2017年8月27日日曜日

第15戦 ボマリート・オートモーティブ・グループ 500 Day1 プラクティス・ファイナル:ジョセフ・ニューガーデンが最速

PPこそ逃したが、プラククティス・ファイナル最速と、ニューガーデンは全セッション安定した速さを見せる Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
ニューガーデン、シーズン4勝目に向け順調
 
 レースが夜8時40分と遅いスタートのため、プラクティス・ファイナルも予選の後、レースと同じ時間帯の夜9時から1時間に渡って行われた。走行開始時で空はすでに完全に暗くなっており、気温は23℃、路面の温度も32℃まで下がっていた。それらがセッション終了時には気温22℃、路面29℃まで更に冷え込んだ。
 スムーズでバンプのほぼない路面、低い温度という好条件下で21台のインディカーはトラフィックでのパフォーマンスをチェック。チャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)は最多の96ラップをこなし、トラブルのあったセバスチャン・サーヴェドラ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)でも44周を走った。
 最速ラップは予選2位だったジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)の184.079mph。ポイント・リーダーは61周を走り、セッション終了間際の59周目にベストをマークした。シーズン4勝目への一番乗りを果たすことはできるか。

今季、イマイチ調子が上がらなかったカーペンターだが、ここにきて仕上がってきた Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大

エド・カーペンター、ペンスキーに割って入る2番手タイム
 

 2番手はエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)の183.435mph。予選でペンスキー勢のすぐ後ろの5番手につけた彼は、今週末はレース・モードでも速いことを実証。2014年のテキサス以来となるキャリア4勝目を目指す。予選は15位と成績の悪かったJR・ヒルデブランド(エド・カーペンター・レーシング)も182.401mphで8番手につけた。こちらは初優勝がターゲットだ。

パワー、カストロネヴェスが3,4番手に
パジェノ―はしかし、タイムを出せずに13番手

 

Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) クリックして拡大
 3番手はポール・シッターのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)=183.295mph。ポコノでニューガーデンに並ぶシーズン3勝目を挙げた彼は、その勢いを保ってゲイトウェイでPP奪取。二度目のチャンピオンとなるには今回、そして次戦ワトキンス・グレンでニューガーデンとの間にある42点の差を大幅に縮め、若く、タイトル獲得が未経験のチームメイトにプレッシャーをかける必要がある。
 
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 4番手は予選3位のエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)=183.079mph。決勝用セッティングでもペンスキー勢は安定して速い……が、唯一、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)は順位が13番手と低かった。75周を走った中でのベストが18周目。何か新しいトライをしたがうまく行かなかったということのようだ。デビュー20年目のカストロネヴェスはシリーズ・タイトル獲得が悲願。22点差のランキング3位でゲイトウェイを迎えている。2ヶ月弱前にアイオワのショート・オーバルで勝っている彼は、2003年のゲイトウェイ・ウィナーでもあり、優勝を飾っても何の不思議もない。

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 昨年度チャンピオンのパジェノーはランキング・トップのニューガーデンと26点しか差のない好位置につけており、タイトル防衛は十分に現実性アリ。ただ、今シーズンの彼は序盤のフェニックスで1勝しているのみなので、少なくともあと1回の優勝は上げたいところ。フェニックスというショート・オーバルで勝っていることがゲイトウェイでのレースに向けてはそれなりに大きな自信となるだろうが、どんな戦いぶりを見せるのか。

ホンダ勢最速は5番手につけたロッシ 


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 5番手はアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)。ホンダ勢トップとなった彼のスピードは182.949mph……ニューガーデンと比較すると、速度は1.130mph、ラップ・タイムでは0.1510秒遅かった。シボレーのショート・オーバルでの空力アドバンテージは依然として存在し、スムーズな路面という条件が加わってもホンダ・エアロとの差はあまり縮まっていないということのようだ。トップ・グループ内で同じペースを保って食らいついて行くことは可能なものの、オーバーテイクしてレースのイニシアティヴを掴むという戦い方は、ホンダ勢にとっては難しそうだ。
 6番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)=182.858mph。5度目のタイトルを狙う彼は現在ポイント・ランクで2番手。チームの高い総合力を考えても、彼はまったく侮れない。

7番手の佐藤琢磨「すごく良い手ごたえがつかめました」


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 そして、7番手が佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)。
「ヘビー・トラフィックでは走れなかったけれど、オーバルでのプラクティス・ファイナルとしては、こんなに順調に上がって来たことは過去にないんじゃないかな? って感じです。いつも、予選が良くてもウォーム・アップではダウンフォースがヘビー過ぎるとか、トラフィック入ったらそれまでになかった変な動きが出て焦ったとか、そういうがなかった。今日のプラクティス・ファイナルでは走り始めでちょっとダウンフォースが重めでした。それでトニー(・カナーン)とかに抜かれて、(シモン・)パジェノーにもパスされて、“なんだ、ポコノと一緒じゃないか!”って思ったんですけど、そこから2段ぐらいダウンフォースを落としてって周りのレベルと同じぐらいになった。そして、その後からでした、良かったのは。強いクルマ(チーム・ペンスキーなど)は抜いてないけれど、シュミット・ピーターソン・モータースポーツとかAJ・フォイト・エンタープライゼスとか何台か抜いて行くことができました。今年のショート・オーバルは抜くって今までなかったから。ウォーム・アップででも。そういう意味ではすごく良い手応えを掴めましたね。で、クルマのセッティングも方向性をちょっと変えたところもあって、非常に有用なデータが採れたと思います。1時間のセッションの中ですごい成果があって、進歩ができました。プラクティス1の1時間ではコースにクルマを合わせ込むのに精一杯でした。しかも、最後の20分間では予選トリムもやらなきゃならなかった。今、こうやってピット・イン、ピット・アウトをしながらクルマを作って行けたのは非常に良かったですね。もちろん、ラップ・タイムを見てもトップ7。この状態でトップ10に入れていたらいいんじゃないですかね」と琢磨は好い感触を掴んでいることを語った。
 8〜10番手は前述のヒルデブランド、トニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)、コナー・デイリー(AJ・フォイト・エンタープライゼス)。
 ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は予選も14位と苦戦したが、プラクティス・ファイナルでも11番手と挽回をし切れていない。アイオワで15番グリッドから3位フィニッシュした高い実力をここでも発揮できるか。


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 グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は水色/黒のフィフス・サード・バンクのカラーリングで走っているが、予選、プラクティス・フィナルともに13位と振るわない。
以上

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