2017年5月22日月曜日

2017 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第11回インディー500 5月20日 予選1:「流れとしては非常にポジティブ!このチャンスを活かして、フロント・ロウを目指して頑張りたい」


Photo:INDYCAR(Chiris Jones)
「今日はトップ3につけれただけでも最高」

Jack Amano(以下ーー):予選1日目は2番手! でも、やっぱり一番がよかったですか?

佐藤琢磨:いや、もうここまでの成績だったら全然贅沢は言いませんね。トップ3ですからね。今日はトップ9が目標でしたから、トップ3につけただけでも今日は最高のリザルトだったと思います。

「アレックスの走りまでで全体のダウンフォースが決まりました
チームメイトのおかげでここまでスピードが伸びました」

ーーアンドレッティ・オートスポートで最初にアタックしたライアン・ハンター-レイがあまりスピードが出ていませんでしたよね?

佐藤琢磨:そうでしたね。ライアンは前日にクジで引いた順番が非常に早かったので、まだあの時は気温も路面温度もすごく高かったですし、彼はかなりダウンフォースをつけて行かなくてはいけなかったので、ちょっとクジ運が悪かったかな、と思いますね。で、ライアンの走りを見てフェルナンド・アロンソのダウンフォース量が決まって、で、フェルナンドは逆に、むしろライトというか軽目で、非常に素晴らしい走りだったので、かなりいいスピードが出てましたよね。それが僕より2人前のアタッカーだったアレクサンダー・ロッシの走りに繋がって、マルコにも情報は伝えられていました。自分にとっては、すぐ目の前のアタッカーだったマルコの走りは直接的にというか、僕のフロント・ウィングのアジャストメントの最終的な決定に影響しませんでしたけれども、アレックス(=ロッシ)の走りまでで全体のダウンフォースが決まって、走り出す前、最後の最後まで無線で話して、エンジンかけてからも最後のウィングの調整をしてから出たので、あれはもう完全にチームワークでしたね。チームメイトのおかげでここまでスピードが伸びたと思います。

ーーじゃ、情報を活かせるのは2台前まで。ロッシがギリギリ・セーフだったんですね。

佐藤琢磨:そうですね。ライアンとフェルナンドの走りで大体のターゲットになるダウンフォースの量が決まって、それである意味、アレックスの走りでコンファームというか、「これで行ける」という状態まで行きましたから、あとはCOP(センター・オブ・プレッシャー)というかフロント・ウィングのアジャストメントで、それが非常にうまく行ったと。僕らのチームでは1台ずつメカニカル的なセッティングが微妙に少しずつ違っていたりするんですけど、共通の部分もたくさんあるので、そこらへんはエンジニアのギャレットが非常にうまくまとめてくれたと思います。

「セバスチャンには早く回復してもらいたいですね」

ーーセバスチャン・ブルデイ(デイル・コイン・レーシング)のアクシデントがあったた        めに、バック・ストレッチのターン2立ち上がりにオイル処理の石灰が太い帯のように撒かれていました。それを避けるように走っていましたが、あれは不利に作用したのではないですか?

佐藤琢磨:いや、コーナーの中ではなかったので、ストレートでしたから、まったく問題なかったです。それよりもセバスチャンの容態がすごく心配でした。幸いにもオーケー・サインが出されて、大事には至らなかったと走る前に知ることができていました。早く回復してもらいたいですね。

「最初のクルマの動きで、今日は行ける、と思いました」

ーー風向き、風の強さ、自分のドライビング、ツールを使った調整……どうでしたか?

佐藤琢磨:コンディションにキッチリと合わせ込むことができていたと思います。風はこれまでに走って来た中で経験したものだったので、サプライズっていうのはなかったですし、ウォーム・アップ・ラップから最初のグリーン・フラッグを受け、ターン1へと飛び込んで行く時のクルマの動きで、もうすべて「今日は行ける」っていうのがわかったので、その後はコーナー毎にもちろんアンチ・ロール・バーとウェイト・ジャッカーを動かしましたけども、非常に最後までタイムの落ち込みを抑えることができたんじゃないかと思います。

ーーブルデイのアクシデントで待ち時間が30分以上ありましたが、それによって走行コンディションが良くなったというのはありましたか?
佐藤琢磨:はい。そうですね。セバスチャンが走った時までは、まだ陽が出てたんですけど、あの後に曇って路面温度、それから、気温もグッと下がって来たので、最後の方に向けてコンディションは確実に良くなって行ったと思いますね。

「明日はAAのファスト9に残ったドライバーは
全員非常にコンペティティブな走りができると思います」

ーー今日学んだこと、今日とてもうまく行った予選によって、明日については、どんな走りが想定できますか? まだ進歩させる余地があったとさっき会見で話していましたが?

佐藤琢磨:まだ自分のデータを完全に見てはいないのでわからないですけれども、少なくともクルマからのフィーリングとしては、良いコンディション下で非常に良い走りができ  ていました。チームメイトたちのデータもキッチリと照らし合わせることで、明日アンドレッティ・オートスポートのファスト9に残っているドライバーたち全員が非常にコンペティティブな走りができるんじゃないかと思います。

ーーエド・カーペンター・レーシング、なかなか良さそうですが、彼らとの勝負になりそうですか? 

佐藤琢磨:まぁ、どうなるかわからないですね。チームメイト同士の戦いになるかもしれないですし。でもまぁ、少なくともエドのところは去年もポールまでホントにあとちょっ とというところだったので、今年も20号車、21号車はともに素晴らしいスピードを見せていますから、最後にポール争いを彼らとできれば最高です。僕にとってはフロント・ロウに並べれば、日曜日の」スタートに向けては十分過ぎるぐらいのポジションだと思います。

「1回のアタックというのは僕にとってラッキー」

ーー今日は雨のために1回のみのアタックでしたが、明日も勝負は1回のアタックだけ。

佐藤琢磨:天候がどうなるか。1回だけというのは、難しさはあるんですけれど、逆に僕にとってはとてもラッキーだったなと思いますね。こればっかりは、自分というよりも、クジで決まったアタックの順番で僕の前にチームメイトたちが走るっていうラッキーがあったし、アクシデントはとても怖いものが起きましたけれども、それによってコンディションが良くなったのもラッキーでした。そして今日の、1回のアテンプトだけでファスト9が決まるというのもラッキーだったし、明日も勿論1回勝負になりますけれども、逆に言うと、また僕の前にチームメイトたちは走ってくれる(*ファスト9は最も保有スピードの遅かった9番手から順にアタック)ので、そういう意味では、ここまではね、自分の力ではないですけれども、流れとしては非常にポジティヴなので、このチャンスを活かして、フロント・ロウを目指して頑張りたいです。

「気温が下がれば今日のデータはフル活用できます」

ーー:明日の天候、コンディションが今日とは違ったものになる可能性も考えられます。

佐藤琢磨:はい。それは蓋を開けてみないとどうなるかわからないですけれども、少なくとも予選を行う時間帯は非常に似たものになるので、今日みたいに気温が下がれば今日のデータっていうのはフルに活用できると思います。まぁ、予選は明日、やれるだけやって  みます。でも、あんまりリスキーにトリムし過ぎてクルマに何かあってもいけないので、その辺はさじ加減をエンジニアと話しながら決めて行きたいです。
以上

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