2017年7月10日月曜日

2017 INDYCARレポート 第11戦アイオワ・コーン300 Race Day 決勝:アイオワ・ウィナーはエリオ・カストロネヴェス

268周目にヒルデブランドが一瞬周回遅れに詰まったタイムんぐを見逃さずトップに立ち、3年ぶり待望の勝利! Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大

ついに通算30勝達成!3年前のデトロイト以来の勝利!
 もう勝てないんじゃないか……と言われ続けて来ていたエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)が、2014年6月のデトロイト以来となる優勝を飾った。酷暑下で行われたアイオワ・コーン300は体力的にも厳しいものだったが、42歳のベテランがエネルギッシュな走りでライバルたちを圧倒し、通算30勝目のチェッカード・フラッグを受けた。



久々のスパイダーマン!念願のシリーズチャンピオン獲得に向けても大きな勝利だ Photo:INDYCAR (Chris Jones)
カストロネヴェス、インディーカー現役継続のための意義ある勝利
来年はペンスキーがホンダと組んでIMSAウェザーテック・シリーズにデイトナ・プロトタイプ・インターナショナルで参戦するという噂があり、カストロネヴェスはファン・パブロ・モントーヤとともにそのドライバー候補だとも言われているのだが、今日の優勝でオープンホイールからの引退話は棚上げになるかもしれない。



「ついに勝った!」クルーと喜びを分かち合う Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 今シーズン、さらに優勝を重ねることにでもなれば、現役継続は十分に有り得る。チャンピオンシップ獲得(初の!)の場合も、同じく彼のインディーカー・キャリアは延長されることとなるはずだ。

高い気温のなかで、抜きつ抜かれつの激しい展開に
 全長0.894マイルのショートオーバルでのレースは、夕方の5時前にスタート。気温は33℃もあり、オーバーテイクのあまり見られない退屈なレースになってしまう不安があった。しかし、そんな心配は完全に吹き飛ばされた。レースはスタートからゴールまで、スリリングなオーバーテイクの多いエキサイティングなバトルに満ちていた。もちろん、ナイトレースでの方がより激しい順位変動があっただろう。そちらの方が見ていておもしろかったかもしれない。しかし、政治的、あるいは経済的な事情でアイオワ・スピードウェイでのインディーカー・レースは昨年から日曜日の夕方開催に変わっている。昨日の夕方のプラクティス・ファイナルの後には多くのドライバーたちが、「オーバーテイクはかなり難しい」と口を揃えていた。そして、決勝日が迎えられると、予選やプラクティス・ファイナルより気温が高いコンディションでの戦いになることが明らかになった。これは大丈夫か……? と思われたが、その意に反してコースのあちこちでサイド・バイ・サイドの戦い、抜きつ抜かれつのファイトが見られたのだった。

カストロネヴェス、自信に満ちた走りでレースをコントロール


表彰台の頂点でピザを食べるカストロネヴェスを見守るヒルデブランドとハンター-レイ Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 一番頑張っていたのは、やはり優勝したカストロネヴェスだ。レースを通してトップ争いを行い続けたのは彼だけだった。序盤はポール・ポジションからスタートしたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)と戦い、その後は予選2位だったJR・ヒルデブランド(エド・カーペンター・レーシング)との勝負となった。もうレースが終盤を迎えてから、JRが早めにピットする作戦で前に出たが、エリオは慌てることなく、自信に満ちた走りで相手との差を詰め、フレッシュ・タイヤの高いグリップを味方にトップを奪還。その先もまったく危なげのない走りを続けてゴールへと飛び込んだ。

積極的に勝ちに行ったヒルデブランド
 

246周目、ヒルデブランドはこのレース最後のピットストップをアンダーグリーンで真っ先に決断し、勝利への意欲をむき出しに戦った Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 ロングヘアに頰髭でワイルドなルックスに変貌している”JR”は、フェニックスでの3位がフロックでなかったことを証明する堂々たる走りをアイオワ・スピードウェイで見せ続けた。中でもカストロネヴェスをパスした97周目の走りは切れ味鋭いものだった。ロードコースではまだ高いパフォーマンスを発揮し切れずにいるJRだが、オーバルでの走りっぷりは今やトップ・レベルにある。こうなると復活開催の第15戦ゲートウェイ(全長1.25マイルの非対称オーバル)が楽しみだ。

ハンター-レイ、予選15位からホンダトップとなる3位!
佐藤琢磨はハンドリングに苦しみ2ラップダウンに

 

アンドレッティ軍団が苦戦する中、ハンター-レイだけが快走! 終盤もその勢いは衰えず表彰台を獲得 Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)の長身コンビの走りも光っていた。ハンター-レイは予選15位から表彰台に上る3位フィニッシュ。レイホールは予選10位から5位でのゴールを果たした。どちらもファイターぶりでファンを魅了していた。
 佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)は予選5位。上位を保ってゴールまで戦いたいところだったが、第1スティント中頃に苦戦が始まった。ミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)にパスを許した後、ハンドリングが悪化して順位を守り通すことが不可能となり、ピット・ストップでフロント・ウィングを寝かせて行くセッティング変更を施すも、ハンドリングはなかなか好転して行かなかった。その上、2回目のピット・ストップで装着した右リヤのタイヤ、もしくはホイールに不具合があったのか空気圧が上がらず、あまりのハンドリング悪化に予定より早めのピット・ストップを行うと、その3周後にフルコース・コーションが発生。ショート・オーバルでグリーン下のピット・ストップを行うと2ラップ・ダウンになるため、レース再開後の琢磨はその挽回を目指す戦いを続けるしかなかった。

佐藤琢磨「気持ちを切り替えて、次のトロントを力強く戦いたい」


粘った琢磨だったが、16位に終わり、ドライバーズ・ランキングも7位に後退。次戦のトロントでの巻き返しに期待だ Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
「チームメイトのハンター-レイとはマシンのセッティングも違っていた。自分たちはスタートが良く、その後もしばらくは速かったが、どんどんルーズになって行った。ハンター-レイのマシンのどこが良かったのか、自分たちはどうして速くなかったのか、その原因を解明する必要はある。しかし、今は今日のような苦しいレースのことは1日も早く忘れ、次のトロントに気持ちを切り替えたい。今年最後のストリート・レースで力強く戦いたい。良い走りでチャンピオンシップを戦い続けるために多くのポイントを獲得しなければ」と琢磨は語っていた。
以上

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