2018年10月22日月曜日

2018 INDYCAR レポート 10月22日:アロンソの2019シーズンフル出場はなし! インディーで6台が来年に向けたテスト実施

来シーズン、マクラーレンはインディーカー・フル参戦を断念したが、アロンソの参戦の可能性は残る Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
アロンソのインディーカー・スポット参戦の可能性はアリ

 「マクラーレンが2019年のインディーカー・シリーズにフル・シーズン・エントリーすることはない」とチーム代表のザック・ブラウンがF1アメリカGP開催中に発表した。アンドレッティ・オートスポート(AA)、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング、エド・カーペンター・レーシングと交渉、実現を目指して来たが、彼らはその前にF1での苦境から脱出することにフォーカスする。
 しかし、「2019年のF1グランプリには出場しない」ことを明らかにしているワールド・チャンピオンのフェルナンド・アロンソが、2019年のインディー500にスポット参戦する可能性は依然として残されている。「今年のル・マン24時間レース優勝でトリプル・クラウンに王手をかけたのだから、インディーは出たい」とアロンソ自身も乗り気だ。しかし、「2019年に出場できるか、それ以降になるのかはまだわからない。優先順位の高い検討事項であることは確か」と彼は述べている。

出場チームはアンドレッティ? ハーディングの可能性も
 アロンソが走るチームは、2017年のインディーを一緒に戦ったアンドレッティ・オートスポートとなる可能性が最も高い。しかし、ホンダ・エンジンを使う彼らのチーム本家からではなく、2018年最終戦を前にAAが支配下に収めたハーディング・レーシング(=オフに入ってからハーディング・スタインブレナー・レーシングへ進化)からエントリーし、シボレー・エンジンで走ることになることも考えられる。




インディアナポリス絵のテストに参加したディクソン、ロッシ。後方は佐藤琢磨のマシンでテストに臨んだレイホール Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大

 インディアナポリスで6台による2019年向けタイヤ&空力テスト
 インディアナポリス・モーター・スピードウェイにおいて、インディーカーが選んだ6エントリーがタイヤと空力のテストを行った。
 選ばれた6エントリーとは、2008年インディー500ウィナーで今年5度目のシリーズ・チャンピオンになったばかりのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、2013年ウィナーで2004年チャンピオンのトニー・カナーン(AJ・フォイト・エンタープライゼス)、2016年ウィナーのアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、2018年ウィナーで2014年チャンピオンのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、三度のインディー500ポール・ポジション獲得歴を誇るエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)、そして、4年連続年間ランキング・トップ10入りのグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。彼らは好天の下、全長2.5マイルのスーパー・スピードウェイで来年用のファイアストン・タイヤ装着での走行を重ねた。レイホールのブリックヤードでの実績が他に対して見劣りする印象だが、ホンダとシボレーのエントリー数を共に「3」にするのが第一の理由。そして、彼は2017年ウィナーの佐藤琢磨のチームメイトなので、代役として選ばれたのだろう。彼は実際、琢磨のマシンで周回した。

ユニバーサル・エアロでの見ごたえあるバトル実現のため
タイヤの側からも模索
午後には空力パーツのテストも

 今年のインディー500は新しいエアロ・パッケージ=ユニバーサル・エアロ・キットを使った初年度とあって、オーバーテイクが非常に少なかった。ハッキリ言えば、”つまらないレースだった”ということ。ウィナーのパワーにケチをつける気はないが……。その点はインディーカーも重々承知しているので、よりエキサイティングかつスリリングで、エンターテインメント性の高いレースを実現するためのテストが開催された。
 午前中に新しいスペックのタイヤを全車がテストし、午後には小さな空力パーツなどのテストが行われた。

 
琢磨のマシンを持ち込んだレイホール Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大

 インディーカーは空力ルールをモディファイしてグリップ・レベルを調整し、各チームにセッティングの幅を与えることを目指している。また、タイヤにも変更を施すことで、見応えあるバトルが可能な状況を作り出そうとしているのだ。
 今回のテストを走ったドライバーたちは皆、特にタイヤのグリップ力アップによってレーサビリティが向上しそうな雰囲気が感じられたとコメントしている。ただ、今回のテストは10月中旬で、気温は日中の最高でも13℃までしか上がらなかった。5月末のインディー500決勝は30℃超の暑さとなることも少なくなく、今回のテストで見られた効果がどこまで再現されるかは未知数だ。それでも、ゲインのあったものはインディー月間にも必ず何らかのメリットはもたらすはず。第103回インディー500が、よりバトルの激しいレースとなることを期待したい。
以上

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