2019年3月23日土曜日

2019 INDYCARレポート R2 インディーカー・クラシック Day1 プラクティス2:プラクティス2ではウィル・パワーが最速


気温が上昇した午後のセッションではパワーがトップタイム。問題のウォームアップ・セッションはプラクティス2が4時5分に終了したその5分後!に走行スタートとなった Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして
金曜にウォームアップ・セッション!奇妙なタイスケ導入

 ロードコースの金曜日といえばプラクティスが2回というのが通常のスケジュールだが、サーキット・オブ・ジ・アメリカス(COTA)でのインディカー・レース初開催は、スケジュールも初めてのパターンが採用された。普通ならファイナル・プラクティスとも表現されるウォーム・アップ・セッションが走行初日のプラクティスの直後に行われたのだ。「決勝スタートが早い(12時40分)ため、日曜の午前中にウォームアップ・セッションを入り込ませる時間的余裕がない」というのが理由で。


  この説明ではまるでスッキリなどできないが、そんな話がちょくちょく聞かれるのがインディーカー。アメリカ人の中にもそれを不思議と捉える人がいるのは確か。しかし、現実はフレキシブルに対応し、最善の仕事を効率よくこなすことが必要。チームにもドライヴァーもそういう姿勢でなければやって行けない。つまりは成功は覚束ない。もしや、このパターンが今年からのスタンダードになるのか? と調べたら、第3戦バーミンガムも常設サーキットでのロードレースだが、日曜の朝にウォーム・アップがちゃんとスケジュールされていた(今のところは……なのかも)。どうやら、今回のものが恒例になる……ってことではないようだ。

午後のセッションではパワーがトップタイム!
続くウォームアップはパジェノーとペンスキーが初日を席捲

 
30分のウォームアップ・セッションではトータル9周したパジェノーがトップ。2番手にはハータがつけた Photo:INDYCAR (Forrest Mellow)クリックして拡大

 COTAでは2日間の合同テストが行われた。2月中旬のことで、路面温度が今日と比べると大幅に低かった。テストで強めに吹いていた風は、今日も弱めにだが吹いていたが、気温はプラクティス1開始時が17℃で、午後は26℃まで上がっており、快適な1日だった。
 プラクティス1での最速ラップはジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)による1分48秒6567だった。そして、暖かくなったプラクティス2でのベストは1分47秒4401まで縮められた。ソフト・コンパウンドのレッド・タイヤ装着でウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)が記録したものだ。このすぐ後に30分間行なわれたピット・ストップ練習もこなすウォーム・アップ・セッションでは、ユーズドのソフト・タイヤ装着でシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)が1分48秒3334を出してトップだった。1日に3セッションあるのこと自体がレアだが、3つの連続するセッションで最速の座をチーム・ペンスキー・ドライバー3人が分け合うというということで見ても「史上初では?」というほどの珍しさだ。

「タイヤの減りが早い」と語るパワー
「ミスの可能性が増え、順位変動が増えるだろう」と予測



Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 走行初日に最速のラップ・タイムをマークしたパワーは、「テストの時と今日とではコンディションがまるで違っていた」と話した。気温の高さが理由で、路面の状況が大幅に異なるものになっていたのだ。「タイヤの減りが早い。それはレースがよりエキサイティングにするだろう。ミスを犯す可能性が高くなり、順位変動が起こり易くなるからだ。インディカーではずっとそうだが、何が起こるかの予測が立たない。競争が非常に激しいから、というのもそうなる理由に一つだ。差が実に小さい。みんながほぼ同じスピードで走る能力を備えていることが、普通の状態であればオーヴァーテイクをとても困難にしているのだが……」とも彼はコメントした

ローゼンクヴィスト、ソフトタイヤで2番手タイム


ハータ以上の安定度を見せるローゼンクヴィストは初日のトータルで2番手。チームメイトのディクソンが午後から苦戦中なのとは対照的。セットアップの違いなのだろうか?? Photo:INDYCAR (Stephen King) クリックして拡大
 今日、2番手につけたのはルーキーのフェリックス・ローゼンクビスト(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)だった。彼が記録したのは1分47秒6150。パワーと同じくプラクティス2にソフトタイヤ装着で記録したものだ。
 3番時計はアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)の1分47秒9311。
 そして、開幕戦ウィナーのニューガーデンが10番手で、開幕戦2位のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)は17番手だった。

佐藤琢磨、1ラップだけのアタックで8位に浮上!
「明日の予選ではトップ10入りを狙います」

 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、プラクティス1では19番手だったが、プラクティス2でソフト・タイヤによるアタックをセッション終了ギリギリ前に1ラップだけ行い8番手。ウォームアップは13番手。今日の総合だと8番手につけた。

Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 「合同テストで良かった要素を取り入れたセッティングにしたマシンを持ち込みました。コンディションがテストの時と今回とでは大きく異なってもいますが、テストの時に比べてマシンは良くなっていたと思います。今日はずっと暖かかったことから、ダウンフォースが小さくなっていて、タイヤがスライドし易かった。みんなにとって難しい走行コンディションだったと言えます。ソフトタイヤ装着での予選アタックについては、1ラップの速さが自分たちにはあると思いますが、トップだったニューガーデンとの間には結構大きいな差がありました。次のウォームアップでは満タンのテストをしましたが、改良の余地が大きくあると感じました。タイヤの持ちが悪いので、その点を改善したいですね。今日のポジションを考えると、明日の予選でファイナルまで進むのはそんなに簡単ではないと思います。それでもトップ10入りを目指します」と琢磨はコメントした。
以上


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