2014年6月10日火曜日

2014 INDYCAR 佐藤琢磨コメント40 第8戦テキサス決勝:次戦ヒューストンはホーム・レース2戦目、頑張らないとっていう感じですね。

「速いクルマと常に3~4mphの差がありました」

Jack Amano(以下――):ファイナル・プラクティスからさらに変えたセッティングのマシンは、どうでしたか? 例えばスタート直後のハンドリングは?
佐藤琢磨:ダメでしたね。問題はやっぱりスタビリティなんですよね。右のリヤ・タイヤが持たないんですよ。みんな持たないんだけど、僕らはその持ちが極端に悪いので、結局何をするかっていうと右のフロントを逃がすんです。逃がして、最初はアンダーステアを我慢しなくちゃいけないからスピードが上がらない。最初、アンダーステアをずーっと我慢して、我慢して、我慢してると、15周ぐらいして、右のリヤがなくなって来て、ちょっとずつニュートラルになって来る。最後はオーバーステアになる。それをツールを使って、もう1回前を逃がして最後はギリギリで走る。そうすると210mphでスタートして、最後は199mph(ラップあたりの平均)に落ちるんですよ。


 そのスティントは全部右のリヤをかばわなきゃいけないから、前が入んなくてアクセルが踏めないんです。その繰り返しでしたね。速いクルマはスタート直後から前をグイグイ使える。で、15周、20周してもそんなにリヤが落ちないから、バランスしてキレイにラップ・タイムが下がって行く。だから遅くなっても、最後に204mphになっても、そこまでがずーっと212、212、212、212、212、210、210、210、209、208……って少しずつ下がってってるから、そこに常に3~4mphの差が僕らとの間にあったんですよね。で、40分ぐらいすると周回遅れになっちゃう。

「いつカウンターを切るかわからない状態でした」

――最初のピットではフロント・ウィングをつけてったようでしたが、そういうセッティング変更も効果を発揮しなかったんですか?
佐藤琢磨:最初のピットではウィングつけました。でも、その後はつけられなかった。最初は気温とかも暖かい状態でグリップが少なかったから。本当にアンダーステアが強かったから、これはつけようよって言って、つけたんです。でも、次のピットの頃にはもう陽が落ちてますよね。陽が落ちるとグリップが上がるんで、相対的にリヤが助かるようになって来る。リヤがグーッと沈むんでフロント・ウィングをつけて行ける方向なんだけど、ウチらは第2スティント以降ウィングを落としてってたからね。だってタイヤが持たないんだもん。ウィングをつけると、最初の5周とかは良いんだけど、その後はなくなっちゃうから、どんどん逃がさなきゃいけなかった。もう最後まで危なかった。ホントに疲れました。手も痺れちゃってた。ずっと、いつカウンターを切るかわからない状態だったから。本当に恐ろしかったですね。

――チームとして、高速オーバル用セッティングを根本から変えないとダメそうですね?

佐藤琢磨:そうです。せっかく今年ダウンフォースがつくルールになったのに、僕らは去年とあんまり変わらなかった。みんなは前に行っちゃったのに。それでも最後のスティントはようやくかなりのハイペースにできて、209mphを維持して最初に7~8周ぐらい行けて、どうだろう? 路面コンディションが良くなって来た状態で僕らはようやくリヤ・タイヤの持ちが良くなった。最初はフラットで2周しか行けなかったものが、5周に伸び、10周ってなって行った。でも、みんなも速くなってってましたからね。

――困りましたね……。

佐藤琢磨:はい。すごく困りました。

「このあと僕らはすぐミルウォーキーにテストに行きます
シッカリとクルマを作ってヒューストンでは元気に走りたいです」


――最後にはトラブルも出てましたが、何か前兆は?

佐藤琢磨:1周半か2周前ぐらいから何か音がイマイチ伸びて行かないっていうのがあって、1周して無線で話したんだけど、それがピットには聞こえなかったみたいね。こっちのスポッターが話してたりがあって。で、1周は何とか我慢して走ったんですけど、2周目のバック・ストレートで一気にパワー・ダウンしちゃって、あとは惰性で来るしかなく、4コーナーでストップしました。

――苦しく大変なレースでしたね。では、このレースの話はここまでにして、次戦ヒューストンに向けての意気込みを聞かせてください。

佐藤琢磨:ホーム・レース2戦目、頑張らないとっていう感じですね。僕らはこの後すぐにミルウォ
ーキーにテストをしに行きますけど、テキサスのハイ・スピード・オーバルとは全然違う、ちょっとロードコース的なセッティングも求められるミルウォーキーですけど、去年すごく良いものが得られていたので、今年も引き続きそのパフォーマンスが出せるように研究を重ねます。その後はチームにとっては本当に久しぶりのお休みです。その後1週間半、僕もしっかりリフレッシュをして、またメインテナンスをして戻って来たいです。チームはチームで、またシッカリとクルマ作りをしてくれると思うので、ヒューストンでは元気よく走りたいですね。

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