2021年6月23日水曜日

2021 INDYCARニュース 6月22日:トロントの代替イヴェントはなし=2021年シーズンは16レース

 次戦ミッド・オハイオのダブルヘダー化はなしに

 カナダのコロナ禍は昨年から深刻で、大都市はロック・ダウンされ、ワクチン登場後もその普及が速やかに進むことはなく、アメリカとの国境は物流を除いて閉鎖されたままだ。そんな状況なので、7月11日に開催予定だったHondaインディー・トロントはオンタリオ州の規制によってキャンセルされることと決まった。カナダでのレースは2年連続で行われないこととなったのだ。
 先月のキャンセル発表と同時に、代替イヴェントの可能性が話題となった。”ミッド・オハイオ・スポーツ・カー・コースとポートランド・インターナショナル・レースウェイでのイヴェントはトロントと同じプロモーターだから、ダブルヘダー化がされる可能性アリ”といった具合だった。ロード・アメリカとワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイも候補に挙げられた。昨年ダブルヘダーを行なった実績が彼らとミッド・オハイオにはある。しかし、インディカーは検討の結果、イヴェントの追加、あるいは既存のイヴェントのダブルヘダー化は行なわないという結論に至った。NTTインディーカー・シリーズの2021年シーズンは17レースで争われる予定だったが、トロントの脱落によって16戦で構成されることとなった。

2021年6月21日月曜日

2021 INDYCARレポート R9 REV グループ・グランプリ Race Day 決勝:ロード・アメリカで優勝したアレックス・パロウに嬉しい(?)歴史的データ

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ロードアメリカでの第9戦の勝利に秘められた意味とは

 ロード・アメリカでの2021年NTTインディーカー・シリーズ第9戦で優勝したのはアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)だった。
 インディーカーの歴史を紐解くと、ロードアメリカ戦で勝利したドライバーは、過去7回もその年のシリーズ・チャンピオンに輝いている。最初は1984年第11戦のマリオ・アンドレッティで、1991年(第15戦)に彼の息子のマイケル・アンドレッティが引き継ぎ、その後にジャック・ヴィルヌーヴ(1995年第10戦)、アレックス・ザナルディ(1997年第14戦)、クリスチアーノ・ダ・マッタ(2002年第12戦)、セバスチャン・ブルデイ(2007年第10戦)、スコット・ディクソン(2020年第4戦。ダブルヘダーレース1)が続いた。

2021 INDYCARレポート R9 REV グループ・グランプリ Race Day 決勝:ゴールまで2ラップ、リスタート直後にジョセフ・ニューガーデン失速

 

パロウ、ラスト2周のリスタートでニューガーデンをパス! オーワードに次いで今季2種目を挙げた二人目のドライバーに! そしてポイントスタンディングもトップに浮上 Photo:INDYCAR(Chris Owens)クリックして拡大

レース大詰めでフルコースコーション
ここまでPPのニューガーデンがレースを支配

レッドタイヤでPPからスタートしたニューガーデンは、オープニングラップからレースをリードしていく Photo:INDYCAR(Joe Skibinski)クリックして拡大

 2021年のNTTインディーカー・シリーズ第9戦REVグループ・グラン・プリ・プレゼンテッド・バイAMRは75周で争われたレースで、ポール・ポジションからスタートしたジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)がピット・タイミングを除く32周をリードしていた。

1回目のピットストップでブラックタイヤに履き替え、そのすぐあとこのレース1回目のフルコースコーションからのリスタートでもニューガーデンは後続に隙を見せることなく快調にレースをリード。その後2回のフルコースコーションでも首位は盤石だった Photo:INDYCAR(Joe Skibinski)クリックして拡大

 ところが、ゴールを目前にしてエド・ジョーンズ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)がコースサイドにストップしてフルコース・コーションとなり、レースは残り2周でグリーン・フラッグが振られた。

リスタート直後、突如ニューガーデンは失速
その後、完走を目指すのがやっとの状態に

 
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 最終コーナーから急激に上るメイン・ストレートでニューガーデンは絶妙のダッシュを見せ、2番手につけるアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)を突き放した……かに見えた。ところが、平坦になってからのメイン・ストレート後半でパロウが急激に距離を縮め、ターン1に到達する前にニューガーデンを抜き去った。その後、ニューガーデンはどんどんスピードを落とし、ライヴァルたちに次々パスされ、リード・ラップ最後尾の21位でのゴールをするしかなかった。
 デトロイト/レース2でも終盤のフルコース・コーションがきっかけで勝利を逃したニューガーデンだったが、イエローが出なかった場合に彼がゴールまでコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)を2番手に封じ込めておけたかどうかは微妙だった。今回は正真正銘、チーム・ペンスキーのニューガーデンがレースを牛耳っていた。優勝をほぼ手中に収めてたと言っていい。しかし、マシンのトラブルが彼らを勝利から遠ざけた。

落胆しつつも前を向くニューガーデン
「今回我々は勝てない運命にあったが
必ずここから取り返していく」

マシンのセッティングも、燃費も、そしてレッド→ブラック→タイヤマネジメントもすべて今く言っていたのだが、ニューガーデンは2戦連続でほぼ手中に収めていたかに思えていた勝利を失った。デトロイト・レース1のパワーのケースからペンスキーのハードラック続く Photo:INDYCAR (James Black) クリックして拡大 
 

 「リスタートで6速ギヤにシフト・アップできなかった。そして、ターン1を走っている間にギヤが5速ギヤにスタック。その後、どうにかシフト・ダウンができたのだが、今度はギヤを上げて行くことができなくなった。最終的にギヤを1速まで落とし、そこからアップ・シフトができなかったので、走行ラインをみんなに譲った。何が起こったのか、まだ自分でははっきりとわかっていない。チーム全体が本当にガッカリしている。それは確かだ。自分たちのマシンはとても強かった。レースを通してマシンは速く、自分たちはやるべきことをこなしていた。イエローのタイミングの餌食になることもなく、燃料セーブのゲームでも生き残った。私たちのマシンは圧倒的に速かった。シヴォレーのスタッフが素晴らしい仕事をしてくれた。驚くほど燃費が良く、とてもパワフルなエンジンを用意してくれていた。その点に関してはほ本当にハッピーだった。チーム・ペンスキー、そしてパートナーたちのことを誇りに思う。今回、私たちは勝てない運命にあった。またしても。速いマシンがあっても、それがうまく行かない状況に今の私たちはあるようだ。今後、私たちは取り返して行く。ポイント争いで上位との差を詰めることができると思っていたが、計画通りにはならなかった。トップと88ポイント差になったのかな? 大変なチャレンジになるけれど、最後には私たちが勝つことになると思う」とニューガーデンは語った。
以上

2021年6月20日日曜日

2021 INDYCARレポート R9 REV グループ・グランプリ Day2 予選:ロード・アメリカのポール・ポジションはジョセフ・ニューガーデンが獲得

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 ニューガーデン、今季2回目、初の2戦連続PP

 ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が第9戦ロード・アメリカのポール・ポジションを獲得した。2018年にロード・アメリカでポール・トゥ・ウィンを飾り、昨年のレース1で二度目のPPを獲得した彼は、今日の予選の第1セグメント/グループ2でトップとなる1分45秒6078をマークした。そして、第2セグメントでは1分45秒6818がベスト。前セッションのラップ・タイムを更新できなかったこともあって、3番手でファイナルに進んだ。

2021 INDYCARレポート R9 REV グループ・グランプリ Day2 プラクティス2:プラクティス2ではジョセフ・ニューガーデンがトップ・タイム

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気温が一気に下がった土曜日
レッド・タイヤで前日から大幅にタイムアップ

 ロード・アメリカでの2日目、午前10時過ぎからプラクティス2回目=45分間が行われた。空は今日も快晴。しかし、セッション開始時の気温は昨日のプラクティス1より12℃以上も低い19℃だった。
 レッド・フラッグは1回。ルーキー、しかも今回がインディーカー・デビューのコーディ・ウェアーがスピン、ストールしたためだった。
 最速ラップは誰もがセッション終盤にレッド・タイヤで記録していた。その中で最も速かったのは、2018年にこのコースでポール・ポジションから優勝しているジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)だった。
 昨日のプラクティス1に3番時計を出していた彼のベストは1分45秒3399で、ロマイン・グロジャン(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)が記録した昨日のトップ・タイムより2秒以上も速いものだった。セッション終了時でも気温は22℃までしか上がっておらず、この涼しいコンディションと、グリップの高いタイヤ、マシン・セッティング向上の相乗効果でタイムの大幅短縮がなされたのだった。