2013年5月25日土曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第97回インディー500 5月22日メディアデイ ロングインタビュー 後編:「今はハイペースを保ったままでいろんなことが見えてる」

コミュニケーションデイでファンサービスする琢磨 Photo:INDYCAR (Mark Reed)
前編から続く

「すべての面で無理をせず、自然体でいられるチームになってますね」

Jack Amano(以下――):今回でインディー500も4年目。ドライバーとして経験を積み重ねらてこれている。そして、今年走るチームはエンジニアのドンの働き易い環境が整えられている。そこへ琢磨選手はドライバーとして放り込まれて、とても座りが良い状態になってるって感じですか?

佐藤琢磨:そうですね。もちろんこちらが! “ここで新しいことをやるよ”っていっても、リザルトが伴わなければ、やることに対して疑問感とか出てきちゃうと思うんだけど、今年はホントにここまでの4戦、全レースでいいスピードを見せつけて、3戦と4戦では文句のないレース運びもできたし、そういう意味で僕らは今、大きな信頼を得ることができてます。今年、僕はインディーカーで4年目。僕はだいたいスロースターターなんだけど、これまで色々と経験を積んできて、やっとわかったのかよってところもあるかもしれないけど、すべての面で無理をせず、自然体でいられるチームになってますね。それが走りにも現れていて、無理してないし、プッシュする時はもちろんしてるしね。今までだとリスクマネジメントしなくちゃいけないから、すごい頑張って、守んなきゃいけなかったのが、今はそんなことする必要がなくて、ハイペースを保ったまま色んなことが見えてる。

――去年と同じ環境、同じスピードで走ってても、より廻りが、より細かく見えているって感じですか?

佐藤琢磨:気持ち的にはそうですね。フィジカル的にはどうなのかはわからないですけどね。

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第97回インディー500 5月22日メディアデイ ロングインタビュー 前編:「エンジニアたちとのコミュニケーションは、リラックスしてます。リザルトがそうしてくれてると思います」

木曜日はメディア・デイ@スピードウェイ。出場33人のドライバーたちに話を聞くチャンスが儲けられる。ここで佐藤琢磨にロング・インタビュー Photo:Naoki Shigenobu
「予選が終わってからリラックスした数日間を過ごしました」

Jack Amano(以下――):予選が終わってからの月曜から木曜まで、4日間まったく走らない。インディー500独特の時間をどういう風に過ごしてましたか?

佐藤琢磨:いつもと変わらず、幾つかのファンクションとかはありますけど、わりとゆったりとしたペースで進んでいるので、結構自分自身をリラックスさせるための時間をたくさん作ったりして、まぁ、知人、友人とディナーに行ったりというオフを楽しんだり、チームのみんなと食事にいったりして、精神的に非常にリラックスした数日間でした。

――そうした中でエンジニアとマシンについて話し合ったり……という時間というのは、毎日少しずつでもあるんでしょうか?

佐藤琢磨:えっとー、エンジニアと話さなかった日は確かに1日しかないですね、確かに。ただ、毎日スピードウェイにきて、パソコン開いてデータとにらめっこ……ってことはやってないです。日曜日の走行が終わってから、今日、初めて自分のデータをもう1回見て、セットアップに関してお互いに確認作業をしただけで、自分のクルマが日曜日にこうだったよ……っていうことはエンジニアに伝えてあるし、データも十分にあるので、彼らがいっぱい宿題やってきて、それでマッサージをしたクルマについてのセットアップに対して、今日ディスカッションをしたって感じですね。

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500 5月24日カーブデイ:ファイナル・プラクティス最速はシモン・パジェノー=ホンダ! 2、3番手にEJ・ヴィソとライアン・ハンター-レイ=シボレー

パジェノー、カーブデーにトップタイムをマーク Photo:INDYCAR (Walter Kuhn)
5月23日 カーブデイ
天候:快晴
気温:12~13℃


パジェノー、2番手のヴィソに0.52mphの差とつける225.827mph

 決勝前の最後のプラクティスは金曜日……不可解なスケジュールに聞こえるかもしれないが、これがインディー500の伝統。つい最近までの昔ながらの日程だとカーブデイは木曜日だった。
 走行時間は1時間。カーブデイと呼ぶのに、たったの1時間。この間に決勝用セッティングの最終確認を行うのだから、各チームは入念にプランを考え、走行時間をできる限り有効に使わなくてはならない。
 肌寒ささえ感ずるコンディション下でのプラクティス、最速はシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)だった。スピードは225.827mph。2番手はEJ・ヴィソ(アンドレッティ・オートスポート)の225.304mphだった。シモンは41周走ったうちの40周目、EJは38周走ったうちの31周目が自己ベストだった。
 シモンとEJの間だけでも0.52mphの差。シモンがかなり速かったワケだ……が、これまたプラクティス7日間と同じで、スピードの最後の部分はどれだけのトウを得たか、だから。例えば、まったく同じ数字を出したドライバーが2人いたとしても、ドラフティング効果をガッポリもらった人と、そうじゃなかったのに同じスピードが出せたっていうケースは起こり得る。スピードだけで単純にマシンの仕上がり具合の善し悪しは判断しにくい。
 それでも、ファイナルプラクティスで速いチームはヤッパリ仕上がりがよく、遅いマシンは何かがおかしい。どんな勢力図で決勝が迎えられるのか、おおよその見当をつけることができる。

2013年5月24日金曜日

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500 5月21日 エド・カーペンターのインディー・ポール その4:エド・カーペンター・ストーリー ミジェット&スプリント出身ドライバーのプライド

家族とともにPP記念撮影 Photo:INDYCAR (Jim Haines)
地元ドライバー兼ヒームオーナーの1台体制チームが
名門ビッグチームを打ち負かした!!


 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)のアタック3周目がガクッとスピード・ダウン、エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)をトップから引き摺り下ろすのが完全に不可能とわかった時、スピードウェイに大歓声が巻き起こった。それは地元ドライバーが成し遂げた偉業、そして、1台体制の小さなチームがビッグチームを打ち倒したことに対する賞賛だった。
Photo:INDYCAR (Walter Kuhn)

 エドは典型的なアメリカンで、モチベーションを地元愛と家 族愛から得ている。「インディーが地元なのは最高。みんなが応援してくれるし、素晴らしい家族もいる。残念ながら今日、母と妹はインディアナ州サウス・ベ ンドに行っているけれどね。明日は妹のノートル・ダム大学の卒業式なんだ。そっちも凄く嬉しいこと。家族全体にとってすごい週末になった」と予選を終えた 時に語っていた。エド自身はインディアナポリスにある高校、大学の出身。現在32歳。奥さんのへザーとの間には子供が3人いる=マケンナ(長女/5歳)、 ライダー(長男/3歳)、クルーズ(次男/0歳)。もちろんインディアナポリス在住。
 エドは出身大学のバスケット・ボール・チームをはじめ、イ ンディアナポリス・コルツ(フットボール)、インディアナ・ペーサーズ(バスケット・ボール)の強力サポーターとしても知られている。家族と故郷を大事に するライフスタイル、飾らないキャラクターでジワジワと人気を高めてきているエドは、このインディー・ポール獲得で一気に人々に知られ、さらにファンを増 やすに違いない。

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その13

Photo:Amano e Associati クリックして拡大
Photo:Amano e Associati クリックして拡大
ランキングトップでインディアナポリス入りした琢磨は、例年以上にファンに囲まれている

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その12

Photo:Amano e Associati (Masahiko Amano)
サウス・カロライナから来たマツダ・ミアータMX-5は、南部らしからぬ熱烈オープンホイール支持者

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その11

Photo:Amano e Associati (Masahiko Amano)
 走行初日、寒さの中、ひとりで走行を見守っていた熱心な女性ファンは、1984年のウィナー、ダニー・サリヴァンのヘルメットが刺繍されたデニム・ジャケットを着用!

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その10

Photo:Amano e Associati(Masahiko Amano)
コナー・デイリーのヘルメットデザイン。父、デレックと同じ矢印がヘルメットのてっぺんに! その両側には彼のアイデンティティ=アメリカとアイルランドの国旗がデザインされる

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その9

Photo:Amano e Associati (Masahiko Amano)
走行を終えたデイリーをピット裏で待っていたのは地元の小学生たち

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その8

Photo:Amano e Associati (Masahiko Amano)
ROPのフェイズ1&2をどちらも一発合格し、マシンを降りたコナー・デイリー

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その7

Photo;Amano e Associati (Masahiko Amano)クリックして拡大
デイリーのROPをヘッドセットをつけて見守る琢磨

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その6

Photo:Amano e Associati (Masahiko Amano)クリックして拡大
ピットで息子のROPを見守るデレックと、インディー500優勝2回のアリー・ルエンダイク(現在はインディーカーでドライバー・スチュアード/ドライバー・メンターの職にある)

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その5

Photo:Amano e Associati(Masahiko Amano)クリックして拡大
コクピットのデイリーにアドバイスをする琢磨

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その4

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デイリーのROPを見守る琢磨、ラリー・フォイト、そしてAJ・フォイト

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その3

Photo:Amano e Associati(Masahiko Amano)クリックして拡大
5月13日 午前11時45分頃。ルーキー・オリエンテーション・プログラムのフェイズ2も一発合格したコナー・デイリーは、走行を終えた直後に佐藤琢磨と歓談。

2013年5月23日木曜日

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その2

Photo:Amano e Associati
 初日、プラクティストップタイムだったエド・カーペンター様をセンターに据えての記者会見@クリス・エコノマキ・インタビュー・ルーム。ルーキーながら3番手のスピードを出したカルロス・ムニョスと、呼ばれる理由があるとすればロジャー・ペンスキーのドライバーだから……というAJ・アルメンディンガー。あと、アメリカ人ルーキーだからってのもあるか。エドは、この1週間後にポールポジションを獲得することになるのだ。

2013 INDYCAR フォトレポート 第97回インディー500 その1

Photo:Amano e Associati(Masahuko Amano)クリックして拡大
 インディー500プラクティス初日、走行終了直後の佐藤琢磨。エンジニアのドン・ハリデイ(左)たちと談笑。ポイント・リーダーのチームはさすがに余裕がある? 1日目にやるべき仕事はやった……という感じか。
 真ん中の人は不明だけどチーム・マネジャー系=開幕4戦では見なかったけど、以前からチームで働いてるのは確か。ラリー・フォイトは地味に琢磨の後ろに隠れちゃっている。

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500 5月21日:エド・カーペンターのインディー・ポール その3 「エリオのアタックでのスピードの落ち具合を見た時、自分たちにポール獲得のチャンスが かなり大きくあるとすでに感じていた。僕らのクルーが考え出したセッティングが正しかった。僕はそこを本当に自慢したい」 

エドのPPが確定した瞬間、スタンドのファンも雄たけびを上げる! Photo:Amano e Associati(Masahiko Amano)

1回だけのアタックとなったファスト9
その状況に最もうまく生かしたのがエドだった


 雨によってひとり1回に限定されたアタッ ク。その状況に最もうまく対応したのがエドと彼のチームだったということだ。予選後の記者会見、オーナー兼ドライバーのエドは勝因を語った。「ファスト9 での勝負の決め手はダウンフォース量にあったと思う。今年のファスト9はプラクティスで走ることのない時間帯に行われた。予選第1段階が6時に終わった 時、自分たちはダウンフォースを軽くし過ぎていると考えて、ファスト9ではダウンフォースを増やしていこうと考えた。しかし、プラクティスでの夕方6時が どんなコンディションだったかのデータを見て、自分たちのマシンがどういう風で、どんなフィーリングになっていかを考えた。その後、自分たちのファスト9 でのアタックが6時45分ぐらいになると予測して、いつもより45分遅いなら路面温度も下がるだろうと(=ダウンフォースがそっちの要素から上がるだろう と)。それならセッティングは調整しない方がいい……という結論になった。僕らは6時前からほとんどセッティングを変えずにファスト9に臨んだ」。
  ライバルに関しては、「ペンスキーはアグレッシブで、ファスト9でのマシンでダウンフォースをさらに減らしてきていた。そして、それが間違いだったと思 う。僕らは自分たちの考えが正しいものになることを願っていた。誰かが無理をして一線を越えてしまうっていう状況を。僕らだって慎重になり過ぎるのは避け たかった。ただ、ライバル勢が”行き過ぎ”になることを望んでいた。アンドレッティ勢より速く走れたし、最高の予選になっていた。楽しい戦いだった」と振 り返った。

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500 5月21日:エド・カーペンターのインディー・ポール その2 「229mphのラップを出せるか? 100パーセントの自信はない」

ファスト9でアタックするエド。それまでトップタイムをマークしていたマルコを上回る228.762mph平均を叩き出す Photo*INDYCAR(Bret Kelley)クリックして拡大

ファスト9の1周目に229mph台をマーク!
4周平均228.762mphでマルコのタイムを更新
強敵エリオ、ハンター-レイもエドのタイムを更新できず!


 エドはポール候補から外れたかに見えていた。ファスト9入りを決めた後も、「229mphのラップを出せるか? 100パーセントの自信はない」とエドは話していた。
 それが、実際にはファスト9で彼は229mph台を1周目に出し、4ラップ平均を228.762mphとしてみせた。この瞬間、マルコのポール獲得の夢が潰えた。第1セグメントのスピードが遅かった順のアタックで、エドのアタックは5番目。その前までで最速だったのはマルコの228.261mphだった。

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500 5月21日:エド・カーペンターのインディー・ポール その1 、「チームとして素晴らしいパフォーマンスだった」

Photo:INDYCAR(Chris Jones)クリックして拡大
エド・カーペンター、インディー500ポールポジション獲得の衝撃

 どうです、エド・カーペンターのポール・ポジションて??
あっぱれ! って感じ?
去年の最終戦、フォンタナの500マイルレースで勝ってるドライバー&チームで、今年のポールデイまでの7日間にソコソコの速さは見せていたエドだけど、「いいとこまで行くだろうけど……」ぐらいのポジションてのが正直な印象だった。まさかポールとは……ね。地元紙インディアナポリス・スターでさえ、エドをファスト9候補に入れてなかった。嫌味のひとつもいわれただろうなぁ、書いた記者。

予選終了後のエドは、「チームとして素晴らしいパフォーマンスだった」と、まずはクルーたちを褒めた。エドはチーム・オーナーでもあるからね。31歳の若さだけどね。義理の父親がトニー・ジョージだから。インディー・レーシング・リーグ創始者の。近頃はちょっと権力から遠ざけられちゃってるけど。
「プラクティスでは2日ほど、思いとおりにセッティングの進まない日があった。それでも僕らは粘り強く頑張り、決勝用、予選用の両方のセッティングを自分たちの好みに仕上げることができた」ともエドは語ってた。

2013年5月22日水曜日

2013 INDYCAR ニュース 第97回インディー500 5月21日:予選での車両違反が今日発表の不思議 インディーカーのお手盛り体質は直らないのか!!

予選アタックするブリスコー。ポールデイに23番グリッドを確保していたのだが……Photo:INDYCAR(Bret Kelley)

ブリスコー車の違反の内容は重大 
なのになぜ今?しかも、罰金も安い!
  5月21日(火)。いやぁ、今日になって予選の車両違反が発表されるとは。しかも、違反に対するペナルティは罰金だけ。車検を通らないクルマって失格か、予選記録無効になるはずでしょ? 今日発表された違反は3件。

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント31 第97回インディー500 5月18日 ポールデイ その2:「今日になって大きくコンディションが変わって、スピードが伸び悩んでしまいました。予選はあんなものなのかな……という感じです。結局、ガナッシの2人と並んでますから。そこ以外は収まるところに収まったかなって思ってます。」

18番グリッドを決めて、チームクルーと記念撮影に臨む Photo:Naoki Shigenobu クリックして拡大
結局予選中雨は降らなかったが、2度目のアタックは行わず

 心配された雨が降らないまま予選は進み、この時点まででエントリーを済ませていた33人全員のアタックが滞りなく終わった。今年は、エントリー全員が1回はドロー(抽選)で引いた順番通りにアタックを行っていた。スキップ・ゼロ。これも珍しい。それほど天候は安定し続けていた。これは琢磨及びAJ・フォイト・チームや、スコット・ディクソンを一番最初に走らせターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングの読みが外れたところかもしれない。しかし、だからといって予選開始直後の1時半と比べ、夕方の6時が近づいた予選終盤のコンディションが良くなっていたわけでもなかったようだ。それは1回目のアタックでトップ9に惜しくも届かなかった面々、予選10、11、12位あたりにいるドライバーたちが2回目のアテンプトをトライしなかった点に明らかだ。全員がアタックを終えた後は、ポールデイにグリッドを手にできる24番手以内に入ろうと、後方グリッドの獲得合戦が盛んに行われていた。それはそれで見応えがあった。……琢磨も2度目のアタックは結局行わなかった。

「もう一回行くことも検討しましたが
あまりコースが速くなっていなかった
多分、自分たちは計算上トップ9には入るまではいけなかった」


Jack Amano(以下――):予選18位は悔しい結果だと思いますが?

佐藤琢磨:しょうがないですね。

――二度目のアタックは検討しましたか?

佐藤琢磨: もう1回行くことも検討しましたよ、結構ちゃんと。

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント31 第97回インディー500 5月18日 ポール・デイ その1:「今日の朝のコンディションを考えると、今現在の僕らとしてはできる限りのことをしたかなって思います」

ディクソンに次ぐ2番目のアタック順で琢磨は予選に臨んだ Photo:Naoki Shigenobu
5月18日 ポールデイ
予選:18位 4周平均225.892mph(=約363.460㎞/h)

予選開始の30分前に降りだした雨で、一気に琢磨のアタック順が裏目に
 ファストフライデイの走行終了後、予選日のアタック順を決めるドロー(抽選)が行われた。AJ・フォイト・エンタープライゼスが佐藤琢磨のために引いた順番は、「14」用が3番、「14T」用が5番だった。
 琢磨は今月「14T」を一度も走らせておらず、予選で使うのは「14」に決まっていた。1番を引いた「40」はエントリーだけで1周も走っていなかった。このマシンが予選に出てくる可能性はほぼゼロだから、琢磨のアタック順はスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)の後ろの2番手に決まっていた。
 一夜明けたポールデイは朝から曇りで、予選開始の30分前に雨が降り出した。路面コンディションの劣化は必至。「最高の順番!」と前日に喜んでいた琢磨だったが、早過ぎる順番でのアタックは不利に変わった。

2013年5月21日火曜日

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500 5月20日:ラリー・フォイトとAJ・フォイト・レーシング――なぜ、AJ・フォイト・レーシングはポイントリーダーとしてインディー500に帰って来ることができたのか? 

AJ・フォイト・レーシングをよみがえらせたラリー・フォイト。知的なリーダーだ Photo:INDYCAR

2008年、ラリー・フォイトがチームマネジメントに
かかわり始めてから7年で何が変わったのか?


 「AJ・フォイト・レーシングが変わろうとしている」……それは彼らのドライバーセレクションに現れていた。2008年のシーズンに向け、彼らはイギリス人のダレン・マニングを起用した。翌09年はライアン・ハンター-レイ、10年にはヴィットール・メイラが選ばれた。メイラが2シーズン走った後、エンジン競争の始まる12年に向けてはマイク・コンウェイが起用された。
 08年はラリー・フォイトがチームのマネージメントに本格的に関わり始めた年だった。この4月にロング・ビーチで佐藤琢磨とともに優勝を飾ったラリーは、そこに至る7年間をインディアナポリスで振り返った。
 「長い道程を歩んできた。チームの運営に携わるようになった時、最初に私が考えたのは、ボスの息子としてマネジメントに突然入ってきて何から何までを変える……それだけはやめようということだった。まずはAJの信頼を勝ち取らなくてはならなかった。それから、インディーカーを戦うための意識に戻ることも必要だった。随分と長いことNASCARの世界で過ごしていたのでね。私はインディーカーに戻って来て、まずはそれを学び直し、少しずつチーム内のことを自分が考えるとおりに変えていった。そこから何かを築き上げることができれば……と行動してきた」。
 とても長い時間がかかった。しかし、彼らはすさまじい戦いが繰り広げられるインディーカー・シリーズで、ついに高い競争力を身につけるに至った。今年のインディー500に彼らはポイント・リーダーとして乗り込んできたのだ。


調和が生まれ、チームの一体化ができている
そこにAJとラリーが高く評価する佐藤琢磨を放り込んだ


 「今日のチームがあるのは、色々な要素が絡んでのことだ。私たちは1年ごとに着実に進歩を遂げてきた。優秀なドライバーたちを起用した。彼らはチームに多くのことをもたらしてくれた。この何年かの間には、新しいスタッフ、新しいエンジニアたちを迎え入れた。そして自分たちは、ついに目指す地点に到達したと思う。2年続けて同じエンジニアリンググループが働き、多くのメカニックたちも継続して働いてくれている。調和が生まれ、チームとしての一体化ができていることを感ずる。そこへタクマを放り込んだ形になった。彼はものすごい能力を発揮してくれている。ようやく何もかもがうまく行くようになった感じだ」。
 琢磨というチョイスは、AJとラリー、両方がスンナリ合意できるものだった。「1台体制であの活躍ぶり……能力はかなり高い」とレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングで奮闘する琢磨をラリーは高く買っていた。AJにとっては、インディー500でのファイナル・ラップでのアタック、あれだけで十分だった。彼らはロードコースだけでなく、オーバルでも速いドライバーを強く求めていた。琢磨はまさにその希望にぴったりの存在だった。
 「今年の彼は本当に賢くドライビングしている。だからこそ私たちは勝てるポジションにつけることができている。ブラジルでは残念ながら2位でのゴールとなったが、彼が勝とうという思いを強く持つがためにゴールまで走り切れないことになる可能性もあった。しかし、琢磨はミスを冒さなかった。素晴らしい走りでフィニッシュまでマシンを運んだ。今年の彼は“乗れて”いる」。

コナー・デイリーにはインディー500での
ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲らせたい


 今年もAJ・フォイト・エンタープライゼスはインディー500を2カー体制で戦う。41号車に乗るドライバーには、元F1ドライバーで、元インディーカー・ドライバーとしても活躍したデレック・デイリーの息子、コナー・デイリーを起用した。
 「AJはスピードウェイでルーキーを起用し、一緒に戦うのが好きなんだ。去年、テキサス州オースティンで開催されたF1でコナーに会ったんがだが、私たちはすぐに意気投合した。そこで、彼をフロリダ州セブリングで行なった我々のテストに呼んだ。あのテストでコナーは、AJ、そしてチーム全体に好印象を与えた。私たちは彼にチャンスをあげたいと考えるようになった。そして、41号車、ABCのマシンに若いアメリカ人ドライバーを乗せることができることとあんった。これは本当に素晴らしいことだと思う。彼にはインディー500でのルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲らせたい。
以上

2013年5月20日月曜日

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500 5月19日バンプデイ:2年連続でバンプデイにバンプなし!ミチェル・ジョルダインJr.が苦渋の決断

31番グリッドでコナー・デイリーがクオリファイを果たし、AJ.フォイト・レーシングは2台揃っての決勝出場を決める Photo:INDYCAR(Chris Jones)クリックして拡大

34人目のドライバー、バンプデイにアタックせず

 ドライバー&マシンの組み合わせは34になっていた。キャサリ ン・レッグ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)のエントリーが昨日決まったことによってだ。しかし、第97回インディー500の予選でバンプ アウトは起こらなかった。去年に続いて、2年連続のバンプ・アウト・ドラマなし……。33個のグリッドに34エントリーがあっても、34人目が予選2日 目=バンプデイにアタックを行わなかった。バンプはなくても、そこにドラマはちゃんと存在していた。
 インディー500出場を断念したのは、 CARTシリーズへの出場経験もあるメキシコ出身のベテラン、ミチェル・ジョルダインJr.(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング=RLL) だった。決勝用ブーストでの走行だった木曜日、つまりはプラクティス開始から6日目、ミチェルのベストは218.073mphで、彼より遅かったのはその 日がマシンの完全シェイクダウンだったバディ・ラジア(ラジア・パートナーズ)だけだった。これは6日間を通してみても、ラジアのものを除けば一番遅いス ピードだった。

2013年5月19日日曜日

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500 5月18日 ポールデイ:エド・カーペンターがポールポジション獲得!シボレーがトップ10独占の圧勝。佐藤琢磨は予選18位

PPを獲得し、カーペンターは歓喜の輪に包まれる Photo:INDYCAR(Tim Holle)クリックして拡大
5月18日 ポールデイ
天候:雨 のち 曇り
気温:21~27℃


ファスト9進出は全車シボレーに

 雨によってルール変更がなされた。
 午後4時までのスピードでトップ24グリッドを決め、そのうちの上位9人がポール争いを4時半から6時まで行うという予選システムが、全員による順位争いを6時まで続け、6時半からトップ9によるポール争いを行うこととされた。そして、トップ9は3回までではなく、たった1回のアタックのチャンスしか与えられないことになった。リーズナブルなルール変更だと言えた。ファンはトップ9によるシュートアウトを見ることができる。一発勝負ならではのおもしろさも生まれた。
 午後6時までの予選でトップ・スピードを記録したのは、計測4周のうちの2周を229mphに載せたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だった。228.844mphという堂々たる数字を彼はマークしていた。
 2番手にはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)がつけ、3番手には走行初日から好調を保ち続けてきているルーキーのカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)だった。
 残るトップ9も全員紹介すると、エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)、エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)、AJ・アルメンディンガー、EJ・ビソ(アンドレッティ・オートスポート)、ジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)というメンバーだった。


2013 INDYCAR ニュース 第97回インディー500 5月18日 ポールデイ:34人目のエントリーはキャサリン・レッグ

Photo:INDYCAR(Cris Jones)

「早くインディーのコースを走りたい!」

 予選初日=ポール・デイの今日、34台目のエントリーが決まった。すでにシュミット・ピーターソン・モータースポーツがエントリーしていたカーナンバー99と、カーナンバー99Tが、カーナンバー81と81Tに登録変更され、車名はアンジーズ・リスト/シュミット・ピーターソン・ペルフレイとして登録された。そして、このマシンに乗るのはイギリス出身女性ドライバーのキャサリン・レッグと発表された。
 「早くインディーカーに乗りたい! インディーのコースを走りたい。ここは本当に特別だから。こうしてギリギリながら参戦が決まった事に対して、ホンダ、ファイアストン、インディーカー・シリーズ、そしてシュミット・ピーターソン・モータースポーツに感謝します。このチームで走れること、シモン・パジェノーとトゥリスタン・ヴォーティエというチームメイトたちと一緒に仕事をするのも楽しみです」とキャサリンは語った。

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500 5月18日 ポールデイ :2時間半弱の遅れで予選開始! 佐藤琢磨は2番手でアタック、225.892mphをマーク

Photo:INDYCAR(Chris Jones)クリックして拡大

スケジュール変更、予選は午後6時まで
ファスト9は午後6時半から開始に

 11時開始予定の予選が、10時半頃からの雨でスタートできなくなった。
 雨が止み、路面を乾かして予選開始がなったのは1時半少し前だった。風があるためか、路面乾燥には思いの外短い時間しかかからずに済んだ。
 最初のアタッカーはスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)。今年最初のクォリファイアーは4ラップ平均226.158mphを出した。
 2番手アタッカーは佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)。1番クジの40号車は今月一度も走っていないため、予選にも出てこなかった。
 琢磨のアタックはディクソンを上回れず。4ラップ平均は225.892mphだった。
 3番目のコース・インしたのはグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。4ラップ平均は225.139mphで、琢磨に届かない3番手となった。
 今日、ポール・デイの予選は、最初の予定では4時までで一旦終了。その時点でのトップ24がグリッドをとりあえず確保(明日のバンプ・デイの状況によっては、一部のエントリーがグリッドを奪い取られる可能性もある)し、トップ9がポールポジション決定戦を4時半から6時まで行なう予定だったが、スケジュールが変更された。予選は6時まで続けられ、ファスト9にポール・ポジション争いは6時半から、ひとり1回のみのアタックで行なわれることになったのだ。

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500 5月18日 ポールデイ プラクティス:雨で走行30分で走行終了。その時点でウィル・パワーとAJ・アルメンディンガーが229mph台へ!

Photo:INDYCAR(Michael Roth)クリックして拡大

パワー、230mph目前のタイムを叩き出す

 朝8時から始まったポール・デイのプラクティスは、9時30分過ぎに小雨が降り出し、走行ストップになった。
 その時点まででトップに立っていたのはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)で、2番手はAJ・アルメンディンガー(チーム・ペンスキー)だった。この2人のスピードは229mph台に入っていた。もちろん今年の最高スピードだ。パワーは229.808mphと、もう230mph目前。ディンガーは229.086mphだった。
 3番手はジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)の228.609mphで、4番手はグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)の228.318mph。そして、5番手はシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)の228.029mphだった。