2022年8月21日日曜日

2022 INDYCAR レポート R15 ボマリト・オートモーティヴ・グループ Race Day ファイナル・プラクティス:グレアム・レイホールがトップ・タイム

自動車業界向けのデジタル車両プレゼンテーションおよび配送ソリューション企業のiPacketのカラースキームのレイホール。予選での失敗を取り戻し、ファイナルプラクティスでトップにPhoto:Penske Entertainment (Chris Owens) クリックして拡大

予選17位だったレイホールがセッション終盤トップタイム!

 予選後に行われたファイナル・プラクティスではグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が最速だった。セッション終盤に彼の出したベストは25秒3196=平均時速177.728mphで、それまでトップにいた予選6位のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)を2番手へと押し下げた。

プラクティスではよかったマシンの状態が、予選でいきなりおかしくなり、頭をかしげていたレイホールだったが…… Photo:Penske Entertainment (James Black)クリックして拡大

 レイホールの予選順位は17位と良くなかった。2ラップ平均はポール・ポジションのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が182mphの後半だったのに対し、178.657mphだった。「全然スピードが出なかったことに正直驚いている。プラクティスでは楽々25秒台を出せていたが、それと同じ状況を予選での自分たちは作り出せていなかった……というか、プラクティスの状態よりまったく悪くなっていた。セッティングを変更せず、タイヤを換えていっただけだったのに、ターン3、4でのグリップがプラクティスの時の60パーセントぐらいに落ちている印象だった。原因を突き止めないと。自分たちのレース・ペースは良いものが確保できているはずなので」と予選後の彼は語っていた。ファイナル・プラクティスで何か解決策が見つかったのだろうか?
 チームメイトたちはジャック・ハーヴィーが18番手、ルーキーのクリスチャン・ルンドガールドが20番手と芳しくなかったが……。


マルーカス、3番手タイムをマーク!

 ルーキーのデイヴィッド・マルーカス(デイル・コイン・レーシング・ウィズHMD)が3番手となる176.724mphをマークした。彼を含め、上位に並んだドライヴァーたちの出したタイムは新品か、それに近いタイヤを装着して、気温、路面温度ともに低くなったコンディションで記録されたもののため、レースが暑くなった場合に同じようなパフォーマンスを得られるのかどうかはわからない。レースが涼し目のコンディションになる可能性も考えられるが……。

レースでのサイド・バイ・サイドを実現するための
“セカンド・レーン・プラクティス”も実施


 ファイナル・プラクティスの前には3分間の“セカンド・レーン・プラクティス”が設定された。9台のマシンが2本目の走行ラインを作り出すべく周回を重ねたのだ。走ったのはアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、パワー、コナー・デイリー(エド・カーペンター・レーシング)、シモン・パジェノー(メイヤー・シャンク・レーシング)、佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)、カルーム・アイロット(フンコス・ホリンジャー・レーシング)、ジャック・ハーヴィー(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、フェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレンSP)だった。9人がトータル439周を走った。これでサイド・バイ・サイドのレースが実現すればいいのだが……。レース前に雨が降らないことを祈りいたい(レース中も)。

佐藤琢磨は好調を維持してファイナル・プラクティス6番手

Photo:Penske Entertainment (James Black)クリックして拡大

 ファイナル・プラクティスでの4番手以下は、ロマイン・グロジャン(アンドレッティ・オートスポート)=176.546mph、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)=176.415mph、マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)=176.301mph、佐藤琢磨=176.264mph、ロッシ=176.114mph、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)=175.652mph、デヴリン・デフランチェスコ(アンドレッティ・スタインブレナー・オートスポート)。コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)は11番手で、パト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)は12番手。予選4位だったスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)は16番手、PPのパワーは17番手だった。
 ゲイトウェイではエド・カーペンター・レーシングが苦闘を強いられている。オーヴァルを得意としているはずの彼らだが、今回の予選ではデイリーの16位がチームの最上位で、リナス・ヴィーケイは23位、エド・カーペンターは25位だった(26位のローゼンクヴィストはアクシデントで計測タイムなし)。ファイナル・プラクティスでの彼らはデイリーが21番手がベストで、ヴィーケイが25番手、エド・カーペンターが再開の26番手と更に厳しい状況となっていた。

セカンド・レーン・プラクティスも有効活用した佐藤琢磨
「マシンの仕上がりはいいと感じていますが、今回もすごい僅差。
ペンスキーだけ飛び抜けていますが、そこ割り込んでいく戦いをしたいです」

Photo:Penske Entertainment クリックして拡大

 琢磨はレース前の走行をすべて終えて以下のように語った。
 「9人だけが走ったセッションは、自分たちとしては少しでも有効活用したかったので、バージ・ボードを初めて付けて走ってみたり……などをやっていました。バージ・ボードをつけると、同じダウンフォース・レヴェルにするためにはフロント・ウィングを4ターンぐらい下げます。かなりアンダー・フロアの使い方が変わって来るということです。スーパー・スピードウェイだと50パウンドぐらいダウンフォースが増えるのだけれど、ここだとほとんど変わらないんですよね。その分、フロント・ウィング自体でCOP(Center of Pressure)を維持するのではなくて、フロアの前面方向と、フロント・ウィング部の空気の流れが良くなるので、多少トラフィックに入った時にセオリー上は、フロント・ウィングに頼る度合いが落ちるので、多少ウォッシュ・アウトしないで近づけるかな……と。でも、それって1車身も変わらないですよね。半車身ぐらい。スーパー・スピードウェイでは優れた効果ですけど、ここだと……。バージ・ボードは予選でも付けている組と、そうでない組に分かれていました。チーム・ペンスキーは付けていなくて、今のプラクティスでは付けていました。チップ・ガナッシ・レーシングは予選でも付けていました。そこは考え方の違いですね、装着したことで抵抗になるわけでもないようなので。装着したらせめてダウンフォースが増えるっていうアイテムにして欲しかったですよね。
 ファイナル・プラクティスを走っての自分たちのマシンに対する評価は、仕上がり具合が良いと感じていますが、今回もチーム間のパフォーマンスがすごい僅差になっているので……トップ10には確実に入れているので、悪くはないと感じていますけれどね。このセッションで僕らはユーズド・タイヤしか使ってませんでしたし、暑い間はずっとトップでした。セッションの最後の方になって気温とかが下がってきたので何台もに前に行かれましたけど、実質的にはトップ5にいたでしょう? それなら悪くないですよね。
 ただ、チーム・ペンスキーだけが飛び抜けている印象がありますね。聞いた話ですが、サスペンションのジオメトリーで特殊なことをやっているらしい。左のリヤがロング、左フロントはショート・ホイールベース……だか何だかヘンなことをやっているらしいんですよ。彼らの中に割って入って行く戦いをレースではしたいですけどね」。
以上

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