2018年4月14日土曜日

2018 INDYCARレポート R3 トヨタ・グランプリ・オブ・ロングビーチ Day1 プラクティス2:午後のセッション最速はアレクサンダー・ロッシ

コンディションの変化の影響も受けず、午後トップに出たロッシ。2番手はハンター‐レイとAAの2台は順調に初日を終えた Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
気温30℃オーバー!午前とは全く異なるコンディションに

 午前中は風が吹くと肌寒さを少し感ずるコンディションだったが、陽は照り続け、午後2時開始のプラクティス2では気温が朝から10℃アップの32℃、路面は15℃アップの47℃に上昇。その結果、朝のベストが1分08秒4112だったのに対して、午後は1分08秒5567と遅くなっていた。
 2回のプラクティスが明確に異なるコンディションとなったため、今日の2セッションのラップ・タイムを総合して比較することにはあまり意味はない。それよりも、両セッションでのポジションやトップとのタイム差が重要だ。プラクティス1からプラクティス2への進化の度合いは、ベスト・タイムを記録するタイヤが違うために外から見極めるのは難しい。今年からオルタネート・タイヤ=通称レッド・タイヤが1セット多く供給されるようになったため、プラクティス2での使用が可能。そして今日もプラクティス2でのファスト・ラップはほぼ全員がレッズ(Reds)装着で出していた。

2018 INDYCAR レポート R3 トヨタ・グランプリ・オブ・ロング・ビーチ Day1 プラクティス1:ロングビーチ最初のセッション、最速はスコット・ディクソン


Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
天候:快晴
気温:22℃

今年もプラクティス1最速はディクソン!
去年のタイムより0秒77後れ


 ロング・ビーチのコース・レコードは1分06秒2254。昨年エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)が予選で記録したものだ。
 新しいユニバーサル・エアロ・キット装着マシンはどのぐらい速いのか? はたまた遅いのか?
 最初のプラクティスではスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)の1分08秒4112がトップ・タイムだった。
 昨年のプラクティス1はどんなだったか。チェックすると、奇しくもディクソンが昨年も最速だった。タイムは1分07秒6357。今年の方が0.7755秒遅い。
 昨年はプラクティス1と予選のトップのタイム差が1秒4103あった。果たして今年はどの程度の差になるのか?
 エアロは変わったが、ファイアストン・タイヤはプライマリーもオルタネートも昨年と同スペックが供給されている。それらは今年のセント・ピーターズバーグで使われたものと同じだ。

2018年4月13日金曜日

2018 INDYCARレポート R3 トヨタ・グランプリ・オブ・ロングビーチ 4月12日:LBGPウォーク・オブ・フェイム

舗道に埋め込まれたドライバーやチームのプレートを挟むように椅子が並べられて行われたセレモニーには200人以上が集まり、ロング・ビーチは地元のパーネリ・ジョーンズ、LBGPで6勝のアル・アンサーJr.も出席。スピーチするエリオ・カストロネヴェス Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
カストロネヴェスとモントーヤが殿堂入り
 ロング・ビーチのダウンタウンで行われるトヨタ・グランプリ・オブ・ロング・ビーチ(LBGP)は今年で44回目を迎える。週末のレースを目前にした木曜日、エリオ・カストロネヴェスとファン・パブロ・モントーヤの殿堂入りが発表され、除幕のセレモニーが行われた。


2018 INDYCAR レース・アナリシス R2 フェニックス:オーバーテイク満載じゃなくてもエキサイティングなレース

ユニバーサル・エアロでの初のショートオーバルは、オーバーテイクが難しいレースとなったが、また見どころの多い一戦でもあった Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
圧倒的だったロッシの速さ! ただ1台、自由自在のラインどり
 
 フェニックスでの第2戦、新エアロでの初オーバル・レースということで注目された。オーバーテイクは確かに少なかった。しかし、パスが可能な人には可能だった。実力拮抗の度合いが進み、チーム間、ドライバー間のスピード差が減っているからこそ、タイミングを狙い澄まして実現されるオーバーテイクには大きな価値がある。
 フェニックスでのヒーローはアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)はこの日のヒーローだった。最初のピット・ストップでのミスがなかったら、大半のドライバーを周回遅れに陥れての圧勝を飾っていただろう。カテゴリーが違うんじゃないかと思ってしまうほどのスピード差を見せつけ、次から次へと前を行くマシンをパス。イエローの力を借りずに自力で1ラップ・ダウンを取り戻してしまう……なんて最近見てなかった気がする。ショート・オーバルでは時として圧倒的スピードを実現する人が現れる。ピタリと決まったセッティングでただひとり悠々と波に乗って走る。今回は走行ラインが狭く、それを外れるとタイヤかすに乗ってクラッシュする危険があったが、ロッシだけはそれを気にしていないかのように自由自在に走っていた。

2018年4月8日日曜日

2018 INDYCAR レポート R2 デザート・ダイヤモンド・ウエスト・ヴァレー・カジノ・フェニックス・グランプリ Race Day 決勝:ジョセフ・ニューガーデンが優勝

最後のリスタートでウィッケンスとの一騎打ちを制しニューガーデンが今シーズン初勝利 Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
天候:快晴
気温:32~34℃

最後に最速ラップを叩き出したニューガーデンの勝利

 フェニックスでの250ラップ・バトルを制したのは、昨年度チャンピオンのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)だった。今日の最速ドライバーではなかった彼が勝利を手に入れた……との感想を最初は持ったが、最後のスティント、つまりは最も大事な局面で最速だったのがニューガーデン。フレッシュ・タイヤを武器にアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、ジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)、そしてロバート・ウィッケンズ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)をパスしたわけだが、タイヤによるアドバンテージがあっただけではなかった。トップに躍り出た直後のラップでニューガーデンは今日のレースでのファステスト・ラップを記録した。彼はちゃんと速かったのだ。そこへチームが的確な作戦でフレッシュ・タイヤを提供。勝利をたぐりよせた。

2018 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R2 デザート・ダイヤモンド・ウエスト・ヴァレー・カジノ・フェニックス・グランプリ Day1 ファイナル・プラクティス:「もちろんレースは諦めてないが、順調に来て決勝が楽しみ、という感じではありません」

好調だったテスト時から一転、プラクティス1からマシンセッティングに苦しむ佐藤琢磨だが、ファイナルプラクティスでは20秒8481で10番手につけた。トップのキンボールと0秒3850差だ Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大 

「テストのときみたいなフィーリングがない」

Jack Amano(以下――): 気温は下がらなかったものの、路面温度は30℃台まで下がったセッションでしたが、マシンの状況は好転してましたか?

佐藤琢磨:テストの時にコンディションは近づいたけれど、まだ暖かいんじゃない?
でも、もう暖かいのはあまり言い訳にできないよね、みんな一緒なんだもん。とにかくクルマが悪い。クルマが遅い。全然テストの時みたいなカチッ、スパーンみないのがない。