2022年4月10日日曜日

2022 INDYCARレポート R3 アキュラ・グランプリ・オヴ・ロング・ビーチ Day2 プラクティス2:ロマイン・グロジャンがトップ・タイム

グロジャンが2日目午前のセッションではトップタイム。アンドレッティ勢が好調だ Photo:Penske Enterteinment(Chris Owens) クリックして拡大

プラクティス1から気温、路面温度ともに大きく低下
コンディションでラップタイムが急伸長!

 今日もカリフォルニア州ロング・ビーチは朝から快晴。プラクティス2は午前8時45分開始と早く、走行開始時の気温は19℃しかなかった。昨日のプラクティス1開始時は34℃だった。路面温度の開きはもっと大きかった。今朝が25℃だったのに対し、昨日のプラクティス1開始時は56℃もあった。
 低温コンディションはラップ・タイムに好影響。昨年度チャンピオンのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)が走り出して3周目には1分08秒代に突入。アレクサンダー・ロッシとロマイン・グロジャン(ともにアンドレッティ・オートスポート)、マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)らが次々とトップに立ち、シヴォレー勢ではスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)とフェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレンSP)がコンスタントに好いタイムをマークしていた。

2日目のコンディション変化にもハータは難なく対応 Photo:Penske Entertainment(Joe Skibinski)クリックして拡大

ハータが序盤トップに、続いてカストロネヴェス、グロジャン

 今日もセッションは45分間。10分経過時点ではコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)がトップ。2番手はエリオ・カストロネヴェス(メイヤー・シャンク・レーシング)。3番手はグロジャン。4〜10番手はロッシ、ジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)、ルーキーのデイヴィッド・マルーカス(デイル・コイン・レーシング・ウィズHMD)、リナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)、シモン・パジェノー(メイヤー・シャンク・レーシング)、パト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)、パロウだった。

ハータ、15分経過でウォールにヒット
JJ、昨日に引き続き今朝もバリアに突っ込み赤旗

 15分経過頃にトップのハータがスピンしてリヤ・ウィングをウォールにヒット。しかし幸いにもダメージは小さく、ピットでウィングを交換してセッションに復帰することができた。

昨日、バリアに突っ込んで右手にを痛めたジョンソンは、出走を許されたもののまたしても赤旗を引き起こす Photo:Penske Entertainmet(Chris Owens)クリックして拡大


 昨日のアクシデントで右手を痛めたジミー・ジョンソン(チップ・ガナッシ・レーシング)は今日もプラクティスを続ける許可は出たものの、プラクティス2でもタイヤ・バリアに突っ込むアクシデントを起こし、赤旗が出された。
 今回からプラクティスはスタートから1時間の間に限り45分の走行時間を保障するルールが採用されており、レッド・フラッグ期間中は時計がストップする(なぜ今までそうなっていなかったのかの方が不思議だが、今後このルールが保たれるかどうかはインディーカーによって”保障”されていない)。
 マシンを壊さない中でギリギリまで攻める。そうしない限り今のインディーカーで上位にポジションを保つことは難しい。ハータがスピンを喫してすぐ、今度は6回チャンピオンになっているスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)がスピンし、さすがのコントロールを見せたがフロント・ウィングを軽く壁にヒットさせた。
 25分が経過。トップは依然としてハータ。その後ろにはローゼンクヴィストが上がって来ており、アクシデント直前にベストを記録したディクソンが3番手。、昨日トップ・タイムを出したパジェノー、グロジャン、マクロクリンと続いていた。


グロジャン、ブラックタイヤでトップに浮上!

 リヤ・ウィングを交換した後もハータは好調で、タイムをさらに削って行った。この時点ではまだほぼ全員がブラック・タイヤでの走行。ハータのベスト・ラップは1分06秒4544にまで縮められていた。昨日のパジェノーのベストは1分07秒1991。涼しいコンディションがタイム短縮に繋がっている。
 30分経過時点で気温は19℃、路面は28℃まで上昇。トップはハータのままだが、2番手にはポイント・リーダーのマクロクリンが上がって来た。今年のシヴォレー勢は彼が引っ張って行くことになるのか。3番手以下にはグロジャン、ロッシ、ローゼンクヴィスト、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がつけていた。
 この後、グロジャンが1分06秒0675がトップを奪った。これがこのセッションでのブラック・タイヤによる最速ラップとなった。


パジェノー、レッドタイヤで5秒台に突入
しかしまたしてもJJのクラッシュで赤旗

パジェノーも前日に引き続き順調にタイムを出す Photo:Penske Entertainment (Chris Owens) クリックして拡大

 上位陣で最初にレッド・タイヤを装着したのはパジェノーで、1分05秒9989でトップに立った。これは2017年の予選で記録されたトラック・レコード=1分06秒2254(by エリオ・カストロネヴェス)を非公式ながら破るものだ。
 パジェノー以外のドライヴァーたちもレッド・タイヤでの走行を開始……というところでジョンソンがまたしてもタイヤ・バリアに突っ込んだ。新ルールが採用されていなかったら、彼の出した2回のレッド・フラッグによってプラクティスはもう終了となっていたはずだ。この後にはマルーカス、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がターン2でタイヤ・バリアに直進。レッド・フラッグを出したが、それらによっても走行時間が短縮になることは避けられた。

グロジャン、セッション再開後にトップに浮上

Photo:Penske Entertainment (Chris Jones) クリックして拡大

 残り時間6分強でグリーン・フラッグ。ここからの走行でグロジャンが1分05秒6520を叩き出してトップに躍り出た。2番手はハータの1分05秒6971。3番手は01:05.9383のパワー。4番手がロッシの1分05秒9424で、5番手はパジェノー=1分05秒9989。5人が1分06秒を切ってきた。6番手以下はエリクソン=1分06秒0444、パロウ=1分06秒0594、マクロクリン=1分06秒1744、ディクソン=1分06秒2161。そして、10番手はAJ・フォイト・エンタープライゼスで走るルーキーのカイル・カークウッドだった。昨年度インディー・ライツ・チャンピオンは昨日のプラクティス1でも10番手に食い込んでおり、2セッション続けてのトップ10入りという素晴らしいパフォーマンスを見せている。
 カストロネヴェスは11番手。6ヶ月前のロング・ビーチでポール・シッターだったニューガーデンは13番手。好調と見えていたローゼンクヴィストはレッドで思うようにタイムを出せず14番手。彼のチームメイトのパト・オーワード(アロウ・マクラーレンSP)は21番手とさらに苦戦中だ。


佐藤琢磨、タイムが伸びず22番手と苦境
「半年前と同じセッティングで速いタイムが出せない状況」


Photo:Penske Entertainment (Chris Jones) クリックして拡大

 佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWR)はその後ろの22番手。23周を走り、レッドでセッション終盤に記録した自己ベストが1分07秒1938。トップだったグロジャンとの間には1.5秒以上の開きがあった。
 マシンを降りた琢磨はエンジニアたちと話し込み、「混乱中ですね、我々は……」と話し始めた。「45分間の走行時間を保障する新ルールのおかげで助かった面はあります。レッド・タイヤでも走れましたからね。でも、自分たちのマシンはアンダーステアも出れば、オーヴァーステアも両方出ている。クルマが綺麗に働いていない、チグハグな感じ。半年前に走った時と路面のバンピーさとかが変わっているわけではないけれど、ラップ・タイムが全然速くなっている。それがタイヤのコンパウンドによるものなのかもしれないんだけれど、何か違う入力がかかってますね。去年と同じセッティングでは速いタイムが出せない状況になっているんです。レッドで最終ラップでしかクリア・ラップを取れなかったのが痛かった。それまではトラフィックに引っかかったり、レッド・フラッグが出たりが続いていて……。でも、そのクリア・ラップもタイム的にはまったく満足の行くものとはなっていませんでしたから、予選に向けてはセッティングをまた変更して行くしかないですね」と琢磨は体制立て直しの必要性を語った。
以上


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