2013年11月15日金曜日

2013 INDYCAR ニュース 11月14日:ダリオ・フランキッティ引退

Photo:INDYCAR
インディーカー・レース出走265戦、通算31勝、ポールポジション33回!
 インディーカー・シリーズでチャンピオンになること4回、インディー500では3勝を挙げたスコットランド出身ドライバー、ダリオ・フランキッティ(40歳)が所属チームのターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングからリリースを配信し、引退を表明した。

2013年11月14日木曜日

2013 INDYCAR ニュース :11月15日佐藤琢磨の特集番組がオンエア!

佐藤琢磨選手の番組が近々NHK BS1にて放送されます。
以下は、NHK BS1 のウェブサイトに掲載されていた情報です。

番組名:
BS1スペシャル 「誰よりも前へ?佐藤琢磨 インディへの挑戦?」

放送チャンネル 放送日時
BS1  11月15日(金)午後8:00~9:49

内容紹介
アメリカのモータースポーツで大人気のインディカーレース。トップスピードは時速380キロにも達する。今年4月、ロングビーチで行われたシリーズ第3戦で佐藤琢磨選手が初優勝を遂げた。日本人初の歴史的快挙である。しかし、その後のレースは運転ミスやエンジン不調などトラブルが相次ぎ、成績は下降する。「ノーアタック、ノーチャンス」を胸に刻み、果敢に攻め続ける琢磨選手の戦いぶりを半年間にわたって記録した。
【出演】佐藤琢磨,【語り】一柳亜矢子
<中断> 午後8:50~9:00 BSニュース

http://www.nhk.or.jp/bs/special/

この番組は、佐藤琢磨選手が2002年にF1グランプリへのデビューをした年に
作られた=「いまハダカにしたい男たち~佐藤琢磨~」の続編のように制作されたということで、
NHKのプロデューサーだけでなく、撮影スタッフまでもが同じメンバーだったのだそうです。
現場で見ていても、舞台裏まで思い切って突っ込んで行っている取材が敢行されている様子でした。
楽しみですね。

2013年10月23日水曜日

2013 INDYCAR レポート:第19戦フォンタナ:2013年シーズンを終えて

2013シーズン表彰式でチャンピオンリングを授与されたディクソン Photo:INDYCAR (Chris Jones)
三度目のタイトルをスコット・ディクソンが獲得!
初タイトルを逃したエリオ・カストロネベスは三度目のランキング2位

 フォンタナでのレースを終えたエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)は、「ひとつの週末が、残念ながら自分たちのポイントにとって致命的になった。誰も予測できないトラブルだった。メカニカルトラブルが出ないよう手は尽くしていたが、1週末でだけトラブルが発生、それが自分たちのチャンピオンシップ喪失に繋がった」と彼なりの分析を披露した。

2013年10月21日月曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント70 第19戦フォンタナ Race Day 決勝その2:「今年も盛りだくさんの一年でした。奮闘したとも言えるし、もう少し頑張れたかなっていうのもあるし、両方です。チーム全体として、全力で戦って実力を出せたところもあったので、そのあたりはすごく良かったと思います。そして同時に、反省点もたくさんあった1年でした」

Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher)

2013 ドライバーズ ポイントスタンディング 17位(322ポイント)
2013 オーバルコース ポイントスタンディング 15位(100ポイント)
2013 ロードコース ポイントスタンディング 16位(222ポイント)

「最終的にもうちょっと良いリザルトを残して、複数優勝をしたかったです」
――シーズンを振り返ってください。優勝もあり、アップ&ダウンもありました。
佐藤琢磨:振り子のように、振り幅が大きいシーズンでした。最終的にはもうちょっと良いリザルトを残して、複数優勝をしたかった。シーズンエンド、この前のヒューストンでポールポジションを獲ったってこともあって、スピードが復活して来ていたところもあったから、最後、シーズンエンドを良い状態で終わりたかったんですけど、それが叶わなかったのは残念です。まぁ、シーズンを通して見ると、コンペティティブな時もあれば、かなり苦しいレースもありました。不運に見舞われた時も、アクシデントになることもありました。今年も盛りだくさんの1年でした。でも、チームをAJ・フォイト・レーシングに移籍して、メカニックが本当に全レースでフルサポートをしてくれて、すごく良い環境で走ることができていました。たくさんの感謝の気持ちを持っています。あとはやっぱり、もうちょっと良いリザルトを残すために、チーム全員でいかにして進んで行くかっていうのを見直すのはすごく大事だと思います。

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント70 第19戦フォンタナ Race Day 決勝その1:「最後まで残っていればトップ10の可能性はもちろんありました。この最終戦、懸ける意気込みは結構大きかったので、メカニックも含めてリカバリーとしてはすごく良かったと思うんですけど、もう一歩、スピードっていうところではちょっと足りない最終戦になってしまいました」

フォンタナの決勝スタートに向けコースインする佐藤琢磨 Photo:INDYCAR(Richard Dowdy)クリックして拡大
MAVTV500
10月19日 Race
17位 1時間55分41秒7516 144周(メカニカルトラブル 106周遅れ)


「レースの序盤、トップ10に近づいてから苦しい展開になっていました」

Jack Amano(以下――):最終戦、非常に良いスタートを切れていましたね?

佐藤琢磨:はい。スタートは順位を上げることができて、タイヤがフレッシュな時のスピードはそんなには悪くなかったと思うんですけど、タイヤの摩耗が進行した時にペースを維持できなかったですね。結構そういう意味ではグリップ感に悩まされて、前に着いて行けない展開というのが多かったです。レースの最初はグリーンの状態でピットストップがあって、その時まではそんなに悪くなかったと思うんですけど、トップ10に近づいてからが苦しい展開になっていました。

2013年10月20日日曜日

2013 INDYCAR レポート 第19戦フォンタナ Race Day:優勝はウィル・パワー!5位フィニッシュでスコット・ディクソンが3度目のタイトル獲得!! エリオ・カストロネベスは1周遅れの6位でまたもチャンピオンになれず

パワーはヒューストンに続き最終戦を勝利で締めくくった Photo:INDYCAR (Richard Dowdy) クリックして拡大
MAV TV500
10月19日 Race Day
天候:快晴
気温:19~28℃

ウィル・パワー、人生最高の勝利
カストロネベス、ピットタイミングに泣く

 1年前のフォンタナでは66周でクラッシュ。ポイントリーダーとして最終戦を迎えながら、3年連続のシリーズ2位となったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だったが、今年のレースでは見事な優勝を飾り、「人生で一番満足の行く勝利だ」と喜びを爆発させていた。
 パワーとは対照的に、彼のチームメイトのエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)はチャンピオンシップを獲り逃し、ガックリ肩を落とした。彼はピットタイミングが悪く、レースの終盤土壇場で周回遅れに陥り、挽回のチャンスを与えられずに6位でのゴールとなったのだ。
 「トップ10フィニッシュを重ねてタイトルを獲得する。それが今年の目標だったが、ヒューストンでのトラブルが僕らをタイトル獲得から遠ざけた。自分たちは力を出し切った。今日のレースでもそうだった。勝つために全力を投入していた。ガナッシとディクソンの勝利を讃えたい」とカストロネベスはコメントした。

「チームの総合力がチャンピオン獲得につながった」と語るディクソン
 ポイント・リーダーとして今年の最終戦を迎えたスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)は5位でゴールし、三度目のシリーズ・タイトル獲得を果たした。
ディクソン、序盤の不振を克服し3回目のタイトル獲得!Photo:INDYCAR (John Cote)クリックして拡大  

2013 INDYCAR ニュース 10月19日:アンドレッティ・オートスポートが2014年はホンダ・エンジンにスイッチ

「自分の家に帰ってくるような感覚」とマイケル


 最終戦フォンタナの決勝日、アンドレッティ・オートスポートはオート・クラブ・スピードウェイのプレスルームで午後2時過ぎから記者会見を開き、まずはマシュー・ブラバム(19歳。ジャック・ブラバムの孫=ジェフ・ブラバムの息子)のインディーライツへのステップアップとそのスポンサー=ユナイテッド・ファイバー&データとマツダスピードを発表し、次にインディーカーの27号車に乗り続けるためにジェイムズ・ヒンチクリフが残留する件と、彼のマシンがブラバムと同じくUFDをメイン・スポンサーとすることを明らかにした。
 

 この後、アンドレッティ・オートスポートは、2014年からエンジン・サプライヤーをシボレーからホンダにスイッチすると発表した。

2013 INDYCAR レポート第19戦フォンタナ 決勝スターティンググリッド

予選での計測ラップなし、予定外のエンジン交換に対するペナルティ・・・
といった要素を加味して決まった今日のスターティング・ラインナップが以下の通りです。(チームの後ろのアルファベットはエンジン・ブランドの頭文字)

1列目 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)C
    AJ・アルメンディンガー(チーム・ペンスキー)C
    セバスチャン・ブルデイ(ドラゴン・レーシング)C

2列目 チャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング)H
    ジェイムズ・ジェイクス(レイホール・レターマン・ラニガン・
レーシング)H
    マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)C

3列目 エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)C
    ジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)C
    トニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)C

4列目 カルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)C
    ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)C
    エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)C

5列目 シモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・
モータースポーツ)H
    オリオール・セルビア(パンサー・レーシング)C
    JR・ヒルデブランド(ブライアン・ハータ・オートスポート・
ウィズ・カーブ・アガジェニアン)H

6列目 シモーナ・デ・シルベストロ(KVレーシング・テクノロジー)C
    スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・
レーシング)H
    ジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)H

7列目 ピッパ・マン(デイル・コイン・レーシング)H
    ジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・
レーシング)H
    アレックス・タグリアーニ(ターゲット・チップ・ガナッシ・
レーシング)H

8列目 グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・
レーシング)H
    トゥリスタン・ボーティエ(シュミット・ピーターソン・
モータースポーツ)H
    セバスチャン・サーベドラ(ドラゴン・レーシング)C

9列目 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)H

2013年10月19日土曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント69 第19戦フォンタナ Day1 ファイナル・プラクティス:「2セット目のタイヤを履いてからは非常にコンシスタントに回れるようになりましたね。すごく良い確認ができました。レース前にこれを行えて良かったと思います。最後尾からのスタートですが頑張ります」

Photo:INDYCAR (Chris Owens)クリックして拡大
MAV TV 500
オートクラブ・スピードウェイ
カリフォルニア州フォンタナ
10月18日 Day1 ファイナルプラクティス
33秒6666 20位 35周走行


「マシンはメカニックたちの素晴らしい作業で全部元通りになりました」

Jack Amano(以下――):大修理を行ったマシンでの走行でしたが、どうでしたか?

佐藤琢磨:朝のプラクティスに関しては、御心配をおかけしました。マシンについては、メカニックたちの素晴らしい作業によってセッション直前に全部元通りになりました。ファイナル・プラクティスはマシンの確認作業から始めました。ちょっと最初のうちは満足のいくバランスというか、グリップ感になっていなかったんですけど、2セット目のタイヤを履いてからは非常にコンシスタントに回れるようになりましたね。すごく良い確認ができました。レース前にこれを行えて良かったと思います。

2013 INDYCARレポート 第19戦フォンタナ Day1 ファイナル・プラクティス:最速はマルコ・アンドレッティ!佐藤琢磨は20番手

ファイナルプラクティスでトップタイムをマークしたマルコ・アンドレッティ。ハンター-レイは7番手タイムPhoto:INDYCAR(John Cote)
カストロネベスは2番手タイムと順調

 夕方の6時過ぎ、明日が決勝の最終戦MAV TV500のファイナル・プラクティスが行われた。気温は27℃と日中とほとんど変わらなかったが、日が傾いてから路面温度は急降下。このセッション中に気温を下回り、チェッカード・フラッグが降られた時には24℃になっていた。
 トップタイムとなる32.9135秒=218.755mphを出したのは予選8位のマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)。シーズン最終戦を今シーズン初勝利で締め括ることはできるか?
 2番手は218.745mphを出した予選2位のエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)だった。今のところチャンピオンの座を争う相手、スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)より優位に週末を進めて来れている。

2013 INDYCARレポート 第19戦フォンタナ Day1 予選:ポールポジションはウィル・パワー!佐藤琢磨は予選予選出走せず

空気を読まない?速さでウィル・パワーがポールポジション獲得 Photo:INDYCAR (Chris Jones)

MAV TV500
オートクラブ・スピードウェイ
カリフォルニア州フォンタナ

Day1 予選
天候:快晴
気温:30℃


カストロネベスがトップに立ち、ポールポジションに片手をかけたが……
 フォンタナのスターティング・グリッドはインディー500と同じく3台1列。予選は2周連続のスピードで競われた。
 最初のアタッカー、エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)が217.932mph平均を出し、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)が217.958mphでこれを上回ってトップに立った。
 9番目にコース・インしたのはエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)。彼はアタック1周目に220mph台を出し、2周平均を219.677mph平均でトップに立った。ポール・ポジション争いのハードルが一気に引き上げられたのだ。

2013 INDYCARレポート:第19戦フォンタナ Day1 プラクティス1:最速はウィル・パワー! シボレー勢がトップ5を独占!! ホンダのトップはスコット・ディクソンの6番手。佐藤琢磨はクラッシュ

前戦からの好調を維持するかのようにパワーはプラクティスでトップタイムをマーク photo:INDYCAR(Richard Dowdy)
シボレー勢、走行開始早々立て続けにベストラップをマーク

 フォンタナでのプラクティス1回目、トップ・タイムはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の32.5955=平均速度220.889mphだった。このセッションでパワーは39周を走ったが、ベストが記録されたのは4周目だった。
 2番手はトニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)の32.7575秒=219.889mph、3番手はジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)の32.8049秒0=219.479mphと続いた。TKのベストは36周した中の3ラップ目で、ヒンチのベストも38周のうちの3周目だった。
 4番手はAJ・アルメンディンガー(チーム・ペンスキー)、5番手はエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)で、ここまでは全部シボレー・ユーザー。ホンダ勢のトップは6番手につけたスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)だった。タイムは32.9597秒。平均時速は218.495mphだった。トップ10に8台を食い込ませ、シボレーが優位を示していた。


佐藤琢磨、37周目にターン4アウト側ウォールにヒット

 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は37周目のターン4でクラッシュした。その時点までのベストラップは7周目の33秒1528=217.176mphで、25台中の14番手となった。長い時間をかけてリヤサスペンションのセッティング変更を行ってコースに復帰した琢磨は、まだ完全にスピードに乗せ切る前にターン4でグリップを失いスピン、アウト側ウォールにヒットし、コース内側の芝生のエリアにストップした。
 フォイト・チームはガレージに戻されたマシンをチェックし、タブにダメージが無い事を確認、修理に取りかかった。しかし、琢磨は予選に出走せず、夕方のファイナル・プラクティスから走り始めることとなる可能性が高い。
 このセッションにはもう1台のアクシデントがあった。スポット参戦のピッパ・マン(デイル・コイン・レーシング)が僅か8周目にしてクラッシュした。
以上

2013 INDYCARニュース:5号車のドライバーはカルロス・ムニョスに

フォンタナに姿を見せたムニョス。来季、飛躍への足掛かりをつかみたいところだ Photo:INDYCAR (Richard QDowdy)

EJ.ビソ、体調不良で出走を断念

 アンドレッティ・オートスポートが5号車のドライバー変更を行った。レギュラーのEJ・ビソ(アンドレッティ・オートスポート)が体調不良のために出走を断念し、代役としてカルロス・ムニョスが5号車に乗ることとなったのだ。ビソは木曜日の晩に出場できない意向をチームに伝えたという。

2013 INDYCARニュース 10月18日:2014年レース・カレンダー発表!インディアナポリスでのロードレース追加、1増1減で18戦

3月30日開幕、最終戦は8月30日!!

 10月17日、インディーカーが2014年シーズンのカレンダーを発表した。15イベントで年間18戦というスケジュールだ。
 1増2減。新イベントはグランプリ・オブ・インディアナポリス。インディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコース(全長2.343マイル。コーナー数=14。レイアウト変更を施し、現在500万ドルをかけた改修工事が進行中)を使い、インディー500の直前、5月10日にレースを開催する。その一方で、2013年にレースが行われ、2014年のカレンダーに載っていないのは、ブラジルとボルティモアのストリート2戦だ。
 

ダブルヘッダーはストリートで3イベント計6戦
 
  今シーズンにトライして好評を博したダブルヘッダーは、2014年もデトロイト、ヒューストン、トロントの3ストリートイベントで開催されることになった。セント・ピーターズバーグは2014年も開幕戦として行われる(4年連続)が、ダブルヘッダーは実現しなかった。最終戦も3年連続でフォンタナで行われる。
 最終戦は8月最後の週末! 2014年のインディーカー・シーズンはフットボールや野球との競合を避けて早々に終了する。
 日程が大幅に移動するイベントはふたつ。6月の開催だったミルウォーキーが2014年は8月に、10月の開催だったヒューストンは6月の開催に変わる。
 コース・バラエティの豊富さがウリのインディーカー。それは2014年のカレンダーでも保たれる。ストリートが8戦と最多で、常設ロードコースが4戦、ショートオーバルが2戦、インターミディエイト・オーバルが1戦、スーパースピードウェイが3戦(オーバルは全部で6戦)という構成だ。

2014年インディーカー・シリーズ

3月30日 セント・ピーターズバーグ(ストリート)
4月13日 ロング・ビーチ(ストリート)
4月26日 バーバー・モータースポーツ・パーク(ロードコース)
5月10日 インディアナポリス・モーター・スピードゥエイ(ロードコース)
5月25日 インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(スーパースピードウェイ)
5月31日 デトロイト1(ストリート)
6月1日  デトロイト2(ストリート)
6月7日  テキサス・モーター・スピードウェイ(インターミディエイト・オーバル)
6月28日 ヒューストン1(ストリート)
6月29日 ヒューストン2(ストリート)
7月6日  ポコノ(スーパースピードウェイ)
7月12日 アイオワ・スピードウェイ(ショート・オーバル)
7月19日 トロント1(ストリート)
7月20日 トロント2(ストリート)
8月3日  ミッド・オハイオ・スポーツ・カー・コース(ロードコース)
8月17日 ミルウォーキー(ショート・オーバル)
8月24日 ソノマ・レースウェイ(ロードコース)
8月30日 フォンタナ(スーパースピードウェイ)

以上

2013年10月17日木曜日

2013 INDYCAR レポート 第19戦フォンタナ:フォンタナの歴代ウィナーから見る今年の今年のチャンピオン争いの行方

フォンタナ初代ウイナーはマーク・ブランデル

 オート・クラブ・スピードウェイ=カリフォルニア・スピードウェイは、全長2マイルのスーパースピードウェイ。所在地はカリフォルニア州ロサンゼルス郊外(といっても結構遠い)のフォンタナです。
 このコースでインディーカー・レースが行われ始めたのは、CART時代の1997年でしたね。アメリカ・レース界がちょっとしたバブル景気にあった頃で、次々とオーバルコースがオープンした、その中のひとつでした。
 栄えある最初のウィナーとなったのはマーク・ブランデル。元F1ドライバーも今やポッチャリ体型になり、マイク・コンウェイのマネージャーなんぞを務めております。ヒューストンにも来ておりました。
 その後のウィナーたちを見ると、1998年が現KVレーシング・テクノロジー共同オーナーのジミー・バッサー。1999年は元チーム・オーナーのエイドリアン・フェルナンデス。2000年はクリスチャン・フィッティパルディ、2001年はクリスチアーノ・ダ・マッタと続きます。

複数回優勝はエイドリアン・フェルナンデスとサム・ホーニッシュJr.

 2002年はCARTとIRLの両方がレースを開催して、CARTではバッサーが2勝目。IRLでは今やストックカー・ドライバーとなっているサム・ホーニッシュJr.が優勝しました。
 2003年はIRLだけの開催で、サムホが連覇。この頃の彼は一昨年とかのロードコースにおけるウィル・パワーぐらい強烈に速かったぁ……ストックカーだとクラッシュばっかりのサムホだけど。
 2004年にはフェルナンデスが2勝目。そして2005年にはダリオ・フランキッティが勝って、いったんフォンタナでのレース開催はストップになりました。このコースがNASCAR系列の所で、インディーカーは商売敵だってことで地元でのプロモーションをほとんどやらなかったんです。それに腹を立てたインディーカーの社長=ラインディ・バーナードが英断を下し、NASCAR系コースでのレース開催を全面的にストップしたんです。彼の前任者にはそういう勇気ある決断、全然できなかったんですけどね。ブライアン・バーンハートって名前の人です。


 その後、NASCARとインディーカーの間の確執も幾分和らいで、フォンタナのコースの改修もなって、2012年からインディーカーのレースがまた行われるようになっています。インディーカーというメジャー・シリーズのレースを開催、盛り上げさせれば利益が上がる。そんな当たり前のことに彼らもようやく気づいたというか、NASCAR人気の上にあぐらをかいてると儲からなくなっちゃう……という危機感を近頃は抱いているってコトでしょう。
 

7年ぶり復活の昨年はDW12でエキサイティングな高速バトルに

 去年のフォンタナは、チャンピオン争いも緊迫した状況だった上に、新型シャシーと新エアロ・パッケージによって、「これこそインディーカー!」という高速オーバルレースが繰り広げられました。そして、このバトルで勝利したのが、なんと、エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)だったんです。そして、タイトル争いはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が制しました。2位はフランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)、3位はスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)。因みに、ポールシッターはマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)でした。ポイントトップでフォンタナ入りしたパワーは、序盤にしてクラッシュ、リタイアという一人相撲。見かけによらずプレッシャーに弱いじゃないか……との印象を世間に与えました。
ペンスキー、意外にもフォンタナ未勝利!

 今年もフォンタナは最終戦で、チャンピオン争いは決着がついていません。ポイントリーダーはディクソンで、2位はエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)。大雑把に言うと、上位でフィニッシュした方がチャンピオンになるという状況……より若干ディクソンが優位って感じになってます。
 マニュファクチャラーズタイトルもかかった戦い、果たしてシボレー・エンジンはフォンタナでもパワーで優位にあるんでしょうか? それとも、燃費のアドバンテージを持つホンダが新スペックでパワー面でも巻き返して来るのでしょうか??
 ガナッシ対ペンスキーという観点からですと、フォンタナでガナッシは勝ってますが、ペンスキーは意外や優勝経験がないんです(このコースを作ったのはペンスキー系列だったんですけどねぇ)。去年のフォンタナでの2チームを比較すると、ガナッシの方が成績は良かったんです。2人が表彰台に上りましたから。ところが、今年の高速オーバルでの成績で比べますと、ペンスキーはエリオがテキサスで1勝してまして、インディーでもペンスキー勢の方がパフォーマンスは良かったんです。さぁて、プレッシャーが大きくのしかかる状況での両者、今年のフォンタナでは果たしてどんな戦いぶりを見せてくれるんでしょうか。


タイトル経験のないカストロネベスの走りに注目


 エリオはタイトル未経験で、ディクソンはすでに二度獲ってます。ペンスキー勢の最後のタイトルは2006年のサムホ。彼の後、ブリスコーとパワーがあと一歩のところでタイトルを取り逃してます。「ビッグタイトルってのは、来た最初のチャンスにズバッと一発で獲らないとダメ」という説があります。ブリスコーはペンスキーから放出され、パワーは三度取り逃した後(これはこれですごいんですが……)はランキングトップ10入りも危ういシーズンを過ごしました(今年)。
 なお、今年のフォンタナでは、トニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)=今年のインディー500ウィナーかディクソン=今年のポコノ400ウィナーが勝つと25万ドルもの賞金がファジーズ・ウォッカから贈られます=トリプル・クラウンのうちの2レースを勝ったということで。

以上

2013年10月16日水曜日

2013 INDYCARレポート 第19戦フォンタナ:佐藤琢磨 フォンタナに向けて 「上位で完走できたら最高です。しかし究極の目標は優勝。そして、それは不可能ではないと考えています」

佐藤琢磨にQ
(AJ・フォイト・エンタープライゼスのプレス・リリースより)


「フォンタナはレーシングラインがいくつもある素晴らしいコース」
――オート・クラブ・スピードウェイについて
佐藤琢磨:フォンタナは素晴らしいオーバルコースだと思います。確かにバンピーですし、チャレンジングですが、レーシングラインはいくつもあり、マシンのバランスや路面のコンディションによって低いラインも高いラインも採用できます。これはすごいことで、スピードを大きく落とさずにこのような走りが実現できるコースって、あまり多くは存在しないんです。だからファンはサイド・バイ・サイドの戦いやリードチェンジを数多く見ることができると思います。僕は去年、初めてのフォンタナを楽しみました。

2013 INDYCARレポート 第19戦フォンタナ:最終戦を走るのは25台! チーム・ペンスキーとターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングはノン・レギュラードライバーをそれぞれ起用!! カストロベスとディクソンのタイトル争いの行方を果たして左右できるか!?

ペンスキー、アルメンディンガーを加えて3台体制に
 カリフォルニア州フォンタナのオートクラブ・スピードウェイ(全長2マイル)で今週末に開催される2013年シーズン最終戦MAV TV500には25台のエントリーがあった。先々週にテキサス州ヒューストンで行われたシリーズ第17、18戦にプラス1台。追加されたのはチーム・ペンスキーのカー・ナンバー2。乗るのはAJ・アルメンディンガーだ。チャンプカーからストックカーにスイッチしていた彼が、今年オープンホイールへと復帰。フォンタナは6レース目となる。オーバルはインディー500以来の2レース目だ。
 インディーでのアルメンディンガーは非常に良い走りをみせていた。初出場だったにも関わらず予選5位、決勝も7位と高い安定感を示した。その次のレースだったデトロイトのダブルヘッダーではアクシデントで2レースとも0周リタイアと散々だったが、インディーでのパフォーマンスを見る限り、彼がフォンタナでエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)の援護射撃を行うことは期待できるかもしれない。

チップ・ガナッシはフランキッティの代役にタグリアーニを起用
 一方、ヒューストンでポイント・リーダーとなったスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)は、力強い味方となってくれるはずだったチームメイト、ダリオ・フランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)がヒューストンで負傷、フォンタナを欠場する。これは大きな痛手だ。ダリオにならエリオの間に入ってのゴールというタスクをかなり高い確度で達成してくれそうだったからだ。こうなるとディクソンとしては、「必ずエリオより前の位置でゴールする!」という戦い方しか残されない。そしてそれは、他力本願にならない分、思い切りの良いレースを戦えると考えることができるかもしれない。
 もちろんガナッシ陣営はダリオに代役を立てる。抜擢されたのは、ブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアンからシーズン途中で放出されたアレックス・タグリアーニだ。このチョイス、良いのだか悪いのだか……結構微妙だ。インディーでのポールポジション獲得(2011年)や、去年のフォンタナでの速さを見ると、タグをチームメイトに迎えるメリットはマシンセッティングという部分でも「あり」と言えそうなのだが、彼のレースでの信頼性は……というと、これがかなり低い。「エリオとの間に入ってゴール」という助っ人ぶりをあまり期待できないように思えるのだ。
 チャンピオン争いを行う2チームが、どちらもノン・レギュラー・ドライバーを起用する。彼らがそれぞれどんな働きぶりを見せるのか、注目したい。そして、それらがチームメイトのタイトル獲得にどこまでの貢献度を持つことになるのかも興味深い。


オリオール・セルビアの引き続きパンサー・レーシングから出場
 パンサー・レーシングは最終戦もオリオール・セルビアを起用する。今年のオーバルでのセルビアは、インディーで予選13位/決勝11位(パンサー・DRRからの出場)、テキサスで予選16位/決勝19位、アイオワで予選10位/決勝7位という結果を残して来ている。
 ブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアンは、ボルティモアとヒューストンで光る走りを見せていたイタリア人ルーキーのルカ・フィリッピではなく、JR・ヒルデブランドをソノマに続いて起用する。フィリッピにはオーバル経験がないからだ。今年のJRはオーバルにインディーのみ出場。成績は予選10位/決勝33位(リタイア第1号だった)。
 デイル・コイン・レーシングは、18号車に女性ドライバーのピッパ・マンを乗せる。彼女の今年のレース出場はインディー、テキサス、ポコノに続いての4戦目となる。これらの中でのベスト・リザルトは、予選がテキサスでの19位、決勝がポコノでの15位だ。
以上

2013年10月7日月曜日

2013 INDYCAR佐藤琢磨コメント68 第18戦ヒューストン Race Day 決勝レース2:「徐々にポジションを上げて、7番手まで到達できたのは本当に良かったと思うんですが、それを結果に繋げたかったです」

3ターンにアプローチする琢磨。順調に7番手までポジションアップしていたのだが…… Photo:INDYCAR (Chris Owens)
10月6日
シェル・アンド・ペンゾイル・グランプリ・オフ・ヒューストン レース2(第18戦)
1時間51分41秒0422 14位(アクシデント/1周遅れ) 

「衝撃がすごかったですが、体は大丈夫です」

Jack Amano(以下――):最終ラップに大きなアクシデントになりましたが、体は大丈夫ですか?

佐藤琢磨:体は大丈夫。手とか首とか打たないようにステアリングは放してました。でも衝撃がすごかったですね。

2013 INDYCARレポート 第18戦ヒューストン RaceDay 決勝:ウィル・パワーが今季2勝目!スコット・ディクソンが2位フィニッシュでポイント・リーダーに!!

ディクソンとの激しいバトルを制したパワー。久々にファイターの本領発揮 Photo:INDYCAR (Bret Kelley)
9番グリッドからスタートのパワー、ディクソンとの激戦を制す
 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が久しぶりに彼らしいファイターぶりを見せつけての優勝を飾った。9番グリッドからスタートしての優勝だ。中でもスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)に対する40周目のパスは見事だった。リスタート直後のターン3で豪快にインへと飛び込み、パワーはトップに立った。

パワーとディクソンはピットでも激しい争いを繰り広げた Photo:INDYCAR (Bret Kelley)クリックして拡大

 ディクソンはトロントに続くダブルヘッダー・スウィープを記録するため、最後までチャンスを伺っていた。しかし、チャンピオン争いのまっただ中にいる彼は不必要なリスクを避けねばならず、2位でのゴールを受け入れた。

2013 INDYCARレポート 第18戦ヒューストン Race Day 決勝スタート・タイヤ更新版:なんとプライマリータイヤ装着は二人だけ!

1 エリオ・カストロネベス NEWオルタネート
2 スコット・ディクソン NEWオルタネート
3 シモン・パジェノー NEWオルタネート
4 マルコ・アンドレッティ NEWオルタネート
5 ライアン・ハンター-レイ NEWオルタネート
6 ジャスティン・ウィルソン NEWオルタネート
7 ダリオ・フランキッティ NEWオルタネート
8 ジェイムズ・ヒンチクリフ NEWオルタネート
9 ウィル・パワー NEWオルタネート
10 チャーリー・キンボール NEWオルタネート
11 トニー・カナーン NEWオルタネート
12 EJ・ビソ NEWオルタネート
13 セバスチャン・ブルデイ NEWオルタネート
14 ジョセフ・ニューガーデン NEWオルタネート
15 佐藤琢磨 NEWオルタネート
16 マイク・コンウェイ NEWオルタネート
17 シモーナ・デ・シルベストロ NEWオルタネート
18 エド・カーペンター NEWオルタネート

19 グレアム・レイホール NEWプライマリー
20 ジェイムズ・ジェイクス USEDオルタネート
21 オリオール・セルビア NEWオルタネート
22 トゥリスタン・ボーティエ NEWオルタネート

23 ルカ・フィリッピ USEDオルタネート
24 セバスチャン・サーベドラ NEWプライマリー

USEDオルタネートが二人。他のオルタネートは全部NEW。
NEWプライマリーが二人=プライマリー採用はこの二人だけ!

2013 INDYCARレポート 第18戦ヒューストン Race Day 決勝スタート・タイヤ:なんとプライマリータイヤ装着は二人だけ!

1 エリオ・カストロネベス オルタネート
2 スコット・ディクソン オルタネート
3 シモン・パジェノー オルタネート
4 マルコ・アンドレッティ オルタネート
5 ライアン・ハンター-レイ オルタネート
6 ジャスティン・ウィルソン オルタネート
7 ダリオ・フランキッティ オルタネート
8 ジェイムズ・ヒンチクリフ オルタネート
9 ウィル・パワー オルタネート
10 チャーリー・キンボール オルタネート
11 トニー・カナーン オルタネート
12 EJ・ビソ オルタネート
13 セバスチャン・ブルデイ オルタネート
14 ジョセフ・ニューガーデン オルタネート
15 佐藤琢磨 オルタネート
16 マイク・コンウェイ オルタネート
17 シモーナ・デ・シルベストロ オルタネート
18 エド・カーペンター オルタネート

19 グレアム・レイホール プライマリー
20 ジェイムズ・ジェイクス オルタネート
21 オリオール・セルビア オルタネート
22 トゥリスタン・ボーティエ オルタネート
23 ルカ・フィリッピ オルタネート

24 セバスチャン・サーベドラ プライマリー

 今回、プライマリー装着はレイホールとサベードラの2人だけ! ここまで明確に差が出たケースは記憶がない。ただし、レースはウェットタイヤでのスタートになる可能性もある。なお、ウェットタイヤが使用された途端、レース中の2種類のタイヤ使用義務は消滅する。

*昨日のレース、ライアン・ハンター-レイはブラックでのスタートを申告していたが、ダミー・グリッドではNEWオルタネートを装着していた。しかし、レースには申告通りにブラックで出走。グリッドでスタート直前、私がタイヤのチェクを行った後にタイヤ交換が行った。

2013 INDYCARレポート 第18戦 ヒューストン RaceDay 決勝:一転、レース2のポールポジションはエリオ・カストロネベスのものに

ダブルヘッダーは一つのレースとみなされ
16戦までのエントラントポイントでグリッド決定に

 雨により予選のキャンセルが決定され、エントラント・ポイントによりスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)にポールポジションが与えられるとインディーカーは発表した。プレスルームにはディクソンが招かれ、ポール・スタートに関して短い会見も行われた。9時20分頃のことだった。そのすぐ後、ガレージに戻ったディクソンは、ベライゾンP1賞獲得の記念撮影を行った。
 とこがその約1時間後、インディーカーの女性プレス・オフィサーが、「やっぱりポールポジションはエリオ・カストロネベスです~」との発表を行った。その理由は、インディカーのルールブックに明記されているという。ダブルヘッダーはシリーズの公式戦2レースで構成されるものの、ひとつのイベントとして捉えられる。そのため、エントラント・ポイントでのグリッド決定がなされる場合には、それが仮に週末の2レース目であっても、1レース目の終了時点のポイント・スタンディング(エントラント・ポイントの)ではなく、今週末を迎えた時点、即ちボルティモアでの第16戦終了時点のものが採用されるということだ。予選が行われなかったので、ポール獲得によるシリーズ・ポイント1点がカストロネベスに与えられることはないが……。

2013 INDYCAR レポート 第18戦ヒューストン:カラーリングガイド その2

ブルデイを上回る斬新なメタルカラーで登場したニューガーデンのマシンは必見! Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 
今回、デイルコインから出場のコンウェイは、おなじみのゾニーズBBQレストランの赤白カラーリング Photo:INDYCAR (Bret Kelley)クリックして拡大
ボーティエは、アンジーズリストという建築業や医療などのレビューサイトがスポンサーに。イエローとライムグリーンのカラーリングで印象を一新 Photo:INDYCAR (Bret Kelley)クリックして拡大
レイホールは、電子タバコBLUのスポンサーはそのままに、カラースキームを黒に変更 Photo:INDYCAR (Chris Jones)クリックして拡大

2013 INDYCAR レポート 第18戦ヒューストン:カラーリングガイド

ヒューストンダブルヘッダーには、スペシャルカラーリングが数多く登場している。
すでに、レース1でチェック済みと思いますが、レース2決勝前に、いくつかおさらいしてみよう。

ポイントリーダーのカストロネベスは、おなじみのシェルカラー。今回のイベントの冠だ。Photo:INDYCAR (John Cote)

2013 INDYCARレポート 第18戦ヒューストン Race Day:レース2の予選は雨のためキャンセルに

ディクソンはダブルヘッダー2戦目をポールポジションからスタートすることに Photo:INDYCAR (Chris Owens)
決勝グリッドは昨日の第17戦までのエントラントポイント順に
 テキサス州ヒューストンの土曜日は前日までとは打って変わって曇り空だった。インディーカーの予選は8時45分開始の予定だったが、その直前に雨が降り始めた。
 雨は短時間だが強く降り、コース上に多くの水たまりができたため、9時20分、インディーカーは予選開催を断念した。そして、レース2のスターティング・グリッドは昨日開催されたシリーズ第17戦までのエントラント・ポイントによって決められることになった。

2013年10月6日日曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント67 第17戦ヒューストン Day2 決勝レース:「パンクしてピットインしてからは苦しかったですね、レッドで思うように走れず、ペースが上がりませんでした。明日は路面が全く違ってくるでしょうし、大幅タイムアップも考えられます。今日の自分たちは決勝でのマシンが悪かったので、その原因究明と対策をしなければなりません」


レース序盤をリードしたが思わぬパンクで後退を余儀なくされる Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
シェル・アンド・ペンゾイル・グランプリ・オフ・ヒューストン レース1(第17戦)
1時間48分06秒1345 17位(6周遅れ) 

「走っていてタイヤの空気漏れは感じなかった。粘ってみたんですけどダメでした」

Jack Amano(以下――):今日、ポールポジションから良いスタンディングスタートが切れましたね?

佐藤琢磨:いや、自分としてはあまり良くなかったですね。クラッチミートがうまく行かなかったので。まぁ、トップを守れるぐらいの速度は得られましたけどね。もうちょっとですね。

2013 INDYCARレポート 第17戦ヒューストン Day2 決勝:ランキング2位のスコット・ディクソンが今季4勝目をマーク!ランキング・トップのエリオ・カストロネベスは18位で、二人のポイント差は僅か8点!! そしてホンダがついにマニュファクチャラーでシボレーを逆転!

AJフォイトから手渡されたウイナー用カウボーイブーツを履き、会心の笑顔 Photo:INDYCAR (Chris Jones)
10月5日
天候:快晴
気温:32~33℃


PPスタートの佐藤琢磨、不運なパンクに見舞われる

 スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)が、三度目のシリーズ・タイトル獲得に向けて、改めて強い意欲を見せた。シーズン終盤に入ってからの3連勝で一気にタイトル争いへと名乗りを上げたディクソンだったが、ソノマとボルティモアで続けてシリーズ主催者による不可解な裁定が重なり、残り3戦で49点という大量のポイント・リードをエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)につけられてしまっていた。しかし、ヒューストンのダブルヘッダー第1戦でディクソンは見事優勝。ポイント差を一挙に8点にまで縮めてみせた。
ポールシッターの佐藤琢磨がレースをリードしたが…… Photo:INDYCAR (John Cote) クリックして拡大

 予選3位だったディクソンは、スタートでもそのポジションをキープ。ポールスタートの佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)がタイヤパンクでピットへと消えたことでウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の後ろの2位へとひとつ順位を上げた。

2013 INDYCARレポート 第17戦Day2 決勝スタート・タイヤ:予選上位3人は新品のレッドでスタート!

1 佐藤琢磨 NEW  レッド
2 ウィル・パワー NEW レッド
3 スコット・ディクソン NEW レッド

4 シモン・パジェノー USED レッド
5 シモーナ・デ・シルベストロ NEW ブラック
6 ジェイムズ・ヒンチクリフ NEW レッド
7 ルカ・フィリッピ USED レッド
8 EJ・ビソ USED レッド
9 ジェイムズ・ジェイクス NEW ブラック
10 マルコ・アンドレッティ USED レッド
11 マイク・コンウェイ NEW レッド
12 ジャスティン・ウィルソン USED レッド
13 トニー・カナーン USED レッド
14 セバスチャン・ブルデイ NEW ブラック
15 ライアン・ハンター-レイ NEW レッド
16 チャーリー・キンボール NEW ブラック
17 オリオール・セルビア NEW ブラック
18 ジョセフ・ニューガーデン NEW レッド
19 セバスチャン・サーベドラ NEW ブラック
20 ダリオ・フランキッティ NEW ブラック
21 エリオ・カストロネベス NEW ブラック
22 エド・カーペンター NEW レッド
23 トゥリスタン・ボーティエ NEW レッド

24 グレアム・レイホール NEW ブラック

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント66 第17戦ヒューストン Day2 予選:「早めにラップタイムを出そうと考えていたんです。そういう意味では予定通りに行ってね、ラップ・タイムも非常にコンペティティブなものが刻めたので、良かったと思います」

Photo:INDYCAR (John Cote) クリックして拡大
 「フロントロウスタートを生かして
とにかくトラブル出さず、ミスなくキッチリ走り切りたい」

Jack Amano(以下――):ポールポジション獲得、おめでとうございます。
佐藤琢磨:ありがとうございます。

――午前中に10分間だけプラクティスがありました。
佐藤琢磨:ふたつ確認しました。まずはトップギヤ。1コーナーに向けての最高速と、ターン5から先のバックストレートとどっちが速いのかがちょっとわから なかったので。そういう意味ではシミュレーションを頼りにギヤリングをしました。それからもうひとつは1コーナーのバンプ。それがどんな感じかがわからな かったので、それは心配でしたけど、それ以外は1コーナーのブレーキングからその次のシケインへのアプローチがひとつと、もうひとつは昨日のクルマのセッ トアップの続きをやって、残りのコースの確認をしていました。

2013 INDYCARレポート 第17戦ヒューストン Day2 予選:佐藤琢磨、チーム地元ヒューストンで今シーズン初のポールポジション獲得!

御大とともにPPの記念撮影 Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大

天候:快晴
気温:30℃


第2グループでアタックした琢磨、
ブラックでコースインしていきなり好タイムをマーク


 ターン1のバンプが問題とされ、金曜日にはシケインを設けてのプラクティスが2回行われたが、予選はシケインなしで決行されることになった。土曜日の朝に10分間だけのプラクティスが急遽用意され、状況が改善されているとの確認がなされたからだった。
 予選は出場24台を2グループに分けて行われた。
 後に走る2グループ目の方が路面コンディションが良かった上、赤旗による中断も一切なかったことから、2グループ目からポールポジション獲得ドライバーは誕生した。それは佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)だった。
 琢磨はブラックタイヤでコース・インし、グループ1のトップタイムより速い1分0秒9974という素晴らしいラップ・タイムを出してトップに立った。ピットでレッドタイヤに交換している間に順位は2番手に下がったが、琢磨はレッドでの3周目に1分0秒4535を出してトップに復帰。このタイムが破られることはなく、今季初、キャリア3回目、2011年のエドモントン以来となるポールポジション獲得がなった。
 第1グループでトップだったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が1分1秒1524で予選2番手となり、フロント・ロウ外側グリッドを得た。
 「チームの地元でポールポジションを獲得できて嬉しい。クルーたちが素晴らしい力を発揮してくれたおかげだ。開幕前からヒューストンでのレースでは頑張りたいと考えていた。AJは思ったよりも長いこと現場を離れていて、今回からピットに復帰してくれている。そういう状況でポールを獲れたことも嬉しい」と琢磨は語った。

2013 INDYCARレポート 第17戦、18戦ヒューストン Day2プラクティス3:急遽行われたプラクティスでパワーがトップタイムをマーク。佐藤琢磨は10番手。

シケインなしのコースレイアウトを10分間の走行で確認

 土曜日を迎えたヒューストンでは、急遽プラクティス3が10分間だけ開催された。
 路面を削ってバンプを小さくしたシケインが安全なものとなっているかと、シケインなしでのレイアウトでのマシン・セッティングの確認を行う目的でインディーカー・シリーズ出場全車に走るチャンスを与えられたのだ。
 ここでトップ・タイム=1分0秒8275を出したのはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)で、2番手にはシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)が0.4920秒差の1分1秒3195でつけた。
  3番手は1分1秒3411を出したルーキーのルカ・フィリッピ(ブライアン・ハータ・オートスポーツ・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)。4番手には昨日のプラクティス1で6番手、プラクティス2で7番手につけていたジェイムズ・ジェイクス(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。5番手はマイク・コンウェイ(デイル・コイン・レーシング)=1分1秒4373だった。
 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は1分1秒5672のベストを8周したうちの7周目に記録し、10番手だった。

2013年10月5日土曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント65 第17戦、第18戦ヒューストン Day1プラクティス2:「セッティングをするたびに良くなっています。セッションの最後、トラフィックで最終セクターが確認できなかったのが残念ですが、今あるデータでクルマを仕上げようとおもいます」」

8ターンを通過する佐藤琢磨 Photo:INDYCAR (Chris Owens)
シェル・アンド・ペンゾイル・グランプリ・オフ・ヒューストン
テキサス州ヒューストン 
M.D.アンダーソン・キャンサーセンター・レースウェイ・アット・リライアントパーク
1周=1.683mile×90周(153mile)
10月4日 Day1 プラクティス2 1分05秒9496 14位 15周走行


「シケインは限界を探りながら走りました」

Jack Amano(以下――):プラクティス2は路面が随分と良くなってきた感じでしたか?

佐藤琢磨:大分グリップしてくるようになりましたね。

――クルマの方はどうですか?

佐藤琢磨:クルマもピットに入ってセッティングを進める度に良くなっています。ただまぁ、セッティングを大きく振ってはいなくて、サーキットに対する慣熟と、トラックコンディションのレベルアップに伴ってラップタイムしているという感じです。

2013 INDYCARレポート 第17戦、第18戦ヒューストン Day1 プラクティス2:プラクティス2最速はジャスティン・ウィルソン!佐藤琢磨は14番手

クリーンになった路面でプラクティス2トップタイムをマークしたウイルソンがターン5にアプローチする Photo:INDYCAR (Bret Kelley)
路面コンディションが向上しタイムが大幅に短縮!

 ターン1に路面改修が必要と判明し、特設シケインを作って行われたプラクティスの2回目、最速タイムとなる1分4秒4237を記録したのはジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)だった。路面コンディションの向上によってタイムが大幅に縮められた。ウィルソンはプラクティス1で最も速かったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)と同様、チャンプカーのレースでリライアント・パークのコースを走った経験を持っている。

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント64 第17戦、第18戦ヒューストン Day1プラクティス1:「ものすごいバンピーで、滑りやすくて、狭い。その上スピードが速いです」

Photo:INDYCAR (John Cote)
「シケインは今日を回避するだけのものなので、まったく攻めてません」

Jack Amano(以下――):非常に難しい状況になっている今週のレースですが、シケインを設定しての走行というのはどうだったのでしょうか?

佐藤琢磨:このシケインは今日を回避するためだけのものなので、攻めて走る必要はまったくないということで、まったく安全に行っています。ブレーキを踏んですぐにコーナリングしなくてはいけないし、前が見えないので攻める必要はないと思います。

2013 INDYCARレポート 第17戦、第18戦ヒューストン Day1プラクティス1:ターン1に特設シケインを作って行われたプラクティス1、最速はウィル・パワー

プラクティス1、ウイル・パワーがベライゾンターン7を駆け抜ける Photo:INDYCAR(Chris Owens)
タイヤを積み重ねたシケインを設置してプラクティスはスタート

 いざプラクティスを始めようという日になってターン1の路面のバンプが酷過ぎると判明、インディーカーはタイヤを積み重ねたシケインを急遽設置してプラクティスを行うこととした。
 45分間のプラクティス、最速はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の1分6秒8320だった。彼は出場者中で最多の14周を走り、その13周目にベストを記録した。
 2番手はポイント2位のスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)=1分7秒0793。3番手はポイント・リーダーのエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)=1分7秒1036だった。

2013 INDYCARニュース 第17戦、第18戦ヒューストン:トニー・カナーン、ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング移籍決定! そしてガナッシはチームごとシボレー陣営にスイッチ

金曜午前、チップ・ガナッシと移籍会見に臨んだカナーン Photo:INDYCAR (John Cote)
金曜日午前、衝撃の発表! 来シーズンのホンダ陣営はどうなる?

 ヒューストンでのプラクティスがコースの問題から行われずにいる間にチップ・ガナッシ・レーシングが記者会見を行い、来年度からトニー・カナーンを雇い入
れることを発表した。KVレーシング・テクノロジーでインディー500制覇を成し遂げたTKだったが、来年もスポンサー持ち込みを要求されたようで、チーム
に残らない決断を下したようだ。

2013 INDYCARレポート 第17戦、第18戦ヒューストン Day1 プラクティス1:コースに問題発生! 初日からスケジュール大幅変更。第17戦の予選は土曜日に

リライアントパーク特設コース行くカストロネベス Photo:INDYCAR (Bret Kelley) 
午前に予定されていたプラクティス1は午後1時開始に
 グランプリ・オブ・ヒューストンはコースに問題アリで予定が大幅に狂ってしまっている。午前10時半開始予定だったプラクティス1が午後12時半の時点で
もまだ始まっていない。ターン1がバンピーに過ぎるためだ。
 インディーカー・オフィシャルは午後12時25分過ぎ、「1時からの走行開始を予定」とようやく発表を行った。
 今日設置するシケインは暫定的なもので、集中的な作業を今晩行い、路面をスムーズにしてから予選を行う。スケジュールは週末全体に渡って変更され、土曜日
のレース用の予選は土曜日に、日曜日のレース用の予選は日曜日に行うこととなった。ただし、まだそれらの予選をいかなる方式で行うか、出場全車を一斉に走ら
せるのか、グループ分けをしてより短い予選時間とするのか……は決断がなされていない。

以上

2013 INDYCAR レースプレビュー 第17戦、第18戦ヒューストン その3:ヒューストンでのダークホースは?

パジェノー3勝目の可能性

 白・淡いブルー・黒の77号車にヒューストンでは注目! シモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)だ。デトロイトのレース#2で初優勝し、9月アタマのボルティモアで2勝目。去年はルーキーでランキング5位に食い込んで世間を驚かせたシモンが、今シーズンはそこから更にステップアップしてランキング3位に現在つけている。タイトルは難しいかもしれないが、ヒューストンでの活躍如何ではランキング2位も可能というポジションにいる。今週末はダブルヘッダーだし、シモンがジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)とスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)に並ぶ3勝目を挙げる可能性は十分にある。

2013年10月4日金曜日

2013 INDYCARレースプレビュー 第17戦、18戦ヒューストン プレビューその2:タイトル争いは大詰め! エリオ・カストロネベスの逃げ切りか、スコット・ディクソンの大逆転か

ダブルヘッダーの見どころはずばりタイトル争い

 今週のみどころといえば、やはりエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)が初タイトルにどこまで近づくかだろう。1998年からインディーカーで走って来ている大ベテランは、今年は信じられないほどの安定したパフォーマンスをシーズンを通して見せ続けてきており、シリーズ・チャンピオンの座に手を届かせようとしている。ポイント2位につけるスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)との差は49点。このまま逃げ切る可能性が高いとの見方がされている。ポイント3位はシモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。エリオとの差は70点もあり、デビュー2シーズン目のドライバーとしては目覚しいものだが、チャンピオン争いはエリオ対ディクシー、ペンスキー対ガナッシに絞り込まれていると見ていいだろう。

2013 INDYCAR レースプレビュー:第17戦、18戦 ヒューストン その1:2007年チャンプカー時代以来のリライアントパークでの開催

シェル&ペンゾイル・グランプリ・オブ・ヒューストン
 テキサス州でのインディーカー・レースといえば、近頃はダラス&フォート・ワース・エリアのテキサス・モーター・スピードウェイだったが、今年からテキサス最大、アメリカ全土でも4番目の規模を誇る大都市、ヒューストンでストリート・レースが開催されることになった。タイトルスポンサーにはシェルとペンゾイルがついた。さすがはテキサスだ。
 ヒューストンでのレースといえば、CART時代にダウンタウンでのレースが行われていた(1998、1999、2000年)。IRLが設立されてオープンホイールが二分されてからも、チャンプカーは2006、2007年にリライアント・パークでレースを行っていた。しかし、2008年にチャンプカーがインディーカーに併合され、レース開催はストップ。それが今年復活した。


チャンプカー時代はブルデイが2連勝

 2007年までのウィナーを振り返ると、チャンプカーによる2回のレースはどちらもセバスチャン・ブルデイ(ニューマン・ハース・レーシング、及びニューマン・ハース・ラニガン・レーシング)が勝っている。ポールポジションは2006年がマリオ・ドミンゲス(フォーサイス・レーシング)で、2007年はウィル・パワー(チーム・オーストラリア)だった。
 CART時代(注1)に遡ると、
 
2001年がジル・ド・フェラン(チーム・ペンスキー)、2000年はジミー・バッサー(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)が優勝。1999年はポール・トレイシー(チーム・グリーン)、1998年はダリオ・フランキッティ(チーム・グリーン)が勝利を記録している。こちらもポール・シッターを紹介すると、2001年と2000年がジル・ド・フェラン(チーム・ペンスキー)、1999年がファン・パブロ・モントーヤ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)、1998年がグレッグ・ムーア(フォーサイス・レーシング)だった。


1周1.683マイルの今回のコースの走行経験あるドライバーは6人

 リライアント・パークでのチャンプカー・レースを走った経験を持ち、今週末のレースに出場するのは、上記のブルデイ(ドラゴン・レーシング)とパワー(チーム・ペンスキー)の他にもジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)、オリオール・セルビア(パンサー・レーシング)、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、シモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)がいる。当時とでは乗るマシンが異なるが、ほぼ同じレイアウトでのコースということで、「走行経験有り」はそれなりのアドバンテージとなるはず。ウィナーはこの中から産まれるか??

注1:CART時代の1998年~2001年は、1周1.527マイルのヒューストンダウンタウンの特設ストリートコース。

以上

2013 INDYCARレポート 佐藤琢磨 第17戦、18戦ヒューストンダブルヘッダーに向けて

佐藤琢磨にQ
ヒューストン編 (AJ・フォイト・エンタープライゼスのプレス・リリースより)

初のヒューストン!サーキットにも期待!!

――ザ・リアイアント・パーク・サーキットについて。
佐藤琢磨:5月のメディア・イベントでリライアント・パークに行きましたが、コースがどのようなものになるのかをチェックすることはできませんでした。コースは今週、つまりはレース・ウィークエンドだけに設営されるものなので。とても大きな公園で、過去にレース開催を成功させた実績を持っているということですから、きっとサーキットも良いものなのだろうと期待しています。

2013年10月2日水曜日

2013 INDYCARニュース:10月1日 AJ・フォイトが今週末から現場に復帰

地元ヒューストン戦のグランドマーシャルにも就任
 AJ・フォイト・エンタープライゼスのオーナー、AJ・フォイトが久しぶりにサーキットへと戻って来る。6月のテキサス州フォート・ワースで行われたレース以来だ。7月1日に骨盤の手術を行ったAJは、この夏はずっと回復に努めて来ており、レースへの遠征をして来なかった。
 ヒューストンが地元のAJは、シェル・ペンゾイル・グランプリ・オブ・ヒューストンのグランド・マーシャルに任命されもした。彼はレース前の「エンジン始動」の掛け声をかけ、表彰式ではトロフィーのプレゼンターも行う。ヒューストンはダブルへダーだが、ウィナーに贈られるトロフィーはAJ・フォイト・トロフィーと名付けられた。自らの名が関されたトロフィーを彼はウィナーに授与する。手渡す相手を自分のチームのドライバーにしたい、とAJは希望している。

以上

2013年9月17日火曜日

2013 INDYCAR ニュース 9月17日:モントーヤ、ペンスキーでインディーカー復帰!

電撃的にインディーカー復帰を決めたモントーヤ。ペンスキーは来シーズン3台体制となることに! Photo:INDYCAR (Chris Owens)
カーナンバー2でフルシーズン参戦!

 ファン・パブロ・モントーヤのインディーカー復帰はない……と思ったら、チーム・ペンスキーが衝撃的ニュースを発表した。モントーヤをインディーカーの世界に引き戻すのは彼らのチームになるというのだ。
 チップ・ガナッシのストックカー・チームを今年限りで離れることになったモントーヤにアンドレッティ・オートスポートが声をかけ、その話は最近流れた……という噂になっていたが、なんと彼はチーム・ペンスキー入りし、インディーカーへと帰ってくることになった。ガナッシでのインディーカー復帰が叶わず、アンドレッティの話も流れたという話だったので、彼の今後はストックカーへの残留が濃厚と見られていた。しかし、実のところは水面下でチーム・ペンスキーと交渉を進めていたというわけだ。

「ペンスキーには常に憧れを抱いていた
今の私はとてもエキサイトしている」
 モントーヤはカー・ナンバー2をドライブし、フルシーズン出場するという。エリオ・カストロネベスとウィル・パワーとによる、実にキャラクターの強い3ドライバーによる3台体制が敷かれるワケだ。
 37歳でのオープンホール復帰は果たして成功するだろうか? また、あの強烈なキャラクターが、ふたりの個性の強いチームメイトたちとうまくやって行けるのかにも注目したい。
 「伝説のチームに来年から加わることができる。今の私はとてもエキサイトしている。世界の優れたチームの幾つかで走るチャンスに恵まれて来たが、ロジャー・ペンスキーと彼のチームには常に憧れを抱いていた。そうしたチームで走るためのオファーをもらえたことを光栄に感じている」とモントーヤは語っている。
 ロジャー・ペンスキーも」、「ファンはどのレベルのモータースポーツにおいてもウィナーと成って来ている。多くのレースで勝ち、チャンピオンシップを獲得し、とても情熱的なファン層を持っている。彼の成功をさらに大きなものにできることを楽しみにしている。そして、彼がチーム・ペンスキーにとって偉大なプラスになることも楽しみにしている」とコメントしている。
以上

2013 INDYCARニュース 9月17日:J-P・モントーヤ、ストックカー残留!インディーカーへの影響は??

母国の英雄の動向の影響を最も受けるのはムニョスか? Photo:INDYCAR (Chris Jones)

メッシのチームにマラドーナ、という状況は避けられたが……

 ファン・パブロ・モントーヤのアンドレッティ・オートスポート入り話の破談は、誰にとって一番のグッドニュースだっただろうか?
 それはおそらく、カルロス・ムニョスだ。
 コロンビア出身のムニョスにとって、モントーヤは憧れの存在。彼がレースの世界に入った原因がモントーヤだったと言ってもいいぐらいだ。母国の英雄と同じチームで走ることは、本人にとっては夢のような話かもしれない。しかし、現実問題はそのまったく逆になる可能性が強い。これについてはアルゼンチンの記者が、「メッシのチームにマラドーナが入ってくるようなもの。メッシがうまく働けるはずがない」と言っていた。

2013年9月16日月曜日

2013 INDYCAR ニュース 9月16日:ファン・パブロ・モントーヤはストックカーに残留

モントーヤのインディーカー復帰はなさそう
 つい先日、ファン・パブロ・モントーヤはアンドレッティ・オートスポートに対し、来年からのチーム入りを正式に断ったようだ。アーンハート・ガナッシ・レーシングはモントーヤとの契約更新をしないが、他のNASCARチームからオファーがあったようで、モントーヤはストックカーの世界に留まる決意を固めたようだ。
 それは賢明な判断だろう。アンドレッティ・オートスポートというトップ・チームでインディーカーへの復帰をしても、それが成功に繋がるかどうかはおおいに疑問視をされていた。話題性は十分にあったが……。


ガナッシでのインディーカー復帰も検討されず
 ガナッシ内部でのインディーカー復帰というダリオ・フランキッティと同じパターンも、実際にはほとんど検討されなかったようだ。ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングは来年もフランキッティとスコット・ディクオソンのチャンピオン・コンビで戦い、サテライトチーム=通称G2を2カー体制に復帰させる計画。ミッド・オハイオでキャリア初優勝を飾ったチャーリー・キンボールはスポンサーともども残留の予定なのか、もう1台に対するスポンサーの目処もどうやら立って来ている模様で、現在インディーカー・シリーズで戦っているドライバーを起用したい意向だという。
以上

2013年9月2日月曜日

ジャック・アマノのINDYCARレポート メールマガジン・プレミアム:佐藤琢磨コメント63 ボルティモア決勝:「ヒューストンはチーッムの地元でシーズン最後のストリートレースでもありますし、是非ともいいレースを戦いたいと思います。ダブルヘッダーでもあるし、大量ポイントを獲得したいです」

グランプリ・オフ・ボルティモア・プレゼンテッド・バイSRT
9月1日 Race Day 決勝 24位 4周 エンジントラブル


「スタートも無事、アクシデントに巻き込まれることもなく、
順位も上げて、すべて順調でしたね」


Jack Amano:いいスタートでしたね。7位まで上がりました。

佐藤琢磨(以下――):良かったですね。今日のウォームアップを走った後におさらいしたら、みんながレッドタイヤを着ける前、本当にブラックタイヤでは2~3番手のタイムが出てたので、非常に良いクルマにようやく仕上がったと思います。スタートはレッドのニューで行くか、ユーズドで行くかという選択があったんだけど、ウォームアップでレッドを通しで使っていたチームがあって、そのタイムのドロップが結構大きかったので、ニューを使うことにしました。

2013 INDYCARレポート 第16戦ボルティモア Race Day 決勝:大波瀾のレースでシモン・パジェノーがキャリア2勝目!佐藤琢磨は序盤7位まで浮上するもエンジントラブルでレースを終える

パジェノー、サバイバルレースを制し、今季2勝目を挙げる Photo:INDYCAR ( John Cote)

グランプリ・オフ・ボルティモア・プレゼンテッド・バイSRT
9月1日 Race Day 決勝


パジェノー、忍耐の走りでクラッシュ多発のレースを制す!

 アクシデント多発のレースを制したのはシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)だった。予選3位からスタートした彼はレース序盤から安定したペースで走り続けいたが、次々とフルコースコーションが出されたことで後方スタートから上位へと上がってきたドライバーたちがいた。そのためにパジェノーの順位は下がり気味だったが、トップ10を保ち続けてチャンスを待っていた。

2013 INDYCAR レポート 第16戦ボルティモア Race Day決勝: スタートタイヤ更新版:USED装着はジャスティン・ウィルソンとジェイムズ・ジェイクスだけ! 他はレッド、ブラックともにNEWばかりでスタート

NEW & USED をグリッドでチェック。
1位 スコット・ディクソン            NEWオルタネート
2位 ウィル・パワー               NEWオルタネート
3位 シモン・パジェノー             NEWオルタネート
4位 ジャスティン・ウィルソン     USEDオルタネート5位 ジョセフ・ニューガーデン    NEWオルタネート
6位 トゥリスタン・ボーティエ      NEWオルタネート
7位 エリオ・カストロネベス        NEWオルタネート
8位 ライアン・ハンター-レイ      NEWプライマリー
9位 チャーリー・キンボール      NEWオルタネート
10位 佐藤琢磨                      NEWオルタネート
11位 ジェイムズ・ヒンチクリフ   NEWプライマリー
12位 グレアム・レイホール       NEWプライマリー
13位 ルカ・フィリッピ               NEWプライマリー
14位 トニー・カナーン              NEWオルタネート15位 オリオール・セルビア       NEWプライマリー
16位 マルコ・アンドレッティ       NEWプライマリー
17位 シモーナ・デ・シルベストロ  NEWプライマリー
18位 エド・カーペンター            NEWオルタネート19位 セバスチャン・サーベドラ  NEWプライマリー
20位 EJ・ビソ                        NEWオルタネート21位 ステファン・ウィルソン      NEWプライマリー
22位 セバスチャン・ブルデイ    NEWプライマリー
23位 ジェイムズ・ジェイクス      USEDオルタネート24位 ダリオ・フランキッティ       NEWプライマリー

2013 INDYCAR レポート 第16戦ボルティモア Race Day決勝: スタートタイヤ:トップ6はオルタネート! プライマリー最上位は7位のハンター-レイ

ボルティモア スタートタイヤ

1位 スコット・ディクソン            オルタネート
2位 ウィル・パワー                  オルタネート
3位 シモン・パジェノー             オルタネート
4位 ジャスティン・ウィルソン     オルタネート
5位 ジョセフ・ニューガーデン  オルタネート
6位 トゥリスタン・ボーティエ    オルタネート
7位 エリオ・カストロネベス     オルタネート

8位 ライアン・ハンター-レイ   プライマリー
9位 チャーリー・キンボール   オルタネート
10位 佐藤琢磨                    オルタネート


2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント63 第16戦ボルティモア Race Dayウォーム・アップ:「これまでやって来たことの積み重ねが結果として出て来るっていうのはモチベーションも上がるし、チームにとっても良いことです。もちろん、今日の午後に向けても良いウォームアップセッションになっていました」

ウォームアップでシケインを責める佐藤琢磨 Photo:INDYCAR (Bret Kelley)クリックして拡大

グランプリ・オフ・ボルティモア・プレゼンテッド・バイSRT
9月1日 Race Day ウォームアップ  10位 1分19秒1629 19周走行
 
天候:快晴
気温:27~29℃


「ブレーキは昨日までより全然よくなりましたね」

Jack Amano(以下――):順調なウォームアップになっていたように見えていましたが?

佐藤琢磨:そうですね、連続周回もできたし、ラップタイムもかなりコンペティティブなものを出せてました。いいと思います。ブレーキも確認できたし。

――もうブレーキは心配がなさそうなんですか?

佐藤琢磨:いや、心配はあります。でも、昨日までよりは全然良くなりましたね。それに、レースを通してブレーキは多分、全員が問題を抱えると思う、もしペースがこれだけ速かったら。まぁ、ここまで速いペースにはならなくて、だいたい1分20秒ぐらいに落ち着くと思うますけどね、レースのペースは。かなりブレーキは問題抱えるんじゃないかな、みんな……。

「ブラックで1スティント、レッド2スティントがセオリー」

――今週のレースもブラックで1スティント、レッドで2スティントというのがセオリーになりそうでしょうか?

佐藤琢磨:と思います。レッドでのロングランを僕らはやってないけど、そのつもりでいます。

――とても暑いコンディションですけども?

佐藤琢磨:はい。昨日の予選でのレッドタイヤは、ニュータイヤで出てって3周目、4周目とかにポールタイムが出ていたでしょ。1周で終わりではないので、タイヤデグレデーションはあるにせよ、レッドタイヤの方が強くなると思いますね。

――朝のウォームアップで好いタイムが出た。久しぶりにモチベーションをアップさせてレースを戦えそうですね?

佐藤琢磨:そうですね。これまでやって来たことの積み重ねが結果として出て来るっていうのはモチベーションも上がるし、チームにとっても良いことです。もちろん、今日の午後に向けても良いウォームアップセッションになっていました。

――いいレースを期待しています。

佐藤琢磨:はい、頑張ります。
以上

2013 INDYCARレポート 第16戦ボルティモア Race Day ウォーム・アップ:レッドタイヤに余裕のあるセバスチャン・ブルデイがトップタイムをマーク

グランプリ・オフ・ボルティモア・プレゼンテッド・バイSRT
9月1日 Race Day ウォームアップ
天候:快晴
気温:27~29℃


予選走行なしが功を奏したブルデイ

 いよいよ決勝日。30分間のウォーム・アップは通常より遅めの午前10時15分にスタートした。
 走行開始時の気温は27℃。しかし体感温度は30℃を優に越えていた。湿度が高いからだ。予報では今日の最高気温は34℃に達するというから、ウォームアップ・セッションのコンディションは気温、路面温度ともにレース時より幾分低いものだった。レース距離は75周=およそ150マイル。ピットストップは2回でオーケーだ。

2013年9月1日日曜日

2013 INDYCAR佐藤琢磨コメント62  第16戦ボルティモア Day2 予選:「ブラックでウォームアップして、レッドに履き替えて、これからっていう時に赤旗が出たので残念でした。ちょっと不完全燃焼のまま終わってしまった感じもあります」

Photo:INDYCAR (Chris owens)
グランプリ・オフ・ボルティモア・プレゼンテッド・バイSRT
8月31日 Day2 予選 10位(第2セグメント敗退 1分19秒2216 5周走行
天候:快晴
気温:30~31℃


「明日の朝のウォームアップでブレーキをを戻さないと……」

Jack Amano(以下――):予選の第1セグメントでとても良いタイムが出ましたね?

佐藤琢磨:はい、ようやくひとつまとめられたっていう感じですかね。

――ブレーキも正常に働くようになっていたんですね?

佐藤琢磨:そうですね。でも、このブレーキじゃ、ちょっと決勝は持たなそうです。今日の朝、新しいブレーキをおろしたんだけど、物すごくバランスが悪かった。明日の朝のウォームアップではまた戻さないと。今のブレーキのままでは明日は絶対に生き残れない。取りあえず予選は、時間がなかったのでそれで走りましたけど。

2013 INDYCARレポート 第16戦ボルティモア Day2 予選:スコット・ディクソンが今季2回目のポールポジション!佐藤琢磨はQ2でのアタックのタイミングを逃して予選10位

Photo:INDYCAR (Chris Jones)
グランプリ・オフ・ボルティモア・プレゼンテッド・バイSRT
8月31日 Day2 予選
天候:快晴
気温:30~31℃


ディクソン、最後のアタックで逆転!
キャリア20回目のポール獲得


 強い日差しが照りつけ、蒸し暑いコンディションとなったボルティモアのダウンタウン・コースでの予選、ポールポジションはスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)が獲得した。トロントでのレース2以来となる今季2回目、キャリア20個目のポールだ。最後のアタックラップで1分18秒0838をマークし、その時点でトップにいたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)を2番手へと押し下げてのポール奪取だった。

2013 INDYCARレポート 第16戦ボルティモア Day2 プラクティス3:予選直前のプラクティスでの最速はシモン・パジェノー!佐藤琢磨はブレーキトラブルで21番手

Photo:INDYCAR(John Cote)
グランプリ・オブ・ボルティモア・プレゼンテッド・バイ・SRT
8月31日 Day2 プラクティス3
天候:快晴
気温:26℃


相次ぐスピンとクラッシュでセッション前半は赤旗の連続に 

 予選日を迎えたボルティモア、走行開始は朝の9時という早さで気温はまだ26℃と低かったが、湿度はすでに高く、金曜日以上に蒸し暑さを感ずるコンディションで45分間のプラクティス3が行われた。
 走行開始早々にエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)がスピン、ストールして赤旗が出された。3号車がピットに戻ってコースがオープンにると、今度はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)がまったく無駄な追突をして相手をスピン、クラッシュさせ、二度目の赤旗となった。さらに、走行再開のすぐ後、KVレーシング・テクノロジーの2台が三度目の赤旗を出した。シモーナ・デ・シルベストロがタイヤウォールに突っ込み、トニー・カナーンもコース上にストップしたのだ。
 45分のプラクティスのうちの14分以上が赤旗だった。


2013年8月31日土曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント62 第16戦ボルティモア Day1 プラクティス1、2:「もうちょっとこうしたい……とかいうエリアはあるけれど、悪くないですね。自分たちのストリート・コースのいいカンジのグリップ感が得られてます」

8ターンにアプローチする琢磨 Photo:INDYCAR (John Cote)クリックして拡大
グランプリ・オブ・ボルティモア・プレゼンテッド・バイ・SRT
8月30日 Day1 プラクティス1 1分21秒8487 15位 16周走行
          プラクティス2 1分20秒0934 8位 17周走行
 
走行初日、快晴の下、2回の走行で順調にタイムアップ

 ボルティモアは3デイ・イベントで、金曜日にはプラクティスが2回スケジュールされる。
 快晴下、どちらのセッションも完全ドライコンディション。
 過去2年のレースで2回ともポジションをグイグイと上げて行く戦いぶりを見せた佐藤琢磨にとって、ボルティモアのストリートコースはシリーズの中でも気に入っているもののひとつだ。
 最初のセッションでの琢磨は15番手のタイムをマーク。走行を終え、エンジニアとのミーティングを終えたところで琢磨にインタビューした。


「最初の年と同じシケインに戻ってますけど、縁石は高くなってる気がする」

Jack Amano(以下――):いい滑り出しにできていますか?

佐藤琢磨:そうですね。少なくとも先のロードコース2戦よりかは滑り出しとしては良かったですね。

2013 INDYCARレポート 第16戦ボルティモア Day1 プラクティス2 :最速はトゥリスタン・ボーティエ!佐藤琢磨は8番手

プラクティス2でトップに浮上したボーティエ Photo:INDYCAR(Chris Jones)

天候:快晴
気温:31~32℃

トップ3はボーティエ、レイホール、ニューガーデン
ホンダドライバーがトップ5を独占
 

 午前中より暑くなったが、蒸し暑さのレベルは上がらないコンディションで午後2時半からのプラクティス2は行われた。この45分間のセッションでトップタイムを記録したのはルーキーのトゥリスタン・ボーティエ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。タイムはプラクティス1のトップ・タイムより1.348秒も速い1分19秒4792だった。彼はこのラップを15周をこなしたうちの11周目に記録した。
 2番手は午前中も4番手と速かったグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。ボーティエとの差は0.0838秒という小ささ。そして、3番手にはジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)が1分19秒6662=トップと0.1870秒差でつけた。

2013 INDYCAR レポート 第16戦ボルティモア Day1 プラクティス1: ボルティモア得意のパワーが最初の走行でトップタイムをマーク! 佐藤琢磨は15番てとまずまずのスタート

シケインを豪快にショートカットするパワー Photo:INDYCAR (John Cote)
プラクティス2番手はヴィソ、3位にはセルビア!

 カリフォルニアからアメリカ大陸を一気に横断、メリーランド州ボルティモアへとやってきたインディーカー、最初のプラクティスでは先週久々の勝利を挙げたばかりのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が1分20秒8632のベストを9周しただけでマークし、トップだった。ボルティモアでは過去2回の開催で両方ともポールポジションを獲得しているパワーだけに、今回も最速タイムでのスタートには何の不思議もない。ボルティモアの空は快晴。気温は27℃ながら蒸し暑いコンディションとなっている。
 トップのパワーとの差が0.2624秒差で2番手につけたのは、EJ・ビソ(アンドレッティ・オートスポート)だった。チーム移籍をした今年は目立った走りをほとんど見せて来ることができていないが、ストリートは得意。今回は奮闘を見せるか? 彼のベスト・タイムは1分21秒1256。16周回をして、その最後のラップに記録した。

2013年8月30日金曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨 第16戦ボルティモアに向けて:「マシンを速くし、力強い週末を送る。ボルティモアを楽しみにしています。不運、悪い流れというものはないはずなので」

佐藤琢磨に――ボルティモア編
(AJ・フォイト・エンタープライゼスのプレスリリースより)


「忙しく、体力消耗度が高いコース
オーバーテイクポイントはターン1とターン3がメイン」

――ボルティモアのサーキットについて

佐藤琢磨:「高速と低速のコーナーのバランスが良く、私はこのコースのドライビングを毎回楽しんでいます。路面がとてもスムーズな場所もありますが、全体的に見ればバンピーです。速く走るにはブレーキングでの安定感と良好なトラクションが必要。典型的なストリートコースですから、アンダーステアを小さくしておく必要もあります。コースの中の線路を横断する前のところに、とてもユニークなシケインがあります。開催初年度だった一昨年と昨年でこの部分のコースデザインは変わりましたが、今年はどうやら2011年に似た、とても縁石の高いものになるようです。ここのシケインを素早く駆け抜けることのできるマシンを作り上げることも大切です。
 路面の舗装が新しくされた部分はグリップは高くなっているでしょうし、古い路面のままの場所でもグリップは結構ありますので、忙しく、体力的な要求度も高いコースです。
 オーバーテイクポイントは何箇所かありますが、ターン1とターン3のふたつのメインになるでしょう。ボルティモアはお客さんも多く、みんなレースに対して情熱的です。去年までの2回と同じくエキサイティングなレースになるに違いありません」

「すべての面で頑張り続ける必要があります」

――どうやって悪い流れを断ち切る?

佐藤琢磨:「速く走ることで! すべての面で頑張り続ける必要があると思います。マシンを速くし、力強い週末を送る。ボルティモアを楽しみにしています。不運、悪い流れというものはないはずなので」

「レースだけでなく街も楽しんでもらえるといいですね」

――ボルティモアの好きなところは?

佐藤琢磨:「コースが町の真ん中にあり、たくさんのイベントが同時に行われるところがいいですね。港の周りには良いレストランもたくさんあって、レースウィークエンドには本当にたくさんの人々がコースに来てくれます。彼らがレースだけでなく、街も楽しんでくれているといいですね」

――ボルティモアでのこれまでのパフォーマンスは?

佐藤琢磨:「2011年(スタート26位、18位フィニッシュ)は、予選の第1セグメントで3番手の速さだったのですが、駆動系にトラブルが出てストップ。イエローを出したので速い2ラップを取り消され、予選はそこで終了となってしまいました。決勝レースはエキサイティングで、一時は6番手まで順位を上げたのですが、レース終盤に壁に接触してしまい、その2周後に止まってしまいました。
 2012年(スタート24位、21位フィニッシュ)はもっと状況が良かったんです。ファイナルプラクティスで4番目に速いラップを記録。予選を楽しみにしていましたが、僕らのグループでは早い段階でレッド・フラッグが出て、ニュー・タイヤを暖めている段階だった僕は、まだちゃんとしたラップを計測できませんでした。それに加えて、僕には予定外のエンジンチェンジによるペナルティもありました。
 決勝レースでは雨が僕らを助けてくれ、ポジションを上げることができました。僕はトップを走ったんです。しかし、燃料ポンプのトラブルが僕らの1日を終えさせてしまいました。本当に残念でした」

AJ・フォイト・エンタープライゼスの戦績

 2011年:ビトール・メイラが12位スタート、9位フィニッシュ。
 2012年:マイク・コンウェイが予選2位(しかし、エンジン・ペナルティで12位スタート)、レース序盤にエリオ・カストロネベスにヒットされて後退しながら6番手まで挽回。しかしレース終盤、コンウェイ・ストリートのタイヤ・バリアに突っ込んで完走できず、16位。

*2005年からAJ・フォイト・エンタープライゼスのプライマリー・スポンサーを務め続け、今年で9シーズン目を迎えているABSサプライは、今週のボルティモアでのレースに800人のゲストを招きます。これまでにABCサプライがレースでもてなしたゲストの数は50,000人を優に越えています。
以上

2013 INDYCARレースプレビュー 第16戦ボルティモア:昨年度ウィナーはライアン・ハンター-レイ!2011年に優勝したのはウィル・パワー

アンドレッティのプロモートで観客数もイベントの盛り上がりも上々!

 昨年まで最終戦のひとつ前のレースだったボルティモア(メリーランド州)が、今年は19戦の16戦目に変わっている。フォンタナでの最終戦との間にヒューストン(テキサス州)のダブルへッダーが入ったからだ。
 首都ワシントンDCにも近いボルティモアのレースは、初開催だった2011年から観客数もイベントとしての盛り上がり度もかなりよい。プロモーターのアンドレッティは冠スポンサーの確保に苦労をして来ているが、「西のロングビーチ、東のボルティモア」とファンの間に浸透するレースイベントに育て上げるべく奮闘中で、今年も大観衆の目の前でのハードバトルが見られることと期待される。


2013年8月27日火曜日

2013 INDYCARレポート 第15戦ソノマ:ディクソン ペナルティ問題考察 ―その3 インディーカーの見解――

拙速な判断だったと言わざるを得ないインディーカーの裁定

 インディーカー競技長のボー・バーフィールドは、ソノマでのレースでスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)にペナルティを課した理由を次のように説明した。

「私たちはピットレーン上にいる人々全員を安全に守る義務があります。もし誰かがピット・ボックスを去るところで素晴らしいとは言えない判断を下して事故を起こしたら、私たちとしてはペナルティを課すことで自分たちの意図を明らかにしなければなりません。今回は異なるアングルから撮影されたビデオがありました。9号車は明らかに12号車のピットボックス内に入って行き、そこで違犯(接触)が発生しました。彼は12号車のピットボックスに半車身以上入っていました」。

2013 INDYCARレポート 第15戦ソノマ:ディクソン ペナルティ問題考察 ―その2 スポーツマンシップはどこに行った?――

「あそこまで露骨なやり方は見たことがない」

 ソノマでのレース後、スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)はインディーカーの裁定に憤慨し、ビデオで件のアクシデントの状況を確認した後、ストレートに意見を述べた。
 「彼は僕らのマシンに向って真っすぐ歩いて来たように見える。僕らより前に停止していたマシンが見えていたが、彼は僕らに向って、意図を持って歩いて来ていた。あそこまで露骨なヤリ方は、もうかなり長いこと見た記憶がない。ほとんどのピット・クルーは、他チームのマシンに対しても道を開けようと努力をしている。僕らのマシンはレースを通して速かった。彼らがあのような手段に出ても勝ちたかったのだとしたら、それはとても悪いことであり、不快に感ずる。僕はまっすぐピット・アウトできる状況にあり、彼は僕らに向って歩いて来た。裁定を下す人々、すなわちレース・コントロールで働く人々にも世間は注目をして欲しい。彼らがどんな説明を聞かせてくれるのか楽しみだ。近頃のインディーカーは、トラブルに対する裁定の安定感がまったくなっていない」。


2013 INDYCARレポート 第15戦ソノマ:ディクソン ペナルティ問題考察――悪かったのはスコット・ディクソンだけか?――

パワー優勝を喜ぶ12号車のクルー。彼らはこの勝利をどう感じているのだろうか?Photo:INDYCAR (Richard Dowdy)
インディーカーがまたも不可解な裁定

 スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)はレースをほぼコントロール下に収めていた。
 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)のアタックを凌ぎながら、相手に対して燃費セーブでも優位を保って見せていた。
 しかし、レース終盤にフルコース・コーションが出された。パワーと彼の陣営の期待していたチャンスが到来したのだ。

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント61 第15戦ソノマ Race Day 決勝:「今週ここで悪かった部分ていうのをキッチリと勉強したいですね。来週のレースは必ず勝ちます!! 気持ちを入れ替えてボルティモアのストリート・コース、頑張りたいと思います」

9位までポジションアップしたが、レイホールとの不運なクラッシュでサスペンションを痛めてしまった Photo:INDYCAR (Chris Owens)
ゴープロ・グランプリ・オブ・ソノマ
8月25日 Race Day 決勝 23位完走 67周走行(18周遅れ)

「新品のレッドで出て行くことでゲインできるか

少なくとも自分のポジションを守るっていう戦略でした」
 

Jack Amano(以下――):スタートからうまく行っていたレースでしたが?
 

佐藤琢磨:スタートはレッドタイヤで行って、うまくポジション・アップができていました。リスタートも何とか混乱を抜けてポジションを上げました。周りとも遜色ないペースで走れていたと思います。ただ、数周おきにイエローが出てリスタートというレース展開だったので、まだ完全にペースは乗る前でした。それでも、長いレースになるけど、いい滑り出しだったと思いました。