ミッド・オハイオ・スポーツ・カー・コース
オハイオ州レキシントン
コロンバスの北:約60マイル
クリーヴランドの南西:約90マイル
全長:2.258マイル
コーナー数:13
レース距離:今年から90周(去年までは80周)
プッシュ・トゥ・パス:200秒間(1回につき最長20秒)
ハイブリッド・パワー:使用回数は無制限(1周につき最大365kj)
タイヤ:ファイアストン
プライマリー、オルタネイト:どちらも5セット
レースでは、ウェット・コンディションとならない限り、
プライマリー1セットと、フレッシュ・オルタネイト1セットの使用義務づけ
ホンダ、開幕10連勝なるか?
パロウ&ホンダに対抗するオーワードは昨年のミッド・オハイオ戦ウィナー
2025年シーズンのNTTインディーカー・シリーズではホンダ勢が開幕から9連勝を記録して来ている。
アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)が6勝(!)し、カイル・カークウッド(アンドレッティ・グローバル/ホンダ)が3勝と、ウィナーはふたりだけ、という珍しい状況になってもいる。当然、チャンピオンシップ・ポイントでもパロウがトップ、カークウッドが2番手だ。
ミッド・オハイオは、昨年インディーカーがハイブリッド・パワーを初めて導入したコース。ハイブリッド時代の最初のウィナーとなったのはパト・オーワード(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)だった。
予選でポール・ポジションを獲得したパロウはプライマリー・タイヤでのファースト・スティントで明確な速さを見せ、5秒以上のリードを築いたが、オルタネート・タイヤでの勝負となったセカンド・スティントではオーワードが速く、差をコンマ5秒まで削り取った。
そして、ファイナル・スティントを前にしたピット・ストップ。パロウがギヤを一速にエンゲージさせるのに失敗し、ダッシュが一瞬遅れたのだ。1周前にピットしていたオーワードは、アウト・ラップに全力投入し、ピットから出てきたパロウをターン1出口で抜き去った。
そこからの二人はまったくの互角でオーヴァーテイクは実現せず。0.4993秒差のゴールとなった。初のハイブリッド・レースでは優勝争いを展開した二人のパフォーマンスが突出。スコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)がトップ2から大きく離れた3位でゴールしていた。アンドレッティ・グローバル勢も奮闘したが、結果は4、5、8位。
パロウを倒すドライバーは? ミッド・オハイオ6勝のディクソン
そしてハータ、レイホール、メイヤー・シャンク勢も注目
猛暑下での開催となりそうな今年のレースでも優勝候補はパロウ(2023年ウィナー)。彼を倒す候補のトップは、先輩チームメイトのスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)では?
なにしろディクソンはミッド・オハイオでのインディーカー・レースの最多勝記録保持者=6勝なので。
2020年ウィナーのコルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)も優勝候補の一人。ロード・アメリカではまったく振るわなかったが、ミッド・オハイオでは初勝利を狙える走りを見せるはずだ。カークウッドも当然トップ・グループで戦うことになるだろう。
ミッド・オハイオでは、今年のロード・コースで速いマシンを作れているレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング勢も速さを見せそう。2015年にここで優勝しているグレアム・レイホールはコロンバス近郊で生まれ育った地元のスター・ドライヴァーでもある。
地元と言えば、メイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・カーブ・アガジェニアン。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングはインディアナポリスに引っ越したが、MSRは今もオハイオ州コロンバスの東側を本拠地としている。ふたりのドライヴァーたち=フェリックス・ローゼンクヴィストとマーカス・アームストロングは、いずれもロードコースを得意としている。このところマシンの仕上がりレヴェルも向上しているようなので、多くのサポーターからの声援を力に変えての彼らの走りに期待したい。
なお、今年のレースに向けてバック・ストレッチ・エンドのターン4は、シモン・パジェノーやマイケル・アンドレッティのように何回転もするアクシデントとならないよう、コースとエスケイプ・ゾーンの落差がなくされている。コーナーのバンク角度は4度から2度に減らされたとのことだが、コース内最高速からフル・ブレーキングが必要な場所なので、オーヴァーテイク・ポイントであることは変わらないはずだ。
オーワードに続くシヴォレー勢の期待はチームメイトのルンドガールド
そしてフェルッチ、マルーカスのAJフォイト勢!
ホンダの連勝を止めるのは誰か? その筆頭候補は、実績から言ってオーワード。彼に続く者として、進境著しいAJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレーの2人を挙げたい。サンティーノ・フェルッチとデイヴィッド・マルーカスは、いずれもインディーカー未勝利だが、テクニカルなミッド・オハイオでマシンをハイ・レヴェルに仕上げ、好ファイトを見せるところが見たい。オーワードの新チームメイト=クリスチャン・ルンドガールドも速さを見せる期待感アリ。チーム・ペンスキーは、シーズン途中のリーダーシップ大幅変更でパフォーマンスにも翳りが見えているが、ミッド・オハイオは3人とも実績のあるコース(ジョセフ・ニューガーデン=2勝、ウィル・パワーとスコット・マクロクリン=1勝)なので、ここで低迷ムードから抜け出したいところだ。
以上
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