2022年10月10日月曜日

2022 INDYCAR ニュース 10月9日:2023年のレースとテストのカレンダー発表

全17戦で今シーズンをほぼ踏襲したスケジュール
開幕は3月のセント・ピーターズバーグ

 先月末、NTTインディーカー・シリーズの2023年スケジュールが以下の通りと発表された。

1 3月5日 セイント・ピーターズバーグ  (ストリート)
2 4月2日 テキサス・モーター・スピードウェイ(1.5マイル・オーヴァル)
3 4月16日 ロング・ビーチ(ストリート)
4 4月30日 バーバー・モータースポーツ・パーク(ロードコース)
5 5月13日 インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(ロードコース)
6 5月28日 第107回インディアナポリス500(2.5マイル・オーヴァル)
7 6月4日 デトロイト(ストリート)
8 6月18 ロード・アメリカ(ロードコース)
9 7月2日 ミッド・オハイオ・スポーツ・カー・コース(ロードコース)
10 7月16日 トロント(ストリート)
11 7月22日 アイオワ・レースウェイ 1(0.875マイル・オーヴァル)
12 7月23日 アイオワ・スピードウェイ 2(0.875マイル・オーヴァル)
13 8月6日 ナッシュヴィル(ストリート)
14 8月12日 インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(ロードコース)
15 8月27日 ワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイ(1.25マイル・オーヴァル)
16 9月3日 ポートランド・インターナショナル・レースウェイ(ロードコース)
17 9月10日 ウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカ(ロードコース)

 2022年と同じスケジュールと言っていい。レース数も変わらない。ロジャー・ペンスキーの新体制となっても大胆なテコ入れ、急激な刷新は難しいようだ。



人口が多い東海岸エリアの開催はなし
国外開催もトロントの1戦のみ。待たれる中南米での開催

 東海岸の人口の多いエリア=ニュー・ヨーク、ボストン、ワシントンDC界隈でのレースは相変わらず存在しない。ナッシュヴィルの成功に学んで欲しいところだ。
 アメリカン・フットボールのシーズンが始まった頃には最終戦……という弱気ぶりが保たれている点も良くない。これではオフ・シーズンは長いままで、ファンの気持ちを繋ぎ止めておくのが難しい。せめて10月いっぱいぐらいまでシーズンを伸ばせないものか。開幕戦が3月第1週で第2戦がその1カ月後というのも間延びがし過ぎ。結局、少なくともあと3レースは増やすのが理想的ということなのだろう。新体制でもこの考え方は主流となっているようで、近い将来にレース数も、開催地も改善されることが期待されている。
 海外開催もカナダのトロントにおける1戦のみで、2023年に関しては変化がない。パト・オーワードが活躍している今こそメキシコ戦を復活させるチャンスだというのに。セイント・ピートとテキサスの間に中南米で1、2戦を行えないものなのか。メキシコと同様で、ブラジルやアルゼンチンはアメリカとの時差がないのでテレビ放映の時間も問題にならないし、そもそもラティーノたちの間でモータースポーツ人気は元々高く、インディーカーもフォロワーは多いのだから、遠征復活は検討すべきだろう。そういう意味でフンコス・ホリンジャー・レーシングが11月にアルゼンチンでエキジビジョン・ランを開催予定! というのはグッド・ニュースだ。


ベルアイルから市街地へとコースを移すデトロイト戦に注目

 2023年カレンダーで良くなっている点は、ペンスキーがプロモーターのミシガン州デトロイトでのレースが、1992年から続いてきたベル・アイル開催(2002〜2006はレースなし)を止め、1991年以来のダウンタウン開催に戻る点(コースは新しいレイアウトになる)。ペンスキーはまずは自らのイヴェントから改善を進めている、ということなのだ。あの公園のコース自体は悪くなかったが、リモート・パーキングからバスを使ってしかアクセスできないこともあってファンの集まりは悪く、フェスティヴァル感が薄かった。やっぱりストリート・レースは本当の街中でやるのがベストだ。
 オーヴァル・レースの占める比率が、2023年も低いままである点は気になる。ウィンドウ・スクリーン装備で安全性も大幅に高まったことだし、オーヴァル・レースはもっと増えるべきだと私個人は考えている。テキサスが落ちなかったことで2023年もオーヴァルはトータル5戦。アイオワは2023年もダブルヘダーだ。ミルウォーキー、ミシガン、ポコノ、ニュー・ハンプシャーなどの復活が望まれる。ただ、ミルウォーキーとミシガンに関してはミッド・ウェストでの開催がまた増えてしまうことにも繋がってしまうワケだが。


来年もインディー500のダブルポイントは継続
シーズン2回開催のアイオワとインディーのロードとの整合性は?

 インディアナポリス500は2023年もダブル・ポイント。これは撤廃して欲しい。すでに得られる栄誉は絶大なのだし、ポイントを倍にする必要はないと思うからだ。1レースで得られるのは1レース分のポイントであるべきだろう。最終戦がダブル・ポイントという安っぽいクイズ番組みたいなルールはなくなったが、インディにだけ残ってしまっている。
 ダブルヘダーも良し悪しだ。1週末に2レース見ることができるとファンは大歓迎かもしれないが、2日連続のレースだと、仕上がりの良いチーム=大量ポイント獲得のチャンスvs.セッティングで悩んだチーム=チャンピオンシップ・ポイントでおおいに不利という事態を招く。そもそも、1レース戦うとどのチームのマシンが良くなり、2レース目は順位変動の少ない”退屈な展開”になるケースも少なくない。
 インディアナポリスのロードコースで5月と8月の2回レースを開催する必要もないと思う。“季節が違うからレース・コンディションは異なるものになる”というのは確かに事実で、ダブルヘダーよりはマシ。しかし、1シーズンに2レースが行われるアイオワとインディアナポリス/ロードコースではインディ500とほぼ同じポイントが稼げるという事実をどう受け止めるべきかで悩む。いまのままインディのダブル・ポイントを廃止すると、これら2コースの方がシリーズ・ポイント的に重要になってしまうから、インディはポイント倍付けのままにしとくべきなのか。ということで、解決策としてアイオワは1レースのみに変え、インディアナポリス/ロードコースも年間1戦にすることを提案したい。そもそも、インディアナポリス/ロードコースでの8月のレース=NASCARとのジョイント開催は、コロナ禍での苦肉の策で生まれたもので、もうヤメにしてよい。100年以上の歴史を持つインディーカーの聖地インディアナポリス・モーター・スピードウェイにおいて、インディーカーの半分ほどの歴史しかないストック・カーに大きな顔をさせる=大きなメリットを享受させる=必要はない。日曜日にレースを行うのがストック・カーの方という点も、インディーカーが前座扱いとも取れるのでイメージ戦略として良くない。


プレシーズンテストは2月

 2023年のオープン・テストの日程も発表になった。そちらは以下の通り。各チームに許されるシーズン前のプライヴェイト・テストは1日、シーズン中は2日となるようだ。テストを減らすなら、各イヴェントでの走行セッションを増やすか、走行時間を増やすことを検討して欲しい。

2月2、3日 プレ・シーズン・テスト(開催サーキット未発表)
4月20、21日 インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(オーヴァル)
       ルーキー・オリエンテイション・プログラム含む
9月7日 ウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカ(最終戦直前の木曜日)

以上
 

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