2022年3月20日日曜日

2022 INDYCARレポート R2 XPEL375 Day1 予選:テキサスのポール・ポジションはフェリックス・ローゼンクヴィストの手に

 

プラクティスから好調のローゼンクヴィストがポールポジション獲得! 開幕戦の不振を挽回する第2戦の予選結果にマクラーレンチームの士気も上がる Photo:Penske entertainment クリックして拡大

ローゼンクヴィスト、予選前半終了時点でトップ!

 雲ひとつない青空の下、2022年NTTインディーカー・シリーズ第2戦の予選がテキサス・モーター・スピードウェイで開催された。気温は朝のプラクティス1終了時点と同じ21℃だったが、照りつける日差しによって路面温度はプラクティス終了時の18℃から34℃にまで跳ね上がっていた。
 27台がランキングの逆の順番で2周ずつのアタックを敢行した。エントリーの半分を越す14人が走った時点でトップはフェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレンSP)の221.110mphだった。インディー500で4勝のエリオ・カストロネヴェス(メイヤー・シャンク・レーシング)が220.489mphで2番手。ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)は220.758mphで3番手につけいたが、最終的順位は7位となった。朝のプラクティス1で最速だったシモン・パジェノー(メイヤー・シャンク・レーシング)は220.338mphでP5(最終的には15位)だった。

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佐藤琢磨、18番目アタックで暫定2位に!

 昨年のレース2ウィナー、パト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)は16番目の出走。しかし、チームメイトを上回ることができない220.579mphでP4。
 18番目にアタックしたのは佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)。2019年にテキサスでPPを獲得している彼はアタック1周目が221.216mphと速く、2周目も220.973mphとダウンを小さく抑えた。トップには届かなかったが、22.094mphで2番手につけた。
 この後、ローゼンクヴィストと琢磨のトップ2にスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)が挑んだが、この中でのベストはパワーの221.016mph=P3だった。


ラストアタッカーのマクロクリン、琢磨のタイムを上回り2位に

プラクティスで5番手と好調だった開幕戦ウイナー、マクロクリンは予選の最後で2位に食い込む Photo:Penske entertainment クリックして拡大

  そして、最後にコース・インしたのが開幕戦ウィナーのマクロクリン。セイント・ピーターズバーグのストリート・コースでPPからキャリア初優勝を飾った彼は、1ラップ目に221.166mph、2ラップ目に221.027mphを記録。今日の予選で唯一2ラップ両方を221mph台に乗せたが、0.003秒という僅差で2位。ローゼンクヴィストが2019年のインディーカー・グラン・プリ(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ)以来となるキャリア2個目、オーヴァルでは初のPP獲得を成し遂げた。

 ニューガーデンは7位。8位はリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)。ハータが9位で、オーワードが10位だった。トップ10にシヴォレー軍団は6台が入り、優勢だった。ホンダ勢はパロウが11位、アレクサンダー・ロッシ(チップ・ガナッシ・レーシング)が12位、ロマイン・グロジャン(アンドレッティ・オートスポート)が13位、マーカス・エリクソン
(チップ・ガナッシ・レーシング)が14位、パジェノーが15位でトップ10入りに届かなかった。
 元NASCARチャンピオンのジミー・ジョンソン(チップ・ガナッシ・レーシング)はキャリア・ベストの予選結果=21位を上回る予選18位だった。

「とても良い2ラップにできた」と喜ぶローゼンクヴィスト
「クルーたちも自信を取り戻すことができたはずだ」


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 PPを獲得したローゼンクヴィストは、「自分がトップ・タイムを出してから最後のドライヴァーが走るまで随分と時間があった。あの待たされている時間はちょっとした拷問のようだった。自分としてはとても良い2ラップにできたと感じていた。朝のプラクティスの時点からマシンのセッティングは良いレヴェルに持って来れていたので、予選に向けても大きくバランスを変更する必要はなかった。1ラップ目は少しオーヴァーステア、2ラップ目は少しアンダーステアだった。しかし、オーヴァルでの予選は常に2ラップとも完璧というわけには行かない。アロウ・マクラーレンSPにとっても、ベストのタイミングでPP獲得を果たせたと思う。開幕戦セイント・ピーターズバーグでの僕らのパフォーマンスは残念なものとなっていたので、そこからクルーたちも自信を取り戻すことができたはずだ。レースでも僕らは競争力があると思う。そうなる保証はできないが、いまのマシンはハンドリングがセンシティヴでもなく、ドライヴァーが自信を持って操れるものになっている。もちろん、オーヴァル・レースでは戦う相手が常に自分の中にいる。”ダウンフォースを削って行く?”、”コクピットのツールをいま使うべき?”、”ハンドリングはもっとフリーにさせた方がいい?”などと常に自分自身と議論を行う。精神的な戦いが延々と続く。冷静さを保って戦い、考え過ぎない。年々そうすることができるようになってきているので、明日もそうした戦い方で良い結果を得られるよう頑張りたい」と語った。


マクロクリン「路面温度の変化にうまく対応できた」
「シヴォレーの戦闘力が高いことを期待している」


 惜しくも2戦連続のPP獲得を逃したマクロクリンは、「スポンサーのXPELの地元レースでロント・ロウというとても良い結果が得られた。路面温度の違いにうまく対応できた。2ラップ目はターン1、2で少しタイヤをこじってしまった。それがなければPPが獲れたかもしれない」とコメントした。彼はウォーム・アップ・ラップで220mphが出ていた。2ラップとも221mph台に乗せてきたのはマクロクリンだけだったが、ウォーム・アップを少し抑えていたらPPを手に入れることができていたかもしれない。参考までに2人のウォーム・アップ・ラップと比べてみる。ローゼンクヴィストのそれは216.732mphと3.359mphも遅く、予選3位となった琢磨のウォーム・アップは218.887mphだった。
 「開幕戦のポール・トゥ・ウィンで自分たちは大きな勢いを得た。勢いはタイトル獲得に絶対必要なものだ。テキサスに向けてテストを行い、マシンのセッティングが良いと自信を持っていた。予選で上位につけられたことは自分たちにとって大きな意味があるし、明日のレースでも勢いを保てるだけの結果を残したい。シヴォレーの戦闘力がレースでも高いことを期待している」とマクロクリンは語った。超高速オーヴァルでの予選でもシヴォレーはフロント・ロウ独占を果たした。


ホンダ勢トップとなった佐藤琢磨
「安定したタイムの2周にまとめることができました」


予選前半で2位につけホンダ勢最速だったカストロネヴェスと、そのタイムを更新した佐藤琢磨 Photo:Penske entertainment クリックして拡大

  琢磨は走行直後、「プラクティスでは単独で走れる機会が少ない。トウが効いちゃうから、自分たちのセッティングがどこまで良いのかどうか、本当のところがわかりづらい。でも、密かに“こことここを変えればこれぐらいスピードが上がるだろう”というのはわかっていました。フェリックスのタイムを見た時には、“ちょっと届かないかな”と思った。それでも、安定したタイムの2周にまとめ上げることができて、エリオ(・カストロネヴェス)の前に出れたのは大きかったですね」と琢磨は語った。”トップ10に入りたい”とプラクティス直後に言っていたが、予選はホンダ勢でトップの3位でクリア。チップ・ガナッシ・レーシング、アンドレッティ・オートスポートというビッグ・チームを上回る結果を得るというレースがが楽しみになるパフォーマンスだった。
以上

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