2018年9月20日木曜日

2018 INDYCAR ニュース 9月20日:インディー500の歴史本が日本語で刊行されます


 最終戦ソノマから帰国すると、インディー500の記録本、それも大変豪華な装丁かつ読み応えのありそうなものが日本語で刊行されるとの情報が届きました。私の敬愛するモータースポーツ・ヒストリアンであり、ライターである林信次さんの手になるものです。

2018年9月18日火曜日

2018 INDYCAR レポート R17 インディーカー・グランプリ・オブ・ソノマ:最終戦から情報、ウワサあれこれ

最終戦ソノマでカナーンはインディーカー通算300戦出走を果たした Photo:INDYCAR (Stephen King)
今週トニー・カナーンが300戦連続出場
佐藤琢磨はゲイトウェイが150戦目でした

 「自分が大好きなレースをこれだけ長く続けられていることを幸運と思う。それは毎日感じている。多くの友達を失い、多くの友達は怪我でリタイアせざるを得なくなった。しかし、僕はまだ続けることができている。そして、僕は今でもレースを楽しんでいる。”来年の最終戦に出場できていたら、自分のボス(AJ・フォイト)を上回って最多出場ドライバーになれる”と誰かに言われた。ボスは56歳まで走った。そこまでは無理だと思う。僕は今年の末に44歳になるが、まだ2~3年はやれると感じている。
 2013年、ずっと追い求めていたインディー500での優勝を果たした。あの勝ち方は本当に特別だった。レースの翌朝、さぁ次は何だ? と思った。新たなチャレンジが必要になった。チップ・ガナッシ・レーシングの10号車で走ること、その次はAJのチームを再び強くすること。今年のインディー500、僕らはかなり良い戦いができた。来年こそ! と思う」。

エド・カーペンター・レーシング、スペンサー・ピゴットの継続起用を発表


今シーズン、いい走りを見せたピゴットは来シーズンもECRで参戦 Photo:INDYCAR (Joe Skibinski)
  あんまり明るくないキャラクターのピゴット。カーペンターとキャラが似ているかも。アメリカンなのに静か。でも、ピゴットの走りにはカーペンターのような豪胆さはない。
 ロードレース要員のジョーダン・キングを来年はオーバルでも走らせる……というECRからの発表はない。キングはそうしたい意向なのに。となると、キングは他に移る可能性も検討中で、発表がなされないのかも。ではどこに??
 ロード&ストリートではかなり速い逸材と思うが。ということで、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの3台目の候補にどうか。交渉中かは確認できていない。
 

デイル・コイン・レーシング
ジミー・ヴァッサーとジェイムズ・サリヴァンとのジョイント体制で
来シーズンもセバスチャン・ブルデイを走らせることに

Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher)
 今や優勝をかなり計算できるチームとなったデイル・コイン・レーシング。来年の彼らは2カーのままで行くのか、3カーに拡大するのか……。サンティーノ・フェルッチ、ピエトロ・フィッティパルディ、どちらも捨て難い。ザカリー・クラマン・デ・メロも元気があった。もうインディー500でピッパ・マンを走らせるのは、弱小チームに任せた方が良い。
 

チップ・ガナッシ・レーシングの10号車は?

 チップ・ガナッシ・レーシングはエド・ジョーンズを放出し、日本のスーパー・フォーミュラを走ったこともあるフェリックス・ローゼンクヴィストを起用する……という噂は本当か? ジョーンズはその場合どこへ? コナー・デイリー、ギャビー・シャヴェス同様にシートの確保は難しそうだ。スコット・ディクソンのマネージャーはステファン・ヨハンソン。ローゼンクヴィストのマネージメントもヨハンソン。

シュミット・ピーターソン・モータースポーツの6号車の行方


ウィッケンズの代役として終盤2戦で6号車をドライブしたムニョス。ポートランド12位、ソノマ18位のリザルトを残したが、来シーズンもウィッケンズが帰ってくるまでインディーカーに参戦できるのだろうか? Photo:INDYCAR (Chris Jones)
「ロバート・ウィッケンズが回復したらまた乗せる」と宣言しているシュミット・ピーターソン・モータースポーツ。彼が戻って来るまで6号車に乗るのは? 今シーズン終盤の2戦で走ったカルロス・ムニョスにチャンスはあるのだろうか?
 インディー500でのパフォーマンス期待なら、ムニョスは完璧合格と思うが……。
 

フンコス・レーシングの2019年は?
 1カーでフルシーズン……のはずが資金不足で途中からオーバルに参戦しなくなったフンコス・レーシング。しかし、”来年は2カー体制でフルシーズン”なんて花火を打ち上げている。ラテンならではのポジティブ・シンキングか。実現は遠い気がする。


ポートランド戦で、セリスJrと話をするリカルド・フンコス。来年の動向が気になる Photo:INDYCAR (Chris Jones)
 そんな彼らが、インディーカーをやりながらIMSAのスポーツカー・シリーズにもキャディラックのカスタマー・チームとして参戦する。ステップ・アップ・カテゴリーでは強豪だが、インディーカーではまだ何もできていない。その状態でIMSAに広げることにどんな意味がある?
 シボレーのファクトリー・チームとして資金の供給を受けるというワケでもないのに。GMとの関係が多少強化されるかもしれないが。
 

ハーディングとアンドレッティの提携

 シボレー・ユーザーのハーディングと、ホンダを使うアンドレッティ・オートスポート、彼らはライバルのはずなのに今回のソノマを前に提携。もはやハーディング・レーシングは完全にアンドレッティ・オートスポートの傘下……という話も出ている。ハーディングは個人的なトラブルもあって資金難……という噂もある。
 エンジン・サプライヤー2社から供給を受ける2チーム、シボレー・ユーザーとホンダ・ユーザーの2チームを所有……なんて離れ業は許されるのだろうか?
 シボレーとホンダとすれば、機密が漏れる環境は好ましくない。このオフには政治バトルが繰り広げられることとなりそう。
 

アンドレッティ・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアンの行方

ハーディング・レーシングでインディーカー・デビューを果たしたコルトン・ハータ(左)とパト・オーワード。ハーディング・レーシングの動向とともにこの二人の若手の来シーズンのシートも注目される Photo:INDYCAR (Stephen King)
  ブライアン・ハータはホンダ・ユーザーのアンドレッティ・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアンの共同オーナー。息子のコルトンは最終戦ソノマにハーディング・レーシングから出場。親子が違うチームで戦っていた。これを一緒にしちゃおう……というウワサあり。するとマルコ・アンドレッティという、アンドレッティ・オートスポートのオーナーの御子息が父親と違うチームで走る事態になる。
 ハーディングが名前ばかりでアンドレッティの完全コントロール下となった場合、ブライアン・バーンハートやラリー・カリー、アル・アンサーJr.などの高給取りと思われるスタッフは継続起用をしてもらえるんだろうか? それともお引き取り頂くよう通達されるのか? その辺りも興味深い。
 

ハーディング接収(?)はフェルナンド・アロンソをエントリーさせるためか
 アンドレッティ・オートスポートがハーディングを支配下に置こうと考えたのは、ホンダ・エンジンでは走れないという噂のフェルナンド・アロンソのエントリー先を確保するためか。アロンソは来年はシボレー・ドライバーということ? マクラーレンからのエントリーとなるのか。その辺りがどう決着するのかも楽しみだ。
 マクラーレンの参戦は実現しないかも……という声も聞こえる。アロンソを満足させるギャラの確保はほぼ無理。インディー500だけの参戦になる可能性も捨て切れない。

*来年のオープン・テストはCOTA、ラグナ・セカ、インディーのスーパースピードウェイの3回かも

 まだ正式発表はないが、インディーカーの2019年プレ・シーズン・テストは2月13、14日に新規開催コースのサーキット・オヴ・アメリカス(テキサス州ヒューストン)で開催される模様。日程もまだ噂の範囲内。2月でもテキサスならそんなに寒くはないはず。暑くもないだろうが。
 そして、シーズンが始まってから、2007年以来のアメリカン・トップ・オープンホイール・レース開催となるラグナ・セカ・レースウェイでもオープン・テストを行う予定。アラバマの前? それとも、ロングビーチの後ろ? 1日間のみの走行でははるばる遠征するチームも大変だが、2日間という可能性は低いようにも思える。
 オープン・テスト3つ目はインディアナポリス・モーター・スピードウェイ。これは間違いなく1日だけでだろう。4月の末の開催となると見られる。
以上

2018年9月17日月曜日

2018 INDYCAR レポート R17 インディーカー・グランプリ・オブ・ソノマ Race Day 決勝:ウィナーはハンター-レイ、チャンピオンはディクソン

ディクソン、2位でフィニッシュし5回目の戴冠! Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher)
ハンター-レイ、ポールtoフィニッシュ
タイトル狙いのディクソン、堅実に2位でチェッカー


 空は抜けるような快晴。暑くなり切らない23℃という気温。それが最終戦ソノマの決勝コンディションだった。午後3時頃のスタートとあって、レース序盤は暑め、中盤過ぎは日陰だとかなり寒い……という状況だった。

レースを通じて安定した速さをキープしたハンター-レイ。ディクソンに付け入る隙を与えることはなかったPhoto:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大

 レースはポール・シッターだったライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が完勝。優勝よりタイトル獲得が重要なスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が2位を走ることで、ほとんどトップの座を脅かされることなくゴールまで突っ走った。

2018 INDYCARレポート R17 インディーカー・グランプリ・オブ・ソノマ Race Day :超有望新人パト・オーワード

1週間前にインディーカーを初ドライブ。堂々予選ファスト6進出を果たしたパト・オーワード。衝撃のインディーカーデビュー Photo:INDYCAR (Stephen King) クリックして拡大
ソノマの走りはじめは最下位

 ソノマの公式プラクティスが始まると、1回目はトップから1.6秒遅れの最下位24位だったパト。しかし、2回目はレッド・タイヤ装着でトップと0.9秒差の3番手につけた。テストでも、この週末でもコース・オフを何度か経験して来たパトだが、インディーカーのパワー、ハイ・グリップのファイアストン・タイヤを急速にマスターして行っている。「レッドで初めて走った時、ブラックより断然気に入った。いいタイムも出せた。だから今週末を迎えるまではファスト6に自分が進めるなんて思ってなかったけれど、”トップ10を争えるかも!”と考えることができた」と彼は振り返った。

2018年9月16日日曜日

2018 INDYCARレポートR17 インディーカー・グランプリ・オブ・ソノマ day2 予選:最終戦ポールポジションはライアン・ハンター-レイ チャンピオン候補は予選2、3、6、7位


ディクソンを抑えてハンター-レイが最終戦のポール・ポジションを獲得。アンドレッティ・オートスポート勢のPP獲得が、明日の決勝レースのタイトル争いにどんな影響を及ぼすのだろうか?Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
ハンター-レイ、最後の最後でディクソンを逆転

 朝のプラクティス3でトップタイムをマークしたスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)。ポイントリーダーの彼は予選もトントン拍子でファイナルまで進み、ユーズド・ソフトでのアタックでトップに立つ1分17秒7599でトップに立った。彼のボーナス・ポイント獲得がなるかと思われたが、最後の最後でライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が1分17秒6277を出して最終戦PPをさらって行った。2014年ロング・ビーチ以来、7回目のPP。そのまでの初PPをハンター-レイは喜んでいた。

2018 INDYCARレポートR17 インディーカー・グランプリ・オブ・ソノマ :予選前のプラクティス3最速はスコット・ディクソン

Photo:INDYCAR (Stephen King) クリックして拡大
ディクソン、今週末初のトップタイム
 ポイント・リーダーのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が土曜日午前中のプラクティス3で最速ラップとなる1分17秒9697をマークした。気温が18~19℃、路面は31~35℃という低温気味のコンディション。昨日より強めの風がメイン・ストレートで左斜め前方から吹き付けたこともあってか、昨日のプラクティス1にライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)の記録した1分17秒5742には届かなかった。
 ランキング 2番手につけるアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)に29ポイント、3番手タイに並ぶウィル・パワーとジョセフ・ニューガーデンのチーム・ペンスキー・コンビに87点差をつけているディクソンは、昨日の2セッションではともに2番手。そして今日はトップと快調だ。今日の午後の予選で彼はPP獲得による1ポイント加算を果たせるだろうか?

2018 INDYCARレポート R17 インディーカー・グランプリ・オブ・ソノマ:プラクティス2はジョセフ・ニューガーデンが最速

プラクティス1をキャンセルしたニューガーデンだったが、プラクティス2でトップタイム Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
体調不良だったニューガーデン、いきなりトップタイム

 体調不良は三味線……ではなかったようだが、朝のプラクティス1を走らずタイヤのセット数に余裕のあったジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)は、午後のプラクティス2でブラック、レッドの双方を使って22周。最速ラップをマークした。もちろんタイヤはレッド。タイムが1分17秒8156とプラクティス1のライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)によるベスト=1分17秒5742を下回ったのは気温が24℃まで、路面温度は43℃にまで上がっていたため。