2013年10月7日月曜日

2013 INDYCAR佐藤琢磨コメント68 第18戦ヒューストン Race Day 決勝レース2:「徐々にポジションを上げて、7番手まで到達できたのは本当に良かったと思うんですが、それを結果に繋げたかったです」

3ターンにアプローチする琢磨。順調に7番手までポジションアップしていたのだが…… Photo:INDYCAR (Chris Owens)
10月6日
シェル・アンド・ペンゾイル・グランプリ・オフ・ヒューストン レース2(第18戦)
1時間51分41秒0422 14位(アクシデント/1周遅れ) 

「衝撃がすごかったですが、体は大丈夫です」

Jack Amano(以下――):最終ラップに大きなアクシデントになりましたが、体は大丈夫ですか?

佐藤琢磨:体は大丈夫。手とか首とか打たないようにステアリングは放してました。でも衝撃がすごかったですね。

2013 INDYCARレポート 第18戦ヒューストン RaceDay 決勝:ウィル・パワーが今季2勝目!スコット・ディクソンが2位フィニッシュでポイント・リーダーに!!

ディクソンとの激しいバトルを制したパワー。久々にファイターの本領発揮 Photo:INDYCAR (Bret Kelley)
9番グリッドからスタートのパワー、ディクソンとの激戦を制す
 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が久しぶりに彼らしいファイターぶりを見せつけての優勝を飾った。9番グリッドからスタートしての優勝だ。中でもスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)に対する40周目のパスは見事だった。リスタート直後のターン3で豪快にインへと飛び込み、パワーはトップに立った。

パワーとディクソンはピットでも激しい争いを繰り広げた Photo:INDYCAR (Bret Kelley)クリックして拡大

 ディクソンはトロントに続くダブルヘッダー・スウィープを記録するため、最後までチャンスを伺っていた。しかし、チャンピオン争いのまっただ中にいる彼は不必要なリスクを避けねばならず、2位でのゴールを受け入れた。

2013 INDYCARレポート 第18戦ヒューストン Race Day 決勝スタート・タイヤ更新版:なんとプライマリータイヤ装着は二人だけ!

1 エリオ・カストロネベス NEWオルタネート
2 スコット・ディクソン NEWオルタネート
3 シモン・パジェノー NEWオルタネート
4 マルコ・アンドレッティ NEWオルタネート
5 ライアン・ハンター-レイ NEWオルタネート
6 ジャスティン・ウィルソン NEWオルタネート
7 ダリオ・フランキッティ NEWオルタネート
8 ジェイムズ・ヒンチクリフ NEWオルタネート
9 ウィル・パワー NEWオルタネート
10 チャーリー・キンボール NEWオルタネート
11 トニー・カナーン NEWオルタネート
12 EJ・ビソ NEWオルタネート
13 セバスチャン・ブルデイ NEWオルタネート
14 ジョセフ・ニューガーデン NEWオルタネート
15 佐藤琢磨 NEWオルタネート
16 マイク・コンウェイ NEWオルタネート
17 シモーナ・デ・シルベストロ NEWオルタネート
18 エド・カーペンター NEWオルタネート

19 グレアム・レイホール NEWプライマリー
20 ジェイムズ・ジェイクス USEDオルタネート
21 オリオール・セルビア NEWオルタネート
22 トゥリスタン・ボーティエ NEWオルタネート

23 ルカ・フィリッピ USEDオルタネート
24 セバスチャン・サーベドラ NEWプライマリー

USEDオルタネートが二人。他のオルタネートは全部NEW。
NEWプライマリーが二人=プライマリー採用はこの二人だけ!

2013 INDYCARレポート 第18戦ヒューストン Race Day 決勝スタート・タイヤ:なんとプライマリータイヤ装着は二人だけ!

1 エリオ・カストロネベス オルタネート
2 スコット・ディクソン オルタネート
3 シモン・パジェノー オルタネート
4 マルコ・アンドレッティ オルタネート
5 ライアン・ハンター-レイ オルタネート
6 ジャスティン・ウィルソン オルタネート
7 ダリオ・フランキッティ オルタネート
8 ジェイムズ・ヒンチクリフ オルタネート
9 ウィル・パワー オルタネート
10 チャーリー・キンボール オルタネート
11 トニー・カナーン オルタネート
12 EJ・ビソ オルタネート
13 セバスチャン・ブルデイ オルタネート
14 ジョセフ・ニューガーデン オルタネート
15 佐藤琢磨 オルタネート
16 マイク・コンウェイ オルタネート
17 シモーナ・デ・シルベストロ オルタネート
18 エド・カーペンター オルタネート

19 グレアム・レイホール プライマリー
20 ジェイムズ・ジェイクス オルタネート
21 オリオール・セルビア オルタネート
22 トゥリスタン・ボーティエ オルタネート
23 ルカ・フィリッピ オルタネート

24 セバスチャン・サーベドラ プライマリー

 今回、プライマリー装着はレイホールとサベードラの2人だけ! ここまで明確に差が出たケースは記憶がない。ただし、レースはウェットタイヤでのスタートになる可能性もある。なお、ウェットタイヤが使用された途端、レース中の2種類のタイヤ使用義務は消滅する。

*昨日のレース、ライアン・ハンター-レイはブラックでのスタートを申告していたが、ダミー・グリッドではNEWオルタネートを装着していた。しかし、レースには申告通りにブラックで出走。グリッドでスタート直前、私がタイヤのチェクを行った後にタイヤ交換が行った。

2013 INDYCARレポート 第18戦 ヒューストン RaceDay 決勝:一転、レース2のポールポジションはエリオ・カストロネベスのものに

ダブルヘッダーは一つのレースとみなされ
16戦までのエントラントポイントでグリッド決定に

 雨により予選のキャンセルが決定され、エントラント・ポイントによりスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)にポールポジションが与えられるとインディーカーは発表した。プレスルームにはディクソンが招かれ、ポール・スタートに関して短い会見も行われた。9時20分頃のことだった。そのすぐ後、ガレージに戻ったディクソンは、ベライゾンP1賞獲得の記念撮影を行った。
 とこがその約1時間後、インディーカーの女性プレス・オフィサーが、「やっぱりポールポジションはエリオ・カストロネベスです~」との発表を行った。その理由は、インディカーのルールブックに明記されているという。ダブルヘッダーはシリーズの公式戦2レースで構成されるものの、ひとつのイベントとして捉えられる。そのため、エントラント・ポイントでのグリッド決定がなされる場合には、それが仮に週末の2レース目であっても、1レース目の終了時点のポイント・スタンディング(エントラント・ポイントの)ではなく、今週末を迎えた時点、即ちボルティモアでの第16戦終了時点のものが採用されるということだ。予選が行われなかったので、ポール獲得によるシリーズ・ポイント1点がカストロネベスに与えられることはないが……。

2013 INDYCAR レポート 第18戦ヒューストン:カラーリングガイド その2

ブルデイを上回る斬新なメタルカラーで登場したニューガーデンのマシンは必見! Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大 
今回、デイルコインから出場のコンウェイは、おなじみのゾニーズBBQレストランの赤白カラーリング Photo:INDYCAR (Bret Kelley)クリックして拡大
ボーティエは、アンジーズリストという建築業や医療などのレビューサイトがスポンサーに。イエローとライムグリーンのカラーリングで印象を一新 Photo:INDYCAR (Bret Kelley)クリックして拡大
レイホールは、電子タバコBLUのスポンサーはそのままに、カラースキームを黒に変更 Photo:INDYCAR (Chris Jones)クリックして拡大

2013 INDYCAR レポート 第18戦ヒューストン:カラーリングガイド

ヒューストンダブルヘッダーには、スペシャルカラーリングが数多く登場している。
すでに、レース1でチェック済みと思いますが、レース2決勝前に、いくつかおさらいしてみよう。

ポイントリーダーのカストロネベスは、おなじみのシェルカラー。今回のイベントの冠だ。Photo:INDYCAR (John Cote)

2013 INDYCARレポート 第18戦ヒューストン Race Day:レース2の予選は雨のためキャンセルに

ディクソンはダブルヘッダー2戦目をポールポジションからスタートすることに Photo:INDYCAR (Chris Owens)
決勝グリッドは昨日の第17戦までのエントラントポイント順に
 テキサス州ヒューストンの土曜日は前日までとは打って変わって曇り空だった。インディーカーの予選は8時45分開始の予定だったが、その直前に雨が降り始めた。
 雨は短時間だが強く降り、コース上に多くの水たまりができたため、9時20分、インディーカーは予選開催を断念した。そして、レース2のスターティング・グリッドは昨日開催されたシリーズ第17戦までのエントラント・ポイントによって決められることになった。

2013年10月6日日曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント67 第17戦ヒューストン Day2 決勝レース:「パンクしてピットインしてからは苦しかったですね、レッドで思うように走れず、ペースが上がりませんでした。明日は路面が全く違ってくるでしょうし、大幅タイムアップも考えられます。今日の自分たちは決勝でのマシンが悪かったので、その原因究明と対策をしなければなりません」


レース序盤をリードしたが思わぬパンクで後退を余儀なくされる Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
シェル・アンド・ペンゾイル・グランプリ・オフ・ヒューストン レース1(第17戦)
1時間48分06秒1345 17位(6周遅れ) 

「走っていてタイヤの空気漏れは感じなかった。粘ってみたんですけどダメでした」

Jack Amano(以下――):今日、ポールポジションから良いスタンディングスタートが切れましたね?

佐藤琢磨:いや、自分としてはあまり良くなかったですね。クラッチミートがうまく行かなかったので。まぁ、トップを守れるぐらいの速度は得られましたけどね。もうちょっとですね。

2013 INDYCARレポート 第17戦ヒューストン Day2 決勝:ランキング2位のスコット・ディクソンが今季4勝目をマーク!ランキング・トップのエリオ・カストロネベスは18位で、二人のポイント差は僅か8点!! そしてホンダがついにマニュファクチャラーでシボレーを逆転!

AJフォイトから手渡されたウイナー用カウボーイブーツを履き、会心の笑顔 Photo:INDYCAR (Chris Jones)
10月5日
天候:快晴
気温:32~33℃


PPスタートの佐藤琢磨、不運なパンクに見舞われる

 スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)が、三度目のシリーズ・タイトル獲得に向けて、改めて強い意欲を見せた。シーズン終盤に入ってからの3連勝で一気にタイトル争いへと名乗りを上げたディクソンだったが、ソノマとボルティモアで続けてシリーズ主催者による不可解な裁定が重なり、残り3戦で49点という大量のポイント・リードをエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)につけられてしまっていた。しかし、ヒューストンのダブルヘッダー第1戦でディクソンは見事優勝。ポイント差を一挙に8点にまで縮めてみせた。
ポールシッターの佐藤琢磨がレースをリードしたが…… Photo:INDYCAR (John Cote) クリックして拡大

 予選3位だったディクソンは、スタートでもそのポジションをキープ。ポールスタートの佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)がタイヤパンクでピットへと消えたことでウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の後ろの2位へとひとつ順位を上げた。

2013 INDYCARレポート 第17戦Day2 決勝スタート・タイヤ:予選上位3人は新品のレッドでスタート!

1 佐藤琢磨 NEW  レッド
2 ウィル・パワー NEW レッド
3 スコット・ディクソン NEW レッド

4 シモン・パジェノー USED レッド
5 シモーナ・デ・シルベストロ NEW ブラック
6 ジェイムズ・ヒンチクリフ NEW レッド
7 ルカ・フィリッピ USED レッド
8 EJ・ビソ USED レッド
9 ジェイムズ・ジェイクス NEW ブラック
10 マルコ・アンドレッティ USED レッド
11 マイク・コンウェイ NEW レッド
12 ジャスティン・ウィルソン USED レッド
13 トニー・カナーン USED レッド
14 セバスチャン・ブルデイ NEW ブラック
15 ライアン・ハンター-レイ NEW レッド
16 チャーリー・キンボール NEW ブラック
17 オリオール・セルビア NEW ブラック
18 ジョセフ・ニューガーデン NEW レッド
19 セバスチャン・サーベドラ NEW ブラック
20 ダリオ・フランキッティ NEW ブラック
21 エリオ・カストロネベス NEW ブラック
22 エド・カーペンター NEW レッド
23 トゥリスタン・ボーティエ NEW レッド

24 グレアム・レイホール NEW ブラック

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント66 第17戦ヒューストン Day2 予選:「早めにラップタイムを出そうと考えていたんです。そういう意味では予定通りに行ってね、ラップ・タイムも非常にコンペティティブなものが刻めたので、良かったと思います」

Photo:INDYCAR (John Cote) クリックして拡大
 「フロントロウスタートを生かして
とにかくトラブル出さず、ミスなくキッチリ走り切りたい」

Jack Amano(以下――):ポールポジション獲得、おめでとうございます。
佐藤琢磨:ありがとうございます。

――午前中に10分間だけプラクティスがありました。
佐藤琢磨:ふたつ確認しました。まずはトップギヤ。1コーナーに向けての最高速と、ターン5から先のバックストレートとどっちが速いのかがちょっとわから なかったので。そういう意味ではシミュレーションを頼りにギヤリングをしました。それからもうひとつは1コーナーのバンプ。それがどんな感じかがわからな かったので、それは心配でしたけど、それ以外は1コーナーのブレーキングからその次のシケインへのアプローチがひとつと、もうひとつは昨日のクルマのセッ トアップの続きをやって、残りのコースの確認をしていました。

2013 INDYCARレポート 第17戦ヒューストン Day2 予選:佐藤琢磨、チーム地元ヒューストンで今シーズン初のポールポジション獲得!

御大とともにPPの記念撮影 Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大

天候:快晴
気温:30℃


第2グループでアタックした琢磨、
ブラックでコースインしていきなり好タイムをマーク


 ターン1のバンプが問題とされ、金曜日にはシケインを設けてのプラクティスが2回行われたが、予選はシケインなしで決行されることになった。土曜日の朝に10分間だけのプラクティスが急遽用意され、状況が改善されているとの確認がなされたからだった。
 予選は出場24台を2グループに分けて行われた。
 後に走る2グループ目の方が路面コンディションが良かった上、赤旗による中断も一切なかったことから、2グループ目からポールポジション獲得ドライバーは誕生した。それは佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)だった。
 琢磨はブラックタイヤでコース・インし、グループ1のトップタイムより速い1分0秒9974という素晴らしいラップ・タイムを出してトップに立った。ピットでレッドタイヤに交換している間に順位は2番手に下がったが、琢磨はレッドでの3周目に1分0秒4535を出してトップに復帰。このタイムが破られることはなく、今季初、キャリア3回目、2011年のエドモントン以来となるポールポジション獲得がなった。
 第1グループでトップだったウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が1分1秒1524で予選2番手となり、フロント・ロウ外側グリッドを得た。
 「チームの地元でポールポジションを獲得できて嬉しい。クルーたちが素晴らしい力を発揮してくれたおかげだ。開幕前からヒューストンでのレースでは頑張りたいと考えていた。AJは思ったよりも長いこと現場を離れていて、今回からピットに復帰してくれている。そういう状況でポールを獲れたことも嬉しい」と琢磨は語った。

2013 INDYCARレポート 第17戦、18戦ヒューストン Day2プラクティス3:急遽行われたプラクティスでパワーがトップタイムをマーク。佐藤琢磨は10番手。

シケインなしのコースレイアウトを10分間の走行で確認

 土曜日を迎えたヒューストンでは、急遽プラクティス3が10分間だけ開催された。
 路面を削ってバンプを小さくしたシケインが安全なものとなっているかと、シケインなしでのレイアウトでのマシン・セッティングの確認を行う目的でインディーカー・シリーズ出場全車に走るチャンスを与えられたのだ。
 ここでトップ・タイム=1分0秒8275を出したのはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)で、2番手にはシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)が0.4920秒差の1分1秒3195でつけた。
  3番手は1分1秒3411を出したルーキーのルカ・フィリッピ(ブライアン・ハータ・オートスポーツ・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)。4番手には昨日のプラクティス1で6番手、プラクティス2で7番手につけていたジェイムズ・ジェイクス(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。5番手はマイク・コンウェイ(デイル・コイン・レーシング)=1分1秒4373だった。
 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は1分1秒5672のベストを8周したうちの7周目に記録し、10番手だった。