2015年8月29日土曜日

2015 INDYCARレポート R16 Go Pro グランプリ・オブ・ソノマ Day1 :プラクティス1:最速はウィル・パワー!2番手はグレアム・レイホールで、ファン・パブロ・モントーヤは9番手

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
過去PP4回のパワー、セッション終盤のフライング・ラップ合戦を制す

 今日は3時間もの長いセッションが夕方に行われた。肌に少しの痛みを感ずるほどの暑さの下で始まったセッションだったが、時間の経過とともに気温は下がって行き、風も次第に強くなるコンディションだった。
 セッション終盤はフライング・ラップ競争といった趣きとなり、ランキング4位でタイトル防衛に望みを残すウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が1分176秒4858のベストでトップに君臨した。過去5年間で3勝を挙げ、ポールポジションを4回も獲得して来ている通り、パワーはソノマを非常に得意にしている。それはエアロ・キット装着となっても変わらない。
 「ファイアストンの新しいプライマリー・タイヤで走るのは今日が初めてだったが、ロング・ランでの摩耗が激しい。それはレースをおもしろくするだろうね。今日のプラクティスでは大きな成果が得られた。しかし、大事なのは先ずは明日。予選に向けて置かれた状況は悪くない。今晩、もう一度データを洗い直すつもりだ」と語った。

2015 INDYCARレポート R16 Go Pro グランプリ・オブ・ソノマ:最終戦のエントリーは25台

ウィルソンのマシンを親しかったセルヴィアがドライブすることに Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) クリックして拡大
ウィルソン追悼の意を込め、25号車をセルヴィアがドライブ

 2015年シーズンのヴェライゾン・インディーカー・シリーズ最終戦は25台のエントリーを集めている。インディー500以外では、グランプリ・オブ・インディアナポリスと並ぶ最多タイの出走台数だ。

2015年8月28日金曜日

2015 INDYCAR 佐藤琢磨にQ R16 GO PRO グランプリ・オブ・ソノマ:去年の私たちはマシンの競争力が高く、ソノマでの自己ベスト・リザルトを記録できました。今年も上位でのフィニッシュを目指します」

Photo:INDYCAR (John Cote)
(AJ・フォイト・エンタープライゼスのプレス・リリースより)

「メカニカル・グリップと空力、双方に対する要求度が高いソノマ」

――ソノマ・レースウェイについて

佐藤琢磨:ソノマは私たちの最近のカレンダーで最もダイナミックなロードコースです。私はソノマでレースをするのが大好きなんですが、すべての要素をうまくまとめ挙げるのは非常に難しいコースでもあります。


2015年8月25日火曜日

2015 INDYCARレポート R15 ABCサプライ500 8月24日:ジャスティン・ウィルソン逝去

ジャスティン・ウイルソン 1978-2015
回復の祈り空しく、インディカーきってのジェントルマン、死す

 ポコノでのレースの翌日である8月24日の月曜日、インディーカーはポコノでの500マイル・レースの中で負傷したジャスティン・ウィルソンが搬送先のペンシルヴェニア州アレンタウンの病院で亡くなったことを発表した。妻と娘2人を残して、37歳でジャスティンは天に召された。他車の起こしたアクシデントで飛び散ったパーツが彼のヘルメットを直撃し、頭部に強い衝撃を受けたのが死亡原因と見られている。
 CARTシリーズから通算174レースを戦い、7勝を挙げたジャスティンのキャリアは素晴らしいものだ。デイル・コイン・レーシングにチーム初優勝をもたらし、2012年のテキサスでは見事なオーバル優勝も記録していた。そのテキサスが彼の最後の勝利となった。
 イギリス出身で、2003年にはF1にミナルディとジャガーから出場。2012年にはスポーツカーのビッグ・イベントであるデイトナ24時間レースでの総合優勝をマイケル・シャンク・レーシングで記録してもいる。才能だけでなく、その人柄の素晴らしさで多くのファンを持ち、パドックでも人気、信頼ともに高かった。

 ジャスティンの葬儀の場所や日程は未定だが、遺族を支援する基金はインディーカーがすでに設けている。


 Wilson Children's Fund, c/o INDYCAR, 4551 W. 16th St., Indianapolis, IN 46222.


 ジャスティンの冥福を祈る。

2015 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R15 ABCサプライ500 Race Day 決勝 その4: 「チームも今日は本当に盛り上がりました。ピット・ストップも今日の最後の方はかなり良くなっていたのでソノマは期待をしていいと思います」

最終戦に向けてピット・ワークも向上! Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
「順位を上げていくことはできたけど、前が決して強いとこだけじゃなく
シャヴェスはルーキーだし、ホンダ。そこに負けてたんじゃいけない!」


――シャヴェスのリスタート、何度かありましたけど、すごくスピードが遅かった。
佐藤琢磨:とても遅かった。加速してくところで逆にスピードを落としてっちゃうぐらいだった。でも、こっちは思い切って加速をしてった。そこで一気に抜けた。普通だったら、あのまま前に出れてるでしょ?

――完全に前に出て、シャヴェスが後ろに入ってたぐらいでしたよ。

佐藤琢磨:そうだったのに、ターン1前で抜き返された。アンビリーバブル。でも、まぁしょうがない。

2015 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R15 ABCサプライ500 Race Day 決勝 その3: 「ダウン・フォースが増えたことで、パックレーシングにはならなかったけど マシン同士が接近して結果的に一緒になってしまった」

Photo:INDYCAR (Bret Kelley) クリックして拡大
「カナーンのクラッシュは本当に怖かった
これまでレースをやってきてこれほど怖かったことはない」

――セイジ・カラム(チップ・ガナッシ・レーシング)のアクシデント、ウィルソンの救出でのイエローは長く、レース再開がされないという心配はしてましたか? 2位を走ってて、チャンスなしで終了じゃ……?
佐藤琢磨:まぁ、そうでしたね。でも、あの時点で残り16周とか19周とかあったので、再開されるだろうと考えてました。ただ、イエローは長かったですね。時間がすごくかかってた。やっぱりジャスティンの救出が大変だったから。

2015 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R15 ABCサプライ500 Race Day 決勝 その2:「最後にダウンフォースをさてることができなかったのはストラテジー的に足らなかったところ。でもその作業をしていたらもっと後方に下がって2度と浮上できなかったかもしれないです」



リスタートのたびに激しいポジh損争いが繰り返された Photo:INDYCAR (Bret Kelley) クリックして拡大
「6番手に落ちた時点で残りあと4周。パックレーシングになれば
ダウンフォースを付けた状態だったのでもっと戦えたかもしれません」


――優勝が見えた。

佐藤琢磨:細かい話をすると、シャヴェスはすごくダウンフォースが軽くされていた。ウィングレットはスーパー・スピードウェイ用のもので、なおかつメイン・プレーンはネガティブ・アングルでした。だから彼は前の方にいると走れてた。僕はリスタートで一度彼の前に出ることができて、貰った! って思ったんだけど、その後にアッという間に抜き返されちゃった。

2015 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R15 ABCサプライ500 Race Day 決勝 その1:「ミディアム・ハイぐらいのダウンフォースで出て行きましたが、バランスが悪かった。それでピット・ストップでロー・ダウンフォースに変更しました」

ロー・ダウンフォースに変更したものの、序盤はチームメイトと後方で苦戦。3セット目のタイヤでようやくマシンがよくなってきた! Photo:INDYCAR (Bret Kelley)
 「9番手から徐々に上がっていくはずが逆方向になってしまいました」

Jack Amano(以下――):本当に厳しく、大変なレースだったでしょう? 序盤に大きくポジションを下げて、なかなか上がって来ることができませんでした。

佐藤琢磨:うん。今日は9番手からのスタートだったので、そこから少しずつ上がって行くというのが理想だったんですけど、逆方向になっちゃいましたね。ダウンフォースとしては、ミディアム・ハイぐらいで出てったんだけれども、バランスが悪かった。バランスが悪い上に集団の中では結構な空気抵抗を感じていて、とにかく前に上がって行けなかった。ダウンフォースがなくて近づけないし、近づけたとしてもバランスが悪いからコクピット内のツールももう使い切っちゃってましたね。クルマをうまくターンさせて行くことができない状態でした。

2015 INDYCARレポート R15 ABCサプライ500:頑張れ、ジャスティン・ウィルソン!

ポコノのレース前セレモニーでのウィルソン。日本からも彼の一刻も早い回復を祈りたい Photo:INDYCAR (Chris Jones)
インディーカーはじめ全レース業界、ファンもウィルソン快癒を祈る

 8月24日の午後12時50分(アメリカ東部夏時間)、インディーカーがジャスティン・ウィルソンの容態に関するリリース第2弾を配信した。
 それによると、今もウィルソンは引き続き、ペンシルヴェニア州アレンタウンのリーハイ・ヴァリー・ヘルス・ネットワーク・シーダー・クレスト病院で集中治療を受けているという。前日にポコノ・レースウェイで行われたレースで、他車のアクシデントで舞い上がったパーツが頭部にぶつかって大きな衝撃を受けたウィルソンは、意識不明の危篤状態に今もあり続けているのだ。


2015年8月24日月曜日

2015 INDYCARレポート R15 ABCサプライ500 Race Day 決勝:ポコノ優勝はライアン・ハンター-レイ!トップも走った佐藤琢磨だったが、結果は6位に

乱戦を制したハンター‐レイ。「レース中はジャスティンの状況を何も聞いておらず、今は勝利の喜びより彼に対する心配だけ」とウィルソンを気遣った Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
クラッシュ、アクシデント続発で荒れ模様のレースに

 快晴下でスタートしたポコノの500マイル・レースは、序盤から荒れ模様だった。30周目にピット・アウトをした直後のジャック・ホウクスワース(AJ・フォイト・エンタープライゼス)のリヤ・タイヤが外れ、37周目にはセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)がクラッシュ。85周目にはチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング)とホウクスワースと絡んでクラッシュ……と次々にフルコース・コーションが出された。

2015 INDYCARレポート R15 ABCサプライ500 Race Day ファイナル・プラクティス: エリオ・カストロネヴェス、予選に引き続き最速!

Photo:INDYCAR (Chris Owens)
タイトルへの執念を見せるカストロネヴェス

 「1勝も挙げずには終わらない!」、「タイトルも諦めない!!」。ポコノでのエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)にはそうした強い意志が漲っている。ファイナル・プラクティスでもエリオは最速の存在として君臨した。トラフィック内と単独走行、両方でのハンドリングを確認しながら26周を走り、220.227mphの最速ラップを16周目に記録してのことだった。

2015 INDYCAR佐藤琢磨コメント R15 ABCサプライ500 Day1 予選& RaceDay ファイナル・プラクティス:レースは長丁場。ここではまだファースト・スティントを超えることがまだできてないので、明日は60~70マイルのスティントを7回ぐらい走らないと。楽しみですね。頑張ります!」

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「ポール・ポジション狙いで一番軽いダウンフォースで予選に臨みました」
Jack Amano:今日の予選はポール・ポジションを狙って行ったという感じだったんですか?
佐藤琢磨:もちろん! 狙って行かない予選はないので(笑)。でも、そうですね、プラクティスの感触から取り外せるものは全部取り外して行こうって考えになってました。リヤ・ウィングのレベルも、それ以上寝かせると今度はドラッグは勿論減るものの、大幅にダウンフォースが落ちてって空力効率が悪くなるので、そこまでは行かずにメイン・フラップのアングルとしては一番効率が高いところに留まっている中で最も軽いダウンフォース・レベルで挑みました。

2015年8月23日日曜日

2015 INDYCARレポート R15 ABCサプライ500 Day1 予選:ポコノのポール・ポジションはエリオ・カストロネヴェスのものに! 佐藤琢磨は予選9位

カストロネヴェス、最終アタックで逆転ポール獲得! Photo:INDYCAR (Chris Jones)  クリックして拡大
マルチカー体制の強みでペンスキーがトップ3を独占

 エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)が今季4回目のポール・ポジション(PP)獲得をポコノで達成した。今年はまだ1勝も挙げることができていないエリオだが、PPは4回目。このヴェテランはまだまだスピードを残している。

2015 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R15 ABCサプライ500 Day1 プラクティス1:「ここポコノでは是非とも良い結果を残したいので、そういう意味でもプラクティス・セッション1はすごく良かったと思います」

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 「エアロ・パッケージが変わっても調子を維持できました」

Jack Amano(以下――):最初のセッションで5番手。この1セッションだけで予選を迎えますが、どんな状況ですか?

佐藤琢磨:滑り出しとしては順調だと思います。過去2年、ここはかなりコンペティティブなクルマを造れていて、予選も良かった。レースは色々なことが起きて結果に繋げられていないだけで。だから、エアロ・パッケージが変わっても、スピードというか、調子を維持できたのはプラスと捉えています。

2015 INDYCARレポート ABCサプライ500 Day1 プラクティス1:最速はチャーリー・キンボール

ポコノが地元のセイジ・カラムが2番手タイムをマーク! チップ・ガナッシがワンツー Photo:INDYCAR (Bret Kelley)
走りだしの良し悪しが問われる予選前唯一のプラクティス

 ポコノのレース・ウィークエンドが始まった。 天候は快晴だが、気温は21℃程度という涼しさだった。 ルーキーたちが先ず走り、その後に全員でのプラクティス1が行われた。ルーキーたちには30分間のセッションが与えられ、その後にさらに90分間という長いプラクティスが開催されたのだ。
 この、たった1回のプラクティスを走っただけで、次はもう予選だ。このようなスケジュールの場合、走り出しのセッティングの重要性が極めて高い。

2015 INDYCAR レポート R15 ABCサプライ500:ステーキ&シェイクのサポートが最終2戦に拡大

グレアム・レイホールのミド-オハイオの勝利で、RLLRは資金的なテコ入れにも成功! 狙うは逆転タイトルだ! Photo:INDYCAR (Chris Jones)
 逆転タイトルに向け、バックアップ態勢強化

 今年からレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング(RLLR)を今年からサポートし始めているレストラン・チェーンのステーキ&シェイク(STEAK 'N SHAKE)は、シーズン最終2戦でもグレアム・レイホールの乗る15号車のメイン・スポンサーを務めることとなった。