2013年5月4日土曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント20 R4 サンパウロ 金曜日記者会見「気持ちがすごくポジティブですね。自信も高まっているし、とにかくレースをするのが楽しみです」

Photo:INDYCAR(Chris Jones)
記者会見の質問は琢磨に集中!

 サン・パウロの重要な道路をバックストレッチとして使うレースは、土曜、日曜だけの2デイイベント。今日、金曜日には記者会見が行なわれた。ここに現れたのは3年連続ブラジル・ウィナーのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、今年の開幕戦セント・ピーターズバーグで優勝したジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)、今年の第2戦アラバマでのウィナーであるライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)、そして、第3戦ロング・ビーチ・ウィナーの佐藤琢磨( AJ・フォイト・レーシング)というメンバーだった。
最初の質問はパワーに向けられたものだったが、その後は琢磨に質問が集中した。F1ドライバーとしてのブラジルでの活躍と、これまでのアグレッシブな戦いぶり、そして最も最近のレースで勝ったドライバーであることが琢磨のブラジルでの注目度を一気に大きなものへと押し上げたのだ。
「ロング・ビーチとここでは使うタイヤが違う。しかし、基本的にロング・ビーチとここのコースは特徴が似ている。僕らがコンペティティブであったとしても何ら不思議は無い」と自信をかいま見せた。


「ここはインディーカーに来てから、ずっとゲンのいいコース」


Jack Amano(以下――):日本からブラジルへ、長旅でしたね。

佐藤琢磨:はい、25時間フライト、楽しかったです(笑)。もともとロング・ビーチの後は日本に帰ることに決めていました。特にあのレースの後に帰れたっていうのは。すごく幸運だったと思います。自分の声でお世話になった方々、スポンサー、ファンの皆さんに優勝報告ができましたから。それはとてもよかったです。みんなから祝福の言葉をもらって、うれしい悲鳴だったというか、非常に忙しかったですけど、大変充実した一週間でした。

2013 INDYCAR プレビュー R4 サン・パウロ:ウィル・パワーのブラジル4連覇はあるのか? 佐藤琢磨の2戦連続優勝の可能性は?

注目のドライバーはパワーと琢磨とハンター-レイ

 サン・パウロのレースといえばウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だ。去年までの3レースすべてで彼が勝っている。
 サン・パウロは佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)が得意とするコースでもある。デビューイヤーだった2010年こそ1周目の1コーナー前でクラッシュ&リタイアとなったが、2年目にはチームのボーンヘッドさえなければ優勝していただろう決定的な速さをウェットコンディションで見せ、去年は25番手という後方スタート(予選前にエンジントラブル発生でエンジン交換=10グリッド・ペナルティ)ながら自身初の表彰台フィニッシュを達成する3位でゴールした。
 そしてもう一人、ブラジルで強いドライバーとしてライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が挙げられる。彼は2回の2位フィニッシュを記録してきている。上記3人は今年も速いだろうし、彼らのチームメイトたちも要チェックだ。

地元ブラジリアンとチップ・ガナッシ勢はなぜか例年不振

 過去3年のレースを見ると、ブラジルではブラジル人ドライバーとチップ・ガナッシ・レーシングがイマイチ振るわない。ブラジリアンで表彰台に上ったのは2010年のヴィトール・メイラだけ(=コレがAJ・フォイト・エンタープライゼスでだった)。ガナッシ勢はダリオ・フランキッティの2011年の4位がベスト・リザルト。スコット・ディクソンは2010年の6位がベストと、彼らしくない。今年もこの傾向は続くのか、それとも誰かが一矢報いるのだろうか。

ウエットなら琢磨、と言われているが雨の確率はかなり低そう

 ウェットでなら琢磨は優勝候補の筆頭か、それに近いポジションにランクされる。「ウェットは得意」と宣言し、その通りに速いドライバーを挙げるとすれば、琢磨の他にはフランキッティになるだろうか? しかし、今週末の天気予報は晴れ、もしくは曇りで、雨の確率はかなり低そう。気温も平年並みの20℃台半ばとなるようだ。
 去年はパワーがシーズン4戦目で早くも3回目のポール・ポジション獲得を記録したが、今年の彼にはそこまでの切れ味がない。ガムシャラに、貪欲に全セッションでスピードを追い求めるスタイルから一転、決勝レースにフォーカスし、よりリラックスし、自らの持つフィーリングを頼りマシンをセットアップするスタイルに変更したという彼は、狙い通りの成果を得られていないのだ。

まずはパワーの予選がどうなるか……

 ここまで3戦して未勝利のパワーは、去年までのなものに戻すことを検討すべきかもしれない。あるいは、その判断を無敗のサン・パウロで下そうと考えている可能性もある。パワーによる3年連続のポール奪取はなるのか? まずはそこに注目したい。
 去年のレースでは、パワーが75周を2ストップで走り切ってしまった。多くのドライバーより1回少ないピットストップでゴールしたのだ。予選5位だったRHRがパワーと同じ2ストップ作戦だったが、スピードではパワーにまったく叶わなかった。
 パワー&ペンスキーの去年の強さは、メカニカル・グリップの高さにあった。サン・パウロの重要コーナー=ターン4とターン10での去年の彼のコーナリング・スピードは抜きん出ていた。しかし、そのアドバンテージが今年は消滅しているようだ。ライバルチームもマシンセットをハイレベルに仕上げてきているのだ。

ヴォーティエ、サン・パウロで大ブレイクなるか?

 今週末に私が注目したいドライバーは、ルーキーのトゥリスタン・ヴォーティエ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。ロング・ビーチでも彼はそのポテンシャルの高さを見せていた。スタート直後にスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)に後ろからヒットし、ペナルティで最後尾まで一端下げられながら、3位にまで順位を上げた。上位フィニッシュが果たせなかったのはピットでパワーとの接触があったため。それは彼ではななく、クルーのミスによるものだった。去年のルーキー・オブ・ザ・イヤーで、いつ優勝しても不思議はないと見られているシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)の目を丸くさせる速さを持つヴォーティエは、去年までのパワーに匹敵する圧倒的な速ささえ発揮する可能性を秘めた逸材だと思う。

2013年5月2日木曜日

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2013年4月29日月曜日

2013 INDYCAR ニュース 4月28日:ブルー・シグスがブラジルでの15号車のメインスポンサーに

ブルー・シグスカラーをまとったコンウェイ Photo:INDYCAR(Chris Jones)

ロング・ビーチでのコンウェイの走りの大きな手応え 
 トヨタ・グランプリ・オブ・ロング・ビーチでマイク・コンウェイのマシンを彩った電子タバコのブルー・シグスが、次戦ブラジルではグレアム・レイホールのマシンのメイン・スポンサーとなる。
 ブルー・シグスはロング・ビーチで大きな手応えを感じたようで、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングとの契約を即座に書き換え、ブラジル、さらにはインディー500でのサポートを行うこととなった。彼らはインディーでレイホール車のサブ・スポンサーを務めることを決定したのだ。


2013年4月28日日曜日

2013 INDYCAR ニュース 4月27日:パンサーDRR、インディー以降はスポット参戦に

セルヴィアのインディー500終了後はどうなる? Photo:INDYCAR(Chris Jones)
2000年から走り続けてきていたパンサーDRRがフル・シーズン参戦を断念

 パンサーDRRは、近いうちに十分な資金を供給してくれるスポンサーを見つけられない限り、2013年シーズンへのフル参戦を断念することとなるという。喫緊のサン・パウロ戦、そしてインディー500には出場するが……。
2013年シーズンをともに戦うスポンサーが出現しない場合、パンサーDRRは一端現場を離れ、クルーも主要メンバーだけを残して2014年の参戦再開に向けた活動をしていくという。しかし、インディー500以降も何戦かには出場する計画が既にあるようで、1レースを戦うに十分なスポンサーが現れた場合にスポット参戦を行なう意思も明らかにしている。
2000年に参戦を始めて以来、インディーカー・シリーズに参戦を続けてきたドレイヤー&レインボールド・レーシング(現パンサーDRRが、ついにフル出場をストップせざるを得ない事態に陥った。そこには、昨シーズンのロータスからシボレーへのエンジン・スイッチの影響があったという。使用エンジンを換えることによるコストは、彼らの想定以上に大きなものとなったのだ。
DRRはこれまでにのべ333戦(多い時には1シーズンに7人を走らせた)に出場し、現共同オーナーのロビー・ビュールが2000年に1勝を挙げており、ポールポジションはサラ・フィッシャーとジャスティン・ウィルソンとともに合計2回獲得している。
以上