2023年9月5日火曜日

2023 INDYCAR レースプレビュー R17 ファイアストン・グランプリ・オヴ・モンテレー

チャンピオンはすでに決定
しかし、ランキング争いは未決着


 先週のポートランド戦で今年のインディーカー・チャンピオンはアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)に決定。スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)は最終戦に出場しさえすれば年間ランキング2位で2023年シーズンを終えることができる。

 最終戦を残してチャンピオンが決まってしまったのは、2007年以来。ニューマン・ハース・レーシングとセバスチャン・ブルデイの一強時代が続いていたチャンプカーの方でそれは起きた。後発ながら本家になったインディーカー・シリーズ(元インディー・レーシング・リーグ)の方でそういうことがなかったのは、最終戦までチャンピオン争いが必ずもつれ込むように、“最終戦はダブル・ポイント”なんてルールを採用していたことも、かなり影響している。最初はオーヴァル・レースの歴史も絡めて魅力をアピールしたかったのだろう、ポコノ、インディー、フォンタナの500マイル・レースを“新トリプル・クラウン”と称してダブル・ポイントにした(2014年)。そして、翌2015年からは「インディー500と最終戦をダブル・ポイント」と変更。ソノマのロードコースでのレースがダブル・ポイントという時代がしばらく続いた。しかし、2020年のパンデミックでレース数の減少を余儀なくされ、“最終戦の重みが大きくなり過ぎるのは良くない”という、以前から多くの人々が指摘していた点にインディーカーが気付き、最終戦のダブル・ポイントは廃止になった。そして今年、ついにインディー500も他のレースと同ポイントになった。めでたし、めでたし。

2023年9月2日土曜日

2023 INDYCAR レースプレビューR16 ビットナイル.com グランプリ・オヴ・ポートランド

 2023年のNTTインディーカー・シリーズも残すところ2戦。最後が3週連続という、なぜか過酷なスケジュールの第2戦目がオレゴン州ポートランドで今週末に開催される。
 エド・カーペンター・レーシングのメイン・スポンサーでもあるビットナイル.comを初めてタイトル・スポンサーに迎えてのレース=ビットナイル.comグランプリ・オヴ・ポートランドは、コロンビア・リヴァー沿いに作られたフラットな常設ロードコース、全長1.964マイルのポートランド・インターナショナル・レースウェイを110周して争われる。

2023年8月11日金曜日

2023 INDYCAR レポート R14 ギャラガー・グランプリ プレビュー:5月のGMRグランプリではパロウ圧勝! しかしインディー・ロードコースで春・夏連覇したドライバーは皆無

今週末はギャラガー・グラン・プリ。インディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコース(全長2.439マイル/時計回り)で今シーズン行われる2戦目。レース距離=85周は5月のGMRグラン・プリと同じ。

 もうシーズンも残すところ4戦。その内訳は、今週末のインディアナポリスを含めたロードコースでの3戦と、ショート・オーヴァル1戦=ワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイ(セイント・ルイス郊外)。今のスケジュールは、常設ロードコースを得意とするドライヴァーにとって有利なものになっている。

2023年8月1日火曜日

2023 INDYCAR レポート R13 ビッグマシン・ミュージックシティ・グランプリ プレビュー

アメリカ、ヨーロッパ、日本、韓国の自動車メーカーが工場を構え

ブリヂストン/ファイアストンのお膝元としての顔もあるナッシュビル

 テネシー州ナッシュヴィルでのレースはNTTインディーカー・シリーズで最も新しいストリート・レースだ。
 “ミュージック・シティ”と呼ばれ、アメリカにおける音楽の都として名を馳せてきているテネシー州々都だが、音楽以外にもセールス・ポイントを持ち、より一層の発展を遂げたいということで、2021年からダウンタウンを舞台としたストリート・レースを開催し始めた。全米にレースがテレビ放映され、街の名前が改めて世に知られることで新たな企業の誘致などのきっかけを作りたい……ということなのだろう。
 アメリカ南部には米欧日韓の自動車メーカーの生産工場がある。ブリヂストン/ファイアストンは、工場を持つ上に本社をオハイオ州アクロンからナッシュヴィルへと移している。ナッシュヴィルでのレースはインディーカーにタイヤを単独供給するブリヂストン/ファイアストンとっても大きな意味を持つイヴェントだ。

2023年7月20日木曜日

2023 INDYCAR レースプレビュー R11 ハイヴィー・ホームフロント250/R12 ハイヴィー・ワン・ステップ 250

今シーズン3、4戦目となるオーバルレース、佐藤琢磨参戦!

開催期間:7月21日(金)〜23日(日)
使用サーキット:アイオワ・スピードウェイ(7/8マイル(0.894マイル)オーバル(アイオワ州ニュートン)
*金曜日は入場無料
*土曜、日曜はミュージック・コンサート開催

2023年シリーズ唯一のダブルヘダー
シリーズ第11戦:ハイ・ヴィー・ホームフロント250プレゼンテッド・バイ・インスタカート=250周
シリーズ第12戦:ハイ・ヴィー・ワン・ステップ・250プレゼンテッド・バイ・ゲイタレード=250周
サポート・レース:インディーNXTバイ・ファイアストン・アット・アイオワ・スピードウェイ=75周

ファイアストン・タイヤ:各エントリーに2レース向けとして14セットを供給

両インディーカー・レースへのエントリー:28台
カー・ナンバー11(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)のドライヴァーは佐藤琢磨
カー・ナンバー33(エド・カーペンター・レーシング/シヴォレー)のドライヴァーはエド・カーペンター
カー・ナンバー60(メイヤー・シャンク・レーシング/ホンダ)のドライヴァーはコナー・デイリー=第9戦ホンダ・インディ200アット・ミッド・オハイオのターン3でコース・オフし、6回転以上するアクシデントを経験したシモン・パジェノー(メイヤー・シャンク・レーシング/ホンダ)には今回もインディーカー・ドクターからの出走許可が降りず。

2023年7月12日水曜日

2023 INDYCAR レースプレビュー R10 ホンダ・インディー・トロント

異なる路面サーフェスが混在する1周1.786マイル
バンピーな難コースとして知られるトロント公道


 2023年インディーカー・シリーズ全17戦の第10戦目が今週末にカナダのオンタリオ州トロントで開催される。
 州都のダウンタウン南側、オンタリオ湖畔に造られた催し物会場=“エギジビジョン・プレイス”とその周辺道路がHondaインディー・トロントの舞台だ。
 このストリート・コースの全長は1.786マイル=2.874キロメートルあって、コーナー数は11。レースの周回数は85ラップで、距離は151.81マイル=244.31km。
 トロントのコースは舗装の材質がいくつもあり、場所によってグリップの仕方が違うところがドライヴァーたちを悩ませる。特にコンクリート舗装になっている多くのコーナーでは、コーナリング中にグリップ・レヴェルが変わるため、ドライヴィングが難しい。路面はバンピーで、ブレーキングには常に気を使わなければならない。オーヴァーテイク・ポイントはメイン・ストレート・エンドのターン1と、その先のバック・ストレッチ・エンド=ターン3がメイン。ターン3でアウトから仕掛け、ターン4も並走してターン5で前へ……というシーンもよく見られる。

2023年6月27日火曜日

2023 INDYCAR レースプレビュー R9 ホンダ・インディー200・アット・ミッド・オハイオ:ホンダのお膝元イヴェントで3連覇中のペンスキーにホンダ勢が立ち向かう!

Photo:Penske Entertainment (Chris Owens)

ミッド・オハイオでいよいよ今シーズンも折り返し点!

 2023年のNTTインディーカー・シリーズは全17戦。ミッド・オハイオ・スポーツ・カー・コースで6月30日から7月2日に行われるのがその第9戦で、シーズンのちょうど折り返し点となる。

 ミッド・オハイオでのレースの正式名称は、ホンダ・インディー200アット・ミッド・オハイオ・プレゼンテッド・バイ・ザ・2023アコード・ハイブリッドだ。ホンダのアメリカでの主力車種であるアコードが2023年にフル・モデル・チェンジして登場する(2リッター・ハイブリッド・モデルと1.5リッター・ガソリン・ターボ・エンジン・モデルあり)ということで……。去年のレースは、プレゼンテッド・バイ・ジ・オール・ニュー2023シヴィック・タイプRだった。

2023年6月22日木曜日

2023 INDYCARレポート 6月22日:佐藤琢磨も快走!アイオワテストに20台が結集! 

 ペンスキーとマクラーレンは参加せず

 第8戦ロード・アメリカが終わったばかりだというのに、その3日後の6月21日、多くのインディーカーが全長0.875マイルのアイオワ・スピードウェイでテストを行った。8チーム、20台もが集まってのテストとなった。
 アイオワ・スピードウェイでのレースは、7月22、23日の2日間に2レースを行われる。このコースで速ければ2レースでそれを発揮できるのだから、テストする価値は十分にある。しかし、チーム・ペンスキー/シヴォレーとアロウ・マクラーレン/シヴォレーはテストに参加しなかった。カルーム・アイロット(フンコス・ホリンジャー・レーシング/シヴォレー)も走らなかった。チームメイトのルーキー、アグスティン・カナピーノは走ったが……。ペンスキーとマクラーレンはショートオーバル用セッティングに自信があるということだろう。

2023年6月13日火曜日

2023 INDYCAR レースプレビュー R8 ソンシオ・グランプリ・アット・ロード・アメリカ:新生ロード・アメリカでのレースを制するのは?

Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski)

 今大会を前にロード・アメリカは舗装を全面改修!

 1955年創業のロード・アメリカが生まれ変わった。シリーズで最も長い全長4.048マイルのコースが全面的に新舗装にされたのだ。1995年以来となる改修は大盤振る舞いでピット・レーンにも新しい舗装が敷かれた。1995年は全面新舗装……じゃなかった気がする。全面新舗装だったら関係者の方々、ごめんなさい。

 新しいアスファルトは色が濃く、コース中央に舗装の継ぎ目がある(もちろん段差などないスムーズさにされているが)。そのことによる影響か、コースを走ると広くなったかのような印象を受ける場合もあるようだ。しかし、それは錯覚で、コース幅は新舗装前と一切変わらぬものにしたという。

2023年5月20日土曜日

ジャック・アマノのインディーカー・レポート定期購読のご案内

 インディー500プラクティス、佐藤琢磨選手好調ですね!

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2023年5月11日木曜日

ジャック・アマノのINDYCARレポート R5 GMRグラン・プリ プレビュー

2023年NTTインディーカー・シリーズ第5戦 GMRグラン・プリ
予選:5月12日
決勝:5月13日
サーキット:インディアナポリス・モーター・スピードウェイ・ローコース
コース全長:2.439マイル(時計回り)
コーナー数:14(左5、右9)
初レース:2014年5月10日 ウィナー:シモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ/ダラーラ・ホンダ)

歴代ウィナー:夏に同じコースで開催されるイヴェントも併載
2015 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー/ダラーラ・シヴォレー)
2016 シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー/ダラーラ・シヴォレー)
2017 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー/ダラーラ・シヴォレー)
2018 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー/ダラーラ・シヴォレー)
2019 シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー/ダラーラ・シヴォレー)
2020 スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ダラーラ・ホンダ)
2020 ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/ダラーラ・シヴォレー)
2020 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー/ダラーラ・シヴォレー)
2021 リナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング/ダラーラ・シヴォレー)
2021 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー/ダラーラ・シヴォレー)
2022 コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ダラーラ・ホンダ)
2022 アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート/ダラーラ・ホンダ)
*パワー5勝が最多で、パジェノーが3勝。
*シヴォレーが5連勝を含めトータル9勝しているが、最近の2戦ではホンダ(トータル4勝)が連勝中。

2023年5月1日月曜日

2023 INDYCARレポート R4 チルドレンズ・オヴ・アラバマ・インディー・グランプリRace Day 決勝:バーバー優勝はスコット・マクロクリン

Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski)クリックして拡大

オーソドックスな2ストップ作戦のグロジャンに対して3ストップのマクロクリン
90周のレースは異なるピットストップ戦略の戦いに


 アップ&ダウンに富む全長2.3マイルのコースを使った90周のレースは、2ストッパーとするか3ストッパーとするか、作戦が大きくものを言う戦いとなった。予選4位という好ポジションからのスタートながら3ストップ作戦を採用したスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)が、ポール・ポジションからセオリー通りに2ストップで走り切ることとしたロマイン・グロジャン(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)を倒し、今季初優勝、キャリア4勝目を挙げた。マクロクリンにとってはバーバー・モータースポーツ・パークでの初勝利。シヴォレーはホンダとイーヴンになる今シーズン2勝目をマークした。

2023 INDYCARレポート R4 チルドレンズ・オヴ・アラバマ・インディー・グランプリRace Day ウォームアップ:バーバーでのウォーム・アップ、最速はアレクサンダー・ロッシ

 前夜の雨でタイヤ・ラバーが流れてコンディションが変化

 バーバー・モータースポーツ・パークは朝から快晴。しかし、午前11時スタートのファイナル・プラクティス=ウォーム・アップ・セッション中の気温は19〜20℃。風があり、やや肌寒く感ずるほどのコンディションだった。
 昨日の晩に予報の通りに雨があったため、コースのタイヤ・ラバーは流されてしまっていたが、30分間のセッションでは出場27台の多くがソフト・コンパウンドのレッド・タイヤ=オルタネート・タイヤでの走行を多めに行い、アレクサンダー・ロッシ(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)が走行時間の終わりが近づいた頃、1分06秒6677の最速ラップをマークした。彼はこのセッション中に20周を走ったが、その17周目にベストは記録された。
 2番手に来たのはコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)で、自己ベストの1分06秒7922を記録したのはレッド・タイヤだった。

2023年4月30日日曜日

2023 INDYCARレポート R4 チルドレンズ・オヴ・アラバマ・インディー・グランプリ Day2 予選:ロマイン・グロジャンが早くも今年2個目のポール・ポジション

 

Photo:Penske Entertainment (Karl Zemlin) クリックして拡大

 グロジャン、ロード、ストリートの好調を維持してポール・ポジション獲得

 朝は快晴だったアラバマ州バーミンガムだったが、午後2時からの予選は曇り空の下で行われた。気温は午前中のプラクティス2とほぼ変わらない22℃だったが、路面温度は℃度と低くなった。
 ポール・ポジションはフランス出身の元F1ドライヴァー、ロマイン・グロジャン(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)が、Q3で1分05秒8396を記録して獲得した。今シーズン早くも二度目のPPだ。

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2023 INDYCARレポート R4 チルドレンズ・オヴ・アラバマ・インディー・グランプリ Day2 プラクティス2:バーバー・モータースポーツ・パークのプラクティス2ではアレックス・パロウが最速

Photo:Penske Entertainment (James Black)クリックして拡大

  プライマリー・タイヤでパロウが昨日のマクロクリンのタイムを更新

 朝から青空が広がり、午前11時のプラクティス2開始時点で気温はすでに22℃もあった。路面温度は39℃。1時間のセッションを通して気温が1℃上がっただけとコンディションはほとんど変わらなかった。

 プラクティス2での最速ランナーとなったのはアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)。昨日の最速ラップ=スコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)の1分06秒6610を上まわる1分06秒2781を一昨年のバーバー・ウィナーが記録した。なお、このセッションで使用できたのはルールによりプライマリー・タイヤだけだった。

2023年4月29日土曜日

2023 INDYCARレポート R4 チルドレンズ・オヴ・アラバマ・インディー・グランプリ Day1 プラクティス1:バーバー・モータースポーツ・パークでのプラクティス1はスコット・マクロクリンが最速ラップをマーク

オルタネートタイヤ装着でマクロクリンがトップタイムをマーク Photo:Penske Entertainment (James Black)クリックして拡大

 今シーズン最初の常設ロードコースでの走行は、赤旗3回

 2023年のNTTインディーカー・シリーズ第4戦はチルドレンズ・オヴ・アラバマ・インディー・グラン・プリ。今年初めての常設ロードコースでのレースだ。
 快晴。やや風あり。気温が23〜24℃で路面温度は41〜42℃というコンディションでのプラクティス1では、エリオ・カストロネヴェス(メイヤー・シャンク・レーシング/ホンダ)のコース・オフ、ロマイン・グロジャン(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)のターボかエンジンのトラブル、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)のコース・オフと3回も赤旗=合計20分ほどが出された。パト・オーワード(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)もコース・オフしたが、何にもぶつからずに走行を続け、赤旗を出さずに済んだ。パワーによる最後のレッド・フラッグが解除になった後は走行時間がもう7分強しかなく、全車がオルタネート・タイヤにスイッチしてラップを重ねた。

2023年4月25日火曜日

2023 INDYCARレポート R4 バーバー 事前テスト情報&プレビュー

3月のテストではマクロクリンがトップタイムをマークしている Photo:Penske Entertainment (Chris Owens)クリックして拡大

3月のプライヴェイト・テストはアンドレッティ、マクラーレン、RCRを除く
6チーム、合計16台が参加


 バーバー・モータースポーツ・パークは今年もシーズン最初の常設ロードコースでのレースとして開催される。開幕前だとアラバマ州あたりでもまだまだ寒いため、プライヴェイト・テストはセイント・ピーターズバーグでの開幕戦の後、3月14日に行われた。集まったのはチーム・ペンスキー/シヴォレー、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ、チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ、デイル・コイン・レーシング/ホンダ、メイヤー・シャンク・レーシング/ホンダ、フンコス・ホリンジャー・レーシング/シヴォレー、そしてAJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレーの合計16台。

2023年4月24日月曜日

2023 INDYCAR レポート インディー500 オープンテスト:インディー500向け合同テストでの周回数

昨年のウイナー、エリクソンは今回のオープンテストでも積極的に走行し、156周で最多ラップとなったPhoto:Penske Entertainment (Joe Skibinski)クリックして拡大

今回最も周回を重ねたのはエリクソンとヴィーケイ

 4月20日にインディアナポリス・モーター・スピードウェイの2.5マイル・オーヴァルで第107回インディアナポリス500マイル・プレゼンテッド・バイ・ゲインブリッジ向けの合同テストが行われた。今回はそこでの周回数のデータを見てみよう。
 テストは2日間の予定だったが、1日だけで終了とされた。テスト日程が近づいた時、悪天候に見舞われる可能性が高いと判明。インディーカーは1日目の走行時間を90分長くする措置を執った。そして、心配された通りに2日目は雨でキャンセルに。各エントラントは1日目をどれだけ有効に使えたのだろうか。

2023年4月22日土曜日

2023 INDYCAR佐藤琢磨コメント 4月20日 インディー500 オープンテスト Day2:テスト2日目は雨でキャンセルに

 昨日、走行時間を延長したこともあり、早々にキャンセル決定

 第107回インディアナポリス500マイル・プレゼンテッド・バイ・ゲインブリッジ用の合同テストは昨日、インディアナ州インディアナポリスの伝統あるオーバルコース、全長2.5マイルのインディアナポリス・モーター・スピードウェイでテスト1日目が開催されたが、今日のテスト2日目は朝から降り出した雨によってキャンセルとなった。今日は午前10時から午後4時までのテスト・セッションがスケジュールされていたが、雨は1日中降り続ける予報だったため、午前10時よりも前にテストのキャンセルが決定、発表された。

2023 INDYCAR佐藤琢磨コメント 4月20日 インディー500 オープンテスト Day1 プラクティス2:「今日のダウンフォースをつけたスペックでも5番手タイムが出せたというのはよかったと思います」

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 「パックでちゃんとした条件で走れなかったのが残念ですが
クルマの完成とは高いと感じています」


――走行は48周でした。全体的に見ても、チームメイトたちと比べても少なかったですね?

佐藤琢磨:インディ500のプラクティスではよくやることなんですが、確認を二重に行うために、走らせたクルマをガレージのセットアップ・パッチに持って行って計測して次に進む……ということを今日の自分たちはやっていました。仕事を確実に進めるための手法なんですが、その分ちょっと時間を食ってしまうので、思ったより連続周回ができなかったし、パックでちゃんとした条件で走れなかったのは少し心残りです。でも、クルマの完成度は高いと感じています。今日は夕方に、元々良い方向じゃないことは十分にわかってたんだけど、どうしても確認のためにやりたいっていうセットアップがあって、それをやって、またガレージにマシンを戻して……ということをやっていました。それで時間がかかりました。それ以外は非常に順調だったし、実り多き1日だったと思います。

2023 INDYCAR佐藤琢磨コメント 4月20日 インディー500 オープンテスト Day1 プラクティス1:まだマシンの評価はしにくいですが、このセッションではダウンフォースがつきすぎていて、すごく安定していました」

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  「最初のテーマは、スタンダードなクルマをどう感じるか」


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 ジャック・アマノ(以下――)この2時間のテーマは?


佐藤琢磨:まずは去年のレース・セットアップで走ってって、もちろん基本的に今日のコンディションに合わせ込んで行かなきゃいけないんだけど、スタンダードなクルマをどう感じるか……ていうのが最初でした。もちろん、一番最初はライドハイトの調整をして、それを合わせてから自分のこれまで知っているクルマとチップ・ガナッシ・レーシングのクルマとの比較を始めました。そして、その次にはライドハイトのスウィープ、エアロのテストをやりました。

――チップ・ガナッシ・レーシングの去年のレース・カーっていうのは、琢磨選手にとって去年の一番のライヴァルで、それを倒すことにフォーカスしていたわけですが、そのマシンに実際に乗るチャンスを得て、どんなものだと感じましたか?

佐藤琢磨:ちゃんとトラフィックで走らないと評価はしにくい、というのはあります。今のセッションでは結構ダウンフォースがつき過ぎていて、クルマはすごく安定しているし、自分としては結構ドラッグが大きいと感じました。だからトラフィックの中ではきっと良い動きをするでしょうね。今のセッションでは1台ぐらいが前にいる……というトラフィックしか経験してません。

―― 明日は天気が悪いという予報があります。今日なすべきことは決めていますか?

佐藤琢磨:一応、今日は最初のスケジュールよりも1時間半走行時間が伸ばされているので、それをフルに使って行く予定です。また、走っている間も常に天気予報をチェックして、もし明日また走るチャンスがあるのなら、タイヤを少し残しておきます。いずれにしても、今日は5セットから6セットを使って、明日には3セットか4セットを残したいって考えです。今日(与えられている9セットを)使い切っちゃって、明日走れることになってタイヤがない……っていうのは勿体無いので、そこは天気予報を見ながら随時、臨機応変で対応して行きます。

Photo:Penske Entertainment クリックして拡大

「チップ・ガナッシはトラフィックを探さない!
このチームはトラフィックをコントロールする」


――午後はチップ・ガナッシ・レーシングの4台が揃って走る、グループ走行もやる予定ですか?

佐藤琢磨:もちろん。グループ・ランは絶対やると思いますね。午前中のプラクティスでもチームの4台はそれぞれプログラムが分けられてたんですけど、午後はまたそれぞれがトラフィックの中でクルマをどう仕上げて行くか……ってことだと思います。アンドレッティ・オートスポートで(2017年に)やってたのとまったく同じやり方になりますが、チップ・ガナッシ・レーシングがすごいなと思ったのは、いつもだったらトラフィックを探すのに、このチームは探さないんですよね。自分たちが4台いるから、それで十分ていうこともあるけれど、自分たちがコースに出て行くと周りも一緒に出てくるからトラフィックができちゃう。だから、このチームはトラフィックをコントロールするって言ってましたね。クルマのイニシャル・セットアップが決まっているので、いつもみたいにシェイク・ダウンから始まって、プログラムを作ってって……とはならず、すぐテストに入れる。今日はアメリカン・リジョンのカラーリングになっている(マーカス・アームストロングが来週末のバーバー・モータースポーツ・パークで走らせる車体なので)けれど、チップ・ガナッシ・レーシングのマシンに乗ってるのか……とちょっと感慨深かったですね。

――新しいエアロ・パッケージについては?

佐藤琢磨:いろいろな空力パーツがついたことで、ライドハイトの違いには凄く繊細に反応して変化してしまう感じはあります。ディフューザーの中のストレイキが大きいのまで使用オーケイになってたり、バージボードも去年はアウターだけだったのが今年はインナー・バージ・ボードっていうのも着いていて、リヤ・ウィングの傾角も去年まではずっとプラス2度までだったのに今年はプラス5度まで行けるようになっている……ということなので色々テストをしています。
以上


2023年4月21日金曜日

2023 INDYCARレポート 4月20日 インディー500 オープンテスト Day1 プラクティス2:午後のプラクティスではジョセフ・ニューガーデンが最速

ニューガーデンはシェルのカラースキームで登場 Photo:Penske Entertainment (Walt Kuhn) クリックして拡大

ニューガーデン、午後に一気にスピードアップ

 インディー500用の合同テスト、午後2時からのセッションではエントリーしている33人全員が走った。ルーキーとリフレッシャーの走った時間帯に雨があり、30分ほど走行が短縮されたが、その後に雨は降らず、夕方6時30分まで走り込みは行われた。気温は28℃まで上昇。路面温度も最高41℃を記録した。
 最速はジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)の227.686mph=39秒5281だった。彼は午前中のセッションでは11番手だったが、午後になって一気にスピード・アップ。最後には29周のロング・ランまで行い、今日の総ラップ数は115周にもなった。チームメイトたちは、スコット・マクロクリンが10番手、ウィル・パワーが13番手で午後の走行を終えていた。

2023 INDYCARレポート 4月20日 インディー500 オープンテスト Day1 プラクティス1:昨年度ウィナーのマーカス・エリクソンがインディー500用合同テストのセッション1で最速ラップをマーク

オープンテスト開始に先立って、インディー500優勝経験現役ドライバー9人がボーグ・ウォーナー・トロフィーを囲んで記念撮影 Photo:Penske Entertainment クリックして拡大

 曇り空の下、午前10時から走行がスタート

 今日は第107回インディアナポリス500マイルに向けた合同テストの1日目。少し雲のかかった天候の下、10~12時にプラクティス・セッション1が行われ、昨年度インディー500ウィナーのマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)が最速ラップをマークした。曇りがちだった空は、セッション終盤には晴れへと変わって行った。気温が19~24℃、路面温度は23~32℃。ターン1からターン4に向けて風が吹き続ける難しいコンディションでの走行だったが、エリクソンは平均時速224.330mphのラップ=40秒1194をマークした。

2023年4月17日月曜日

2023 INDYCARレポート R3 アキュラ・グランプリ・オヴ・ロングビーチ Race Day 決勝:ポール・ポジションからカイル・カークウッドが初優勝

カークウッドのインディーカー初勝利はポール・トゥー・フィニッシュ、そして最多リードラップも記録する完璧なものとなった Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski)クリックして拡大

 2回目のピットストップでニューガーデンの前に出ることに成功
グロジャンの追撃を退けて堂々インディーカーシリーズ初勝利!

 キャリア初のポール・ポジションを昨日の予選で獲得したカイル・カークウッド(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)は、全長1.968マイルのコースを85周して争われた決勝レースでも非常に安定したペースを保ち続けた。タイヤ戦略をライヴァル勢と敢えて違えたジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)がスタートで8番手から一気に4番手までジャンプし、セカンド・スティントでトップに立った。 

Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski)クリックして拡大

 そのままロング・ビーチでの2年連続優勝へと逃げ切るかにも見えたニューガーデンだったが、セカンド・スティントをソフトなオルタネート・タイヤで走っていたため2回目のピット・ストップに入るタイミングがプライマリー・タイヤ勢より早いタイミングに。ニューガーデンを追撃する予選2位スタートのロマイン・グロジャン(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)は彼より1周遅く、ポール・スタートだったカークウッドはさらに1周長く走ってピットに入った。

 

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 タイヤ交換と給油を終えたグロジャンはニューガーデンの前に出ることに成功し、カークウッドはさらにその前にピット・アウト。そこからはカークウッド対グロジャンのチームメイト対決となり、カークウッドがトップを守り通してキャリア初優勝を飾った。

2023 INDYCARレポート R3 アキュラ・グランプリ・オヴ・ロングビーチ Race Day ウォームアップ:ウォーム・アップはニューガーデンがトップ・タイム

 

 

 

ファスト6進出を逃したニューガーデンだったが、ウォームアップでも上位につけていたカークウッドらホンダ勢をセッション終盤一気に逆転 Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski)

気温、路温がぐっと下がったウォームアップ
終了間際にニューガーデンがオルタネートでトップタイム!

 第48回アキュラ・グラン・プリ・オヴ・ロング・ビーチの決勝日。午前9時から30分間のウォーム・アップ・セッション=ファイナル・プラクティスが行われ、予選8位だったジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)が最速ラップとなる1分06秒5611をセッション終了間際に記録した。装着タイヤはオルタネート。空は雲に覆われており、気温はそのセッション終了時点でもまだ14℃と低いままで、路面も22℃と冷たかった。決勝は午後12時45分スタート予定。気温はこの2日間より若干だが高い20度ほどになるとの予報が出ていて、日が照れば路面も昨日までと同じく40℃以上まで上がるだろうから、コンディションはこのセッションとは大きく異なるものになる。ウォーム・アップで得た情報を基にセッティングに調整を施しての戦いとなる。

2023 INDYCARレポート R3 アキュラ・グランプリ・オヴ・ロングビーチ Day2 :ポール・ポジション候補最右翼はパト・オーワードだったが……

カークウッドの予選タイヤタクティクスが初ポール奪取の大きな要因だった Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski) クリックして拡大

  プラクティス1&2で最速だったパト・オーワード(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)が予選で6位にしかなれなかった。コンディションは前日のプラクティス1とほぼ同じ気温17〜18℃/路面が40〜43℃。マシン・セッティングを合わせ込み損ねたはずはなかった。アンドレッティ・オートスポート/ホンダとチップ・ガナッシ・レーシング/ホンダというライヴァル勢の方が予選に向けてもう一段セッティングを進歩させ、ドライヴァーたちがオルタネート・タイヤの性能を引き出していた……ということなのだろうか。

2023年4月16日日曜日

2023 INDYCARレポート R3 アキュラ・グランプリ・オヴ・ロングビーチ Day2 予選:カイル・カークウッドがキャリア初ポールポジション獲得

インディーカー参戦2シーズン目、アンドレッティに移籍して3戦目にしてカークウッドは堂々ポールポジションを獲得 Photo:Penske Entertainment (Chris Owens) クリックして拡大

絶好調だったオーワード、ファスト6進出もまさかの最下位
カークウッド、3セット目のオルタネートを投入し最終ラップにグロジャンを逆転

 2セッション続けてトップだったパト・オーワード(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)は予選ファイナルまでキッチリ駒を進めたが、意外にも最下位の6位で予選を終えた。ポール・ポジションを獲得したのは、プラクティス1で11番手、プラクティス2で2番手につけたカイル・カークウッド(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)だった。予選のファースト・セグメントをグループ1のトップで通過(1分06秒5593)したインディーカー参戦2年目のドライヴァーは、セグメント2では3番手につける1分06秒4568をマーク。ファイナルではオルタネート・タイヤの3セット目を投入し、その作戦も功を奏してアタック最終ラップに1分06秒2878を出し、先輩チームメイトのロマイン・グロジャン(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)からトップの座を奪った。フロリダ州ジュピター出身、現在24歳の2021年インディー・ライツ・チャンピオンは、インディーカーでのキャリア20戦目にして初ポール・ポジション獲得を達成した。

2023 INDYCARレポート R3 アキュラ・グランプリ・オヴ・ロングビーチ Day2 プラクティス2:プラクティス1に続いてパト・オーワードが最速

オーワードの走りはプライマリー、オルタネートのいずれのタイヤでも盤石! 早くも1段階上のセッティング完成度に到達していることを感じさせた Photo:Penske Entertainment (Karl Zemlin) クリックして拡大 

 プライマリーとオルタネートの双方でベストラップをマーク!

 パト・オーワード(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)が乗りに乗っている。開幕2戦はともに勝てる戦いをしていながら2位フィニッシュと悔しい思いをしたが、ストリートとオーバルというまったく異なるキャラクターのコース両方でマクラーレンのマシンが高い戦闘力を持っていたことに彼は大変気分を良くしており、モーティヴェイションを高く保って第3戦のロング・ビーチ入り。金曜日午後のプラクティス1に続き、土曜日午前中のプラクティス2でも連続してトップ・タイムをマークして見せた。しかも、今朝のオーワードはプライマリーとオルタネート、双方のタイヤでベスト・ラップを記録していた(プライマリーでのベストが1分06秒5273。オルタネートでのベストは1分05秒9982)。今日の午後の予選、さらには明日のレースに向けた準備が出場27台中で最も進んでいるとのが彼、と言っていい状況だ。

2023 INDYCARレポート R3 アキュラ・グランプリ・オヴ・ロングビーチ Day1 プラクティス1:ロング・ビーチのプラクティス1最速はパト・オーワード

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ポイントリーダーのオーワード、ロングビーチでも好発進

 NTTインディーカー・シリーズ第3戦アキュラ・グラン・プリ・オヴ・ロング・ビーチのプラクティス1が今日の午後3時05分から行われ、ポイント・リーダーのパト・オーワード(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)が最速ラップ=1分06秒6999を記録した。彼は23周を走行。そのうちの22周目がベスト・ラップとなったが、それは2番手に0.2650秒の”大差”をつけるものだった。

2023年4月15日土曜日

2023 INDYCAR ニュース R3 アキュラ・グランプリ・オヴ・ロング・ビーチ Day1 :マクラーレンのインディー500用スペシャル・カラーリング

 マクラーレン60周年を記念し、ロッシ、ローゼンクイスト、オーワードがそれぞれ
インディー、モナコ、ル・マンの優勝車をフィーチャーしたカラースキームに

 アロウ・マクラーレンは今日、グラン・プリ・オヴ・ロング・ビーチの会場内で今年のインディー500に出場させる4台のうちの3台(トニー・カナーンの乗るものを除く)のスペシャル・カラーリングを公表した。この会ではカナーンが司会を務めた。
 今回発表されたカラーリングは、4月20日~21日にインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われるオープンテスト、インディ500の練習走行、予選、そして5月28日の決勝レースで使用されるが、それぞれのマシンはチームのモータースポーツにおける三冠(F1のモナコ・グラン・プリ、アメリカのインディアナポリス500マイル、そして、スポーツカーのル・マン24時間レース)達成を祝う記念カラーリングとされている。これはマクラーレンの設立60周年を祝うプロジェクトの一環でもある。

2023年4月3日月曜日

2023 INDYCARレポート R2 PPG375 Race Day 決勝:ジョセフ・ニューガーデンが2年連続でテキサスのウィナーに

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 これぞオーバルレースという激闘はイエローチェッカーに

 雨の心配があるというので14分だけではあったけれど早めにスタートしたテキサス・モーター・スピードウェイでの2023年の第2戦。しかし、雨は降らず。逆に青空が顔を出すぐらいの好天に。そして、レースは期待以上の激しいものになった。
 気温は22℃から26℃、路面温度に至っては26℃から36℃まで、スタートからゴールまでの間に大幅に上がって行ったというのに、周回を重ねるごとにタイヤ・ラバーの乗っていった路面でのバトルは、レースが進むに連れてどんどん過激になって行って、ゴール前にはフル・コース・コーションを利用してフレッシュ・タイヤを装着する作戦に出る面々も現れたものだから、ステイ・アウトしたユーズド・タイヤで健闘する者もいて、上から下まで、どの順位を争う戦いも超ホットになった。

INDYCAR佐藤琢磨インタビュー R2 PPG375 Day1終了後:テキサスの1日目を終えた佐藤琢磨にインタヴュー

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 「予選で僕らのマシンは曲がっていかないものになっていました」


ジャック・アマノ(以下――):予選、そしてファイナル・プラクティスが終わりました。チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダでの初めての予選、マシンはどうでしたか?

佐藤琢磨:予選のマシンはバランスが合ってませんでしたね。このチームで戦う最初の予選でしたからね。チームとしては、なんていうのかな、ベースラインをやる……みたいな感じで、アグレッシヴには行かなかったんですよね。僕と(エンジニアの)エリック(・カウディン)と話して、ベストと考えられるのは推測になっちゃってたんです。自分はこのチームのクルマをよく知らないし、久しぶりのレースで、今回はマシンが新しいコンフィギュレーションになってるということで、どうしてもプログラムが1ステップか2ステップ遅れちゃうんです。だから、予選のシミュレーション・ランがパンパンパンッと行かないんですよ、ディクソンはほとんどプログラム通りに行くんだけど。僕は1個、2個後ろから追いついて行く感じ。だから、プラクティスでやったクォリファイング・シミュレーションでは、実際にクォリファイを走るセッティングでは走っていなかった。それでも、チームメイトのデータを基にフィルターをかけたセッティングで行くことになった。そういう状態だとマシンの最後のディティールの部分までは合わないんすよ、気温も上がっちゃっていたし。簡単に言うと、予選での僕らのマシンは曲がって行かないものになっていましたね。アンダーステアが強くなっちゃってたからツールを一生懸命使ったんだけど、それも使い果たしちゃって、クルマが曲がんないからタイトなラインをホールドできない分、走行距離は伸びちゃう、タイヤ・スクラブでスピードが落ちる……という、予選は残念な状況になっていました。そのデータがあったから、9号車の予選はうまく行ってたいましたね。

2023年4月2日日曜日

INDYCARレポート R2 PPG375 Day1 :第2戦テキサス1日目コメント集

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  「予選結果はあとひとつ上だったらもっとよかった」
スコット・ディクソン:予選2位

「ガナッシのチーム全体にとってとても良い1日になったと思う。今回はちょっとシンプルなセッティングで走った。というのも、今日のスケジュールでは予選のシミュレーションとレース用の走行を同じプラクティス・セッション内で行う必要があったので。アウト側の2本目のレーンを作るためのセッションも行われたことも良かった。予選結果はあとひとつ上だったらもっと良かった。もちろん、フロント・ロウからスタートできるのは良いことだけどね」

NDYCARレポート R2 PPG375 Day1 予選:テキサスのポール・ポジションは2年連続でフェリックス・ローゼンクイスト

昨年に続いてローゼンクヴィストがポールポジション獲得 Photo:Penske Entertainment (Chris Jones)クリックして拡大

 プラクティス1終了後からわずか2時間余りで予選開始
路面温度が予選中も急激に上昇するコンディション


 プラクティス1終了から2時間15分後という慌ただしいスケジュールで予選が開催された。
 天候は快晴。気温はプラクティス終了時点より3℃高い18℃、路面温度は11℃アップの27℃でスタート。ファイナル・アタッカーが走った時は気温は18℃のままだったが、路面は32℃まで上がっていた。やや強めの風がターン3からターン1方向に吹き付けていたが、予選中にそれは弱まることもあった。

INDYCAR 佐藤琢磨コメント R2 PPG375 Day1 プラクティス1:チップ・ガナッシ・レーシングでの初走行を終えた佐藤琢磨にインタヴュー

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 「7カ月ぶりのインディーカーでいきなり220mph/hは痺れる
縦Gのせいで貧血で倒れそうになった」


ジャック・アマノ(以下――)今シーズンはいきなりハイ・スピードの走行で始まりましたね。大丈夫でしたか?


佐藤琢磨:「あぶない、あぶない。貧血で倒れそうになったよ、Gのせいで。横Gはいい。問題は縦のG。サーッと血が頭から下がって行った。本来、リラックスしてたいんで呼吸法ってわけでもないんだけど、息を吐きながらターン・インして行く。だけど、戦闘機のパイロットとかは息を止めてる。グッと筋肉を収縮させていないと血が頭から下に体のほうに下がって行っちゃう。それで今日は倒れそうになっちゃった。“あぁっ、あぶない!”ってなったんで、次のコーナーには息を止めて入ってった。そうやって徐々に、徐々に慣れて行った感じでしたね。7カ月ぶりに乗るインディーカーでいきなり220mphっていうのは、やっぱり痺れるね。ヤバいよ。”全開で行けないかもしれない”って思った」

INDYCARレポート R2 PPG375 Day1 プラクティス1:テキサスのプラクティス1最速はスコット・マクロクリン

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 チップ・ガナッシ・レーシングの佐藤琢磨、いよいよ登場!

 今シーズン最初のオーヴァル・レース、PPG375のプラクティス1が行われ、28台のインディーカーが周回を重ねた。セイント・ピーターズバーグでの開幕戦に出場したのは27台。今回はそれにエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング/シヴォレー)の1台がプラスされている。チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダのカー・ナンバー11には、今回はマーカス・アームストロングではなく、佐藤琢磨が搭乗する。
 最初のセッション最速はスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)の23秒1690=平均時速223.747mphだった。昨シーズンのレースで2位フィニッシュした彼は、今日の60分間のプラクティスで40周を走行し、14周目に自己ベストを記録した。

2023年3月26日日曜日

2023 ジャック・アマノのインディーな1日 R1 セイント・ピーターズバーグ:食の開幕戦はメキシカン!

 

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 金曜の夜にメキシカン大好きのグスタヴォが到着。泊まっている街=クリアウォーターのレストランをリサーチ。当然、スペイン語を話す彼がその担当。狙いをつけた店は、行ってみるとスーパーマーケットのフードコートみたいな感じでやってるレストランだった。それでも料理は本格的で、写真のモルカヘーテを注文。減点はマルガリータがドリンクのメニューになかったところぐらい。

2023 INDYCAR フォトリポート R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ その6

 

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 今回のオルタネート・タイヤはグリーンのサイドウォール。ファイアストンが栽培している植物を原料にしたサステイナブルなラバーがサイドウォール部に使われているから。素晴らしい技術なんだけれど、この色だとサイドウォールが黒いプライマリー・タイヤとの識別が難しくて……。

2023 INDYCAR フォトリポート R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ その5

 

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 今年はタンパ空港を利用。インディーカー開幕戦に続けてセブリング(シーブリングってアメリカでは発音してますけどね)にスポーツカー耐久レース行くんだったら、オーランドウ空港利用となりますが。オーランドウはディズニー・ワールドがあるので、空港がデカいし、やたら混みますが、タンパのはコンパクト。

2023 INDYCAR フォトリポート R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ その4 ハイブリッド・パワー・ユニット搭載HONDA C-RV

 混雑し過ぎのパドックでやっと発見。テント下でメインテナンスを受けるところで初めて撮影できた"ビースト"の全貌をご覧ください。

ボディの剛性を確保するためにドアは半分だけしか開かないようにして、上に跳ね上がるように=バタフライ・ガルウィング(?)風に開きます。

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2023年3月25日土曜日

2023 INDYCAR フォトリポート R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ その3 ハイブリッド・パワー・ユニット搭載HONDA C-RV

 

Photo:Honda Performance Development クリックして拡大

HPDの最新プロジェクト、2024年デビュー予定のインディーカーのハイブリッド・パワー・ユニット搭載HONDA C-RV。

2023 INDYCAR レースアナリシス R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ :開幕戦のアクシデント考察

 

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スタート直後にマルチクラッシュ発生
赤旗中断でレースは波乱の幕開けに

 シーズン最初のレースは、スタート直後に多重クラッシュ発生。横を向いて止まったデヴリン・デフランチェスコ(アンドレッティ・スタインブレナー・オートスポート/ホンダ)のマシンにベンジャミン・ピーダーセン(AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレー)がハイスピードでノーズからヒット! それはデフランチェスコ車がロールバーの高さ以上に高く飛び上がる衝撃的アクシデントで幕を開けました。1周目にしてサンティーノ・フェルッチ(AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレー)、エリオ・カストロネヴェス(メイヤー・シャンク・レーシング/ホンダ)、シモン・パジェノー(メイヤー・シャンク・レーシング/ホンダ)もリタイア。スティング・レイ・ロブ(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR/ホンダ)、フェリックス・ローゼンクイスト(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)もこのアクシデントでマシンにダメージを受け、後退を余儀なくされました。

2023年3月23日木曜日

2023 INDYCARニュース 3月23日:日本特殊陶業株式会社が佐藤琢磨のテキサス出場マシンを彩るスポンサーに

 

日本特殊陶業の新英文商号「Niterra(ニテラ)」は、ラテン語で「輝く」を意味する「niteo(ニテオ)」と、「地球」 terraを組み合わせた造語。持続可能な社会への貢献し、地球環境全体を輝かせる企業となるという意味が込められている クリックして拡大

オーヴァルに映えるNiterraカラー!

 3月22日、日本特殊陶業株式会社が、2023年シーズンの米国インディーカー・シリーズのうち、インディ500を中心としたオーヴァル・レースに参戦するレーシング・ドライヴァー佐藤琢磨(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)にスポンサーとして協賛することを発表しました。そのメディア向けリリースで日本特殊陶業(株)は、協賛の趣旨を以下のように記しています。
______________________________
 当社は2023年4月1日から英文商号を「Niterra Co.,Ltd.」に変更することにともない、当社グループは新たに「Niterraグループ」として、生まれ変わります。
 当社は長年、レーシング・ドライヴァーの佐藤琢磨選手を応援しています。この度、佐藤琢磨選手が参戦するインディーカー・シリーズ第2戦テキサスでは、当社がプライマリー・スポンサーを務め、「Niterra」を配した特別カラーリングのマシンで参戦いたします。
 佐藤琢磨選手が3度目のチャンピオンを目指しチャレンジするインディー500を含めたオーヴァル・レース5戦を通じて、大勢の方々に新しく生まれ変わった「Niterra」とともに、スパーク・プラグを中心としたブランドである「NGK」、セラミック関連製品のブランドである「NTK」を知っていただく絶好の機会と捉え、この度スポンサーとして協賛することといたしました。
 日本特殊陶業は今後も、さまざまなモータースポーツへのスポンサーシップを通じて、ブランドのさらなる浸透を図るとともに、モータースポーツの振興に貢献してまいります。
______________________________

 今回発表されたのは、佐藤琢磨にとって今シーズン最初のレースとなるテキサス・モーター・スピードウェイでのPPG 375用のカラーリングということです。その後のインディー500でのカラーリングがどのようなものになるのかは、今後のお楽しみ、ということですね。
 黒・白・緑のトリコロールは、セイント・ピーターズバーグでの開幕戦に似たカラーリングのマシンがいなかったので、テキサスでの高速オーヴァル・レースでもパッと見つけ易いのでは? と思います。ノーズ及びマシン上部は黒、それ以外は白とNitteraのコーポレート・カラーであるアース・グリーン。Nittera の新ロゴはサイドポッド、フロント&リヤ・ウィングに大きく表示され、フロント・ノーズ、タイヤ・ランプにも載せられます。また、サイドポッド、リヤ・ウィング、フロント・ノーズ、そしてタイヤ・ランプにはNGKスパークプラグとともにNTKテクニカル・セラミクスのロゴも並べられます。
以上


2023年3月17日金曜日

2023 INDYCAR フォトリポート R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ その2

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  佐藤琢磨の元チームメイト、メキシコ出身のミチェル・ジョルダインJr. とピットで遭遇。ティーンエイジャーとしてCARTシリーズに出場していた”ムチャチョ”もいまやドライバーもやりつチーム・オーナー業にも進出(母国で)し、アメリカに挑戦したいメキシコの若手のマネジメントもやってます。

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2023 INDYCAR フォトリポート R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ その1


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 ピットで談笑する琢磨とデイル・コイン。二人の笑顔、肩をポンポンと叩くスキンシップなどから、彼らの関係が悪化して琢磨がチームを離れたのではないとわかる。状況が激変したために琢磨はチップ・ガナッシ・レーシングで3回目のインディー500優勝を狙うことになった。それは素晴らしいこと。でも、もしデイルのチームに残って、インディーでの勝利を彼らとともに掴むことができたら、それはまた違った大きな、大きな喜び、達成感を得られただろうなぁ……とも思う。AJ・フォイトのチームに久々の勝利をもたらしたロング・ビーチ、凄く感動的だったし、インパクトは大きかった。


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アンドレッティ・オートスポートでのインディー500優勝時にコンビを組んでいたエンジニア(KVレーシング・テクノロジー時代にも)、ギャレット・マザーセッド(去年からメイヤー・シャンク・レーシング/ホンダでシモン・パジェノー担当)と。真ん中は琢磨のパーソナル・マネジャー=スティーヴ・ヒューザック。

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2023年3月16日木曜日

2023 INDYCARアナリシス R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ:開幕戦振り返りその1 開幕戦のタイヤ・ストラテジー

“グリーン・タイヤ” 初見参

 まず最初に書いておきます。今回のレポートでは、インディーカー・レースで使用されるタイヤの種類について、省略形を使った方が便利な時は、プライマリー・タイヤを“黒”、“ブラック(・タイヤ)”と表記し、サイドウォールにグリーンのリボンが貼られるオルタネート・タイヤは “緑”、“グリーン(・タイヤ)”と表記します。あの緑のリボン、走り出しちゃうとプライマリーの黒いタイヤとの識別が難しくて困るんですけど、ブリヂストン・ファイアストン社の画期的技術=グアユールという北米産植物を原料としたラバーのレーシング・タイヤへの導入には敬意を表します。第3戦ロングビーチからも同様の表記としますが、グアユールを使っていないオルタネート・タイヤが供給されるレースでは昨年までと変わらず、それらを“赤”、もしくは“レッド(・タイヤ)”と書きます。それらのタイヤはサイドウォールのリボンが赤ですし……ね。

2023年3月6日月曜日

2023 INDYCARレポート R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ Race Day 決勝:開幕戦ウィナーはマーカス・エリクソン

波乱の開幕戦を制したエリクソンとチップ・ガナッシ。プラクティス1から好調を維持していたアンドレッティ勢はスピードを結果につなげられなかった Photo:Penske Entertainment クリックして拡大 

 快晴の下、2023シーズン開幕戦がいよいよスタート

 今週末は3日間とも快晴。気温は今日も28℃まで上がりました。風は金曜ほどではないものの、コンスタントに吹き続け、ターン4へのアプローチでインディーカーのリヤを不安定にしていました。
 開幕前テストで速かったアンドレッティ・オートスポート勢が、予選でもロマイン・グロジャン、コルトン・ハータの順で1-2。レースでも逃げ切るのか、ライバル勢の逆襲があるのか……レースは正午過ぎにスタートが切られました。

2023 INDYCARレポート R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ Race Day 決勝:開幕戦スタート・タイヤ

 トップ5はオルタネート

1 グロジャン オルタネート
2 ハータ オルタネート
3 オーワード オルタネート
4 エリクソン オルタネート
5 カークウッド オルタネート

6 マクロクリン プライマリー
7 パロウ オルタネート
8 ローゼンクヴィスト プライマリー
9 ディクソン プライマリー
10 パワー プライマリー
11 ルンドガールド オルタネート
12 ロッシ プライマリー
13 アームストロング オルタネート
14 ニューガーデン プライマリー
15 カストロネヴェス オルタネート
16 マルーカス オルタネート
17 フェルッチ プライマリー
18 デフランチェスコ オルタネート
19 ハーヴィー オルタネート
20 レイホール プライマリー
21 カナピーノ オルタネート
22 アイロット プライマリー
23 ロブ オルタネート
24 ヴィーケイ オルタネート
25 パジェノー オルタネート
26 デイリー オルタネート

27 ピーダーソン プライマリー

2023年3月5日日曜日

2023 INDYCARレポート R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ Race Day ファイナル・プラクティス:ウォーム・アップはコルトン・ハータが最速

 ハータ、初日からの好調を維持

 曇りがちな空の下、午前9時に始まったウォーム・アップ・セッション=ファイナル・プラクティスは、気温が25℃、路面温度29℃で、風は一昨日、昨日より穏やかなコンディションで行われました。
 出場者たちはプライマリー・タイヤ、オルタネート・タイヤの両方を使い、30分間のセッションで周回を重ね、最速ラップとなる1分00秒5886をコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)が記録しました。セッション終盤、タイヤはオルタネートを使用してのことで、20ラップをこなしたうちの15周目に記録されました。

2023 INDYCARレポート R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ Day2 予選:開幕戦のポール・ポジションはロマイン・グロジャンが獲得

 

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アンドレッティ勢、ファスト6に3台進出
好調ハータを制してグロジャンが通算2回目のPP


 昨シーズンまでより1セット多い、3セットのオルタネート・タイヤを使って行われた初めての予選、ポール・ポジションを手にしたのはインディーカー参戦3年目の元F1ドライヴァー、ロマイン・グロジャン(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)でした。彼の記録したベストは59秒5532。昨年樹立されたコース・レコード(ウィル・パワー=59秒3466)には僅かに及びませんでした。

2023 INDYCARレポート R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ Day2 プラクティス2:プラクティス2の最速はコルトン・ハータ

2日目もハータは好調をキープ Photo:Penske Entertainment クリックして拡大

今季からオルタネート・タイヤ5セットの新ルール適用
植物由来のコンパウンドで、サイドウォールはグリーン!

 土曜日。またも快晴。午前10時10分のスタートだったというのに気温はすでに27℃、路面温度は36℃もあり、風は昨日と比べるとかなり穏やか……というコンディションとなりました。
 今年からオルタネート・タイヤは去年までより1セット多い5セットが供給されることとなっています。各エントラントには予選までに4セット、予選後に1セットが供給されます。プラクティス2終了後に1セットをファイアストンに返却するルールは今年も存在しますが、予選前に行われるプラクティス2回で、いつ、何セットを使うかはチーム次第というルールに変わりました。

2023 INDYCAR 佐藤琢磨インタビュー R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ Day1

 

エンジニアのエリック・カウディンとピット・ボックス内で話す琢磨 Photo:Masahiko Amano クリックして拡大

 今年のオーヴァル・レースにチップ・ガナッシ・レーシング/ホンダから出場することが決定している佐藤琢磨が、開幕戦のセイント・ピーターズバーグに姿を現した。彼は今週のレースに出場しないが、カー・ナンバー11をシェアするルーキー、ロード&ストリート・レースを受け持つマーカス・アームストロングのピット・ボックスでエンジニアのエリック・カウディンの横に陣取り、ヘッドセットを着けてプラクティス1を見守った。セッション終了直後に彼に聞いた。

2023 INDYCARレポート R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ Day1 プラクティス1:シーズン最初のプラクティス・セッション最速はスコット・ディクソン

Photo:Penske Entertainment (Chris Owens) クリックして拡大

真夏を思わせる天候の下、午後3時15分にプラクティス開始

 2023年のNTTインディーカー・シリーズがついに開幕しました。今日、3月3日の午後3時15分に開幕戦最初のプラクティスがフロリダ州セイント・ピーターズバーグのダウンタウンに作られた全長1.8マイルのストリート・コースで行われたのです。3月初旬ですが、フロリダはもう夏のような天候となっており、今日のプラクティス開始時の気温は27℃もあり、路面温度は42℃に達していました。日差しは強く、強めの風が吹いたセッションは時間の経過と共に気温、路面温度ともにゆっくりと降下していきましたが、走行終了時でも気温は26℃と高いままでした。

2023 INDYCARニュース R1 ファイアストン・グランプリ・オヴ・セイント・ピーターズバーグ:セイント・ピーターズバーグからのニュース

Photo:HPD

 ホンダの新ペースカー=シヴィック・タイプRが
開幕戦のセイント・ピーターズバーグに登場


 2023年NTTインディーカー・シリーズ開幕を前に今シーズン用に新しく製作されたシヴィック・タイプRのペース・カーが発表されました。
 ハイ・パフォーマンス・スポーティカーとして定評のあるホンダ・シヴィック・タイプRは、アメリカでは2017年から販売されており、このペース・カーはアメリカン・ホンダのレーシング・アームであるホンダ・パフォーマンス・デヴェロップメント(HPD)が製作しました。

2023年2月11日土曜日

2023 INDYCAR ニュース 2月9日:GAORAインディーカー・テストの特別番組が放映されます!

 先日、ジャック・天野が現地取材したインディーカー・シリーズの2023年スプリング・トレイニングが、GAORAにて放送されます。是非ご覧ください。

開幕直前! インディカー・シリーズ2023
ザ・サーマル・クラブ合同テスト・リポート

初回放送:2月25日(土) 23:00 ~ 24:00
再放送  3月2日(木)24:00 ~ 25:00
     3月5日(日) 25:00 ~ 26:00
     3月6日(月)19:00 ~ 20:00

https://www.gaora.co.jp/motor/3645040

以上

2023 ジャック・アマノのインディーな1日:1月30日 カリフォルニア サーマルクラブ テスト

LAXのアラモで出て来た三菱ミラージュ。日本でも売ってるそうで…… Photo:Masahiko Amano クリックして拡大

マスクを外してロスに到着!


 インディーカーの開幕前・合同テスト取材のために渡米したのは1月30日でした。
 成田空港ではみんなマスク着用でしたが、機内に入ったら多くの人がマスクなしに。ユナイテッド航空のフライト・アテンダントさんたちは常時マスクを着けてましたけどね。
 GAORAのディレクターI氏と私の乗った飛行機が降り立ったのはロス・アンジェレス国際空港。今年のテストはそこから内陸に2時間ほど入ったパーム・スプリングス近郊にあるザ・サーマル・クラブというサーキットで行われます。

2023年2月4日土曜日

2023 INDYCARレポート :速報 インディーカーの2023年スプリング・トレーニング2日目最速はマーカス・エリクソン

Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski)

エリクソン、2日間通じての最速ラップをマーク
昨日に引き続き午前のセッションもホンダ1-2-3

 カリフォルニア州パーム・スプリングス近郊のザ・サーマル・クラブ(全長2.9マイル)で開催されたNTTインディーカー・シリーズのスプリイング・トレーニング、走行2日目に最速ラップとなる1分38秒4223をマークしたのは2022年のインディー500ウィナー、マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)でした。

2023年2月3日金曜日

2023 INDYCARニュース 2月2日:マーカス・エリクソンとチップ・ガナッシにベイビー・ボーグ・トロフィーが授与される

Photo:Masahiko Amano クリックして拡大

チップ・ガナッシ、実に5個目のベイビー・ボーグ

 ザ・サーマル・クラブでのNTTインディーカー・シリーズ・スプリング・トレイニング1日目が終えってすぐ、パドック内のパーティ会場(ミーティング・ルームと呼ぶにはあまりに豪華で、“こんなものまであるのか、会員制サーキットには”と感嘆)で2022年インディアナポリス500ウィナーであるマーカス・エリクソンと、そのチーム・オーナーのチップ・ガナッシにベイビー・ボーグ・トロフィーが授与されました。インディー500の優勝トロフィーはウィナーの顔の彫像が取り付けられますが、ウィナーたちが受け取るのはそのミニチュア版なのです。

2023 INDYCARレポート 2月2日:インディーカー・テスト1日目

ザ・サーマル・クラブのコースを疾走するチップ・ガナッシのルーキー、マーカス・アームストロング Photo:Penske Entertainment (Chris Jones)クリックして拡大

会員制コース、ザ・サーマル・クラブで
2日間のスプリング・トレーニングがスタート


 カリフォルニア州内陸部のパーム・スプリングス近郊にあるサーマルという砂漠の中の町。そこに造られたのがザ・サーマル・クラブという会員制レーシング・コースで、今日から2日間のNTT・シリーズ・スプリング・トレーニング(合同テスト)が行われます。
 ここのメンバーになるにはクラブ内の敷地か住宅を買わないとならないそうで、コースサイドには超・豪華な住宅が建ち並んでいて、建設中のものも幾つか見えました。ただのガレージ付きではなく、何台もクルマを停めることができる大きなガレージを備えた家が多く、2階のテラスからコースが見えるところもありました。販売されている物件をネットで見たら、500万ドルとか、それ以上のものまで並んでいました。