2019年8月19日月曜日

2019 INDYCARレポート R14 ABCサプライ500 Race Day 決勝 :126周に短縮されたレースでウィル・パワーが今季初勝利


Photo:INDYCAR(Joe Skibinski)
パワー、得意のポコノでついに優勝!
アンラッキーを速さで克服!

 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がシーズン14勝目にして初勝利を飾った。これで彼はインディーカー・シリーズでの13年連続優勝を達成した。トリッキー・トライアングル=ポコノ・レースウェイでのインディーカー・レースは2013年に再開されて今回が7回目だったが、パワーは20162017年に続く3勝目を挙げた。

 5番手スタートから2番手に浮上したが、アクシデントの破片を踏んでタイヤにダメージ。レース再開直後にピットに向かったために13番手まで後退した。そこからトップを争うところまでポジション・アップ。しかし、コルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)のアクシデント発生のタイミングが悪く、またもや後退。今度は7番手から追い上げた。エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)、セバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・ヴァッサー・サリヴァン)、さらにはシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)と強豪を次々パスした彼は、次のピット・ストップでサンティーノ・フェルッチ(デイル・コイン・レーシング)もパスして2番手。トップを行くスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)を115周目のターン1でパスしてトップに復活。そこからはリードを広げて行った。


勝利に安堵するパワー「20分後ぐらいに雨が降ると聞いてからは
燃料をフル・リッチにしてディクソンに思い切りアタックした」

 200周レースは雨のために128周でイエロー・フラッグが提示され、そのまま赤旗中断となった。そして、強い雷雨が降ったことで再開が不可能となり、チェッカード・フラッグに。パワーは優勝が決まり、ほっとしていた。
 「昨日のプラクティスは順位が悪かったけれど、調子が悪かったわけではなかったんだ。色々なことを試していただけ。今日、レースが始まってすぐに自分たちのマシンの仕上がりが良いとわかった。運よくポジションを上げたと思ったら、不運に遭ってポジションを下げた。しかし、最後にはトップ争いに復活でき、“20分後ぐらいに雨が降るとスポッターに聞かされてからは、燃料セッティングをフル・リッチにしてディクソンに思い切りアタックした。タイヤの状況も良く、彼をパスできた。勝てて嬉しい。今年はスピードがありながら勝てない……というレースばかりになっていた。自分のミスもあったが、多くの場合がトラブルや不運によって勝利から遠ざけられていた。勝てる力を備えているのに勝てなくてフラストレーションが溜まっていたが、今日こうしてシーズン初勝利を記録できた」とパワーは話した。
2
位には


 2位はディクソン。4番手スタートからトップに立った彼は、ポコノでの勝利目前と映っていたが、最後のスティントでハンドリングが悪化、パワーの逆転を許した。「フロント・ウィングを立て、リヤのタイヤ・プレッシャーも上げたのにアンダーステアが大きくなった」と彼は敗因を明かした。しかし、トロントでの第11戦が2位、第12戦アイオワも2位、第13戦ミッド・オハイオが優勝だったディクソンは、第14戦ポコノも2位として、第10戦ロード・アメリカ終了時点で94点あったニューガーデンとの差を52点にまで縮めて見せている。

 3位はパジェノー。フェルッチはテキサスと同じく自己ベストの4位となって、初表彰台を惜しくも逃した。

 ポイント・リーダーのニューガーデンは5位。マシンを修理してレースに戻ったがロッシは18位止まり。ニューガーデンのポイント・リードは16点から35点へと広がった。ランキング3番手はパジェノーのままで、彼のニューガーデンとのポイント差は47点から40点に縮まっている。

佐藤琢磨、オープニングラップのターン2手前でマルチクラッシュ

 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は1周目のターン2手前で発生した多重クラッシュにより、0周リタイアとなった。アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)をアウト側からパスするところで接触し、ロッシの内側にいたライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)もスピン。後続のジェイムズ・ヒンチクリフ(アロウ・シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)、フェリックス・ローゼンクヴィスト(チップ・ガナッシ・レーシング)もクラッシュした。琢磨は裏返しになったマシンから無事に救出され、浮き上がってキャッチ・フェンスにぶつかったローゼンクヴィストは救急車で近くの病院に搬送されて検査を受けた後に、解放された。

走行ラインをアウトでまっすぐキープしていた琢磨だったが……

 昨年に続く多重クラッシュが琢磨のドライビングによって引き起こされた……との声もロッシ、あるいはアメリカのファンの間で上がっている。ロッシのオンボード映像だと、琢磨がインに切り込んで行っているように見えるからだ。しかし、実際には琢磨はアウト側のラインをまっすぐに保持していた。それは彼のオンボード・カメラの映像が証明している。ロッシをパスできたと考えた琢磨だったが、慎重にアウト側にラインを保持。ステアリングを切ってはいない。緩やかな進路変更さえもしていない。接触発生時点はまだターン2の手前で、3ワイドとはなったが、ターン2進入までには2台、もしくは1台に収束するはずだった。しかし、アンドレッティ・オートスポートの2台が緩やかにだが走行ラインをアウト側へと押し上げたために接触は起こった。
以上


3 件のコメント:

  1. これは天野さんがおっしゃる通りだと思います。
    どう見てもロッシがアウトに寄ってるようにしか
    見えませんね。

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  2. 大クラッシュの原因にはなりたくないだろうし、チャンピオンシップ争いもあったからの発言なのかな。今回のロッシの発言にはがっかり。ちなみにインディカーサイドでは審議は無かったのでしょうか?

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  3. ダリオが、琢磨選手を助けてくれたと書いてありましたがわかってくれる人はまだいるはず。ダリオは、よく見てるな…って思ったし日本人としてはうれしいですよね。中傷するようなことだけは、やめてほしいですよね。大きなけががなくてよかったことが、いちばんです。

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