2011年6月18日土曜日

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 42 R7 ザ・ミルウォーキー225 Day1 プラクティス1 「まだ全然ラップ数が足りないですね。チームメイトに対しても後れを取っているし、まだ、クルマがこのコースでどういう動きをするのかわかってないです」

好天の下プラクティスはスタート。マシンのリヤの激しいキャンバーセッティングがフラットなショーとオーバルであるミルウォーキーの難しさを物語ってるようだ。
Photo:INDYCAR(Chris Jones)

第7戦 ザ・ミルウォーキー225
The Milwaukee 225

ミルウォーキー・マイル
ウィスコンシン州ウエストアリス
コース全長:1マイル(=約1.609km)

Day1 6月17日
プラクティス1 16位 22秒2495 55周走行

琢磨にとって今年が初体験となる伝説のオーバル

 ザ・ミルウォーキー・マイルは、佐藤琢磨が今年経験する新しいコースのうちのひとつだ。1903年に初レースを開催したコースは、全長1マイルのショートトラック。バンクは9.25度あると言われているが、ターン1、ターン2はほとんどフラットに見える。ストレートにも2.5度のバンクがつけられており、インディカーはピット前ストレートで時速180mph(=約289.62km/h)を記録。そのスピードを保ち、若干下り坂になったターン1へと飛び込んで行く。ロードコース的なドライビングスキルも要求してくるコースは、マシンセッティングも他のオーバル同様に非常に重要。50周足らずのテストをしてミルウォーキーへと再度乗り込んだ琢磨だったが、まだ伝説のオーバルを攻略するところにまでは達することができていない様子だ。

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース R7 ザ・ミルウィーキー225 Day1 プラクティス1「ウィル・パワーがトップ発進 佐藤琢磨は16番手」

Photo:INDYCAR(Shawn Gritzmacher)
第7戦 ザ・ミルウォーキー225
The Milwaulee 225

ミルウォーキー・マイル
ウイスコンシン州 ウェストアリス
コース全長:1マイル(約1.609km)

Day1 6月17日
プラクティス1

天候:快晴
気温:22~23℃

2年ぶりのザ・ミルウォーキー・マイル

 100年以上の歴史を誇る伝説のオーバルへとインディカー・シリーズは帰ってきた。昨年はレースの行われなかったザ・ミルウォーキー・マイルだが、今年は復活を遂げている。これを多くのファン、そしてドライバーたちが歓迎している。これまでに幾つものエキサイティングなバトルが繰り広げられてきたコースだからだ。
 全長1マイルのオーバルは、バンクが9.25度しかなく、ほとんどフラットに見える。それでもターン1へと飛び込んで行くマシンは時速180マイルものスピードに達している。ステアリングを切り込むとスピードが若干削り取られ、そこでブレーキを使い、アクセルワークも微妙に用いながらコーナリングして行く。どんなオーバルでもマシンセッティングが非常に重要だが、ここではそれにプラスしてドライバーに高いマシンコントロール能力を要求する。
 昨年レースが行われていないこともあり、インディカーはミルウォーキーでは2時間のテストセッションをスケジュールした。ただし、ランキングトップ10は最初の45分間は走れない、普段のプラクティスと同じルールが採用されていた。

2011年6月17日金曜日

2011 INDYCAR インサイドコラム R6 ファイアストン ツイン275s クジ引きでのグリッド決定はノン・チャンピオンシップ戦で

クジ引きグリッドの投げかけた波紋は予想外に大きく、インディカーCEOのランディ・バーナードは世論に圧されてはやくも再検討を約束した。
Photo:INDYCAR(Ron McQeeney)

インディカーCEOが代替案検討を約束

 テキサスでの第2レースのスターティング・グリッドをクジ引きで決めた件に関して、インディカーCEOのランディ・バーナードは、「少し小細工が過ぎた」と認め、今後のダブルヘッダーのために代替案を検討すると誓った。「ファンの素晴らしい経験のために、最高の競争、エンターテインメント、価値を提供していきたい。今回の件は少々細工が過ぎた。もし誰かがクジ引きによる結果による5点差でタイトルを失うことになったら、クジ引きが我々のシリーズの信頼性を損ねることとなる。責任は私にある。我々は世界からベストのドライバーたちを集めたい。そして、ドライバーたちには、ここではベストのドライバーが勝利を手に入れる、と知ってもらいたい」とも彼は語った。

2011 INDYCAR インサイドコラム R6 ファイアストン ツイン275s グリッド決定方法、みなさんからたくさんお寄せいただきました

 グリッド決定方法、多くのアイディアをいただきました。ご提案をひとつずつ見て行きたいと思います。

2011 INDYCAR ジャック・アマノのインディな1日:トム・アンダーソンとゴルフ

トム・アンダーソンと筆者
2年ぶりのラウンド

 レースとレースのインターバル、たまには息抜きも……とインディアナポリスでトム・アンダーソンらとゴルフ。
 去年の彼はアンドレッティ・オートスポートに入ったばっかりで忙しかったので、一度も一緒にラウンドできなかった。今年は開幕後から「また行くぞ」と言ってもらってたので、テキサスの後にインディに戻ることにした。
 アンドレッティ・オートスポートの予選結果の責任を取らされ、トムは今年の予選直後にチームからリリースされた(=解雇されちゃったということデス)。勝てなくなってたチームに2勝させたのも彼だったはずなのに……。
 それでもトムは、インディ500決勝でサム・シュミット・モータースポーツの2台目=タウンゼント・ベルのピットで指揮をとっていた。テキサスにはウェイド・カニンガムをサム・シュミット・モータースポーツがエントリーさせると聞いたので、またトムが仕切るんだろか? と思っていたら、そうはならなかった。雇われなかったのは、トムぐらいのキャリアだとギャラも高いからだろうか……なんて考えた。

話題はいつの間にかレースのことに

「今はアンドレッティ・オートスポートで働いている間にできなかったことをやっていて非常に忙しい。先日はポートランドに母を尋ねて来た。もう90歳過ぎだからな。それにしても、レースの仕事をしていた時より忙しいぐらだよ」とトムは笑っていた。ランチではアレコレ話題が移り変わったが、ついついレース関連のことへと戻ってきてしまう。彼が「テキサスでのレースはテレビで見ていた」というので印象を聞くと、「クジ引きをドライバーが行うスタイルは、テレビでドライバー全員の顔をそれなりの時間をかけて見せることになっていた。その点ではプラスだったろう。しかし、レースとレースのインターバルが少々長過ぎた」などと話していた。
 インディ500については、「インディアナポリス・モーター・スピードウェイで、メモリアルデイに、500マイルのレースを行う。伝統として守るのはそれだけでいいのでは?」というのがトムの意見だそうだ。かなり大胆だ。チームオーナーとしての経験もある彼としては、スピードウェイやシリーズ主催者のことより、クルーを雇っているチームがいかにしたら健全運営をして行けるかに注目している。そういうチームが数多くないとシリーズが盛り上がらないからだ。
「予選に今は人が集まらないのだから、予選を長々とやっていても意味はない。今、もうインディ500の日程は長過ぎるものとなっている。以前はカーブデイが木曜だったが、今は金曜にされている。アレはひとつの週末としてインディ500が盛り上がるという面からいいアイディアだと思う」などとも彼は語っていた。
素晴らしく手入れの行き届いたコースは、インディアナポリス西北部の住宅街にある。グリーンは速くて、うねりも結構ある。フェアウェイはスムーズだけれど、ラフはメチャ厳しい。アップ&ダウンは少ないけれど、非常にチャレンジのしがいがあるコースだった。

2011 INDYCAR シリーズ 佐藤琢磨コメント41:ミルウォーキー・プライベートテスト「いちばん平均速度が遅いオーバルなのに、コーナーが異様に速くてすごくスピード感がありました」

コーナーのバンク角は9.25度、ストレートは2.5度と非常にフラットなミルウォーキー。
ロードコース用のウイングを装着する。
Photo:INDYCAR
インディ500直後にプライベートテスト

 伝説のショート・オーバル=ザ・ミルウォーキー・マイルが今年のインディカー・シリーズには復活した。フラットなオーバルは、非常にハイレベルなマシンセッティングとドライビングテクニックを求めるもので、少しでもセッティングを外したドライバーは見る間に周回遅れに陥ってしまう難コースだ。佐藤琢磨とKVレーシング・テクノロジー・ロータスは、インディ500終了後の短いインターバルを利用してミルウォーキーでのプライベートテストを行った。

「走った感じはおもしろそうでした」

Jack Amano(以下――):テキサス前にミルウォーキーでテストをしたそうですね? 伝説の1マイル・オバールの印象は?

佐藤琢磨:噂通りのフラットなオーバルで、異様な感じを受けました。何て言ったらいいのかなぁ……インディ500から行ったので、1年間の中でいちばん平均速度が高いコースからいちばん遅いオーバルに行った。それなのにスピード感はすごくありました。コーナーが異様に速い。ロードコース用のウィングを使って、アクセルは絶対に戻さないと回れないので、そういう意味ではなんかオーバルっぽくないっていうか……。

――ロードコース的だと?

佐藤琢磨:まぁそういう感じはしますね、どちらかというと。テキサスとは全く違いますね。

――ミルウォーキーはドライバーズコースって言われ方をしますが?

佐藤琢磨:ドライバーの間では非常に人気の高いコースですよね。走った感じはおもしろそうでした。ただ、レースではブレーキとかも結構使うと思うので、本当にロードコースみたいな感じになりそうですね。

――50周ぐらいの走行だったと聞いていますが、トラブルか何かで多く走れなかったんですか?

佐藤琢磨:いえ、強風というコンディションで、1日の大半が走れない状態だったんです。

――ミルウォーキーはプラクティスの前に1日テストがありますね?

佐藤琢磨:はい。そこで時間が随分あるみたいなので、今度こそバッチリ走り込みます。テキサスまでオーバルでも良い感じで来ているので、この勢いを保って次のレースへと繋げて行きたいです。

50周でも走れたことは大きなプラスだ。自分の中にイメージを持ち、次の走行に備えることができる。金曜日のテストデイにはセッティングも違ったもの、あるいは前回のものから進化させたものを試すことが可能となるだろう。インディ、テキサス、ミルウォーキーと、同じオーバルでもキャラクターは完全に異なっている。琢磨にとって初挑戦のミルウォーキー、またアグレッシブな戦いぶりを見せてくれるに違いない。

2011年6月16日木曜日

2011 INDYCAR レースプレビュー R7 ミルウォーキー225 日本時間入りレーススケジュール

2009年のミルウォーキー戦スタートシーン。
Photo:INDYCAR
 第7戦 ミルウォーキー225
R7 Milwaukee 225

The Milwaukee Mile
ザ・ミルウォーキー・マイル
ウイスコンシン州ミルウォーキー ウェストアリス
全長:1マイル(1.609㎞)×225周
コースタイプ:オーバル
2009年勝者:スコット・ディクソン

スケジュール時差(日本-14時間)
Day1 6月17日
15:00~15:45(日本時間18日5:00~5:45) プラクティス1
15;45~17:00(日本時間18日5:45~7:00) プラクティス1A
Day2 6月18日
9:45~10:45(日本時間18日23:45~19日0:45)プラクティス2
12:55~13:55(日本時間19日2:55~3:55) プラクティス3
16:45~17:45(日本時間19日6:45~7:45) 予選
Race Day 6月19日
15:00(日本時間20日5:00~)

2011年6月15日水曜日

2011 INDYCAR レースアナリシス 第6戦 ファイアストン ツイン275s誰がどれだけゲインして、どれだけクジによるロスを被ったのか?

クジでの後方グリッドの不利益はどれほどなのか??

 テキサスでのダブルヘッダー、誰がどれだけ順位を上げて、どれだけ下げたのかを調べてみた。
 ふぅ……。第2レースの順位を勘定してたら、改めて理不尽さを強く感じてしまった。
 ちゃんとした予選で決まったグリッドからの戦いには競い合う正当な理由があるけれど、運だけで決まったグリッドは、どう考えても後方スタートになった人の不利益が大き過ぎる。今回のクジ引きの結果は、そうした傾向がさらに強調されるものになってもいた。
 以下に獲得ポイントのトップ10を比較すべく表にしてみた。項目は順に、ドライバー名、第1レース予選順位/決勝順位、アップもしくはダウンしたポジション数(アップした場合はマイナスで表記)、第2レース予選順位/決勝順位 アップもしくはダウンしたポジション数、 2レーストータルでのアップもしくはダウン数、第1レースの結果と第2レースのグリッドとの間にあった差、そして最後が2レース合計で獲得したポイント。

第6戦テキサス 獲得ポイントトップ10
クリックして拡大

 ペンスキーは非常にクジ運が良く、ガナッシは悪かった。ペンスキー勢は2レース合計でのポジションゲインが3人で19しかなく、ガナッシ勢はふたりで43あった。クジ引きによるポジションロスも同様で、ペンスキーが3人でマイナス2で済んだのに対し、ガナッシはプラス41とダメージが大きかった。それでもドライバー数が2人のガナッシは1勝、表彰台占有スポットx3と、3カー体制のペンスキーと同様の結果を手に入れている。

「初めてテキサスで優勝できたのに、今日は祝う気にはなれない。チャンピオンシップがかかったレースなんだよ。そのグリッドがクジ引きで決まるなんて悪い冗談だ。自分たちはドライバーもチームも何のミスもしていないのに、大きなハンディを背負わされた」とフランキッティが語ったのもうなずける。

カナーンに比べて報われなかった琢磨

 第2レースのグリッドトップ10を見ると、ウィル・パワーは第1レースの順位と同じ3位からスタートしたが、他の9人は全員が第1レースのフィニッシュ順位より高いポジションからスタートしていた。パワーはある意味、周囲に強力なコンテンダーがいない状態で楽にレースを始めることができていたということだ。オーバル初勝利をパワーは喜んでいたが、トップコンテンダー全員とフルに競い合っての勝利ではなかった。

 今回の比較では、KVレーシング・テクノロジー・ロータスの3人のデータも興味深かった(佐藤琢磨とEJ・ビソにとってはおもしろくも何ともないだろうが……)。カナーンと琢磨は同点、ビソも1点少なかった。カナーンは本当に幸運だった。第1レースでオーバーテイクアシストを18回も使いながら11位。第2レースがポール・スタートだったことで、残り2回しかプッシュ・トゥ・パスの残りはなかったが、ポジションは5位まで下げるだけで済んだ。もちろんそこには、セッティングを第1レースより良くできていた点、カナーンの巧妙なライン採りなどもあってのことだが……。いずれにせよ、琢磨のパフォーマンスは、カナーンのものと比べるとポイントに報われていない印象が強い。そして、ビソはさらに同じく強いレースとなっていた。

苦境の中光ったマルコの健闘

 アンドレッティ・オートスポートもクジ運が悪かった。ライアン・ハンター-レイは14個ものゲインをさせてもらったが、マルコ・アンドレッティは正反対の14個マイナス、ダニカ・パトリックとマイク・コンウェイもそれぞれ4個、2個のグリッド後退を余儀なくされた。マルコのパフォーマンスは予選での不振ぶりを考えると見事で、第2レースではフランキッティに最後までパスを許さなかった。2レース合計での獲得ポイントは、マルコが10位、ダニカが12位、ハンター-レイが13位につけた。コンウェイはインディに続いてオーバルでは苦戦が続いているが……。

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース:ピッパ・マン、レイホール・レターマン・ラニガンからオーバル3レースに出場

イギリス人女性として史上初の出場を果たした今年のインディ500で、ライツで培ってきたその実力を見せ付けたピッパ・マン。
Photo:INDYCAR(Chris Jones)
8月14日の第12戦、ニューハンプシャーから参戦

 今年のインディ500にコンクェスト・レーシングから初めての出場を果たし、20位でフィニッシュしたイギリス人女性ドライバーのピッパ・マン(27歳)が、シーズン後半のオーバル3戦=ニュー・ハンプシャー、ケンタッキー、ラスベガスにレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングから出場することとなった。6月14日にチームが発表した。

2011年6月14日火曜日

2011 INDYCAR インサイドコラム R6 ファイアストン ツイン275s :ダブルヘッダー用のグリッドを決めるグッドアイディア、ありませんかぁ?

久々に行われた1日2レースは、第2レースをくじ引きグリッドとした甲斐あって?か2人のウィナーを出すという主催者の願望は達成されたかにみえるが・・・。
Photo:INDYCAR(LAT)

アメリカでも物議を醸すくじ引きグリッド

「第2レースのグリッドはクジ引きで」というルール、アメリカでも物議を醸してますよー。大方が反対意見で……。でもね、ダブルヘッダー自体に反対する声は聞こえてきてないんだよね。そこでだ、第2レースのグリッド決定はいかにして行うべきか? アイディアを募集したいと思います。
 ダブルヘッダーは完全に独立したふたつのレース……というのが基本的な考え方なんだよねぇ? だからこそ、ポイントも完全イコールの半分ずつが与えられるんでしょ? だったら、第1レースの結果が第2レースに反映されることが、そもそもおかしいんじゃないだろか。2レースをやるのなら、予選も2回やるべきなのでは? 

2011 INDYCAR インサイドコラム R6 ファイアストン ツイン275s:クジ引きはレースに対して、スパイスとなったのか? それとも余計な味付けとなったのか?

 テキサスでのダブルヘッダーが第2レースのグリッド決定にクジ引きを採用した。
 ピットとグランドスタンドの間に特設ステージが用意され、ドライバーたち本人がそれぞれのスターティンググリッドを選んだ。ファンはドライバーが引き当てるグリッドの数字(30個並べられたファイアストンタイヤを回転させると表れる)に一喜一憂し、当のドライバーたちも後方グリッドとなった落胆や、上位グリッドからスタートする権利を得た喜びを表現していた。

2011年6月13日月曜日

2011 INDYCAR インサイドコラム R6 ファイアストン ツイン275s:シリーズポイントにも微妙な影響を与えた? クジ引きグリッドシステム

 今回のダブルヘッダーを獲得ポイントで順位づけすると下記の通りになる。
 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)とダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)、ふたりは開幕からシリーズポイントでトップを争って来ているが、今回のダブルヘッダーで差が5点も広がった。どちらのドライバーも最多リードラップを記録して片方のレースで優勝した。それでも差がついたのは、優勝していない方のレースにおけるフィニッシュ・ポジションによってだった。フランキッティの2レース目の順位が7位と低かったのに対し、パワーは1レース目を3位でゴールしたのだ。

2011年6月12日日曜日

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント40:R6 ファイアストン ツイン275s Race Day レース2「クジでグリッドを決めるというのが精神的に疲れた。1レース目と2レース目とで別の戦いとなったが、色々なことを経験できたと思う」

マシンに乗り込むギリギリまで琢磨とエンジニアはレースにおける多くのしチュエーションに備えて話をしている。
Photo:Masahiko Amano(Amano e Associati)
第6戦 ファイアストン ツイン275s

Round 6 IFirestone Twin 275s
Texas Motor Speedway

テキサス・モーター・スピードウェイ
テキサス州フォートワース 
全長:1.5マイル(=約2.413km)×114周×2レース
コースタイプ:オーバル

Race Day  6月11日
レース2  12位フィニッシュ 

 2レース目のスターティンググリッドはクジ引きで決められるルールだった。琢磨が自ら引き当てたのは25番手。琢磨とKVレーシングテクノロジー・ロータスは非常に厳しい条件を課せられることとなった。後方スタートならトラフィックを走ることは避けられない。
 しかし、トラフィックで速いマシンを求め過ぎれば上位に進出できても逃げるレースは不可能になる。セッティングのジレンマがそこには生ずる。琢磨陣営は、第1レースよりスピードを高めるセッティングを施し、2レース続けての上位フィニッシュを目指した。しかし、後方スタートの不利は非常に大きく、琢磨もピットクルーも大奮闘を見せながら、フィニッシュは12位がやっとであった。

2011 INDYCAR フォトリポート R6 テキサス その9 第1レースと第2レースのインターバルでは……


第1レースを5位で終えた琢磨のマシンはピットに戻って来た。優勝者がビクトリー・レーンから戻って来た時点で全チームにマシン整備開始の許可が下りた。
Photo by Masahiko Amano/Amano e Associati


2011 INDYCAR フォトリポート R6 テキサス その8 グリッドにて

グリッドで話し合う琢磨、レースエンジニアのギャレット、そしてジミー・バッサー。
Photo by Masahiko Amano/Amano e Associati

2011 INDYCAR フォトリポート R6 テキサス その7 スタート前、国歌斉唱セレモニー

スタート前の国歌斉唱などが行なわれるセレモニー中は、各チームともグリッドにクルーが一列に勢揃いする。
Photo by Masahiko Amano/Amano e Associati

2011 INDYCAR フォトリポート R6テキサス その6 スタートを待つ琢磨

4番グリッドにて。レースのスタート間近
Photo by Masahiko Amano/Amano e Associati

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント39:R6 ファイアストン ツイン275s Race Day レース1「アクシデントもなく、高いポジションをキープできてとてもエキサイティングでした。第2レースは25番グリッドからどこまで追い上げられるか、やれるだけやってみます」

Photo:INDYCAR(Chris Jones)
第6戦 ファイアストン ツイン275s

Round 6 IFirestone Twin 275s
Texas Motor Speedway

テキサス・モーター・スピードウェイ
テキサス州フォートワース 
全長:1.5マイル(=約2.413km)×114周×2レース
コースタイプ:オーバル

Race Day  6月11日
レース1  5位フィニッシュ 54分48秒6961(1秒4174遅れ)

レース1終了後ギヤボックストラブルが発覚

 佐藤琢磨は4位スタートで5位フィニッシュを達成した。琢磨がバトルした相手はウィル・パワー、エリオ・カストロネベス、ライアン・ブリスコーとチーム・ペンスキーのドライバーたちで、パワーには先行を許したが、カストロネベスを突き放し、最後はブリスコーを僅差で抑えてゴールした。
インターバルのクジ引きでは25番手を引いてしまった琢磨。どれだけスムーズにポジションを上げてくることができるのか、トラフィックから抜け出せずに苦労するのかに注目だ。
心配されるのは、この短いインターバルで琢磨のマシンにギヤボックスのトラブルが発覚したことだ。クルーたちは大急ぎでギヤをすべて抜き出し、アッセンブリーで交換した。

ブリスコーはギリギリ抑えられると思っていました
Jack Amano(以下――):バトルが多く、最後は激しい5位争いとなりました。

佐藤琢磨:イエローがあんまり出なかったですね。そうした戦いの中でバトルがすごく多くて、結構忙しいレースでした。

――ゴールではギリギリでライアン・ブリスコーを封じ込めましたね。最後の最後でも彼はオーバーテイクを押してました。

佐藤琢磨:結構押してましたよね。二人で押しまくっての戦いになりました。でも、ギリギリ抑えられると思ってました。

――ウィル・パワーのタイヤが当たってましたね?

佐藤琢磨:何度かヒヤッとするシーンはあったんですけど、トラブルもなく、アクシデントにも巻き込まれないで高いポジションをキープしてレースをすることができました。そういう意味ですごくエキサイティングなレースだったと思います。

――もう少しスピードが欲しいところでしたね?

佐藤琢磨:そうですね。単独だともうちょっとスピードが欲しい。だから今、やれることをやって、次のレースに臨みます。

第2レースはどれだけ追い上げられるかやれるだけやってみます

――クジでのグリッドは25番手という後方を引いてしまいました。

佐藤琢磨:ここからどれだけ追い上げられるか。やれるだけやってみますけど、混乱だけは避けるようにしたいです。

――トラフィックでのマシンのハンドリングはどうだったんですか?

佐藤琢磨:最初はアンダーステアが強かったんですが、最後は良くなってました。

――ロングランで強いって感触はありましたか?

佐藤琢磨:うーん、そんなでもなかったですね。基本セッティングは悪くはない。だけど、スピードが足りない。でも、フロントウィングなどのセッティング変更を行ったことで、ピットストップ以降のマシンは大分良くなってました。次のレースに向けては、足りていなかったスピードを獲得するためのセッティングにして、アンダーステアへの対策も施します。

2011 INDYCAR インサイド情報 R6 テキサス フォトリポートその5「全てがアメリカンサイズ、ターン1にもスイートが」

ターン1にもスイート。こちらの名称は「スピードウェイ・クラブ」
Photo:Masahiko Amano(Amano e Associati)

2011 INDYCAR シリーズ解説 ダブルヘッダーのポイント

 ダブルヘッダーのポイントは通常のレースの半分が各レースで与えられる。
1位 25点  2位 20点  3位 18点
4位 16点  5位 15点  6位 14点
7位 13点  8位 12点  9位 11点
10位 10点
11位と12位 9点 13位と14位 8点  
15位と16位 7点 17位から24位 6点
25位から30位 5点。

2011 INDYCAR レースプレビュー R6 ファイアストン ツイン275s テキサス・モーター・スピードウェイ その5 ダブルヘッダーで問われるオーバーテイクアシストの使い方

Photo:INDYCAR(Dana Garrett)

今回の使用回数は20回。どちらのレースで何回使うかは自由

 テキサスでの第6戦は114周=約165.87マイルのレースを2回行う。
 今回のレースで各エントラントが使用できるオーバーテイクアシスト(200rpmアップで約10馬力のプラス)は、12秒を20回。1度使った後は10秒間使えないルールはいつもと変わらない。ただし、それらをどういう配分で使用するかに関しては制限がない。各レースに10回ずつ均等割りして使ってもいいし、1レース目には使わずに、2レース目に20回全部を投入してもいい。

2011 INDYCAR インサイド情報 R6 テキサス フォトリポートその4「プラクティス終了後」

ファイナルプラクティスを終えてセッションを振り返る佐藤琢磨、ジミー・バッサー(中央)、エンジニアのギャレット。
Photo:Masahiko Amano(Amano e Associati)
関連記事:
2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 38:R6 ファイアストン ツイン275s Day1 プラクティス2 佐藤琢磨がグループトップタイムの2番時計「トラフィックの内側も外側も走れ、決勝への準備という意味では一番いい状態かもしれない」
http://www.indy-amano.com/2011/06/2011-indycar-38r6-275s-day1-2-2.html


2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 37:R6 ファイアストン ツイン275s Day1 予選「プラクティスでよい兆しを感じていた。チームも自信を持って攻めたセットを用意してくれて、抵抗のないマシンというものを初めて感じることができた」
http://www.indy-amano.com/2011/06/2011-indycar-37r6-275s-day1.html