2019年7月20日土曜日

2019 INDYCARレポート R12 アイオワ300 Day1 予選:シモン・パジェノーがアイオワでもポールポジション



暑さも克服して2戦連続シーズン3回目のポールポジションを獲得したパジェノー。熾烈なチーム内の争いも制した Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
ショートオーバルでも強いパジェノー、連続PP

 トロントでポール・トゥ・ウィンを飾ったばかりのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)がアイオワのショート・トラック(全長0.875マイル=8分の7マイル)でもポール・ポジションを獲得した。気温が33℃、路面は52℃まで上がったが、彼の強さはフリー・プラクティス1と変わらなかった。

2019 INDYCARレポート R12 アイオワ300 Day1 プラクティス1:酷暑のプラクティス1、最速はジョセフ・ニューガーデン

猛暑の中始まったプラクティス1、ニューガーデン以下、ペンスキー勢が1-2-3に Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
アイオワ得意のニューガーデンが好発進

 午前10時で気温は31℃に達していた。湿度は65%、路面は42℃。ピットロードに立っているだけで汗が噴き出して来るコンディションで1時間のプラクティスが行われた。セッション中ずっと陽が照り続け、終了時の気温は32℃へと1℃だけだがアップし、路面は4℃上がった46℃になっていた。
 

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 最速ラップはポイントリーダー=ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)の17秒8961。38周を走ったうちの30周目にベストは記録された。ニューガーデンはアイオワが得意で、2014、2015年に2年連続で2位フィニッシュした後の16年に優勝(まだエド・カーペンター・レーシング所属)=3年連続で表彰台に上った。一昨年は予選16位から決勝6位。去年は予選2位/決勝4位と言う結果を残して来ている。

2019年7月15日月曜日

2019 INDYCARレポート R11 ホンダ・インディー・トロント Race Day 決勝:シモン・パジェノーが今シーズン3勝目


 
ポール・トゥー・フィニッシュで今シーズン3勝目を飾ったパジェノー。54ポイントを追加して、トップのニューガーデンに39ポイント差に迫る Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大

完璧にマシンを仕上げきったパジェノー

 今年のトロントは3日間の週末中、一度も雨に悩まされることはなかった。雷雲が訪れたのは予選終了直後で、インディカーの走行には何ら影響を及ぼすことはなかった。45分間のプラクティスが3回、3段階の予選、そして決勝日には30分間のウォームアップと、すべてが完全なるドライコンディションだった。トロントのコースはグリップが極めて低く、路面の材質が場所々々で異なる難しいキャラクターだが、今年のエントラントたちはマシンの仕上がりレベルを例年よりかなり高くできていたはずだ。そして、この長いプラクティス時間をフルに味方につけたのがシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)だった。


2019 INDYCARレポート R11 ホンダ・インディー・トロント Race Day ウォームアップ:フェリックス・ローゼンクヴィストが最速

ローゼンクヴィスト、ブラックタイヤでトップタイム!
 決勝日のトロントは朝から快晴。気温が26℃、路面温度が44~45℃という今週末で最も温度の高いコンディションとなった。
 出場22台は30分間のセッションでブラックとレッド、両方のタイヤをトライするところが多かった。そして、最速ラップとなる59秒9469を予選3位だったフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)が、ブラック・タイヤで記録した。27歳のスウェーデン出身ルーキーは、2列目イン側グリッドからキャリア初優勝を目指す。その準備は万端といったところだろう。

2019年7月14日日曜日

2019 INDYCARレポート R11 Day2 :佐藤琢磨とセバスチャン・ブルデイのいざこざ


 土曜日のプラクティス3終了後、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)とセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)がピット・ロード上で掴み合いになった。

 セッション終了間際にグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がクラッシュ。全車に1周の計測ラップが許されることになり、ピット・ロードからほぼすべてのマシンがコースへと出て行ったのだが、ピット・アウトからの1ラップだけでタイヤをできる限りウォーム・アップする必要があり、しかも前を行くマシンとの間に間隔も保たなければならない状況だった。ここでブルデイが琢磨を強引にパス。その行為を琢磨はアンフェアと考えたため、「どういうつもりなのか?」を尋ねに行った。そして、それはトラブルへと発展した。


2019 INDYCARレポート R11 ホンダ・インディー・トロント Day2 予選:シモン・パジェノーがポールポジション獲得



Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) クリックして拡大

喜ぶパジェノー「ファスト6は完璧な戦い方ができた」

 金曜日のプラクティス2、今日のプラクティス3で連続してトップ・タイムを記録していたシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)が、今週一番の暑さとなった予選でもマシンのパフォーマンスをフルに引き出し、ユーズド・レッドで58秒4293という目覚ましいラップを記録、ポール・ポジションを獲得した。PPは今年のインディ500以来で、今シーズン2回目、キャリア通算12回目だ。トロントでの自己ベスト・フィニッシュは昨年の2位。それを明日、塗り替えることができるか。
 「とてもいいアタック・ラップをファイナル・ステージで実現できた。今朝の時点で自分のベストは58.3秒か58.5秒と予想していて、ちょうどその間になった。今週末、僕らのマシンはずっと調子がいい。だた、ピットの位置が後方なので、予選を戦うのは難しい。スペースを取って、タイヤを十分に温めるのがQ1、Q2では大変だった。しかし、ファイアストン・ファスト6では完璧な戦い方ができた。タイヤも十分な温度まで持って行けたので、走っていてとても楽しかった。マシンから全てを引き出せたと思う。自分の期待通りの結果を手にできた今回のような時、本当に大きな喜びを得られる」とパジェノーは話した。

2019 INDYCARレポート R11 ホンダ・インディー・トロント Day2 プラクティス3:シモン・パジェノーがプラクティス3でも最速

「マシンが素晴らしく、走るのが楽しい!」という前日のコメントどおりの走りで、2日目午前のプラクティスでもパジェノーがトップに立った Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) クリックして拡大  
パジェノー、ブラックタイヤで昨日のベストラップを更新
 

 金曜のプラクティス2でトップ・タイム=59秒8708をレッド・タイヤでマークしたシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)が、暖かくなった土曜日午前中のプラクティス3で59秒3651のベストを”ブラック・タイヤで”出した。19周を走ったうちの4周目でそれは記録された。

2019 INDYCARレポート R11 ホンダ・インディー・トロント Day1 :プラクティス初日のトップ2と、アレクサンダー・ロッシのコメント

Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher)
 トロントでの金曜日には、45分間のプラクティスが2回行われた。プラクティス2でのトップはシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)だった。彼はプラクティス1も5番手と非常に好調だ。今シーズン3勝目をここで挙げれば二度目のタイトルも見えて来る。

 初日に2番手につけたのはルーキーのフェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)。彼はプラクティス1でも3番手と、ある意味ではパジェノー以上に順調。先輩チームメイトで5度のタイトル獲得歴を誇るスコット・ディクソンもプラクティス1=トップ、プラクティス2=5番手と高い安定感を見せている。「1勝以上するのが目標」と今シーズン開幕前に語っていたローゼンクヴィスト。今週末は大きなチャンスだ。

 ポイントスタンディング2番手につけるアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)は、プラクティス1では4番手につけたものの、プラクティス2ではアクシデントもあって結果は14番手だった。ポイント・リーダーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)はプラクティス1で2番手につけ、プラクティス2も8番手と相変わらず手堅い。初タイトルに意欲を燃やすロッシがトロントでの予選、決勝でどのような闘いぶりを見せるのか、おおいに楽しみだ。
 以下は上記3人の金曜日のコメントだ。

2019 INDYCARレポート R11 ホンダ・インディー・トロント Day2 予選:シモン・パジェノーがポールポジション獲得

PP獲得を喜ぶパジェノー「ファスト6は完璧な戦い方ができた」

 金曜日のプラクティス2、今日のプラクティス3で連続してトップ・タイムを記録していたシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)が、今週一番の暑さとなった予選でもマシンのパフォーマンスをフルに引き出し、ユーズド・レッドで58秒4293という目覚ましいラップを記録、ポール・ポジションを獲得した。PPは今年のインディ500以来で、今シーズン2回目、キャリア通算12回目だ。トロントでの自己ベスト・フィニッシュは昨年の2位。それを明日、塗り替えることができるか。
 「とてもいいアタック・ラップをファイナル・ステージで実現できた。今朝の時点で自分のベストは58.3秒か58.5秒と予想していて、ちょうどその間になった。今週末、僕らのマシンはずっと調子がいい。だた、ピットの位置が後方なので、予選を戦うのは難しい。スペースを取って、タイヤを十分に温めるのがQ1、Q2では大変だった。しかし、ファイアストン・ファスト6では完璧な戦い方ができた。タイヤも十分な温度まで持って行けたので、走っていてとても楽しかった。マシンから全てを引き出せたと思う。自分の期待通りの結果を手にできた今回のような時、本当に大きな喜びを得られる」とパジェノーは話した。

チップ・ガナッシ勢が予選2-3位に

 予選2位はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)。パジェノーのベストとの間には0.1655秒の差があった。ディクソンはファイアストン・ファスト6での最後のアタック・ラップを始めるところでスピン。あと1周を走ることができなかった。「アレがなければPPだった……というのは冗談」と予選後にディクソンは笑い、「今週ずっとパジェノーは速いし、PP獲得おめでとう、と言いたい。自分はは予選2位でもフロント・ロウ・スタートが切れるんだからハッピーだ。マシンは非常に良い。ブラックででもレッドでも安定している。チームメイトのフェリックス・ローゼンクヴィストも速い」とコメントした。
 予選3位はローゼンクヴィスト。ルーキーながらインディカーGPですでに初PPを獲得している彼は、これがキャリア3回目の予選トップ3入りとなった。最初の予選トップ3は開幕戦セント・ピーターズバーグでの3位だった。

4位のロッシ「ターン6が今週ずっと自分たちの課題」
Q2最速だったニューガーデン、ファスト6では最下位に
 

 予選4位はアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)。本人の目指す仕上がりにマシンがあと一歩届かないようで、「ターン6で壁にヒットした。あのコーナーが今週はずっと自分たちにとっての課題になっている。あの接触がなければ予選3位にはなれていたかもしれない。パジェノーは今週ずっと速く、今日の彼には敵わなかった。ミスをしたが、失ったポジションはひとつだけで済んだ。考えていたよりもダメージは小さくて済んだ」とコメントした。

 予選5位はジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)で、予選6位はエド・ジョーンズ(エド・カーペンター・レーシング)だった。ニューガーデンはQ2で今週の最速となる58秒4129をマークしたが、トップ6ではブービー賞に甘んじた。そしてジョーンズだが、彼はQ1のグループ2を58秒6011のベストでトップ通過し、Q2でも58秒5360で4番手につける好パフォーマンスを見せた。チームメイトのスペンサー・ピゴットもQ2に進出し、予選9位。エド・カーペンター・レーシングはロードコース、ストリートコースで今シーズン大きくパフォーマンス・アップを果たしている。

佐藤琢磨はファスト6進出はならず予選10位に
「明日はライバルをパスして行ける力強いマシンを手にしたい」


 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)はQ1のグループ1で5位となり、Q2に駒を進めた。ブラック・タイヤで走り出し、3番手につける1分00秒0312をマーク。レッド・タイヤにスイッチしたが、ピットでのスピード違反をしたためにドライヴ・スルーのペナルティを課せられた。それによりレッドのアタック・ラップが1周減ることになったが、彼にとってのファイナル・ラップだった8周目に59秒2877をマークし、マックス・チルトン(カーリン)をバンプ・アウト、Q2進出を果たした。
 琢磨はQ2をレッド・タイヤ2セット連続投入で戦い、2セット目で自己ベストを58秒9110にまで縮めた。しかし、ファイナル進出へのボーダー・ラインは58秒6305(ロッシ)で、琢磨の明日のスターティング・グリッドは10番手と決まった。
 「ファイナルに進めなかったのは残念。しかし、今日の僕らはそのレヴェルに達していなかった。プラクティス2で問題があった(壁にヒット)し、トップ10入りできてホッとしているという面もある。そして、僕らはまだ決勝に向けてマシンをさらに良くするべく懸命の仕事をしなくてはならない。このコースではいつもエキサイティングで予測のつかないレースが展開されて来ている。明日はライバルたちをパスして行けるだけの力強いマシンを手にしたい。そして、作戦もベストなもので戦えることを望みたい。まだ明日、ウォーム・アップ・セッションがあるので」と琢磨は話した。

 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)はプラクティス3で苦闘していたとはいえ、Q1で敗退したのは驚きだった。彼の予選結果は15位。
 地元期待のジェイムズ・ヒンチクリフ(アロー・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)も同様で、Q2進出を逃して予選14位だった。
以上