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2012年8月25日土曜日

2012 INDYCAR レースプレビュー:R13 ゴープロ・インディー・グランプリ・オブ・ソノマ

レイアウト変更したソノマでどんなオーバーテイクシーンが実現するのか?

 お久しぶりです!
 中国・青島でのレースがキャンセルになって、お盆休みみたくなってましたね、インディーカー・シリーズは。
 今週末のレース向け”プレビュー”のお届けが遅くなってしまいました。休みボケしちゃってたからではありません。少々調べもので時間がかかったところへ、現地宿泊先の通信トラブルが重なってしまったんです。お詫び致します。

 さぁ、もう今シーズンも残すところ3レースとなりました。今週末はノーザン・カリフォルニアのソノマ・レースウェイが戦いの舞台です。このサーキット、インフィネオン・レースウェイという名称で近頃は親しまれて来ましたが、その前はシアーズ・ポイント・レースウェイという名前で、スピードウェイ・モータースポーツ・インコーポレーテッド(SMI)が傘下に収めた後、ネーミング・ライツをインフィネオンに販売したのでした。しかし、両社の契約が今年の夏前に切れ、今はソノマ・レースウェイを名乗っています。
 そのレースウェイが、今年はレイアウト変更を行いました。「オーバーテイクが全然起こらないつまらないレース」と言われ続けていた、その汚名を挽回しようと改修がなされました。
 今回のコース変更、一番大きいのは最終コーナーの改良です。エスケープゾーンの一切無いオリジナルのヘアピンコーナーと、大きくエスケープを取った去年までのコーナーとの間に、よりタイトな形状のヘアピン・コーナーを設定しています。去年より200フィートもコーナーは奥へ行ってます。しかも、コーナー入り口がタイトにされたので、ブレーキング競争が激しく行われるはずです。
 最終コーナー前は右へ緩やかに曲がるターン10があって、その前に90度に2回曲がるシケインが設けられているわけですが、そのシケイン出口のコース幅が10~50フィート広げられました。このシケイン自体が、そもそもオーバーテイクポイントとなるよう作られたのですが、去年までだとなかなかパスが見られませんでした。それが、このコース幅拡大によって、パス実現の可能性がアップしそうです。しかも、シケイン脱出スピードが上がって最終コーナーへのアプローチ速度もアップすることから、よりハードなブレーキング競争がそちらで見られるという次第です。

 最終コーナーから見て、コースの真反対にあるターン7にもレイアウト変更があります。こちらもヘアピン形状のコーナーなんですが、ふたつのコーナーで構成されていたのを、ひとつのタイトなものに変えたので、ブレーキング競争、サイド・バイ・サイドでのバトルが見られる期待がされています。
 過去3年間のトップ3を挙げると、去年が優勝=ウィル・パワー、2位=エリオ・カストロネベス、3位=ライアン・ブリスコー(ペンスキーがトップ3スウィープし、ガナッシ勢は4、5位でした)。10年が優勝=パワー、2位=スコット・ディクソン、3位=ダリオ・フランキッティ。09年が優勝=フランキッティ、2位=ライアン・ブリスコー、3位=マイク・コンウェイ。記録からするとソノマではペンスキー優勢‥‥でしょうか?
 佐藤琢磨は一昨年も去年も決勝は18位。予選も16位、17位とソノマでは思い描く通りの走りができていません。しかし、今年の彼らはテストを敢行! 優勝争いへと絡んで行くことを目指しています。

2012年8月3日金曜日

2012 INDYCAR レースプレビュー:R12ホンダ インディー200 アト ミド‐オハイオ 佐藤琢磨、分厚いトップコンテンダーの中でいかに戦うか? カギは変化する路面コンディションへの対応にあり!

アップダウンがあり緑豊かなミド‐オハイオ
 アメリカ東部のオハイオ州は四角いカタチをしているが、そのほぼ真ん中に位置するのがコロンバスで、ミド‐オハイオ・スポーツ・カー・コースは北へ1時間弱上がったレキシントンという小さな町にある。今年で創業50年を迎えた。
 この地域の地形を活かして作られた全長2.258マイルのロードコースは、アップ&ダウンが適度にあり、コーナーには微妙なアンジュレーションがつけられた緑豊かなサーキットである。ブラインドコーナーが多いのも特徴で、テクニカル面からも、フィジカル面からも攻略が難しいコースとの評価を得ている。その上、真夏の中西部は非常に蒸し暑いコンディションとなることが少なくない。そうなれば、ドライバーたちだけでなく、クルーたちにとっても戦いは過酷になる。
 2010年のウィナーはダリオ・フランキッティで、2位はポール・ポジションだったウィル・パワー。そして、予選6位からエリオ・カストロネベスが3位に入賞した。
 佐藤琢磨は予選3位の好位置につけ、スタート直後にフランキッティをパス。その後抜き返されたが、1回目のピットストップまで3位を保った。
 ところが、ピットストップで9位へと急降下。6つものポジションダウンをドライビングでカバーしようと琢磨の走りはアグレッシブになり過ぎ、ディクソンとのバトルでコースオフ。リタイアを喫した。


キンボールが事前テストで右手を骨折、代役はパンターノ
 2011年のウィナーはスコット・ディクソン。2位でゴールしたフランキッティに7秒以上の大差をつけての圧勝だった。3位はライアン・ハンター-レイ。
 琢磨は予選9位から4位でゴール。終盤のリスタートで6位から4位へとジャンプしたところが、いかにも琢磨らしかった。しかし、その後にハンター-レイに攻撃を仕掛け、3位表彰台へと到達することは叶わず。それでも、この時点まででの自己ベストのリザルトとなった。
 過去2年間で表彰台に上っているフランキッティ、パワー、カストロネベス、ディクソン、ハンター-レイは、今年も速いだろう。ライアン・ブリスコーやアレックス・タグリアーニもミド‐オハイオで速さを発揮して来ているし、コロンバス近郊出身のグレアム・レイホールも上位へと食い込んで来そうな勢いを持っている。ジェイムズ・ヒンチクリフも速そうだ。
 そしてもちろん、琢磨もこの分厚いトップコンテンダー層に含まれる。鍵を握るのは、路面コンディションの変化だ。サポートイベントが多いために路面が目まぐるしく変わる。そこに暑さが絡み、さらには雨が降ってラバーが流されるような事態も起こり得る。コンディションの変化に振り回されず、的確に対応を行い続けることが勝つためには求められる。
 なお、今シーズン大きな伸びを見せて来ているチャーリー・キンボールは、ミド‐オハイオでの事前テストでアクシデントを起こし、右手を骨折。レース出場が不可能となり、代役には過去にもがナッシで助っ人として走った経験を持つイタリア人のジョルジョ・パンターノが起用される


事前テストで琢磨は好調。ホンダゆかりのコースでの活躍を期待

 事前テストで速かったのは、昨年度ウィナーのディクソン(プライベート・テストなのでタイムは公表されていない)。DW12ですでに去年のポールタイム=1分08秒0776を上回っているという。
 琢磨も事前テストに今シーズンが開幕して以来初めて参加。彼らはベストが1分07秒44であったことを明らかにしている。予選から上位で戦えるだろうことを十分期待させてくれる状況なのだ。 レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングにとって、コロンバスは地元。インディーカーのオペレーションはインディアナポリスをベースとしているが、今でもスポーツカーチームはコロンバスを本拠地としている。ホンダの工場も近く、琢磨にかかる声援は普段より大きなものになる。

2012年7月20日金曜日

2012 INDYCAR レースプレビュー:R11 エドモントン・インディー プレビュー 注目はハンター‐レイ vs ウィル・パワー。ロード用マシンセッティングも仕上がってきている佐藤琢磨の活躍にも期待大!

ウィル・パワー、悲願のタイトルに向け正念場の一戦

 去年、佐藤琢磨がキャリア2回目、ロードコース初のポールポジションを獲得したコース、それが新しいエドモントン・インディーのコースだ。同じ街中の空港を使いながら、一昨年までのコースとはレイアウトをガラリと変えている。
 それでも、チーム・ペンスキーとかから「ウチはエドモントンで何勝……というスタッツが出てくる。基本的に無視してください、そういうのは。去年の彼らは確かに1-2フィニッシュだったけど。
 今年のエドモントンの注目は、何といってもライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)の4連勝がなるか? そして、ポイントリードをトロントで手放したウィル・パワーが勢いを取り戻す優勝を飾れるか?
 パワーは去年のウィナー。2年続けて逃したチャンピオンの栄冠を手に入れるためには、エドモントンが踏ん張りどころだ。青島のレースがキャンセルになって、残りレース数はエドモントンを含めて5戦だ。「ミスは許されない」とパワーは気合いを入れてエドモントン2連勝を目指す。
 RHRはストリートで速い。しかし、去年のエドモントンでは琢磨に無謀なオーバーテイクを仕掛けて接触、ペナルティを課せられた。チャンピオン争いをしている身として、今年は慎重なドライビングが必要だ。


佐藤琢磨、2年連続PPへ調子は上々! ハンターーレイにはご注意
 もうひとつ注目したいのは、ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングが今回こそマトモにレースできるのか? という点。スコット・ディクソン、ダリオ・フランキッティともにスタートからゴールまでキッチリ戦うところを今週末こそ見たい。彼らが早々にリタイアとかだと、やっぱりレースが薄味になってしまう。
 忘れちゃならないのが、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)の走り。去年は「雨で走行時間がほとんどなく、初めて使われるコースで……と誰にもアドバンテージがない状況だったから」とポール獲得を謙遜して見せてる琢磨だが、そういう状況で、そんなに慣れてないマシンでポール獲ったところは誇っていい。
 ストリート。コース用マシンセッティングも向上して来ているようなので、ポールを狙っての全力アタック! 期待したい。そして、レースでもトップグループで、RHRにブツケられずに戦い抜いて欲しい。

2012年6月15日金曜日

2012 INDYCAR レースプレビュー:第8戦ミルウォーキー・インディーフェスト

IMSより長い歴史を持つミルウォーキー。バンクが小さいショートオーバルだ。
Photo:INDYCAR
伝説のオーバル、マイケルのおかげで今年も無事開催に

 インディー500に次いで欠かせないイベントじゃないだろうか、伝説のオーバル=ザ・ミルウォーキー・マイルでのレースは。ウィスコンシン州ミルウォーキー郊外にあるインディアナポリス・モーター・スピードウェイより長い歴史を持つコースは、ダートトラック転じてペイブド(舗装)オーバルとなったショートトラック=全長1マイル。バンクは6度しかない、ほとんどフラットに見えるオーバルだ。
「ありがとう、マイケル・アンドレッティ!」と、ここで言っておきたい。ミルウォーキーのレースは今年は開催されないこととなってしまっていたが、それを復活させてくれたのがマイケルのレースプロモーション会社だからだ。自身が5勝を挙げているレースの難しさとおもしろさ、歴史的意義、シリーズにとっての重要性……など全部を理解している彼だからできたことだろう。マイケルは、去年初開催で大盛況だったのに今年のカレンダーから落ちる危機に瀕していたボルティモア戦も救ってくれている。感謝したい。


 ミルウォーキーは一度カレンダーから外れたため、テキサスとアイオワの間の週に押し込まれた。おかげでインディーカー・シリーズは、インディー500の決勝から5週連続でのレース開催となってしまった。インディーの予選、プラクティスまで含めると7週末連続で休みナーシ! これはクルーたちにとって非常に過酷だ。メディアにとっても酷だが、クルーたちは、この間に行われた2回のプライベートテストにも参加している者がいる。お疲れさま、である。

ショートオーバルでのDW12の走りに注目

 DW12でのショートオーバル戦、いったいどうなるだろうか? インディー、テキサスと好レースが続いているので、1マイルオーバルでもエキサイティングなバトルとなることが期待される。いや、ショートトラックならではのスリリングな接近戦が、より一層激しいものとなることが望まれる。
 去年はダリオ・フランキッティが優勝、グレアム・レイホールが2位、オリオール・セルビアが3位だった。レース中の路面の変化にベテラン勢ですら手を焼く、大変おもしろいバトルを我々は堪能した。今年も似た内容のレースとなるとの予想がつく。テクニカルで、ドライバーのスキルがものを言うバトルになるはずだ。
佐藤琢磨にとっては伝説のオーバルでの初レースだったが、予選5位、決勝8位というグッドファイト&グッドリザルトだった。今年はさらにレベルアップした戦いぶりを見せてくれるに違いない。
レースは土曜日の昼過ぎスタート。日曜日は父の日で、家族がみんなで過ごせるように……というシリーズとプロモーターの配慮からだ。ハードスケジュールをこなして来ているクルーたちのためにも、それは嬉しいことのはずだ。
金曜の予選の前にはプラクティスが2回行われる。しかし、土曜にウォームアップセッションはない。予選順位も重要なレースでありながら、決勝に向けたセッティングを行う時間もかなり制約を受けるスケジュールということ。レース距離は225ラップだ。

2012年6月1日金曜日

2012 INDYCAR レースプレビュー:R6 シボレー・デトロイト・ベル・アイルGP エンジン勢力図は塗り替えられるのか? 自動車産業の都でストリート・ファイト

ホンダ、シボレーの地元でロング・ビーチのリベンジを果たせるか?
 デトロイトでのインディーカー・レースは2008年以来となる。イベント名はシボレー・デトロイト・ベル・アイルGP。2012年IZODインディーカー・シリーズの第6戦だ。
 アメリカ自動車産業の首都デトロイトは、もちろんシボレーの地元だ。その上にレースのタイトル・スポンサーもシボレーと来れば、シボレー・チームとすれば勝たないワケにはいかない。しかし、先週のインディー500ではホンダが勝ったばかり。それも1-2フィニッシュだった。全長2.1マイル、14のコーナーを持つコースでシボレーとホンダのエンジンの力関係は果たしてどうなっているのか、とても楽しみだ。ドライバビリティが大事なコースレイアウトでは、ツインターボのシボレーが依然としてアドバンテージを持っているのだろうか。あるいは、ホンダが優位を手に入れて地元ロング・ビーチで勝てなかったリベンジを果たすのだろうか。


ストリートコースでホンダ新エンジンの燃費に注目!
 開幕からの4レース、ストリート&ロードコースで4連勝を記録したシボレー勢は、ポールポジションも全部獲得。彼らのアドバンテージは明確だった。しかし、オーバルであるとはいえ、インディーではホンダ・エンジンの燃費が急激に良くなっていた。開幕4戦ではシボレーが断然優っていたのに、立場は1戦で完全に入れ替わっていた。ストリートコースのデトロイトでもホンダは燃費での優位を得られるのか? それもまた注目だ。
 IRL主催のデトロイト戦で勝っているのは、トニー・カナーンとジャスティン・ウィルソンだ。CART時代に遡ると、エリオ・カストロネベスが2勝、ダリオ・フランキッティが1勝。チームオーナーの中ではマイケル・アンドレッティとボビー・レイホールが優勝している。


ロータスついに1台に。ドラゴンも今回はブルデイ1台だけのエントリー
 エントリー・リストを見て残念なのは、ロータスがついに1台になってしまった点。HVMレーシングだけ=シモーナ・デ・シルベストロだけといのは寂し過ぎる。このままでは、来シーズンにユーザーチームを確保することすら難しいだろう。今シーズン中にエンジンの競争力を飛躍的に向上させ、対等に戦えるところを見せることがロータスには求められている。
 ロータスを離れシボレー入りしたドラゴン・レーシングは、インディー500では2台を走らせたものの、デトロイトからのシーズンの残りは1台しか走らせないことになった。
 シボレーとしては、フルシーズンを11台で戦う計画だったが、4戦を終えたところでロータスからパンサー/DRRら移籍して来て、供給台数は12台に増えた。その上に、インディー500開催期間中にドラゴンまで受け入れることになって、アンドレッティのスポット参戦2台も含めて16台への供給を行った。
 インディーが終わってもドラゴンはフルシーズン参戦の計画なので、彼らを受け入れるとシボレー勢は14台になる。それだけの台数に万全の体制を整えるのは難しいと判断し、シボレーはドラゴンには1台の供給枠しか与えなかったのだ。
 ドラゴンは苦肉の策として、セバスチャン・ブルデイにストリート&ロードコースを担当させ、キャサリン・レッグがオーバルレースを走ることにした。今週はベル・アイルでのストリート・レースなので、ブルデイの出番だ。


ルカ・フィリッピの参戦は先送りに
 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)にとっては、今回が初めてのデトロイト。ベル・アイルのコースはバンピー&ハイスピード。琢磨とRLLのエンジニアリングスタッフはマシンをいかに仕上げ、ドライバーがどんな走りを見せてくれるのか。楽しみにしたい。なお、RLLはデトロイトから琢磨のチームメイトとしてルカ・フィリッピを走らせる予定だったが、それは先送りとなったようで、今週末のエントリーは25台となっている。