2019年6月9日日曜日

2019 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第9戦 DXC テクノロジー 600 Day2 予選: 佐藤琢磨、テキサスのポールポジション獲得を語る

Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大

エディ(・ジョーンズ)が素晴らしいクルマにまとめてくれたので
自信を持ってリヤ・ウィングを寝かせて行こうと提案できました
――プラクティスから調子は上々だったようでしたが、ポールポジション(PP)を獲れる見込みというのは、どれぐらい感じてたんですか?
 

佐藤琢磨:グレアム(・レイホール)のスピードを見た時に、PPは難しいかな、と思いましたね。相当僕らの2台は共通しているので。ただ、彼の走りを実際に僕は見ていないので、どんなだったかはわからないんですけど、走行直前に僕のところに来て、トラック・コンディションや状況っていうのを教えてくれたので、それに合わせてイメージを作れたっていうことがひとつありました。それから、グレアムと僕とでは微妙にエアロ・セッティングが違っていて、僕の方がトリムしてたんですね。そこら辺は、自分たちがプラクティスでもワン・ステップ前でリードできていたからで、そこは大きかったと思います。とにかく、エディ(・ジョーンズ)が素晴らしいクルマにまとめてくれたので、僕も自信を持ってリヤ・ウィングを寝かせて行こうって提案できましたね。

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 「ここではダウンフォースよりもシャシー・セットを決めて
4輪のスクラブ、スリップ・アングルの抵抗を減らすことが大切」

――ウィッカーなど今年はエアロ・パーツが増えたことでセッティングの幅が広がった。そこが琢磨陣営にプラスに働いたっていうところはありますか?

佐藤琢磨:それはレースで走らせるクルマに関しての選択肢が広がったということで、予選は去年と同じで、去年の予選でも今日走らせた仕様で走れますね。だけど、もちろんスーパースピードウェイなので、小さな変更っていうのが大きく影響しますけども、ここはとにかくシャシー・セットを決めて、4輪のスクラブ、抵抗、スリップ・アングルの抵抗を減らすことが一番スピードに繋がるので、ダウンフォースというか、ドラッグよりもそれは大事。ギャレット(*1)から学んだことだけどね、随分前に。
*1 ギャレット・マザーセッド=琢磨がKVレーシング・テクノロジーとアンドレッティ・オートスポートで走った時の担当のエンジニア。インディ500での優勝を共に飾った。
 意外とテキサスでは、ダウンフォースを削り過ぎてもダメなんですよ。セバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)のスピードを見てもわかるように、1周目は速くても2周目にドロップしちゃうっていう……。(*2)
*2 ブルデイ Lap 1: 23.5163秒 Lap 2: 23.6654秒
   琢磨  Lap 1: 23.5173秒 lap 2: 23.5565秒
 だから、ダウンフォースがないと、結局トラクションをかけられない。
 トラクションをかけるタイヤが滑っちゃうから。むしろダウンフォースをつけて、それでフロントとリヤの滑り角を小さくする。それが一番の目標で、それを今回の僕らはできた、と。


「去年のディクソンのように誰かが逃げることは多分ない
雪崩れ込む感じでのレースになりそうですね」


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――昨日、今日とプラクティスのメイン・テーマはレース用セッティングとしていた。それはレースが接近戦になるとの見込みからですか?

佐藤琢磨:はい。逃げられないと思いますね。ダウンフォースがつく、イコール、ドラッグも増えて、去年のディクソンのように誰かが逃げちゃうってことは多分ないと思うので、雪崩れ込む感じでのレースになりそうですね、今回は。ただ、そうは言ってもい1位から20位までがずっと1パックになって走るってことはないでしょう。ファイアストン・タイヤにデグラデーションはあるので、どうだろうな……30周過ぎから40~50周のところまでは、やっぱりバランスの良いクルマがペースを維持できるけれど、他は多分フラフラになると思います。
――そういうレースだと、1列目、それもトップから出られるのはいいですね。

佐藤琢磨:そう。怖いじゃない、テキサスって。だから、真ん中とかで挟まれちゃったりすると無意味なアクシデントとかもあるし、そういう意味ではレースをスタートからコントロールできるっていうのは、とにかく安全でいいですね。あとは、リードをできた場合には、燃費だけが少し難しいかもしれないんだけど、おそらくディクソンのクルマもすごく速いだろうから、どっちが前に出てもおかしくなくて、そういう意味では信頼できる相手とレースをコントロールできるっていうのは、本当に良い傾向です。

――明日のスタート用のセッティング、あまり悩まなくてもいいぐらいに仕上がってるのかな? と見えてますが、どうですか?

佐藤琢磨:うん、そうですね。でも、1個だけ迷ってるんですよ。1個、グレアムと僕でインディー500での時と意見が真逆なんですよ、お互いに言っていることが。小さい範囲のことなんですけどね。それをどっちで行こうかっていうのを、これから悩みます。どっちでも行けます。両方試しているので。
「オーヴァルでこれだけよい状況でレースを迎えるのは初めて」

 
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――今年、オーヴァルは2戦目ですが、スタートに向けての安心感というか、準備の整ってる感が非常に高い。

佐藤琢磨:まぁ、そうですね。だいたいオーヴァルはいつも怖いし、嫌ですけど、これだけ良い状況でレースを迎えるっていうのは初めてじゃないかな?
――それはテキサスではっていうことですか?

佐藤琢磨:はい。全部のオーヴァルで言うと、一昨年のゲイトウェイが良かったんだよね。すごく良くて、プラクティスであれだけ完成したクルマっていうのは今まで感じたことがなかったんだけど、レースではターン1でウィル・パワーがスピンして、エド・カーペンターがぶつかって来て終わっちゃったんだけど……。でも、そう言う意味では明日のレースはすごく楽しみだし、こう言うオーヴァルでのスタートって本当にアイオワ以来だよね。スーパースピードウェイとは違うじゃない、こう言うハイバンクのコースって。
――2011年のKVで走ってた時の?

佐藤琢磨:そう。あの年の初ポール以来ですよ、こう言うハイバンクで前からスタートするのは。だから、明日が楽しみ。ただ、長いよね、レースが明日は。夕方から夜になって……。ナイト・レースは、あんまり良くないんだよね、いつも。去年はそこそこで、6位か7位。結構怖いんですよ、ナイト・レースは。すごい変化するから、クルマが。
以上

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