2019年2月14日木曜日

2019 INDYCARレポート オープンテスト at COTA Day2 プラクティス4:テスト2日目の最速はアレクサンダー・ロッシ


オープンテスト2日間の最後のセッションでついにロッシがトップタイムをマーク。ハータの4セッション連続トップを阻んだ Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
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アレクサンダー・ロッシがついにこのセッションのトップに

 テスト1日目を席巻したコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)は、前日以上に寒いコンディションで始まったプラクティス3でもトップ・タイムをマークした。「この分だと午後も最速で、全4セッションで”アタマを獲る”ことになるかも」と考えた。実際、彼はプラクティス4が後半に入ってもタイム・モニターのトップにいた。
 しかし、最後の最後でアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が1分46秒8535を出してトップに立った。ベテランが意地を見せ、ルーキーの4セッション制覇を阻んだ。






4セッション、2日間通じて安定した速さを見せたコルトン・ハータ。トータルタイムでも堂々のトップに Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher)クリックして拡大
4セッションスウィープは逃したがハータだが
2日間トータルでは堂々のトップタイム!

 それでも、ハータの奮闘ぶりは高く評価されるべきだろう。セッション2で彼のマークした1分46秒6258は今回のテストにおける最速ラップとなったし、彼は3セッションでトップ、残る1セッションで2位という、チャンピオン候補のような安定した成績を2日間で残した。今年のオープンテストにおいて、ハータ二世は間違いなく最も安定し、最も速いドライバーだった。
 「コースが僕のドライビングスタイルに合っている。3セッションでトップ、1セッションで2番手となったが、まだ僕らのマシンにはスピードが残されていたと思う。気温が下がった時にセッティングを合わせ込み切れなかった。それができていたら、もっと速く走れていたはずだ。そうは言うものの、暖かいコンディションで速かったことは、レース本番で強さを発揮できると考えることができる」とハータは語った。

ハータを支えるハーディングとAAの技術提携
本体のアンドレッティ勢も今回のテストで大きな手応え


 ハータの速さの裏には、ハーディング・スタインブレナーとアンドレッティ・オートスポートとの技術提携がある。元祖マルチ・カー・チームであるアンドレッティ軍団が積み重ねて来たノウハウが注ぎ込まれたマシン、豊富なデータを共できる環境が与えられている。まだ18歳のハータは、恵まれた環境で急激に能力を伸ばしているというところなのだろう。
インディーカー史上最年少チームオーナーのスタインブレナー Photo:INDYCAR (Joe Skibinski)
 ロードコースのマシン・セッティングにおいて、昨シーズンもアンドレッティ勢はライバルたちを一歩リードしていた。その状態が今も保たれているのだろう。ロッシの4セッションで9番手、7番手、3番手、トップという成績で総合2番手となり、ライアン・ハンター-レイは総合4番手だった。マルコ・アンドレッティは総合17番手、ザック・ヴィーチは総合20番手と目立たなかったが、彼らも92周、98周と多くのラップをこなしており、ハーディングの1台を加えた5カー体制によって、アンドレッティ勢はデータの収集料はどこよりも多くなっている。彼らが更に優位を広げることすら可能と見える。

ペンスキー、今シーズンも安定した速さをアピール

パジェノーと情報交換するカストロネヴェス。ペンスキーも4人体制で臨んだ今回のテストで順調な仕上がりぶりを見せた Photo:INDYCAR (Chris Jones)クリックして拡大

 チーム・ペンスキーはインディーカーGPとインディ500に参戦予定のエリオ・カストロネベスを2日間走らせ、1台分多くの走行データを収集。2日間の総合ではウィル・パワーが3番手の好位置につけ、去年は不振だったシモン・パジェノーが5番手に入った。ジョセフ・ニューガーデンは11番手、カストロネヴェスは12番手。フル・シーズンを戦うペンスキー・トリオは今年は全員が十分に速く、レッド・タイヤを使う予選での強さや、今回より暑くなるだろうレースウィークのコンディションへの対応の良さを武器として優勝争いに絡んで来ると見られる。

チップ・ガナッシは王者ディクソンに今年もスキなし
さらに実力派ルーキー、ローゼンクヴィストが加わり盤石の構え


ヨーロッパF3を制したルーキー、ローゼンクヴィストも2日間期待通りの実力を見せた Photo:INDYCAR (Stepen King) クリックして拡大
 チップ・ガナッシ・レーシングは今年もセカンド・チームを持たないため、2カーの少数精鋭でタイトル防衛を目指す。テストでのディクソンは2日間総合で8番手につけたが、プラクティス1~4で7番手、5番手、4番手、8番手とコンスタントに上位にポジションをキープしており、昨年見せた強さが維持されている印象だった。そして、カーナンバー10に起用されたローゼンクヴィストは、2日間総合で6番手と大先輩チームメイトの上を行った。ハータの活躍に隠れたが、今年おおいに注目すべきルーキーの一人だ。

最後のセッションでマシンを向上させた佐藤琢磨
47秒台をマークし12番手まで一気にジャンプアップ


Photo:INDYCAR (Cheias Jones) クリックして拡大

 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、思わぬ苦戦を強いられていた。テスト1日目の順位は25台中の23番手。トップだったルーキーとのタイム差は2.8981秒もあった。チームメイトのレイホールも19番手と大きく変わらない位置だった。
 それが2日目、琢磨が引き続き苦悶し続けたのに対し、レイホールが13番手まで浮上した。琢磨は最下位の25番手という結果になったが、セッティング向上の兆しが見え、それを最終セッションでようやく1分47秒台のタイムへと繋げた。レイホールはセッションの5番手まで躍進し、琢磨は最後の最後の土壇場で1分47秒183をマーク。セッション12番手で走行を終え、2日間の総合では13番手となった。

安堵感を得たチームと佐藤琢磨
「ラップタイムと同時にマシンバランスが大きく改善されました」
 

Photo:INDYCAR (Chris Owens)クリックして拡大
  「苦しいテストでしたが、最後に1分47秒台を出し、真ん中ぐらいまで行けました。テストなのでラップ・タイムがすべてではなく、我々の場合はラップタイムが良くなったのと同時にマシンバランスが大きく改善されたところに手応えを感じました。今回のテストでは、チームメイトとプログラムを分けていました。グレアムのマシンが早めにバランスを見つけ、自分たちはセッティングを行ったり来たり振ってみることをしていました。最終的に自分たちの方も47秒台を出せて、安堵感が得られたってところだったと思います。今回のテストは寒かったんですが、3月のレースウィークエンドはコンディションが違うものになると思われます。もし暑くなったら、今回とはかなり違ったマシンにしないと戦えないでしょう。タイヤはもっと滑るだろうし、そうした状況で安定したラップタイムを刻めるマシンにしないといけないですからね。今回のデータを参考にしてクルマを作って来ます」と琢磨は話したl。

ルーキーの活躍ぶりで2019シーズンは
さらにエキサイティングなものになる予感


 インディカーシリーズの競争の激しさは、またもう一段レベルを上げたようだ。2年続けてルーキーたちが良好なパフォーマンスを見せているのは、彼らが優秀なベテランをチームメイトに持つ環境を与えられているからだろう。アンドレッティ軍団で走るハータ、ディクソンを手本とできるローゼンクヴィスト、ヒンチクリフとコンビを組むマーカス・エリクソン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)、セバスチャン・ブルデイと走るサンティーノ・フェルッチというように。2019年も新しいウィナーが何人も誕生するシーズン、抜きつ抜かれつのエキサイティングなバトルに満ちたシーズンとなりそうだ。
以上



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