2020年2月14日金曜日

2020 INDYCARレポート COTA:テスト2日目:インディーカー プレシーズンテスト終了

Photo:INDYCAR  Jonathan Ferrey (Getty Images) クリックして拡大
ウィル・パワーがトップタイム!
ウインドスクリーン装着の影響はあまりなし!


 テスト2日目も朝起きると雨。しかし、午後になって天気は回復。気温は14℃までしか上がらず、路面も完全なるドライ・コンディションにはとうとう最後までならなかったが、午後6時まで25台のマシンが慌ただしく走行を重ねて行った。

 徐々に乾いて行き、ラバーも乗って行った路面で最終的にトップになるラップタイムを記録したのは、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だった。そのベストは1分46秒7603。昨年のポールシッターはパワーで、1分46秒0177がレッドタイヤを使った予選でのベストだった。路面の舗装の一部が新しくされ、バンプが削られている部分もいる。ラップタイムを向上させる要素はあった。コースの縁石を乗り越えたライン採りも今年は禁止になっており、そうした走りで記録されたラップはカウントされずにいた。エアロスクリーン装着によって25kgほどマシンは重量が増えている。しかも、コクピット上部にそれだけの重さが加わったのだから、ラップタイムへの影響は大きいはずだが、想像していたよりも小さかった印象だ。
 

Photo:INDYCAR  Jonathan Ferrey (Getty Images) クリックして拡大
 「トップはいつだって気持ちがいい。速さを見せると同時に多くのテストメニューもこなせた点がまた嬉しい。最後の最後に赤旗が連発して出されたので、用意して来たメニューを全部こなし切れはしなかった。それでも、重要な項目はチェックできたし、知りたかった情報のうちの重要なものが得られた」とパワーは自分たちのテストを評価した。

2020年2月12日水曜日

2020 INDYCARレポート 2月11日:寒く冷たいインディーカーテスト1日目

コクピットに収まるパワー。ウインドスクリーン越しに望む Photo:INDYCAR Chris Graythen (Getty Images) クリックして拡大
 昨年以上の悪天候で、テスト初日はほぼ走れず

 2020年NTTインディーカーシリーズのプレシーズンテストは、昨年に続いてテキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカスでの開催。2日間で12時間もの走行時間がエントラントには与えられる予定だったが、今年も去年以上の悪天候で、テストの初日はほぼゼロに終わってしまった。走行開始は午前10時。その1時間前の午前9時、サーキット周辺の気温は6℃しかなかった。しかも、結構な風が吹いており、体感温度はさらに低かった。

コクピット真上から見るとこんな感じ Photo:INDYCAR Chris Graythen (Getty Images) クリックして拡大
 当然、こんな低温ではタイヤが暖まらず、ブレーキも効かない。ほぼ全車がインストレーション・ラップを行ったところ、開始から30分も経過していない時点で赤旗が出された。
 ランチ・ブレイクを挟んでの午後のセッションは、スタートが遅らされて天候の回復が待たれたが、気温は8℃程度までしか上がらず、風も残っていた。それでも走行が開始され、何台かのマシンが走ったが、そこに雨が降り出し、インディーカーのオフィシャルは走行1日目を終了させる判断を下した。


ペンスキー、悪天候下でエアロスクリーンの確認を行う


2号車に乗りこむマクロクリン Photo:INDYCAR Chris Graythen (Getty Images) クリックして拡大
  このような状況下でも、それなりの走行を行ったところがあった。チーム・ペンスキーだ。ルーキーのスコット・マクロクリンを先行させ、そのすぐ後ろをウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が2ラップ以上走り、ウェットコンディションでのエアロスクリーンの効果がベテランドライバーによって確認された。

2021年からのインディーカー参戦がうわさされるジミー・ジョンソンがマクラーレンのゲストとして姿を見せた。レイホールと何やら話し合う Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
 パワーは「ウェット・コンディションでもエアロスクリーンは大きな効果があった。水はスクリーンのどこに流れて行くのか、確認がなされる必要があった。今日の走行はそんなに長時間に渡るものではなかったが、スクリーン上部からコクピットに水が入って来ていた。(コクピット前部に設けられた)ベンチレーションから侵入して来ているのではなかった。モノコックとの接合部分だった可能性が高い。水の侵入路はインディーカーがマシンをチェックし、見つけ出すだろう。水しぶきの中を走ってもスクリーンは曇らなかった。視界はとても良いままだった。もっと本格的な雨が降っているコンディションでテストできたらベストだが、今日の走行によってでも、水がスクリーン上部からコクピットに侵入して来ているとわかった。ステアリングホイールや、ヘルメットのバイザーに垂れてくる水があった。スクリーン上端をリップで取り囲むなどの対策が良いかもしれない。問題解決はさほど難しいものではないと思う」と語った。
佐藤琢磨は1ラップだけ走行
エアロスクリーンの効果を体感


コースインする佐藤琢磨 Photo:Masahiko Amano クリックして拡大
 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、今日がこのオフ・シーズンでの初のインディーカーでの走行だったヨーバが、午前中の1ラップだけでテスト初日は終わりとなってしまった。「今日の午後は、雨の中を少し走るつもりでした。ウェットコンディションでエアロスクリーンがどれだけの効果があるものなのかを確認したかったので。しかし、コースに出ようというところで赤旗が出されてしまいました」と琢磨は残念そうだった。
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「朝は1周だけでした。それでも、スクリーンの効果は感じられました。ヘルメットのバイザー1枚を通して見ていた従来と比べ、バイザーにプラスして分厚いスクリーンも通して見える景色は、確かに何かぼやけたようなものになります。しかし、フロントの支柱も、スクリーンの上のフレームも走っている時にはまったく気になりません。ピットに止まっている時には、すごく守られているなという感覚が強くありました。また、走行中のコクピットは本当に静かでした。ヘルメットが揺らされることもありません。ただ、風が入って来ないので、そういうものも感じながらドライビングをしていた自分にとっては、その辺りがどう影響して来るのか……とは思いました」と話した。「明日はたくさん走りたいですね。午前中には雨の中を走り、午後はドライになって、そこで更に多くの走行を行うようになるといいですね」と琢磨はコメントを締めくくった。
以上