2014年6月7日土曜日

2014 INDYCAR レポート 第8戦テキサス Day1 ファイナル・プラクティス:最速はスコット・ディクソン

ターン3にツー・ワイドで侵入する佐藤琢磨とディクソン Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
天候:晴れ
気温:32℃


2位カナーン、3位ブリスコーとガナッシ勢がトップ3を独占
 夕方の6時45分から30分間、ファイナル・プラクティスが行なわれた。気温は予選時と変わらなかったが、路面温度は下がっていた。明日のレースは7時50分のスタートなので、今日2回目のプラクティスより更に涼しいコンディションでの戦いとなる。路面の温度も多少下がってからのスタートとなるだろう。
 ファイナル・プラクティスで最速だったのはスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)で、2番手はトニー・カナーン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)だった。そして、3番手はライアン・ブリスコー(チップ・ガナッシ・レーシング)。ガナッシ勢がトップ3を独占した。ディクソン=213.215mph、カナーン=213.187mph、ブリスコー=212.909mphだった。

2014 INDYCAR レポート 第8戦テキサス Day1 予選:ウィル・パワーが今季2回目のポール・ポジション!! 佐藤琢磨は予選16位

Photo:INDYCAR Chris Jones) クリックして拡大
天候:晴れ
気温:32℃

パワー、219mphに迫る驚異的ラップタイムをマーク!
 朝のプラクティスは曇りがちだったが、予選前に太陽が顔を出した。雲はあるものの、プラクティスより明らかにハードなコンディションとなった。気温は32℃にまで上昇。湿度は49パーセントだった。
 朝に速いラップを記録していたトニー・カナーン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)がトップでコース・イン。2ラップ平均217.826mphを記録した。
 これを4番目のアタッカー、ジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)が抜く217.835mphをマークした。そして、ニューガーデンのトップが長い間続いた。
 デビュー3年目にしてニューガーデンがキャリア初のポールポジションを獲得するかと思われたが、16番目にコース・インしたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が218.896mphという驚くべきスピードを記録。トップの座を奪った。


2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント37  第8戦テキサス Day1 プラクティス1:「今が17番手。ここから7ポジション・アップか。それぐらいを目指したいですね」

 
Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
去年予選をやってないので予選トリムがわからない
Jack Amano(以下――):デトロイトのレース2のポール・ポジションは、次のロード・レースであるヒューストンでのピット・ポジションに反映されるというルールだったはずですが、またルール変わったんですね。先頭のピットをアサインされましたね。
佐藤琢磨:ヒューストンで先頭だと思ってたのに、ね。ま、ここでもポール獲ればいいのか。

――そうですね。そうなれば話は簡単です。
佐藤琢磨:簡単だね。219マイルとか出しちゃえばいいんだから……って、無理。

――今のベストとだと6mphもの差があります。トウ利用でのスピードではありますが……。
佐藤琢磨:全然無理ですね、今の自分たちでは。だって僕ら、去年ここで予選をやってないから。ギヤボックスのトラブルを直しててギリギリ車検に間に合わなかった。それで予選トリムを知らなくて、もちろん今年はコンフィギュレーションがいろいろ違うし、ウィング・レベルも違うので、去年のレース・ウィングのマキシマム・アングルで予選シミュレーションをやってみたんだけど、なんだか計算が間違ってたみたいでエアロバランスが全然前に行っちゃってて全然踏めなかった。

2014 INDYCARレポート 第8戦テキサス Day1 プラクティス1:シボレー勢が1-2-3

Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
スペシャルカラーリングのカナーンがプラクティス1最速

天候:曇り
気温:30℃
 

 曇天、しかし、テキサスらしい蒸し暑さの中でプラクティス1が行われた。幸いにも弱いものながら風が吹き続けていたので、過酷な暑さとはなっていなかった。
 1.5マイルのハイ・バンク・オーバルは、今やインディーカー・シリーズではテキサスだけとなってしまっている。1.5マイルのオーバルはもうひとつぐらいカレンダーにあって良い気がするが……。
 
  1時間15分のプラクティス1、最速は219.382mphをマークしたのは、昨年のテキサスで3位フィニッシュした(今年とは違うチームでだったが)トニー・カナーン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)だった。今回の彼のマシンはグレーを纏っている。メイン・フィーチャー(フューチャーじゃないデスよ)はシャンプーとかのブランドのスアヴ。TK、五分刈りみたいな頭してるけど。ボディ・シャンプーとかも彼らは作ってるので……。

2014 INDYCAR 佐藤琢磨Q 第8戦テキサス編:ボスとチームの故郷の州ということで、より多くのファンがいてくれますから、良いレースを戦えたらうれしいですね

佐藤琢磨にQ ダラス・フォートワース編(AJ・フォイト・エンタープライゼスのプレス・リリースより)
メカニカル・グリップを最大限にすることが大事
――テキサス・モーター・スピードウェイ(TMS)について
佐藤琢磨:とてもバンクが急で、超高速の、アイコニックなオーバルだと思います。以前は2ワイドや3ワイドで延々とバトルが続く “パック・レーシング” の繰り広げられるコースとして有名でしたが、最近ではレギュレーションによってダウンフォースが大きく削られ、そういうレースは実現しなくなりました。依然として状況によっては2ワイドや3ワイドになることもありますが、グリップはかなり限られていますから、集団は小さなグループへと分裂して行き、レースはシングル・ファイルで争われます。このような背景から、TMSで競争力を持って走るためにはマシンをインディー500のようにトラフィックで運転し易く、タイヤの摩耗が少ないものに仕上げる必要があります。また、ターン2出口はとてもトリッキーです。大きなバンプがある上に、コーナーのバンクがバック・ストレートへと入るところで急激に変化するためです。空力をセットアップの中心に考えるのではなく、メカニカル・グリップを最大限にすることがTMSでは大事です。

2014 INDYCAR レースプレビュー 第8戦テキサス:今年からレースディスタンスが50㎞延長! 燃費とパワーのエンジンバトルに注目!!


モントーヤ、燃費でトップ争いに絡んでこれるか
 今年のレースは600キロ・メートルへと50キロ距離が長くされている。超高速オーバルでのレースはエンジン・パワーが大きな意味を持つ。ホンダ対シボレー。どちらかが優位を見せることになるだろうか?
 ハイ・バンクのテキサスではタイヤのマネジメントも極めて重要。超高速ランが延々続くので、マシン・セッティングが良くないとタイヤの傷みが早い。そうなればラップ・タイムの大幅ダウンは必死。速さも重要だが、賢く走る能力も必要だ。
 燃費も大事。これはもうどのレースでも言えることなんだが、テキサスでのレースは距離も伸ばされたし、燃費が大きくものを言う……なんて可能性もアリ。インディー500ではファン・パブロ・モントーヤ(チーム・ペンスキー)の燃費がメチャクチャ良かったが、今年はシボレーが優位なのか? 去年はホンダが明確にリードをしていたが……。 

2014 INDYCARレポート 第6・7戦デトロイト:色々あったけど観客動員増だったデトロイト

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
3日間で11万人の動員! 視聴率もロング・ビーチを上回る
 いやホント、色々ありました。あり過ぎたぐらいでしたね、デトロイト。
 で、6月4日、シボレー・インディー・デュアル・イン・デトロイト・プレゼンテッド・バイ・クィッケン・ローンズのプロモーターが、今年のイベントは3日間で110,000人ほどの観客を集めたと発表しました。3日とも天気は最高に良かったですからね。
 金曜日は入場無料で、その日の動員数は25,000人ほど。上記の数字にはこれも含まれているということです。

2014年6月5日木曜日

2014 INDYCARレポート 第6・7戦 デトロイト:アンドレッティ・オートスポーツの3人が語るデトロイトレース#2

手に負えないマシンゆえに琢磨を弾きとばしてしまったマルコは素直に反省!? Photo:INDYCAR (Chris Owens)
 アンドレッティ・オートスポートのドライバー3人がデトロイトでのレース2を終えてから、なかなかおもしろいコメントをしてました。

マルコ・アンドレッティ
「ハンドリングは “ひどい” から “メチャクチャ” に変わった」

 「自分のキャリアの中でも一番長いと感ずるレースだった。手に負えないマシンになっていた。ハンドリングはずっとルースで、“ひどい”から”メチャクチャ”に変わったのがペナルティを受けた時だった。あれ(琢磨との接触)は僕のミスだった」。
 マシンに対する評価はボロッボロ。エンジニアと一緒にセッティングしたの、自分でしょ? まぁ、それでも自らのミスを正直に認めてるところはマル。

2014 INDYCAR レポート 6月4日 :シボレーにトラクション・コントロール疑惑

意図的ではなかったトラクションコントロールにより
マニュファクチャラースポイント10ポイント減算!?


 インディーカーは6月3日、彼らがシボレーと行って来ていた、エンジン・レギュレーションに関する件の審査を終了したと発表した。インディーカーのリリースは以下の通り。

 インディーカーは、シボレーがヴェライゾン・インディーカー・シリーズのエンジン・レギュレーション11.2(トルク・コントロール)及び12.1(トラクション・コントロール)を冒した件に関し、課していたペナルティ(20,000ドルの罰金と10点のマニュファクチャラー・ポイント)を無効とする。
 エンジン・マニュファクチャラー(=シボレー :訳者注)は、意図的ではなかった技術的な違犯により、マニュファクチャラー・ポイントを10点減算される。
以下省略

 なんか不思議でしょ? 罰金もポイント減算もナシにすると最初の段落で言っておきながら、次の段落では10点減算を改めて課している。その二段落目では、減算の理由を「意図的ではなかった違犯」と書いてもいる。


2014年6月4日水曜日

2014 INDYCAR レースアナリシス 第6・7戦デトロイト レース#2:ウィル・パワーのドライビングはこれでよいのか?

荒々しい走りと荒い走り…その違いをパワーはどう考えているのか? Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 生粋のファイターらしさを取り戻した今年のパワーだが……
 開幕戦のセント・ピーターズバーグで優勝したウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は、「負けたっていい。勝つためにハードにレースを戦う。そうあるべきなんだと自分に言い聞かせている。かつての僕は慎重になり過ぎていた年もあったけれど、今はただレースを戦うだけだ。思い切りレースをする。それだけ。僕がしたいのはレースで、持てる力を出し切って戦いたい。そして勝ちたい。今はそう考え、ポイントのことは頭の中にない。チャンピオンになりたいが、レースで勝つのも僕は好きだ。今シーズンは両方を一緒に実現できたらうれしい」と語っていた。

2014年6月3日火曜日

2014 INDYCARレポート 第6・7戦デトロイト:インディーカー・レースコントロールまたしてもお手盛り! インディーカーのミニマム2周ルールを検証

ユーズド・レッドを装着してスタートしたパワーだったが……。Photo:INDYCAR (Chris Jones)
2周目のピット・ストップで何が起こったのか?
 デトロイトでのレース2、インディーカーの出したオフィシャル・ボックス・スコア(=正式結果)を見ると、下段右側のコーション・フラッグの欄に

 番号 期間  周回数 コーションの理由
 1  1~3  3   接触:15、19、67号車 ターン3にて
 

とある。

 次にインディカーが公表しているラップ・チャートや、ピット・ストップ・サマリーを見ると、
ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)
マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)
スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)
ミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)
トニー・カナーン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)
ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)
ジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)
チャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング)
グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)
の9人が2ラップ目にピットに入っている。そして、今度はファイアストンの資料を見ると、彼らはここで装着タイヤをレッドからブラックに換えていた。ジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)は1ラップ・ダウンでピット。同じくタイヤをレッドからブラックに交換した。

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント36 第6・7戦 デトロイト レース#2 決勝:「悔しいですね、せっかく好いマシンに仕上げていたのに。ポールポジションという一番いい場所からスタートして、そのスタートもまったく問題がなくて、でもレースは……難しい」

ポールポジションから快調にレース序盤をリードした琢磨だったが…… Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
「最初のピットストップでは、僕らはフルタンクにもどしました
実質的に2位でカストロネヴェスを追っている展開でした」


Jack Amano(以下――):2回もブツケられる悔しいレースとなりました。
佐藤琢磨:そうですね。

――マシンはレースでも非常に良い仕上がりになっていたようでしたね?
佐藤琢磨:はい。昨日から非常に大きな進歩を果たしたと思います。だからチームには感謝したいですね。エンジニアたちと一緒に考え抜いた結果、すごくいいクルマができ上がったので、今週末のスタートはそれほど良くなかったけれど、最終的にはスピードを取り戻したのは良かったと思います。

2014年6月2日月曜日

2014 INDYCARレポート 第6・7戦デトロイト Day3 レース#2 決勝:エリオ・カストロネベスの今季初優勝は見事だったが…… またも疑義残るレースコントロールの裁定

カストロネヴェス、得意のスパイダーマン・パフォーマンスで優勝の喜びを爆発させる! Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
天候:快晴
気温:28~29℃


シボレー、おひざ元の冠イベントで3年越しの初勝利

 デトロイトでのレースはロジャー・ペンスキーがプロモーターで、彼らのチームにエンジンを供給するシボレーと、GM系のクレジット会社が冠スポンサーを務める。
 そのイベントで過去2年はホンダ勢が優勝して来た。昨年からダブルヘダーとなったので、2年で3レースが行われ、ことごとく敗北を喫して来た。しかも、昨年の2レース目ではホンダ勢が1-2-3-4-5フィニッシュとコテンパンだった。
 2014年、そのリベンジが果たされた。レース・コントロールが妙なアシストをしているような胡散臭さも感じられたが、今週末のデトロイトのコースでエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)が素晴らしい走りをしていたのは紛れも無い事実だ。


2014 INDYCARレポート 第6・7戦デトロイト Day3 レース#2 スタート・タイヤ:コンウェイが唯一プライマリー!

4番手スタートのマイク・コンウェイ(エド・カーペンター・レーシング)だけがプライマリー・タイヤをチョイス。21台がオルタネート・タイヤでスタートする。ここまで選択が偏ったこと、これまでに無かったはず。

2014 INDYCAR佐藤琢磨コメント35  第6・7戦デトロイト Day3 レース#2 予選:「気分は最高です。手応えはありましたが、今日は自分がどこのポジションなのかがわからなかったから、ピットに戻ってったらみんなが大はしゃぎだったから、すごく嬉しかったです」

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
Jack Amano(以下――):ポールポジション獲得、おめでとうございます。昨日は予選も決勝も苦戦していましたが、マシンを大きく変えたということですね?

佐藤琢磨:はい、結構変えましたね。スプリング・パッケージも変えたし、ジオメトリーも変えました。結構大きな変更ですけど、もちろん180度違うとかじゃなくて、進むべき方向は初日からわかってたんだけど、その方向の中でもどこに落ち着かせたら良いのか、縦軸でどこに落ち着かせるのが良いのかっていうのがあって、それが昨日のレースを走ったことで、タイヤの内圧の設定とかも含めて色々なことが勉強できて、クルマも昨日の夜中の1時半にすごい気になって、(エンジニアの)ドン(・ハリデイ)にメールを送って、今朝、もう1回電話で話して、セッティングを変えてもらって、それからサーキットに来ました。変えたセッティングが本当に考えているとおりに働くことを願ってましたね。

2014 INDYCARレポート 第6・7戦デトロイト Day3 レース#2 予選::佐藤琢磨が新コース・レコード樹立で今季2度目のポール・ポジション

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
天候:快晴
気温:22~23℃


チェッカー間際、昨日の新コースレコードを大きく上回るスーパータイム!
 デトロイトのダブルヘッダー、レース#2は今日、予選と決勝の両方が行なわれる。
 朝10時に予選はスタート。昨日と同じ2グループに別れるが、今日は通常の三段階の予選ではなく、11台ずつが12分間のグループ・セッションでラップ・タイムを競い合う方式だ。佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)が走るのは2グループ目と決まっていた。

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント35 第6・7戦デトロイト Day2 レース#1:「トラブルは本当に残念でした。4ラップダウンとなってからはこのレースをテストセッションのように使っていろいろ勉強をしていました」

ターン3を立ち上がる佐藤琢磨 Photo:INDYCAR (Chris Owens)
「限られたコンディションでのみいいタイムが出ていました」
Jack Amano(以下――) :ギヤボックスのトラブルは残念でしたが、マシンのハンドリングは?
佐藤琢磨:トラブルは本当に残念でした。クルマの方は、非常に限られたコンディションでのみスピードを発揮するようなものになっちゃってましたね。僕らはトラブルで4ラップダウンになってから、タイヤの内圧を含めて、このレースをテストセッションのように使って、大分色々と勉強をしてたんですけど、限られたコンディションでのみ好いタイムが出ていました。それに、その速いラップを長く続けられなかった。しかも、特に最後のところですけど、レッドを履いてからがボロッボロでしたね。あれは酷かった。タイヤを換えて出て、最初の2周だけは良かったんですけど、4周目以降、内圧が上がってからはもう何もできないような状態でした。だからもう、明日に向けては課題がいっぱいって感じです。今日の僕らは、ギヤボックス・トラブルがなくてまともに生き残っていたとしても、ちょっとアレじゃぁ最後が大変になってたと思いますから。

2014年6月1日日曜日

2014 INDYCARレポート 第6・7戦デトロイト Day2 レース#1 ウィル・パワーが予選16位からミラクル・ウィン

Photo:INDYCAR (Chris Jones)
天候:快晴
気温:24℃


パワー、ブラック・タイヤのスピードでライバルを圧倒し今季2勝目
 予選16位からウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が優勝した。
 レッド・タイヤでスタートしたパワーは、序盤に自ら出したフルコース・コーション=シモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・ハミルトン・モータースポーツ)を壁とのサンドイッチにして=を利用してピットイン。そこでブラック・タイヤを装着すると、そこから更に2回ブラックを繋いで優勝へと逃げ切った。
 レッド・タイヤでのパワーは決定的な速さを持ってはいなかった。スタートでパジェノーに抜かれ、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)、佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)にもその後に抜かれていた。
 しかし、ブラックに履き替えてからの彼はスピードを着実に伸ばして行き、50周を過ぎてから自身のファステスト・ラップを記録した。これは最終的にレースでのファステスト・ラップにはならなかったが、予選の第1セグメントで敗退したドライバーとは思えないパフォーマンスだった。
 レース展開も彼に味方したのは事実だ。前方グリッドからハイ・ペースを保ち、2ストップで走り切ったチームメイトたちは、2回目のピット・ストップを行なった際に落とした順位から最後まで挽回をし切れなかったのだ。奮闘空しくカストロネヴェスは5位でゴール。対照的にパワーは開幕戦のセント・ピーターズバーグ以来となる今季2勝目を挙げた。

2014 INDYCARレポート第6・7戦デトロイト Day2 レース#1 スタート・タイヤ

デトロイト レース#1

1  カストロネヴェス オルタネート
2  ヒンチクリフ オルタネート
3  ホウクスワース オルタネート

4  コンウェイ プライマリー
5  ブリスコー オルタネート
6  モントーヤ オルタネート
7  ブルデイ オルタネート
8  カナーン オルタネート

9  レイホール プライマリー
10 ディクソン プライマリー
11 ムニョス オルタネート
12 ウエルタス プライマリー
13 サーヴェドラ プライマリー
14 ニューガーデン プライマリー
15 佐藤琢磨 プライマリー
16 パワー オルタネート
17 パジェノー オルタネート

18 アンドレッティ プライマリー
19 ウィルソン オルタネート
20 キンボール プライマリー
21 ハンターーレイ プライマリー
22 アレシン オルタネート

2014 INDYCARレポート 第6・7戦デトロイト Day2 レース#1 予選:エリオ・カストロネヴェスが今季初PP!佐藤琢磨は予選15位

Photo:INDYCAR (Chris Jones)
予選上位候補ドライバーたちに波乱!

 色々ありましたね~。
 1 ライアン・ハンター-レイがQ1で壁にヒット
 2 ウィル・パワーがセグメント1で敗退
 3 金曜最速だったシモン・パジェノーも走路妨害のペナルティでQ2に進めず

 昨年から始まったダブルヘダー、予選は金曜と土曜に1回ずつだった。ヒューストンはコースの不備がってスケジュール変更になったが……。それが今年のデトロイトでは、土曜日のレースは土曜日、日曜日のレースは日曜日に予選を行うルールに変わった。おそらく、この同じルールがトロント、ヒューストンでも採用されることだろう。また改変があったとしても、まったく驚かないが。ま、その際にはメディアなどに事前の告知、お願いしますよ、インディカーさん。

2014 INDYCAR レポート 第6・7戦デトロイト :デトロイトの予選ルール、なんと金曜日に発表!

 土曜日決勝のレース#1の予選は、前日の金曜日に行なわれたプラクティス2回でのラップ・タイムによって順位をつけ、奇数順位はグループ1、偶数順位はグループ2に振り分けられる。

 レース#1用の予選は通常のロードレースと変わらない。3段階で争われるものだ。ただし、Q1の2グループの走行順は、グループ1が先、グループ2が後とインディーカーが予め決定した。他のロードレースの場合、金曜最速ドライバーが自らの属するグループの走る順番を選べるのだが、ダブルヘダーではそれができない。ここには、2グループに2レースのトータルで公平なチャンスを与えるための配慮がされている。