2013年6月16日日曜日

2013 INDYCAR 佐藤琢磨コメント44 第9戦ミルウォーキー Race Day 決勝:「ウォームアップセッションもない状況で、エンジニアのドン・ハリデイと二人で色々とセッティングを考えたクルマが、このように好パフォーマンスを見せれたっていうことは嬉しいです。でも、それが最後まで持たなかったのが非常に悔しいです」

ミルウォーキー・インディー・フェスト
6月15日 Race Day 決勝 7位完走
天候:晴れ
気温:23~24℃

「最初のピットストップでアジャストを行ってからすごく強かった
どんどん順位を上げていけたしものすごく気持ちよく走れていました」


Jack Amano(以下――):15位スタートながら序盤の作戦もよく、トップを走りました。序盤からマシンは良かったんですね?

佐藤琢磨:スタート直後はあんまりスタビリティがなかったんですけど、最初のイエローの時にピットストップして、そこでアジャストを行って、そこからはすごく強かった。どんどん順位を上げていけたし、次のピットストップの後も、その後のスティントまでものすごく気持ち良く走れていました。クリーンエアではもちろん、トラフィックでもすごくマシンが良かった。今日は本当に楽しんで走れていたんです。ところがレース終盤、突然リヤのスタビリティを失ってしまって、それもまだスティントとしては真ん中ぐらいだったんですよね、急激にタイヤのグリップ力が落ちてしまって……。それでリードを失って3位まで落ちました。その後は、最後のピットウィンドウが来たので、ちょっと早めでしたけどゴールまで十分走り切れると見て、タイヤ交換をしにピットに向いまいた。その後をいいペースで走ろうという作戦にしたんです。しかし、非常に残念ながら、悪いタイミングでイエローが最後に出てしまって順位挽回はなりませんでした。


「あそこまで急激にペースが落ちるとは……
何かあったのかなと疑わざるを得ないですよね」


――ちょっと早めに入った最後のピットストップでしたが、トップグループのみんなもあと1回は必ずピットしなければいけない状態でした。優勝のチャンスは十分にあったと思うんですが?

佐藤琢磨:そうでしたね。ニュータイヤを履いた後にリードラップに戻れていたら、その可能性はあったのかもしれません。ただ、何があったのか調べてみないとわからないんだけど、あそこまでペースが急激に落ちるっていうのは……、何かあったのかなって疑わざるを得ないですよね。非常に悔しいですね。あそこまでは今日、完全にフィールドを制覇していると思っていただけに……。

――180周を過ぎた時点で、ターン4で危ういシーンがありました。あの前ぐらいかハンドリングが急激に悪くなったということですか?

佐藤琢磨:そうです。あの前ぐらいまではペースは維持できてました。カストロネベスとの間隔もホールドできていましたし。ただ、あの瞬間は、ターン3に入った瞬間にワーッとリヤが滑ってしまって、そのコレクションをしながらターン4までいった。相当ひやっとしたけど、壁にはぶつからずにコースに戻ってくれた。それは良かったんですけど、カストロネベスとハンター-レイに先行を許すことになってしまいました。3位になってからもペースをホールドできるかと思って走っていたんだけど、難しかったのでタイヤ交換をしましたね。

――カストロネベストの間にあったリードは、あの危ないシーンによってなくなった。しかし、その後もすぐに抜かれることはなく、逆にリードを再び広げかかりましたよね?

佐藤琢磨:いや、その後カストロネベスたちには普通に抜かれちゃいました。だからもうタイヤがおかしくなってたのか、もしかしたらタイヤプレッシャーのアジャストを含めて、何があったのかちょっとわからないんだけど、クルマの特性がガラッと変わっていたから。

――話が少し遡りますが、エド・カーペンターにかなり邪魔をされていましたね? 140周目前後でしたが、あのあたりから兆候が出始めましたか?

佐藤琢磨:あの時はでも、まだタイヤは十分にスティントを走れる状態にありました。ラストスティントに比べたら、あの時の方がもっとガンガン攻めてたんですよ。エドもラップダウンにされたくなかったっていうのはわかる。戦う権利は確かにあるんですけど、あまりにも無謀な走りでしたね。彼はストレートが速かったから、どんなに合わせてっても抜き切れないって感じでした。あそこは自分としてはかなり厳しかった。あそこで失ったものが大きかったし、もしあれがなかったら……とも思うけど、ちょっと最後のスティントが自分は非常に厳しかったので……。

「路面は間違いなく良くなっていっていました
だから、なんであんな風になってしまったのか……非常に悔しいですね


――佐藤選手としては、最後のペースダウン、ハンドリング悪化の印象が強く、大きな悔しさを感じているようですが、今回はプラクティス1が20番手タイムで、マシンの状況の悪い苦しい週末のスタートになっていました。それを跳ね退けて、レースでここまでの戦いができた。見ている我々としてはスカッとする面も強く感じられました。

佐藤琢磨:そうですね。自分でやっていても、もちろんレースがスタートするまではどれぐらいコンペティティブな戦いができるかはわからなかったんだけど、ウォームアップセッションもなかったのでね。そういう意味ではエンジニアのドン(・ハリデイ)と二人で色々とセッティングを考えたクルマが、こういう風に好パフォーマンスを見せれたっていうことは嬉しいです。でも、それが最後まで持たなかったのが非常に悔しいです。

――朝に雨が降って、蒸し暑く、予選までとは異なるコンディションでのレースになりました。レース前、セッティングについてはかなり頭を悩ませましたか?

佐藤琢磨:気温は確かに少し暑かった。でも、全体的なダウンフォースの量についてはリヤウィングで合わせて、それに合わせてエアロバランスを取るっていう、そこはそんなに難しくはないです。それはもう計算式によって数字が出てくるので。ただ、湿度の変化によってタイヤの特性が変わってしまったり……というのはありますね。でも、2スティント目、3スティント目を走っている時の僕らは非常にうまくマネジメントができていたワケだから……。

――終盤になって路面が大きく変わったということは?

佐藤琢磨:それはあると思います。路面は間違いなく良くなっていっていました。ただ、路面がよくなっていったら、普通クルマは悪くなるってことはないと思うんですよね。タイヤの性能劣化は収まる方向に行くので……。だから、なんであんな風になってしまったのか……非常に悔しいですね。

――最後のリスタート、自分だけが周回を多く重ねたタイヤという厳しい状況に置かれました。

佐藤琢磨:はい。あそこからは何とか順位ホールドをって考えていました。後ろからダリオ・フランキッティが来ていたし、前はジェイムズ・ヒンチクリフとスコット・ディクソンでしたが、あの時点で前は難しいと諦めました。みんなニュータイヤでしたから。僕らもピットに入ればタイヤ交換はできました。しかし、もう予選で使ったセットしか残ってなかったし、ピットに入ることで失う4つから5つのポジションは大き過ぎると考えました。

――お疲れさまでした。アイオワでの活躍を期待しています!

佐藤琢磨:ありがとうございます。頑張ります!!

以上

1 件のコメント:

  1. 毎レース、チーム側のコメントが聞けると嬉しいですね。
    F1程情報が入手できないので、検討いただきたく。

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