2011年6月15日水曜日

2011 INDYCAR レースアナリシス 第6戦 ファイアストン ツイン275s誰がどれだけゲインして、どれだけクジによるロスを被ったのか?

クジでの後方グリッドの不利益はどれほどなのか??

 テキサスでのダブルヘッダー、誰がどれだけ順位を上げて、どれだけ下げたのかを調べてみた。
 ふぅ……。第2レースの順位を勘定してたら、改めて理不尽さを強く感じてしまった。
 ちゃんとした予選で決まったグリッドからの戦いには競い合う正当な理由があるけれど、運だけで決まったグリッドは、どう考えても後方スタートになった人の不利益が大き過ぎる。今回のクジ引きの結果は、そうした傾向がさらに強調されるものになってもいた。
 以下に獲得ポイントのトップ10を比較すべく表にしてみた。項目は順に、ドライバー名、第1レース予選順位/決勝順位、アップもしくはダウンしたポジション数(アップした場合はマイナスで表記)、第2レース予選順位/決勝順位 アップもしくはダウンしたポジション数、 2レーストータルでのアップもしくはダウン数、第1レースの結果と第2レースのグリッドとの間にあった差、そして最後が2レース合計で獲得したポイント。

第6戦テキサス 獲得ポイントトップ10
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 ペンスキーは非常にクジ運が良く、ガナッシは悪かった。ペンスキー勢は2レース合計でのポジションゲインが3人で19しかなく、ガナッシ勢はふたりで43あった。クジ引きによるポジションロスも同様で、ペンスキーが3人でマイナス2で済んだのに対し、ガナッシはプラス41とダメージが大きかった。それでもドライバー数が2人のガナッシは1勝、表彰台占有スポットx3と、3カー体制のペンスキーと同様の結果を手に入れている。

「初めてテキサスで優勝できたのに、今日は祝う気にはなれない。チャンピオンシップがかかったレースなんだよ。そのグリッドがクジ引きで決まるなんて悪い冗談だ。自分たちはドライバーもチームも何のミスもしていないのに、大きなハンディを背負わされた」とフランキッティが語ったのもうなずける。

カナーンに比べて報われなかった琢磨

 第2レースのグリッドトップ10を見ると、ウィル・パワーは第1レースの順位と同じ3位からスタートしたが、他の9人は全員が第1レースのフィニッシュ順位より高いポジションからスタートしていた。パワーはある意味、周囲に強力なコンテンダーがいない状態で楽にレースを始めることができていたということだ。オーバル初勝利をパワーは喜んでいたが、トップコンテンダー全員とフルに競い合っての勝利ではなかった。

 今回の比較では、KVレーシング・テクノロジー・ロータスの3人のデータも興味深かった(佐藤琢磨とEJ・ビソにとってはおもしろくも何ともないだろうが……)。カナーンと琢磨は同点、ビソも1点少なかった。カナーンは本当に幸運だった。第1レースでオーバーテイクアシストを18回も使いながら11位。第2レースがポール・スタートだったことで、残り2回しかプッシュ・トゥ・パスの残りはなかったが、ポジションは5位まで下げるだけで済んだ。もちろんそこには、セッティングを第1レースより良くできていた点、カナーンの巧妙なライン採りなどもあってのことだが……。いずれにせよ、琢磨のパフォーマンスは、カナーンのものと比べるとポイントに報われていない印象が強い。そして、ビソはさらに同じく強いレースとなっていた。

苦境の中光ったマルコの健闘

 アンドレッティ・オートスポートもクジ運が悪かった。ライアン・ハンター-レイは14個ものゲインをさせてもらったが、マルコ・アンドレッティは正反対の14個マイナス、ダニカ・パトリックとマイク・コンウェイもそれぞれ4個、2個のグリッド後退を余儀なくされた。マルコのパフォーマンスは予選での不振ぶりを考えると見事で、第2レースではフランキッティに最後までパスを許さなかった。2レース合計での獲得ポイントは、マルコが10位、ダニカが12位、ハンター-レイが13位につけた。コンウェイはインディに続いてオーバルでは苦戦が続いているが……。

2 件のコメント:

  1. 集計お疲れさまでした。
    レースの醍醐味はオーバーテイクにありますよね。
    リバース方式とかくじ引きではオーバーテイクが増えて見ている方は面白いですが、ドライバーは確かに気の毒ですね。

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  2. Rack さん、ありがとうございます。
    クジなので当然「運」の要素がメインとなりますが、こうやって見ていくと、実力でカバーできた人、そうでない人の差が出過ぎてしまうので、終了後の反響も大きかったのだと思います。(更新係)

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