2017年9月2日土曜日

2017 INDYCAR レポート 第16戦 インディカー・グランプリ・アット・グレン Day1 プラクティス2:プラクティス2最速はスコット・ディクソン

11コーナーにアプローチするディクソン。ブラックタイヤで自らのラップ・レコードに迫るタイムを叩き出した Photo:INDYCAR (Mike Harding)クリックして拡大
ディクソン、ブラック・タイヤでベストラップをマーク
 
 青空だが気温はなかなか上がって行かない。ワトキンス・グレンの金曜日はそういう1日になった。午後になって風がやや弱まったこともあり、体感温度も午前に比べれば随分と快適になっていた。それでも結局、気温は16℃までしか上がらなかった。
 今シーズンからファイアストンのレッド・タイヤが走行初日にも1セットの使用が許されることになっているが、ワトキング・グレンでは後輪の新しい構造がブラック、レッド共に採用され、コンパウンドはレッドが耐久性を向上させた新しいものに変わった。そのタイヤのチェックもエントラントは行ったが、おもしろいことに午後のプラクティス2での最速ラップはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)が“ブラック・タイヤ”でマークした1分22秒6187だった。昨年ディクソン自身が予選で記録したコース・レコード=1分22秒5259に迫るものだ。


Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
ディクソン「レッドではマシンのバランスを崩してしまった」
 
 「テストは上々だったが、望んでいた通りのスピードは得られなかった。テストでの自分たちがどこで間違ってたかを考え、幾つかのセッティング変更を施して今週末のワトキンス・グレンにやって来た。するとプラクティス1から私たちは速かった。タイヤを1セットしか使わなかったことと、トラフィックで実力を反映したラップ・タイムが記録できなかったがけれどね。僕は今日、ブラック・タイヤでとても速かった。レッド・タイヤでの走りに向けては2箇所ほどセッティングを調整したが、それでマシン・セッティングのバランスを崩してしまったようだ。明日の予選に向けては、その部分の進歩が必要だ」とディクソンは話した。

パワーは、レッドタイヤでホンダ勢の一角を崩す2番手タイム


2番手にはパワーがつける。レッドタイヤでのセットアップが進んでいるようだ Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
 2番時計はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の1分22秒7129。こちらはレッドで記録された。ディクソンと間には0.0942秒の差があった。プラクティス1ではホンダ勢のトップ5を独占したが、プラクティス2はパワーが奮闘して2番手につけた。彼はディクソンと差も小さかったが、ディクソンにはレッド・タイヤで更に速くなる可能性がある。去年のワトキンス・グレンでも圧倒的な速さを誇ったディクソンは、エアロ、エンジンのパッケージがホンダに変わってもアドバンテージを保っているようだ。
 午後の3番手はグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)。彼はプラクティス1で最速だった。明日は彼もポールポジション候補の一人となる。「チームの用意したセッティングが非常に良く、プラクティス1からマシンはほぼ完璧に近い」と自信のほどを話していた。

4番手にパジェノーが付け、トップ6はホンダ3台シボレー3台に
 

ニューガーデンはこのセッション10番手。パジェノーは4番手につけたが、トップのディクソンとのタイム差は意外に大きなものに Photo:INDYCAR (Bret Kelley) クリックして拡大

 4番手は2016年チャンピオンで現在ポイント・ランク4番手のシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)。5番手はプラクティス1で2番手だったアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)。6番手はシリーズ・ランキング3番手にいるエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)。トップ6はホンダ3台vsシボレー3台。
 7番手はチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)。8番手はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)、9番手は佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)で、ポイント・リーダーのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が10番手だった。
 トップのディクソンとの差は、4番手だったパジェノーが0.4728秒、6番手だったカストロネヴェスが0.6573秒と意外なほどに大きかった。ニューガーデンはトップから0.9655秒遅れだった。
 パワーは、「午後は新しいレッド・タイヤをトライし、好感触を得た。しかし、ディクソンがブラック・タイヤであれだけ速いと、考えてしまう。彼はレッドでも同じように速かった、自分たちはセッション1からセッティングを変更し、マシンが良くなったことを確認したんだが、ブラック・タイヤに関するセッティングはまだディクソン陣営ほど良くないということだろう」と困惑気味だった。

9番手の佐藤琢磨

「チームメイトから情報を聞てマシンを進歩させたい」

Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
  琢磨はプラクティス1の後に、「テストとフィーリングが違い、二つほど新セッティングをトライしたが期待した通りの効果は得られなかった」とコメントしていたが、プラクティス2終了後には、「マシンの感じがテストの時のものに戻って来ています。しかし、トップとのスピードの差は広がっちゃったみたいなので、データをよく見直したいと思います」とコメントしていた。チームメイト3台のデータもフルに活用し、明日までにマシンを向上させる必要に迫られている。「チームメイトたちがこのセッションの間に何をトライし、どこまで進んだのかはまだ聞いていませんが、彼らから情報を聞いて、データを見てマシンを進歩させたいと思います」と琢磨は話していた。
以上

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