2017年5月27日土曜日

2017 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第101回インディー500 5月26日 カーブ・デイ:「とにかくバッド・ラックがないようにシッカリと走って、みんなが口を揃えて言うように、最後のスティントを全力で走れるようなクルマとポジションになれるよう、レースを組み立てて行きたいです」

Photo:INDYCAR (Joe Skibinski)
「マシンの感触は良かった。予想外の挙動は全くなし」

――1時間の走行でしたね。決勝前に走れる最後のチャンスでしたが、セッション前半はスピードがあまり上がらなかったように見えていましたが?
佐藤琢磨:いや、あんなものですよ。最後にスピードは上がりましたけど、あれはダウンフォースが軽過ぎ。スピードはあまり意味がないですよ。あのスピードではレースできないですからね。

――マシンの全体的な感触は?

佐藤琢磨:良かったですね。予想外の挙動とかはまったくなくて、セッションをプラン通りに進めることができました。ロング・ランという意味では、あまりロング・ランになりませんでしたけど、フルタンクでダウンフォースもハイ・ダウンフォースとロー・ダウンフォースを両方試すことができて、狙った場所を狙った通りにどこでも走ることのできるマシンになっていました。とても広い範囲に及ぶテストを行うことができたと思います。

カーブ・デイでマルコ・アンドレッティと集団走をこなす琢磨。マシンには新たなスポンサーRUOFFのロゴが入り、カラースキームも一新した Photo:INDYCAR (Jim Haines) クリックして拡大

 「6台とも今、非常に似通ったクルマになって来ているので
部テストをした後で一番いいところを取れるようになって来たと思います」

――今日の場合、チームメイトたちのこれまでのデータも全部検討した上で、自分が決勝で使いたいセッティングをマシンに施し、それを試したっていうことなんですか?
佐藤琢磨:基本はそうですね。そうは言っても、ハイ・ダウンフォースとロー・ダウンフォースの両方を今日はカバーしたかったんです。例えばフロント・ウィングのガーニー・フラップの違うものを着けてみたりとか。ウィング傾角を上げて行くと空力効率が落ちてしまうんです。そこらへんのドラッグとダウンフォースの兼ね合いの最終的なチェックを行いました。

――6台体制でチームメイト間でのセッティングの分担というのは、どのようにやって来たのでしょう?

佐藤琢磨:6台もいる強みを活かして、セッティングも色々とテスト・アイテムを分けたっていうところもあったのですが、逆に分けない場合もありました。例えばA、B、C、D、E、Fに分けないで、AA、BB、CCみたいな感じにして、気温が違う、走る時間帯が違う、風向きが違うっていう条件で走る。クルマを直接同じコンディションで走らせたり、ちょっとズラシて他のクルマも走らせることによって、どんな状況でもカバーができるようにとチームとしてはやっていました。勿論、それぞれのクルマに多少の個体差があったり、ドライバーの好みというものもあるので、そこらへんのフィルターはかけますけど、6台とも今、非常に似通ったクルマになって来ているので、ある意味、全部テストをした後で一番いいところを取れるようになって来たと思いますね。それがプラクティスと予選を通じてできたので、この間の月曜日に最終確認をして、今日、それぞれのベスト、ベストを組み合わせて走っていたっていう感じです。

「今年は6台体制のチームなので全員を合わせこむことができます」
――今日はトラフィックのテストもかなりできましたか?
佐藤琢磨:今年はそれが初めてカーブ・デイにできましたね。昨年までだとトラフィックを探して走らなくてはなりませんでした。しかも、一緒に走る人々と燃料の積載状況やタイヤの走行距離に違いがあったために、パフォーマンス比較がしくかったんです。それが、今年の僕は6台体制のチームにいるので、全員を合わせ込むことができる。そこが僕らのチームの強みですよね。チームメイト同士でのグループ・ランは、お互いのラインとかを考えながら、リスペクトしながら走ることができていて、ある意味で非常に優しいトラフィック・ランだったと思います。実際のレースはもっともっと激しいんですが、色々なシミュレートしながら、クルマがトラフィックの中でどんな動きをするのかっていうのを月曜のプラクティスと今日で試せたのは、これまでにない経験でした」

――チームメイトの協力具合がすごいわけですが、レースになったらどうでしょう?
佐藤琢磨:ここからは、もうみんな仲が悪くなりますよ(笑)。嘘です、嘘。レースでもお互いのことを考えてっていうのはあります。戦いながらも有用なデータが取れれば、それが自分に跳ね返って来ますからね。最初の100ラップは特に、お互い燃費のことも含めて無理はしないでしょうね。100〜150周にかけてはポジショニングをシッカリやって行かねばならないので、戦いはある程度厳しくなります。そして、ゴール前の50周とか30周という最後のスティントは、おそらくもうみんな100パーセントで行くと思います。

――ジェイムズ・ヒンチクリフのホンダ・エンジンにトラブル発生。気になるところと思いますが?
佐藤琢磨:大丈夫でしょう。彼の5号車のエンジンは月曜から使って来ていたものだということですし。HPDのスタッフも全力で新しいエンジンを組んで送って来てくれているので、大丈夫だと思います。

「あとはコンディションに合わせこむだけです」
――クルマの仕上がり具合を採点すると?
佐藤琢磨:後はもうコンディションに合わせ込むだけです。基本的なクルマっていうのはデキ上がっています。コンディションがどちらに振れてもいいように、今日、ハイ・ダウンフォースとロー・ダウンフォースの両方を試せたのは非常に良かったです。これまでのように、月曜日とカーブ・デイでサプライズがあって、クルマを改めてセッティングし直さなきゃいけないっていう時と比べると非常にスムーズで、落ち着いて日曜日を迎えられそうです。

――もうスタートをするだけって感じですか?
佐藤琢磨:そうですね。スタートの後は、レースなのでどんなことが起こるのかはわからないですけれど、とにかくバッド・ラックがないようにシッカリと走って、みんなが口を揃えて言うように、最後のスティントを全力で走れるようなクルマとポジションになれるよう、レースを組み立てて行きたいです。

――かなり万全感、今年はありますよね?
佐藤琢磨:まぁでも、通常はこういう感じなんでしょうね? 僕には初めての体験ですけど、非常にここまで順調に来ているので大丈夫です。

――タイヤの残りセット数もまったく問題なく?
佐藤琢磨:タイヤもキッチリ残ってます。

「レースでは一回自分で前に出てみたいというのはありますね」
――レース展開はどんなのがいいでしょう? リードできるものならリードして行きたいですか?
佐藤琢磨:うーん、リードをすると燃費が全然厳しい。でも、1回自分で前まで出てみたいっていうのはありますよね、試しでね。それが確認できたら4、5番手とか? 3番手から5番手ぐらいが一番いいですね、空気の流れとしても綺麗だし、基本的にはフロント・グループだから。誰もが早い時点で3番手ぐらいまでポジションを上げたいと考えていると思います。そして、そこから先はあんまり前に出たくない……という風に思いますけど、ちょっとコレばっかりはやってみないとわからないです。

――今日のセッションの最後にピット・ストップの練習も二度やっていましたが、クルーたちの気合の入り具合はどうでしょう?
佐藤琢磨:非常に気合いが入っていると思いますね。みんなイキイキしていますから、楽しみです。

――ここまで本当に好調で、日本のファンも盛り上がっていますが、スタート前にして何か一言!

佐藤琢磨:まだ飛行機間に合いますよ!

――日曜日の天気がちょっと怪しいですけどね。ただ、今日のミーティングで聞いたのは、夕方の5時半がスタートのできる最終時刻だってことでした。日曜日にシッカリとレースはできるはずなので、日本の皆さんは明け方から午前中のレースで応援して頂けると嬉しいです。

*琢磨が日本人プレスの囲み取材を受けている横を「頑張って、頑張って!」と日本語で言いながら通り過ぎたのはフェルナンド・アロンソだった。テレビのインタヴューを受け、帰り際にまた近くを通りかかったアロンソ、今度は「頑張ります!」と、やたらクリアな発音で声をかけて帰って行った。2タイムF1チャンピオンは意外に剽軽なキャラクターなのだな。

以上

2 件のコメント:

  1. どうして皆さんコメント出さないんですかね?また私だけですか?

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  2. インディジョーンズ2017年5月28日 22:32

    皆さん何故だまる見てる人いないのビンタさんが的確なコメントだすから他の人はたちうち出来ないんじゃないの

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