2022年5月21日土曜日

2022 INDYCARレポート R6 第106回インディー500 Day4(ファスト・フライデー) プラクティス5:佐藤琢磨が3日連続で最速

1日を通して強風にみまわれたファスト・フライデー
クラッシュの危険性もあり、十分な走行ができず

 予選用ブーストで走る金曜日=ファスト・フライデーも最速ランナーは佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)だった。今日も走行時間は6時間あったが、1日を通して強風が吹き荒れ続けたため、多くの走行が行われることはなかった。空は快晴なのに、走るマシンは少ない。ちょっと残念な1日となってしまった。せっかく多くのファンがスピードウェイに集まっていたというのに……。
 プラクティス開始から1時間ほどで231.883マイルのラップを記録したアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)は、その後に走行を重ねることはなく、マシンをガレージに仕舞い込んでしまった。それは果たして彼自身の意向だったのか、アクシデントを恐れたチームの判断だったのか……。他のチーム、ドライバーたちも彼と似たような状況だった。風が弱まれば走りたい……と考えるチーム及びドライバーは多かったが、夕方になってもコンディションに大きな変化は訪れなかった。

2022年5月20日金曜日

2022 INDYCARレポート R6 第106回インディー500 Day3 プラクティス4:佐藤琢磨が走行2日目も最速

初日の午後のセッション、そして雨での1日のインターバルを経てのこの日のセッションで佐藤琢磨はトップタイムをキープ。マシンのレース用セッティングは順調なようだ Photo:Penske Entertainment クリックして拡大

脈々と息づくDCR、インディー500の実績
佐藤琢磨トップタイム、そしてルーキー、マルーカス3番手!!

 2017年にはセバスチャン・ブルデイが予選アタック2周目までの平均が231.5mphに達していた。その日の最速4ラップはエド・カーペンターによる230.468mphだったから、ブルデイの方が1mph以上も速かった。彼は2018、2019年にも予選で5位、7位になっている。2020年にはオーバル経験がほとんどないアレックス・パロウが同じマシンで予選7位に食い込んだ。デイル・コイン・レーシングはインディー500の予選で速い。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングからの移籍が決まった後の琢磨は、「DCRのマシンで走るインディが楽しみ」と話していた。
 4月に行われたインディでの合同テスト2日間で琢磨はジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)に続く2番手につけるスピードをマークした。そして一昨日、第106回インディー500の公式練習1日目には最速ラップを叩き出し、今日、走行2日目にまたしても最速の存在となってみせた。今年もDCRのインディー500予選仕様のマシンが速いことが実証された。

2022年5月19日木曜日

2022 INDYCARレポート R6 第106回インディー500 Day2 :プラクティス2日目は雨で走行なし

12:00に走行開始となるはずだったこの日のプラクティスは雨でスタートが延期され結局キャンセルに Photo:Penske Entertainment (Joe Skibinski) クリックして拡大


 2016年以来6年ぶりの雨によるプラクティス中止に


 インディー500に向けたプラクティス2日目、インディアナポリスは朝から曇り空が広がっていた。
 走行予定は正午から午後6時まで。6時間もの長いプラクティスが行われる予定だったが、正午を目前にして小雨が降り始め、しばらくするとコースを濡らすのに十分な量の雨が降った。
 雨はその後も強くは降らないが止むこともなく、午後3時を回ったところでインディーカーから「今日は走行なし」との発表があった。インディ500プラクティスの雨天による中止は2016年の5月17日以来という。

2022年5月18日水曜日

2022 INDYCARレポート R6 第106回インディー500 Day1 プラクティス2:プラクティス2は佐藤琢磨がトップ

プラクティス初日の午後のセッションで佐藤琢磨が228mphでトップタイム! インディー500での3勝目にフォーカスする佐藤琢磨にとって幸先のいいスタートとなった Photo:Penske Entertainment (Chris Owens)クリックして拡大

マルコ・アンドレッティがセッション序盤に222mphをマーク
マクロクリン、エリクソンが223mphで逆転!

 プラクティス2は午後3時からの3時間。プラクティス1以上に各チームとも積極的にトラフィック・テストを行った。
 気温はプラクティス1終了時より4度アップの27℃、路面は18℃アップの53℃でセッションはスタートした。しかし、午後になって風が幾分強まり、最高気温はセッション開始時の27℃。雲が広がることもあり、路面温度は基本的に徐々に下がって行く方向だった。
 まずはマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・オートスポート・ウィズ・マルコ&カーブ・アガジェニアン)が222マイル台のトップスピードをマーク。これをスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)、マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が続けて223マイル台を出して上回った。

2022 INDYCARレポート R6 第106回インディー500 Day1 プラクティス1:インディー500、いよいよプラクティスがスタート!

 涼しめのコンディションの下、全33台中32台が走行

 5月17日(火)の午前9時15分、第106回インディアナポリス500マイルに向けた最初の公式プラクティスがスタートした。セッションは快晴の下、気温が18℃、路面温度24℃と涼し目のコンディションで始まり、チェッカーフラッグの出された2時間後には半袖で十分過ごせる気温23℃、路面35℃になっていた。

 2時間のセッションをエントリー33台中の32台が走行。ただ1台走らなかったのはステファン・ウィルソン(ドラゴンスピード/キューシック・モータースポーツ)。スポット参戦を行う彼らはこの4月にスピードウェイで行われた合同テストに参加しなかった。ドライバーのウィルソンはインディーカーを走らせるのが昨年のインディー500決勝以来のため、今日の午後に用意されているリフレッシャー用プラクティス・セッションを待たねばならなかったのだ。

2022年5月15日日曜日

2022 INDYCARレポート R5 GMR グランプリ Race Day 決勝:ウェット、ドライ、ウェットとコンディションの変化したレースでコルトン・ハータ&ホンダが今季初優勝

レースタクティクスの的中、そしてすべてのコンディションで圧倒的なマシンコントロールを見せたハータがホンダに今シーズン初優勝をもたらした Photo:Penske Entertainment クリックして拡大

ウエットレース宣言の下、全車レインでスタート

 「夕方に雷雨の可能性があるので」とスタート時刻を予定より40分ほど早めると発表したインディーカーだったが、そのスタート時刻よりも前に雨雲が到来。ほぼ元通りの時刻に2022年シーズン第5戦GMRグラン・プリは始まった。全車がウェット・タイヤを装着してグリッドに着いた。”ウェット・レース”の宣言がなされ、規定の85周かスタートから2時間か、先に来た方でチェッカー・フラッグの出される戦いが始まった。

Photo:Penske Entertainment (Walt Kurn)クリックして拡大

 雨はスタート前に止み、短時間で路面が乾いて行くであろうことは明白だった。いつウェット・タイヤに見切りをつけるか。そこが重要なポイントとなった。

2022 INDYCAR 佐藤琢磨コメント動画 R5 GMR グランプリ RACE DAY 決勝

2022 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R5 GMR グランプリ Race Day ファイナル・プラクティス:マーカス・エリクソンがトップ・タイム

Photo:Penske Entertainment

 午後、暑くなりそうな気候の中、全車レッド・タイヤを温存


 今回は決勝日の朝にスケジュールされたウォーム・アップ・セッション=30分間は、気温が25〜27℃。路面温度は37〜41℃だった。予選時より温度が明確に低いコンディション。今日も午後は暑くなりそうな気配だ。
 レッド・タイヤは全員が温存。このセッションでは誰も使用しなかった。暑くなってもレッドが使うべきタイヤなのか? ブラック優位のレースになる可能性も考えられる。
 このセッションでは、最後の最後にマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が最速ラップとなる1分11秒0839を記録した。それまでトップに立っていたのはルーキーのカルーム・アイロット(フンコス・ホリンジャー・レーシング)だった。彼は1分11秒1970を出していた。

2022 INDYCAR 佐藤琢磨コメント R5 GMR グランプリ Day1 予選:「新しいセッティングで、じゃじゃ馬感が強い走りになっていました」

Photo:Penske Entertainment

  「今日は方向性が見えていたので
行けるかなと思っていました」


ジャック・アマノ(以下――):プラクティス1、プラクティス2、予選とマシンのセッティングがスムーズに進歩してきているのでしょうか?

佐藤琢磨:やっぱり去年このコースで良かった、ベースがこのチームにはあると思います。今回は元々持ってきたクルマのレヴェルがそこそこあった。もちろん、環境は毎年変わってしまうわけですから、それに対してマシンを合わせ込まなきゃいけないワケだけど、走り出しのプラクティス1から、ピットに入る度にマシンの感触を良くして行くことができています。あとは好タイムを出すことのできるクルマ作り。今日は少し方向性も見えていたので、予選に向けてはもちろんいつも上位を狙っているんだけど、今日は”行けるかな?”って思っていました。

――今シーズンでは一番良い感じになっているんですね?

佐藤琢磨:はい。手応えとしては一番のものを感じてました。