2014年8月30日土曜日

2014 INDYCARレポート 第18戦フォンタナ Day1 ファイナルプラクティス:トップはライアン・ブリスコー!ミカイル・アレシンが大クラッシュ

カストロネベスと談笑するブリスコー Photo:INDYCAR (Chris Jones)
午後7時15分、路面温度は予選より19℃も低下

 明日のスタート時刻とほぼ同じ7時15分、日没後に始まったファイナル・プラクティスではライアン・ブリスコー(チップ・ガナッシ・レーシング)が最速ラップ=218.660mphをマークした。走行開始時で気温は30℃あったが、路面温度は予選時より19℃も低い38℃だった。
 2番手は予選5位だったスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)=217.852mphで、3番手には予選21位だったポイント・リーダーのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が217.661mphでつけた。ポイント2位、今日の予選でポールポジションを獲得したエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)は216,986mphのベストで6番手だった。

2014 INDYCARレポート 第18戦フォンタナ Day1 予選:最後のアタッカー、エリオ・カストロネベスがポールポジション獲得!ポールポジション候補最右翼だったウィル・パワーがまさかの予選21位!! 佐藤琢磨は予選4位

堂々のポール奪取!カストロネヴェスは逆転タイトルに向け勢いづく Photo:INDYCAR (Chris Jones)
月29日 Day1 予選
天候:快晴
気温:36℃

13番目にアタックしたウィル・パワー
1周目に大きくマシンを滑らせ、2ラップ目も全く伸びず


 朝のプラクティスで予選シミュレーションを行ったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は、22台のエントラント中で最速の221.389mphをマークしていた。僅差の2位にはチームメイトのエリオ・カストロネヴェスがつけていたが、昨年ここでポール・ポジションから優勝しているパワーが今日もポール・ポジションの最右翼候補となった。
 2番目にアタックしたファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)が217.621mphの2ラップ平均でトップに躍り出ると、この数字を破れる者は暫く現れなかった。
 13番目にコース・インしたパワーは1ラップ目にマシンを大きく滑らせ、2ラップ目もまったく伸びなかった。平均速度は212.604mphで、彼より遅かったのはルーキーのカルロス・ウエルタス(デイル・コイン・レーシング)だけだった。


2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント65 第18戦フォンタナ Day1 プラクティス1:「結構大幅にクルマは変えて行かなきゃならないと思いますね。予選はベストを尽くしますけど、クルマの様子を見ながら2周を走ります」

Photo:INDYCAR (John Cote) クリックして拡大
8月29日 Day1 プラクティス1
18位 33秒2080    216.815mph 34周走行

「216mph台でさえクルマがボトミングして、クルマが横を向く
もうアクセルを踏めない、だからちょっと色々とやり直しです」

Jack Amano(以下――):水曜にテストを行って、今日は予選前にひとつあるプラクティスですが、どんなプログラムをこなし、成果はどうでしたか?

佐藤琢磨:暑いコンディションもあるけれど、考えてみると去年僕は予選をやってないんだよね。で、去年のクルマがあまり良くなくてボトム・レーンに降りることができなかった。去年はスムーズな上の方ばっかり走ってた。下の方がバンピーで、なおかつここはプログレッシブ・バンキングなので、レーン毎にバンクが違っている。上に行くに従ってバンクが急になっている。で、去年ウィル・パワーが決勝でもニュー・タイヤの時はトボムまで行ってて、すごいなぁと思ってたんだけど、今日クォリファイ・トリムを初めてやったんですよね。去年はプラクティスでクォリファイング・トリムまで行けなかった。だから、今走って、216mph台でさえクルマがボトミングして、クルマが横を向くんですよ。もうアクセルを踏めない、危なくて。だからちょっと色々とやり直しです。

2014 INDYCAR レポート 第18戦フォンタナ Day1 プラクティス1:最速はポイント・リーダーのウィル・パワー!2番手はポイント2位のエリオ・カストロネヴェス!! 佐藤琢磨は18番手

Photo:INDYCAR (Chris Owens)
天候:快晴
気温:31℃

タイトル争いを演じる2人が断トツのタイムをマーク

 水曜日にたっぷりテストをしている全チーム、今日のプラクティス1では予選用のセットアップがメイン・テーマのひとつとされていた。1時間15分と普段より長いセッションで最速ラップをマークしたのは、ポイント・リーダーのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だった。32.5220秒=平均時速221.389マイル!。

2014 INDYCAR レースプレビュー 第18戦フォンタナ:レーススタートはほぼ日没時刻!冷えて行く気温、と路面温度への対応が勝負のカギ!

超高速ドラフティングでの戦いだけに
小さなグリップの変化が展開に大きく影響!! 
過去のウィナー
2013 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)
2012 エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)

過去の2、3位フィニッシャー
2013 2位=カーペンター 3位=トニー・カナーン(KVSHレーシング)
2012 2位=ダリオ・フランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)
       3位=スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)

過去のポール・ポジション・ウィナー&スピード
2013 パワー=220.775mph
2012 マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)=216.069mph

 1997年、CARTインディーカー・ワールド・シリーズの全盛期にペンスキー・モータースポーツが設立したのがカリフォルニア州フォンタナのスーパー・スピードウェイ。全長は2マイル。バンクは最大14度。現在ではペンスキーからISC(International Speedway Corp.=NASCARの系列)に売却されている。
 ロサンゼルス(LA)の内陸約50マイル。砂漠地帯で、8月下旬だと日中の気温が30℃を越すことも多い。レースは夜7時20分にスタートする。ほぼ日没の時刻だ。

2014年8月28日木曜日

2014 INDYCAR ニュース 8月27日:2015年からルイジアナ州ニュー・オリンズでレース開催

プロモーターはアンドレッティ・スポーツ・マーケティング
4月10~12日、全長2.67マイルの常設ロードコース


 インディーカーが2015年から始まる新イベントを発表した。ルイジアナ州のNOLAモータースポーツ・パーク(N0=ニュー・オリンズ、LA=ルイジアナ)でのレース開催を宣言したのだ。グラン・プリ・オブ・ルイジアナと名付けられるイベントは、2.67マイルの常設ロードコースで4月10~12日に行われるという。プロモーターはアンドレッティ・スポーツ・マーケティング。彼らによると、ニュー・オリンズ近郊のサーキットということで、レース・ウィークエンドには音楽、地元の料理などをフィーチャーしたフェスティバルを併催する計画だ。

 インディーカー・レースを観光資源のひとつに育てようと、ルイジアナ州は今年に入ってからサーキットに対して4.5ミリオン・ドルを投資。NOLAモータースポーツ・パークも自己資金を投下し、インディーカー・イベントの招聘に漕ぎ着けた。コース・レイアウトにはインディーカー・オフィシャルだけでなく、ジェイムズ・ヒンチクリフやグレアム・レイホールもアドバイスを提供しているという。フラットなコースはグランド・スタンドからほぼ全域が見渡せる、以前インディーカーが走っていたエドモントンやクリーブランドに似ているようだ。サーキットはニュー・オリンズのダウンタウンから14マイルという好ロケーションにある。
 
 インディーカーは今日のリリースで、「2015年のスケジュールはオフ・シーズンに入ってからアナウンスする」と発表した。幾つかの既存レースとの交渉が続いており、今週末にカリフォルニア州フォンタナで行われるシーズン最終戦開催期間中の発表は難しい状況にあるということだろう。
以上

2014年8月27日水曜日

2014 INDYCARニュース 8月25日:インディーライツ・チャンピオンはギャビー・シャヴェスに決定

シャヴェスはマイアミ在住のコロンビアン、弱冠21歳だ! Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher)
わずか12ポイント差、シャヴェスとハーヴェイ
21歳同士のタイトル争い

 今週末のインディーライツはダブルヘダーだった。今シーズン4回目のこと。バーバー、インディアナポリス・ロードコース、ミッド・オハイオがダブルヘダーだった。
 そして、ソノマでのレース#2は彼らの2014年シーズン最終戦だった。ポイント・スタンディング・トップはコロンビア出身の21歳、インディーライツは2年目のギャビー・シャヴェス(ベラルディ・オート・レーシング)。2番手はイギリス人ドライバーで同じく21歳のジャック・ハーヴェイ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)。こちらは去年までGP3を走ってて、インディーライツではルーキーだ。4勝しているシャヴェスのポイントは507点で、前日のソノマでのレース#1で3勝目を挙げたばかりのハーヴェイは495点。2人の間には12点の差しかなかった。

2014年8月26日火曜日

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 64 第17戦ソノマ Race Day 決勝:「最後尾から良いストラテジーと、あと運にも後押しされて、いい結果に繋げることができたので、すごく気持ち的には上がりました」

「チームが本当に素晴らしい燃料計算をしてくれました
それが今日の結果につながったと思います」


Jack Amano(以下――):エンジンを交換し、ぶっつけ本番的なレースとなっていましたね。
佐藤琢磨:はい。今日のウォームアップで実質2周の計測しかできなかったんですが、それでも昨日の予選からは確実にクルマは良くできているという手応えがありました。ファイナル・プラクティスで燃料ポンプだか何だかわからないんですが、エンジンの補機類にトラブルが起きてしまいました。それでトータル5周しか走れませんでした。燃料系のパーツだけ換えるのでもよかったかもしれないんですけど、エンジンのマイレッジももう終わりが近かったので、もし他がトラブルを起こしてしまうといけないので、大事をとってエンジン交換という作業になりました。今日は午後1時40分スタートと非常にタイトなスケジュールで、短い時間でのエンジン交換作業が必要でしたが、クルーたちはキッチリとクルマを作ってくれました。

2014年8月25日月曜日

2014 INDYCARレポート 第17戦ソノマ Race Day 決勝:スコット・ディクソンが今季2勝目!ウィル・パワーは10位、エリオ・カストロネヴェスは18位!! 佐藤琢磨が20位スタートから4位フィニッシュ

オープニングラップ、カストロネヴェスがヒンチクリフに追突 Photo:INDYCAR (John Cote) クリックして拡大
ウィル・パワー、単独スピンで後退!
カストロネヴェスもオープニングラップで追突


 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)はポールポジションからレースを完全に支配していた。序盤にして2番手に10秒もの差をつける速さを誇っていた。しかし、ピット・タイミングのズレから中団グループを走ることとなった途端、そこで大きなミスを冒した。上位への復帰を焦ったのだろう、40周目のターン7立ち上がりで単独スピンを喫した。あそこで他車にヒットされなかったのは不幸中の幸いだった。

2014 INDYCAR スタートタイヤ 第17戦ソノマ :上位陣はユーズド・オルタネートで左リヤのみニュー

1    パワー        USEDオルタネート    左リアのみNEW
2    ニューガーデン    USEDオルタネート    左リアのみNEW
3    ディクソン    USEDオルタネート    左リアのみNEW
4    ヒンチクリフ    USEDオルタネート
5    ブリスコー    USEDオルタネート

6    カストロネヴェス    NEWオルタネート
7    ブルデイ    USEDオルタネート    左リアのみNEW
8    カナーン    USEDオルタネート    左リアのみNEW

9    ムニョス        USEDオルタネート
10    ハンター-レイ    プライマリー
11    キンボール    プライマリー
12    アレシン        プライマリー
13    アンドレッティ    プライマリー
14    レイホール    プライマリー
15    パジェノー    プライマリー
16    ウィルソン    プライマリー
17    コンウェイ    プライマリー
18    ホウクスワース    プライマリー
19    モントージャ    プライマリー
20    佐藤        プライマリー
21    ウエルタス    プライマリー

22    サーヴェドラ    USEDオルタネート


*チームにはプライマリー(ブラック)かオルタネート(レッド)、いずれをスタート時に使用するかの申告義務しかありません。確認できたのはオルタネートのユーザーのみ。プライマリーは多くの場合、NEWかスクラブした状態のものを投入します。

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 63 第17戦ソノマ Race Day ファイナルプラクティス:「3周目には壊れてしまいました。その中では、マシンの手応えとしてはよかったです」

「昨日よりクルマはグッとよくなっています」

Jack Amano(以下――):5周目にエンジンが壊れてしまったんですね?
佐藤琢磨:もうどこまで運に見離されてるんですかねぇ? こんなにトラブルって出ないですよね、普通は。

――今年はエンジン・トラブルが全体的に見て少ないのですが、佐藤選手には複数回起こっていますね。

佐藤琢磨:そうですね。

2014 INDYCAR レポート 第17戦ソノマ Race Day ファイナルプラクティス:最速は予選3位のスコット・ディクソン! 佐藤琢磨はエンジン・トラブルで5周しか走れず18位

Photo:INDYCAR (Chris Owens)
8月24日
天候:快晴
気温:18~20℃


レース・デイの早朝、大きな地震が発生
 
 今日の朝3時20分ごろ、サン・フランシスコ近郊はマグニチュード6.1の大きな地震に見舞われた。震源地はソノマ・レースウェイの西、約20キロメートルと非常に近かったが、地震によるダメージはレーシングコースにもサーキットの付帯施設にも認められず、レースはすべて予定通りに開催されることとなった。
 午前10時、インディーカーのファイナル・プラクティスはスケジュールのどおりに始まった。時間は30分間。ここでトップ・タイムとなる1分19秒0556をマークしたのは、昨日の予選で3位だったスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)だった。

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 62 第17戦ソノマ Day1 予選:「僕なりにグリップ感はそこそこ感じてたんだけど、ラップ・タイムは全然伸びて行かなかったですね。明日は戦略はともかくとして、ウォーム・アップでちょっと今までにまだできていないことを試したいですね」

Photo:INDYCAR (John Cote)
「レッド・タイヤを着けて一気にペース・アップを図ったんだけれども……」
Jack Amano(以下――):残念ながらQ1での敗退となってしまいました。コースのコンディション、あるいはマシンの状況はどんなでしたか?

佐藤琢磨:コースは基本的に午後のプラクティスからそんなに大きく変わっていなかったと思います。風向きは午前と午後で180度変わったんですが、それはいつものこと。だから午後のプラクティスとそんなにコンディションは変わらなかった。

2014年8月24日日曜日

2014 INDYCAR レポート 第17戦ソノマ Day1 予選:ウィル・パワーが今季4回目のポールポジション! エリオ・カストロネヴェスはファイナルに進むも最下位の予選6位、佐藤琢磨は予選20位

カストロネヴェスに羽交い絞めの祝福を受けるパワー Photo:INDYCAR (Chris Jones)
パワー、本領発揮のポール・ポジション
 「攻め過ぎないこと。それがソノマ攻略の鍵さ」と予選後に話したパワーだったが、彼の予選ファイナルでのアタックはその言葉とは真逆のものと見えていた。幾つものコーナーでマシンをスライドさせながら、ステアリングを右に左に切ってコントロールし続ける走りは、パワーだからこそ実現可能なものだった。

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 61 第17戦ソノマ Day1 プラクティス2:「予選ではできる限りのことをやってみます」

Photo:INDYCAR (Joe Skibinski)
「もうちょっとグリップしてもいいと思うんだけど、滑っちゃう」

Jack Amano(以下――):プラクティス2でも最後の方までトップ10にいて……という展開でしたが?

佐藤琢磨:ウーン……。

――好いタイムを出せていたという感じではなかったんですか?

佐藤琢磨:全然違いましたね。最初の方で良かったのはタイヤの恩恵もあったと思います。それが、グリップが良くなって来て、周りが速くなった時に自分たちはタイムを上げて行くことができなかった。

2014 INDYCAR レポート 第17戦ソノマ Day1 プラクティス2:エリオ・カストロネヴェスがトップ!

Photo:INDYCAR (Chris Jones)
8月24日 Day1 プラクティス2
天候:快晴
気温:23~24℃

路面は出来上がってきたが
路面温度が高くタイムは午前より低下

 インディーカーのプラクティス2が午後1時15分に始まった。プラクティス1と比べて気温はそれほど上がらなかったものの、路面温度は48℃にまで上がっていた(プラクティス1での路面は33℃)。
 インディーカーのプラクティス1の後にはUSF2000のレースとインディライツのレース#1(今週はダブルヘダー)が行われた。コース表面にタイヤ・ラバーは乗って来ているはずだ。しかし、グリップ・レベルは路面温度が上がったことで逆に下がっていたようだ。

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 60 第17戦ソノマ Day1 プラクティス1:「自分たちの走りからは、マシンのセットアップがいい方向に向かっていると感じることができました」

「走り出しとしてはマシンは割とよかったと思います」

Jack Amano(以下――):朝の45分間のプラクティス、どうでしたか?
佐藤琢磨:2月にテストした時とはもちろんコンディションも違うんですけど、クルマのセットアップのアプローチが全然変わっているので、その確認を先ずは行いました。多くのチームが先々週にテストに来ているんだけれど、僕らは来れなかったので、ちょっと駆け足で追いかけるという感じになっていましたね。

2014 INDYCAR レポート 第17戦ソノマ Day1 プラクティス1:肌寒さを感じる中、ハンター‐レイがトップタイムをマーク

Photo:INDYCAR (Chris Jones)
8月23日 プラクティス1
天候:快晴
気温:18℃

予想どおり、事前テストを行ったメンバーが上位に

 空は快晴。しかし、気温は肌寒さを感ずるものだった。ソノマらしいコンディションで今年もプラクティス1は行われたのだ。そして、最速ラップはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が記録した。走行開始から4周目に彼は1分17秒7150を叩き出した。