3分1のダウンフォースがなくなったんです。それでも、結局大きなダウンフォースが発生させられることになったワケだけど、その出方っていうのが去年までとは比べものにならないぐらいピーキーで、それを狭い領域でうまく使うには相当クルマを、プラットフォームを安定させなきゃいけない。それが難しかったですね。今回のようにテストをやって、少しずつ少しずつ煮詰めて行くっていうのができる時は非常にいいところまでマシンを仕上げて行くことができますけど、スイート・スポットが小さくなってる分だけレース、あるいはレッド・タイヤを使った時にどうなるかっていうのは、結構難しくなると思います。

「ペンスキーとガナッシは研究と準備のリソースの多さが違う
僕らは実装校からに詰めてようやくここまで来た感じ」

――エアロキットには非常に多くのパーツがあって、その中から自分たちで選んで組み合わせを作って行けるというコトですが、それはドライバーとして楽しいことですか?

佐藤琢磨:ウーン、迷宮入りする可能性もあるから、非常に複雑なとこですね。速くできた時はいいですけど、この速さをどんな状況でも常に出して行くっていうのはとても難しいだろうから。ライバル勢、特にペンスキーとガナッシは、エンジンとエアロキットのメーカーが僕らとは違いますけど、やっぱり、さすがだなって思うのは昨日、バーバーでいきなり1分7秒台に入れて来ていたでしょ? そこらへんは準備、研究が他とは全然違うレベルにありますね。リソースの多さが違う。僕らは実走行から煮詰めて、ようやくここまで来たって感じです。今年から僕らは2カーで、2台いることの恩恵っていうのは凄くありました。去年までの倍の速度で巻き返せた。本当に今日の最後に7番手のタイムを出せて、総合でトップ10入りできたのは非常に嬉しいですね。もし1台のままだったら、もう1 日ないとここまでには到達できなかったでしょうね。もう1日じゃなく、2日必要だったかもしれない。そういう意味で、2台体制になったのは非常に大きかったと思います。
以上

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