2016年4月2日土曜日

2016 INDYCARレポート R2 フェニックス Day1 予選:グレアム・レイホールの予選

フェニックス初日、苦境に陥ったホンダ勢。2月のテストでは好調だったレイホールも例外ではなかった Photo:INDYCAR (Chris Owens)
2月のテストの好調ぶりから一転、不本意な予選19位に
 
 デザート・ダイアモンド・ウェスト・ヴァレー・フェニックス・グランプリ(……紹介が遅れたけれど、今回のレースの正式名称はこんなに長い)の予選で、昨年度ランキング4位のグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は19番手という後方グリッドしか手に入れることができなかった。2月に2日間行われたテストで、レイホール二世は11番手につける19秒4492のベストをマークしていたが、今日の予選での彼は計測2ラップがともに20秒台で、ポール・ポジションのエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)との差は2秒6719(!)もあった。

2016 INDYCARレポート R2 フェニックス Day1 予選:エリオ・カストロネヴェスがポールポジション

カストロネヴェス、フェニックスでは2002年以来2度目のPP Photo:INDYCAR(Chris Jones)
カストロネヴェス、1週目に驚異の19秒0台

 午後2時から約1時間に渡って、気温が25~26℃、路面温度49℃、微風というコンディションで行なわれたフェニックス・インターナショナル・レースウェイ(PIR)での予選、ポール・ポジションを獲得したのはエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)だった。ピットの出口側からスタートし、1周のウォーム・アップの後に2周して、その合計タイム(平均スピード)が競われたが、カストロネヴェスの1周目は19秒0997(!)、2周目が19秒1607と素晴らしい2ラップで合計38秒2604=平均時速192.324mphで今季初のポール・ポジション獲得を果たした。

2016 INDYCAR ニュース 4月1日:アンドレッティ・オートスポートがインディーに5台目をエントリー

カーナンバー29のマシンにタウンゼント・ベルを起用

 今日、フェニックス・インターナショナル・レースウェイでのランチ・ブレイクの間にアンドレッティ・オートスポートが会見を開き、第100回インディー500に5台目のエントリーを行うことを発表した。2005年に故ダン・ウェルドン、2008年にはダリオ・フランキッティ、2014年にライアン・ハンター-レイによってインディー500優勝を記録してきているアンドレッティ・オートスポートは、去年のインディーではストック・カー・チャンピオンのカート・ブッシュを走らせた。しかし、今年はブッシュがストック・カーに専念してインディーに出場しないことを決めたため、タウンゼント・ベル(カリフォルニア州出身)がそのシートを手に入れることとなった。カー・ナンバーは「29」をつける。

2016 INDYCARレポート R2 フェニックス Day1 プラクティス1:フェニックスのエントリー&マシン・カラーリング

いつものカラースキームながら、今回はREVグループのロゴをまとうカストロネヴェス Photo*INDYCAR(Chris Owens)

ホンダとシボレー、いずれも11台のエントリー

 エントリーは22台で開幕戦セント・ピータースバーグと同じだが、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのルーキー=スペンサー・ピゴットは今回出場せず。エド・カーペンター・レーシングからオーナー兼ドライバーのエド・カーペンターがオーバル・レースなのでエントリーし、出場台数が開幕戦と変わらないことに。今回はシボレーとホンダのエントリーは、どちらも11台ずつだ。

 カー・ナンバー3=エリオ・カストロネヴェスはモーターホームなどのレクリエーショナル・ヴィークルのメーカー=REVグループが今回のメイン・スポンサー。白/黒/赤の3号車用ベーシック・カラーリングをそのまま利用。チームメイトのファン・パブロ・モントーヤとウィル・パワーは、どちらもヴェライゾンがメインで、シルバーのマシン。

2016 INDYCARレポート R2 フェニックス Day1 プラクティス1 :最速は今季初出場のエド・カーペンター

3月のテストでのベストを破るタイムをマーク
2位はニューガーデンで、ECRがワンツー

 今シーズン初登場のエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング=ECR)がフェニックスでの最初のプラクティスで最速ラップ=19秒1227(平均時速192.3996mph)をマークした。3月のテストでのベスト、エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)による19秒2735を破ってのトップだった上、2番手がチームメイトのジョセフ・ニューガーデンだったのだから、カーペンターが満足顔だったのも当然だ。ニューガーデンのベストは19秒1401で、カーペンターとの差は0.0174秒しかなかった。

2016 INDYCARレポート R2 フェニックス Day1 プラクティス1:今度はジェイムズ・ヒンチクリフがクラッシュ

琢磨と同じようにヒンチクリフもスピンしてリヤからウォールにヒット Photo:INDYCAR (Chris Jones)
走行再開後、またしてもターン1でクラッシュ発生

佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)のアクシデントの後、インディーカーはプラクティス1の10分間延長を決めたが、走行が開始されて間もなく、今度はジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)がクラッシュした。場所は同じくターン1。琢磨よりも少し奥でスピンに陥ったマシンは、180度回って水色のアウトサイド・ウォールにリヤからクラッシュ。ヒンチのマシンも後部が完全に破壊された。

ヒンチも自力でマシンを降り
メディカル・チェック後、走行許可に

 ヒンチのケースは琢磨より少ない4周目のアクシデントだったが、前の周は19秒7107=平均時速86.660mphと琢磨よりスピードは乗っていた。昨年のインディアナポリス以来となるアクシデントとなったが、今回は自力でコクピットから出て来ることができた。そして、メディカル・チェックの後に走行許可がインディーカーから出された。

 3月のテストでは2日間の長時間走行が行われたが、大きなアクシデントはジャック・ホウクスワース(AJ・フォイト・エンタープライゼス)よる1回のみだった。それが今日は、最初のプラクティス開始間もなく2台が、テスト時のもの以上のアクシデントを起こしている。テストで試した以上にアグレッシブなセッティングを彼らはトライしていたのだろうか?

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R2 フェニックス Day1 P1:佐藤琢磨に走行許可が降り、TVインタビューに応ずる

リアからセイファー・ウォールにヒット Photo:INDYCAR (Chris Jones)
「予選シミュレーションをしていたのですが
オーバーステアが大きく出すぎていました」

インフィールド・ケアー・センターで診察を受け、インディーカーから走行許可を得た佐藤琢磨がアメリカのTV局のインタビューに応えた。

――ダイジョウブですか?

佐藤琢磨:私はダイジョウブです。

――すごいクラッシュでしたね?

佐藤琢磨:すごく大きなインパクトでした。頭痛もしてます。

――どのようにアクシデントは起きたんでしょう?

佐藤琢磨:マシンは突然スピンしました。それでコントロールを失ってしまった。予選のシミュレーションをしていたんですが、オーバーステアが大きく出過ぎていましたね。

――予選、レースへの出場は可能ですか?

佐藤琢磨:大丈夫と思います。
以上

2016 INDYCARレポート R2 フェニックス プラクティス1:佐藤琢磨が6周目にクラッシュ!

ターン1でリアからヒット

 プラクティス1開始は午前10時。
 それから10分も経たないうちに、佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)がアクシデント! ターン1でインサイドの黄色いラインまで降りた直後、マシンのリヤが一気に流れ、180度回ってリヤからセイファー・ウォールへハード・ヒットした。
 琢磨にとって6周目。直前の5周目のラップ・タイムは20秒2610(平均時速=181.590mph)で3番手につけていた。3月のテストでの琢磨のベストは19秒4998だった。

2016 INDYCARレポート R2 フェニックス:フェニックスは快晴

4月1日朝のフェニックスは13℃!

 おはようございます! 無事にフェニックス・インターナショナル・レースウェイに入りました。
 少々の時差ぼけを引きずりつつ、朝7時30分にメディア用のパーキング・パスを受け取ってインフィールドへ。
 今日から4月だけど、フェニックスは砂漠なんで、朝は冷え込む。サーキット到着時の気温は13℃しかなかった。日中の最高気温は26℃まで上がるってのが今日の予報。決勝日の明日は、それより少し暑い28℃になるらしい。降雨確率は、この週末ずーっとゼロ。
 まだ涼しい中で、今はインディー・ライツ・プレゼンテッド・バイ・クーパー・タイヤズがプラクティス中。エントリーは16台=開幕戦と変わらず。
以上

2016年4月1日金曜日

2016 INDYCARレポート 3月30日:KVSHレーシングは灰から蘇ることができるか?

思わぬアクシデント 
KVSHレーシングのトランスポーターが第2戦フェニックスへと向う道すがら車両火災に見舞われた。目的地のフェニックス・インターナショナル・レースウェイまで、もうあと25マイルというところ、インディアナポリスからの1450マイルの長旅がようやく終わろうという時のことだった。