2011年6月4日土曜日

2011 INDYCARシリーズ レースアナリシス R5 インディ500 その6:今大会のフィニッシュに関する皆さんのご意見、ありがとうございます。

 世界最大のレース=インディ500、世界一の伝統を誇る100周年、そしてインディならではの劇的なフィニッシュ……ということで、非常に反響は大きかった。嬉しいことです。
 皆さんからコメントも頂きました。ありがとうございました。
Photo:INDYCAR

2011 INDYCARシリーズ レースアナリシス R5 インディ500 その5:ダリオはヒルデブランドと同時期に給油、しかし失速……。チップ・ガナッシの攻めすぎたピット戦略

チップ・ガナッシ・レーシングは今回のインディ500ではスピードを追及するために燃料の搭載量を極限まで減らす戦略をとっていたようだ。
Photo:Naoki Shigenobu
 今年のインディ500は、レース終盤の展開がトップグループを走っている者たちに不利となった。上位のポジションを諦めてピットへと呼び込むのには大きな勇気がいる。中団以降にいるマシンは給油を行ってもポジションダウンへのダメージを小さくできるので、燃料の心配をなくすというメリットの方が大きくなる。

2011年6月3日金曜日

2011 INDYCAR インサイド情報&ニュース:もてぎのインディ・ジャパンはロードコース開催に変更

 6月3日、ツインリンクもてぎを運営する株式会社モビリティランドは、9月16日(金)から18日(日)に開催するインディ・ジャパン300 マイルをスーパースピードウェイではなく、併設されているロードコースを使って行なうと発表した。東日本大震災によってスーパースピードウェイの地盤に沈下や隆起が発生、インディカーと協議した結果、ロードコースへの変更という判断に至ったという。

2011年6月1日水曜日

2011 INDYCARシリーズ レースアナリシス R5 インディ500 その4:ウェルドンとヒルデブランド、どちらが勝利に相応しい?

アメリカンドリームが現実となる瞬間は、一瞬にして潰えたと思われたがその影には、きわどいルールの適用があった。
Photo:INDYCAR(LAT)
ルーキー擁する老舗チームvsインディウィナーを起用したスポット参戦の新興チーム

 チーム・ペンスキーが3台体制を敷きながらまったく優勝争いに絡んで来れず、チップ・ガナッシ・レーシングはターゲットの2台がゴールを目前に揃ってガス欠で失速。そんなレースで安定した速さを発揮し続け、最後に優勝を争うことになったのは、ルーキーを起用したIRL生え抜きチーム=パンサー・レーシングと、インディ500に2回目のスポット参戦を行う小さなチーム=ブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ/アガジェニアンだった。
 勝ったのは2005年のウィナー、ダン・ウェルドン。JR・ヒルデブランドは2位に敗れた。ウェルドンの勝利にケチをつけるつもりはないが、今年のインディ500での優勝者に相応しかったのは、この二人のうちのどちらだったんだろう? 

2011 INDYCARシリーズ レースアナリシス R5 インディ500 その3:アクシデント発生なら即座にフルコースコーション、のはずが…… ”

クラッシュし惰力で進むヒルデブランドをウェルドンがパス。この時、イエローは出ていなかった。
Photo:INDYCAR(LAT)
イエローはどのタイミングで出されたのか?

 オーバルレースでアクシデントが発生すると、イエローフラッグが振られるか、イエローライトが点滅してフルコース・コーション(直訳するならコース全域警戒)=スピードダウン&追い越し禁止になる。そこで今年のインディ500の最終ラップだが、トップを走っていながらルーキーのJR・ヒルデブランド(パンサー・レーシング)は最終コーナーでタイヤかすに乗り、激しくクラッシュした。当然、このアクシデントによるイエローは出されたが、彼はトップから2位へと順位を落としてのゴールとなった。セイファーウォールに跳ね返された彼のマシンは、もう一度壁にぶつかり、火花を散らしながらコース上をゴールへと滑って行った。その横をダン・ウェルドン(ブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ/アガジェニアン)は、ストレートに出てからパスし、先にゴールへと飛び込んだ。
 ヒルデブランドのウォールへのヒットはかなり激しいもので、大量の破片を撒き散らかした。しかし、イエローはすぐさま出されなかった。正確に計測してはいないが、ヒルデブランドが壁にぶつかってからウェルドンが彼をパスするまでには5秒ほどがかかっていたはずだ。

2011INDYCAR インサイド情報&ニュース R5インディ500:勝者ウェルドンの賞金額は2億1千万円超、2位ヒルデブランドは半分以下、琢磨はいくら……?

Photo:Naoki Shigenobu
 インディ500の表彰式でダン・ウェルドン(ブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ/アガジェニアン)に贈られた優勝賞金は、2,567,255ドル。100周年レースのウィナーだが、賞金額は残念ながら史上最高とはならなかった。とはいうものの、円高の今であっても2億1千万円超(1ドル=82円で換算)なのだからインディ500の賞金は相変わらず高額だ。これまでのレコードは2009年のエリオ・カストロネベスの3,048,005ドルだ。

2011INDYCAR インサイド情報&ニュース R5インディ500:大量のリードラップをしていながら圧倒的に勝率の低いアンドレッティ家、06年には最終ラップでの逆転負けも経験

2006年のインディ500決勝。マルボロカラーのサム・ホーニッシュJr.のマシンがマルコ・アンドレッティを最終ラップでパス。
Photo:INDYCAR(Steve Snoddy)
 今年のフィニッシュは衝撃的だった。クラッシュしたマシンがゴールへ滑り込む……なんて、まるで劇画だった。そして思い出したのは、2006年のインディ500だった。マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が初出場ながら優勝に向けて突っ走り、最終ラップのストレートでサム・ホーニッシュJr.(チーム・ペンスキー)に逆転されたレースだ。

2011年5月30日月曜日

2011 INDYCARシリーズ レースアナリシス R5インディ500:ヒルデブランド、スポッター、そしてチーム全体に重くのしかかった“偉大なるインディ”

JR・ヒルデブランド
Photo:Naoki Shigenobu
 インディ500が世界一といわれるのは、世界一の歴史と伝統、世界一のサイズを誇るイベントだからだ。全長2.5マイルという巨大なオーバルサーキットは、今年で創立100周年だった。

2011 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 35 R5 インディ500 決勝レース「ターン1のスポッターに情報のタイミングが遅すぎる、と注意していた直後のことでものすごく残念」

 10番手スタートから500マイルという長丁場を、無理せず落ち着いて戦っていくというプランを立てていた琢磨。カーブ・デイのトラブルで決勝セットの調整が不完全な状態ではあったが、昨年の経験から十分に巻き返すことは可能だとわかっていた。だから、その場の順位は下がっても周回を重ねながらマシンを仕上げていき、最後に勝負をするつもりだった。
 しかし、オーバルレースでは重要な存在であるスポッターのひとりの指示タイミングがあわず、全開で突っ込んだタイミングでインサイドにジェイムズ・ヒンチクリフ(ニューマン・ハース・レーシング)が飛び込んできた。琢磨は必死になってマシンを立て直そうとしたが、ウォールにヒット。あまりにも早すぎるリタイアとなってしまった。
Photo:INDYCAR(Robert Ellis)
Jack AMANO(以下——)お疲れ様でした。

佐藤琢磨:疲れてないですよ……。ホント、信じられない……。

2011INDYCAR インサイド情報&ニュース R5インディ500 Race Day “ダン・ウェルドン、100周年の節目に超劇的な優勝。ヒルデブランド、アメリカンドリームを逃す”

信じられないような展開で2005年以来2度目のインディ優勝を飾ったウェルドン。レギュラーシートを失った今年、スポット参戦、初レースでの快挙だ。
Photo:Naoki Shigenobu
ファイナルラップ、ヒルデブランドを襲った悲劇

 100周年を迎えたインディ500は、好天にも恵まれて例年以上の大観衆を集めて行われた。
 2列のリスタートも大きな問題は発生させることはなかった。

2011年5月29日日曜日

2011 INDYCARインサイド情報&ニュース R5 500インディ500:リスタート方法が土曜日に最終決定、金曜日の案内から変更に

インディ500決勝の早朝のインディアナポリス・モータースピードウェイ
Photo:INDYCAR(John Cote)
 今年からIZODインディカー・シリーズはリスタートのルールを変更し、2列でリスタートを行っているが、まだその5レース目ということもあって、1戦ずつ試行錯誤が繰り返されてきている。毎レースでコースレイアウトなどの状況に合わせた最善のスタートとなるよう、オフィシャルとドライバーたちが協議を行っているからだ。