2017年7月15日土曜日

2017 INDYCARレポート 第12戦ホンダ・インディー・トロント Day1 プラクティス2:プラクティス2最速=今日の最速はシモン・パジェノー

プラクティス2でトップタイムをマークしたパジェノーは初日のトータルでもトップに Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
路面グリップが上がった午後のセッションでタイムは一気に上昇
 
 午後になって陽が出て、気温はプラス1℃にとどまったものの、走行開始時の路面温度はプラクティス1より15℃も上昇した40℃になっていた。サポート・レースの走行も重ねられて路面のグリップも向上。午後2時15分からのプラクティス2では序盤から好タイムが次々と記録されて行った。セッションの終盤はレッド・タイヤ装着でのタイム・アタック合戦となり、更にスピード・アップ。シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)が1分00秒2573をマークしてプラクティス2、そして今日の最速となった。パジェノーはまだ一度もトロントで勝ったことがなく、ポール・ポジションも手にしていない。ベスト・リザルトは予選が2位、決勝は9位なので、今年はその両方での自己ベスト更新を目指している。

パジェノー「予選はどれだけレッドに合わせたマシンを作れるかが鍵」

 「マシンがとても良い。トロントは他のコースとは全く違うところがおもしろい。グリップが全体的に低く、コーナーでかなり滑る。同じコーナーの中に違う舗装素材が使われているから、グリップが変化する。本当にチャレンジングだ。そうは言うものの、今年もグリップは走る度に上がって行っている。ターン1が今まで以上にバンピーになっているけれど、それもまたおもしろい。トロントは作戦がうまく行かないなどあって成績を残せていない。それが自分に定着してしまわないよう、今年こそいい結果を残したいと考えている。明日の予選では、どれだけレッド・タイヤに合わせたマシンを作れるかが鍵になる。ブラックとレッドで求められるマシン・セッティングは大きく違うから、そこがまた難しいんだ」とパジェノーは話した。

昨年ウィナーのパワー、午前からジャンプアップして2番手タイム!

コースレコードホルダーのパワー「刻々と変わる路面コンディションにいかに合わせるかがポイント」 Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 2番手は2007、2010、2016年ウィナーで、2011年PPウィナーのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)。午前中は16番手だったが、午後はトップ争いに加わった。タイムは1分00秒4844。「トロントはストリート・コースの中でもマシンのバランスをうまく取るのが難しい部類に入る。路面にタイヤ・ラバーが乗って行くことで、コースはセッション毎、あるいは同じセッションの中でもグリップが大きく変化する。特にコンクリートの部分の変化が大きい。今年はターン1入口がかなりバンピーで、逆にコースの終盤はスムーズにされている。その差がとても大きい。今日のターン1は追い風だったけれど、向かい風だと更にボトミングが酷くなる。このコースではレッド・タイヤとブラック・タイヤのタイム差が他と比べて小さい。4分の1秒か、あっても10分の3秒。コースの場所によってグリップ・レベルが全然異なる」と話した。

「デトロイトのセッティングが当たった」と語るレイホールが4番手に


好調のレイホール「自分たちの今の状況はとても良いと感じている」Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 3番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)。2016年と2013年のレース#1でのポール・シッターで、2013年のダブルへダーで両レース優勝を果たした彼は、今日のプラクティス1、2ともにホンダ勢最速だった。午後のベスト・ラップは1分00秒6253で、トップのパジェノーとの差が0.3680秒。プラクティス1同様にまだ開きはある。しかし、チーム・ペンスキー及びシボレーのトップ3独占は阻んだ。そして、4番手には今年のデトロイト・ダブルへダーで完全制覇を果たしたグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が1分00秒6388で食い込んで来た。プラクティス1での5番手を上回る結果だ。「デトロイトのセッティングを持って来たが、これが良かった。ターン8のラン・オフ・エリアに誰かのマシンが止まっていたためにアクセルを戻した、あのラップの方が今日4番手につけたラップより格段に速かった。だから、自分たちの今の状況はとても良いと感じている。ただ、マシン・セッティングを一箇所だけ良くしたい。それができれば、もっと自信を持って走ることができる」とレイホールは語った。

6番手にはアンドレッティ!佐藤琢磨も8番手に浮上

 

 5番手は午前のプラクティス1でトップだったエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)=1分00秒6485。トロントでPPは2014年に獲得しているカストロネヴェスだが、まだ優勝はない。アイオワに続いて未勝利コースを減らしたいところだ。
 6番手はマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)。ホンダ勢3番手で、アンドレッティ・オートスポートではトップとなる1分00秒8321をマークした。明日のプラクティス3、予選では天候さえ良ければ全体的にスピード・アップがなされて行くはずで、その中でどこまで競争力を高いままに保ち続けられるかがアンドレッティ三世の課題だ。
 7番手は2015年ウィナーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)=1分00秒8540。
 そして、8番手は佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)だった。ベストは1分00秒9509。AJ・フォイト・エンタープライゼスで走っていた昨年は20番手だったから、一気にパフォーマンスが上がった……と思いがちだが、実際には去年のトロントでのアンドレッティ・オートスポートはフォイト以上に惨憺たる状況にあって、予選のセグメント1で全員が敗退し、ベストはカルロス・ムニョスによる15位。アンドレッティは最後尾の22位だった。それと比べれば、今日はアンドレッティが6番手、琢磨が8番手、2012年ウィナーのライアン・ハンター-レイが9番手、アレクサンダー・ロッシが14位と大きな進歩を遂げている。トップ10最後のポジション=10番手は先週のアイオワで自己ベスト・タイの2位フィニッシュを記録したばかりのJR・ヒルデブランド(エド・カーペンター・レーシング)だった。今回のカラーリングはプリファード・フリーザー・サーヴィスの白だ。

佐藤琢磨「まだマシンは速くなるはず。明日はファスト6を戦いたい」
 

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
 琢磨は走行後、「午後は多くを学ぶことのできた収穫の多いプラクティスとできました。マシンは朝と比べて大分良くなったと思います。路面温度が一気に上がって、タイヤの温まりがすごく速くなっていて、グリップ感も上がっていましたね。それでタイヤのタレみたいなものも発生していましたが、同時に路面のコンディションも良くなって行っていたから、セッションとしては非常に安定していたと思います。レッドで走るようになってから、出て行くと赤旗ということが重なりました。タイミングが悪かったですね。でも、それらのラップの良いところを全部繋ぎ合わせればそこそこ良いラップ・タイムになっています。ちょっとチーム・ペンスキーの数台が速いですけど、マルコも調子が良さそうだったし、僕らも良いセッションにできていたと思いますね。まだ自分たちのマシンは速くなるはずですし、そうしないといけないと思います。今は8番手でしたから、あと少しポジションを上げて明日の予選ではファスト6を戦いたいと考えています」と話していた。
以上

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