2018年6月4日月曜日

2018 INDYCARレポート R8 シボレー・デュアル・イン・デトロイト デュアル2 予選:レース2のポール・ポジションはアレクサンダー・ロッシ

レインタイヤでも安定した速さを見せつけ、ロッシが今シーズン2回目のPP獲得! Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
ウエットコンディションで予選がスタート

 インディーカーのレース2の予選は午前10時45分に始まる予定だった。しかし、9時40分に雨が降り出した。それも、いきなり結構な強さで……。そして3分後、豪雨に変わった。弱くなったり強く降ったり、雨はなかなか上がらず、予選キャンセルも考えられるほどだった。しかし、10時半を前に雨雲はデトロイト上空雨を通り過ぎ、コースの乾燥作業が始められた。


水煙が上がるほどのコンディションだったグループ1ではウィッケンズがトップタイム Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 予定より少し遅れただけで予選は始まった。今日もグループ・セッションで、昨日後に走ったグループが今日は先。雨がまた振らない限り、後に走るグループが速くなるのはほぼ確実だった。 グループ1で最速だったのはルーキーのロバート・ウィッケンズ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。タイムは1分33秒3143。2番手はエド・ジョーンズ(チップ・ガナッシ・レーシング)の1分33秒9256で、3番手はジェイムズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)だった。ウェットでもシボレー勢はスピードが上がらず、シモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)の4番手がこのグループでのベストだった。

路面が乾いていくグループ2でロッシがトップタイム
2番手にはシボレーで唯一奮闘のパワー!


ウェットでもアンドレッティのマシンのポテンシャルは高い Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
グループ2は計測2周目でアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)がウィッケンズのタイムを上回った。路面はそれだけ乾いていたということだ。結局彼のベストはその2ラップ目=1分33秒3143となった。
 2番手はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だった。インディー500チャンピオンが孤軍奮闘し、グリッド2列目に今日は食い込んだ。3番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、4番手はルーキーのザック・ヴィーチ(アンドレッティ・オートスポート)だった。

シボレー勢の中で唯一奮闘するパワーがグループ2で2番手タイム Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 2グループの順位を総合すると
PP ロッシ
2 ウィッケンズ
3 パワー
4 ジョーンズ
5 ディクソン
6 ヒンチクリフ
7 ヴィーチ
8 パジェノー
9 レイホール
10 ハンター-レイ
以下省略

ロッシ「ポイントリーダーの勢いを保つうえで意味あるPPだ」

今回投入された新スペックのファイアストン・レイン。決勝での出番はなさそう Photo:INDYCAR (Chris Owens) クリックして拡大
  2レース目もホンダが予選で1-2。トップ10の8台がホンダだった。
 ロッシは今季初PPを「ストリート・コースでウェット・コンディション。走行は非常に難しい。しかし、今日は新トレッド・パターンのファイアストン・タイヤで初めて走ったが、そのパフォーマンスは高いと感じた。昨日の3位フィニッシュでポイント・リーダーになったが、まだチャンピオンシップのことを考えている時ではない。しかし、ポイント・スタンディングでトップに立った、その勢いを保って戦って行くことは重要で、そのために今日のこのポール・ポジションには意味があると思う。レースはドライ・コンディションとなりそうだ。昨日と同じコンディションになる。そして、昨日の自分たちは勝てなかったのだから、まだマシンの完成度を上げる必要があるということだ。昨日のレースで得られたデータを基にマシンを改善して戦いたい」

佐藤琢磨はまさかの予選20位

 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)はグループ1で10番手。グリッドは20番手となった。ウェット・コンディションでの速さは自他共に認める琢磨だが、今日はポジションがまったく上がって来なかった。「雨で3秒落ちは有り得ない」というのが予選後の琢磨の第一声だった。得意のウェット・コンディションで1ラップ3秒も差をつけられたのは、マシンに何か不具合があったからだ。またブレーキ・トラブルか?
琢磨は「何かを間違えたんでしょう。何かはわからないけれど……」とチームを庇ったが、「タイヤの内圧とか? それぐらいしか考えられない。このコンディションだったら、差はついても0.5秒とか。行っても1秒でしょう。それなのにマシンは前も後ろも全然グリップしていなかった」と表情を険しくしていた。前方グリッドを手にできる大きなチャンスだったというのに、最後尾に近い20番グリッドからのスタートを余儀無くされるのだから、悔しくて当然だ。インディーカーGPでのタイヤ・トラブル以来、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの30号車はクルーのミスによってパフォーマンスに悪影響が及ぼされるケースが続出している。インディー500プラクティス、そしてデトロイトでのブレーキ・トラブル、そして今回のタイヤ・トラブル(断定はまだできないが……)。

カナーン、ニューガーデンも後方からのスタートに

予選グループ1でターン5にアプローチするパジェノー。ターン4立ち上がりでスピンしたカナーンのマシンが見える Photo:INDYCAR (Joe Skibinski) クリックして拡大
 予選グループ1のアウト・ラップでスピンして赤旗を出したトニー・カナーン(AJ・フォイト・エンタープライゼス)、グループ2で赤旗の原因となるアクシデントを越したジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)、彼らも琢磨同様にレース2を後方グリッドから戦わねばならないが、昨日のレース1でのパフォーマンスを比べると、それが最も高かったのは琢磨。今日のレースで作戦も駆使して戦わねばならない彼らの中から、誰がが抜け出してトップ・グループに進出することとなるのか?
楽しみだ。

 スタート・タイヤはまたも1台だけがプライマリーを選んだ……が、それはグレアム・レイホールではなく、マテウス・レイスト(AJ・フォイト・エンタープライゼス)だった。今日は気温/路面温度ともに上がらず、レッドが長持ちする……という読みなのだろうか?
以上

1 件のコメント:

  1. 天野さん、セルビアは大丈夫なんですか?すごく心配です(泣)

    返信削除