2011年10月15日土曜日

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース 第17戦 IZOD インディカー・ワールドチャンピオンシップ・アット・ラスベガス : ポールポジション獲得のトニー・カナーンに聞く

Photo:INDYCAR(Chris Jones)
Jack Amano(以下――):トニー、ポールポジション獲得おめでとう。しかし、琢磨は16位だった。マシンのセッティングに違いはあったのかな?

トニー・カナーン:ありがとう。セッティングは同じだよ。僕らふたりのマシンには大きな差もないと思う。ほんの小さな差はもちろん存在するよ。それは他のどのマシンに対しても同じことが言える。どのチームにおいても個体差は存在する。そして、時としてそういう小さな差が大きな違いになって現れて来ることがあるってことなんだ、インディーカーの世界では。今日の場合だと、彼が2番目とか非常に早いタイミングでのアタックだったのに対して、僕はまったく逆に後ろから2番目のアタックだっただろう? この違いが天候にもたらした影響はとても大きかったはずさ。セッティングがまったく同じマシンでも大きな差になってしまう。そういうことは起こり得る。つまり、今日のことは単純に運に左右されているということだと思う。

――では、決勝用セッティングは、琢磨と同じになると見てるのかな?

カナーン:うん。まったく同じになるだろうね。間違いないと思うよ。チームは僕らドライバーたち完全にイコールのマシンを用意し、まったく同じ機会を与えてくれている。

――ケンタッキーでは悲惨な状況だったのに、ラスベガスではポールポジションだ。

カナーン:ケンタッキーのレースの後、チームはワークショップでマシンを組み直した。入念にね。それで状況が一転した。ラスベガスに来て見ると、僕らのマシンは走り出しからとても速かった。予選までの速さはエンジニアたちが頑張ってっくれたから実現できたものでもある。レースではドライバーのインプットが重要になってくる。そこで力を発揮しないと。

――チームに今季初勝利、チャンプカー・シリーズ以来の勝利をもたらすことができそうかな?

カナーン:最終戦でやっとポールポジションをチームにもたらすことができた。これで明後日、優勝できたら最高なんだけど。全力を尽くすよ。

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント93 第17戦IZODインディーカー・ワールド・チャンピオンシップ・アット・ラスベガスDay2予選「昨日のプラクティス1回目はクルマの動きとしてはよかったが、純粋なスピードが伸び悩んでいる。クルマは空気抵抗、あるいは機械抵抗の差でタイムの違いができている状態で、動きとしては不満は無いけど、単純に速くない……」

第17戦 IZODインディーカー・ワールド・チャンピオンシップ・アット・ラスベガス
IZOD INDYCAR World Championships at Las Vegas

ラスベガス・モータースピードウェイ
ネバダ州ラスベガス
全長:1.5マイル(=約3.218km)×200周

Day2 予選 16位

 オーバルレーシングというのは本当に不思議な、そして技術的に奥深いものである。2011年シーズン最終戦ラスベガスの予選は、そう強く感じさせるものとなった。佐藤琢磨の予選順位は、16位という中団グリッドからのスタートを余儀なくされることとなったのだが、チームメイトのトニー・カナーンがポールポジションを獲得し、チャンピオン争いを行っているチームはというと、琢磨と同様にスピードの獲得に苦労をしていたのだ。ポイント2位のウィル・パワーは琢磨のひとつ後ろの予選17位で、ポイントリーダーのダリオ・フランキッティは、さらにもうひとつ後方、琢磨の真後ろの18番グリッドから明後日の決勝レースをスタートすることになったのだ。

2011年10月14日金曜日

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント92 第17戦IZODインディーカー・ワールド・チャンピオンシップ・アット・ラスベガスDay1プラクティス1「パックの中でどれだけダウンフォースを落として走れるかを色々やった。そんなに悪くないが凄くスピードが伸び悩んでいる傾向は改善されてないみたいで、単独でのスピードはある意味、苦しい」

Photo:INDYCAR(Bret Kelly)
第17戦 IZODインディーカー・ワールド・チャンピオンシップ・アット・ラスベガス
IZOD INDYCAR World Championships at Las Vegas

ラスベガス・モータースピードウェイ
ネバダ州ラスベガス
全長:1.5マイル(=約3.218km)×200周

天候:快晴
気温:25〜30℃
路面温度:28〜45℃

Day1 プラクティス1
17位 25秒0424 47周走行

 第16戦ケンタッキー、佐藤琢磨とKVレーシングテクノロジー・ロータスはスピード不足に悩まされた。最終戦の行われるラスベガスは、より高速の1.5マイルオーバル。KVレーシングテクノロジーは何か新しい発見をしなければライバル勢と戦うことができない。彼らは果たして、どんな秘策を今回持ち込んだのだろうか?

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース:来季ロータスエンジン採用第1号チームが 明らかに。新規参戦のマイケル・シャンク・レーシングがロータス使用を発表

来季の参戦体制を発表したマイケル・シャンク・レーシング
Photo:INDYCAR(Bret Kelly)
 今日、プラクティス終了後に午後1時半から会見が行われ、マイケル・シャンク・レーシング(MSR)が来る2012年からインディーカー・シリーズにフル参戦することを発表し、彼らがロータス・エンジンを使うことを明らかにした。

2011 INDYCAR第17戦IZODインディーカー・ワールド・チャンピオンシップ・アット・ラスベガスDay1プラクティス1レポート:ダニカがラストレースを好スタートのトップタイム、琢磨は17番手発進

Photo:INDYCAR(Bret Kelly)
第17戦 IZODインディーカー・ワールド・チャンピオンシップ・アット・ラスベガス
IZOD INDYCAR World Championships at Las Vegas

ラスベガス・モータースピードウェイ
ネバダ州ラスベガス
全長:1.5マイル(=約3.218km)×200周

天候:快晴
気温:25〜30℃
路面温度:28〜45℃

 インディーカー・シリーズはいよいよ最終戦を迎えた。ラスベガスという最高の舞台に34台という大量のエントリーが集まった。

2011 INDYCAR レースプレビュー R17 IZOD インディーカー・ワールド・チャンピオンシップ・アット・ラスベガス :今シーズン最終戦に、34台が大結集。2003年以来のダラーラシャシーも今回が見納めに

現行シャシー最後の一戦に34台

 いやー、ホントにホントだったんですね、ラスベガスのエントリー数。インディー500より1台多い34台がスピードウェイに揃ってます。
 ラスベガスは今年の最終戦で、これが終わればもう現行シャシーは御役御免。来年からは全面的にニューシャシー(やっぱりbyダラーラ)になるのでね。史上最長の9年間という現役時代を過ごし、これからはショーカーとして活躍を続けるワケだ。あ、念のために書いとくと、今回来ている34台、全部ダラーラです。
 現行ダラーラは、もうクラッシュしたっていい。マシンの保険は不要だぁ……などなどあって、出場に必要な金額がこれまでより下がったってコトなんだろね。しかし、レギュラーが26台として、プラス8台だから。すごい増え方。賑やかさは倍増ってカンジになってる。では、カーナンバー順にノンレギュラーを紹介していこう。

8号車
ポール・トレイシー。ドラゴン・レーシングからのエントリー。カナダ出身のスター、これがキャリア最後のオープンホイールレースになるのか……。

11号車デイビー・ハミルトン。ドレイヤー&レインボールド・レーシングから。スーパー・モディファイド出身のベテラン、頑張るよねぇ。まだ来年のインディー500にも出場して来そうなカンジだ。

15号車ジェイ・ハワード。イギリス人。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングから=インディー500と同じ体制。

17号車ウェイド・カニンガム。ニュー・ジーランド人。サム・シュミット・モータースポーツから。テキサス、ケンタッキーに続いて、今年3戦目=全部1.5マイルオーバルだ。

19号車アレックス・ロイド。イギリス人。デイル・コイン・レーシングからオーバルのみ、ずーっと出場してきている。今年8戦目。

22号車タウンゼント・ベル。ジャスティン・ウィルソンの代役=ケンタッキーに続く2戦目。インディー500にはサム・シュミット・モータースポーツから出ていた。

30号車
ピッパ・マン。イギリス人。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングから3戦目のエントリーとなる女性ドライバー。ただし、1戦目だったニュー・ハンプシャー・モーター・スピードウェイはプラクティス中のアクシデントで負傷して決勝に出走していない。レイホールで走る前にコンクェスト・レーシングでインディー500に参戦し、見事予選通過してインディーカー・デビュー。彼女の出場によって、今回も女性ドライバーは4人。他の3人はダニカ・パトリック、シモーナ・デ・シルベシトロ、アナ・ベアトリス。

34号車
セバスチャン・サーベドラ。もてぎ、ケンタッキーは資金ショートで出場できなかったコロンビアンだったが、最終戦に戻って来た。

44号車
バディ・ライス。パンサー・レーシングから今年3戦目(インディー500、ケンタッキーに出場)。インディー500優勝経験があるのにレギュラー・シートなし。

57号車トーマス・シェクター。南アフリカ人。なんと、今回は初めてサラ・フィッシャー・レーシングからの出場。この人、いったいキャリア何チーム目からのインディーカー・レース出場になるのか……。

67号車エド・カーペンター。ケンタッキー・ウィナー! 今年11戦目。サラ・フィッシャー・レーシングから。

77号車ダン・ウェルドン。イギリス人……・て、今回のノン・レギュラーに多いねぇ、イギリス勢。4人もいる! サム・シュミット・モータースポーツからは2戦目の出場=ケンタッキーに次いで。インディー500にはブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ/アガジェニアンから出場して優勝!! つまり今年3戦目で、今回勝てばシリーズから5ミリオン・ダラーというビッグな賞金(半分はラッキーなファンが手にする)獲得を賭けての挑戦。

98号車アレックス・タグリアーニ。カナダ人。ブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ/アガジェニアン/サム・シュミット・モータースポーツ。ケンタッキーを休んだけれど、最終戦に復活。ウェルドンとチームをスワップしたカタチ。来年も乗れるのか心配……・。

06号車ジェイムス・ヒンチクリフ。カナダ人。カナダ人は、いつもこんぐらいは出場してて欲しいって3人になってる。開幕戦に出なかったのでノン・レギュラー扱い。ニューマン・ハース・レーシングから。1戦出てないけどルーキー・オブ・ザ・イヤー・レースでトップを走っている。
 上記でインディカー・レース(CARTシリーズ、チャンプカー・シリーズ含む)優勝経験者は、トレイシー、ライス、シェクター、カーペンター、ウェルドン。みんなオーバルで勝ったコトあり。