2022年4月11日月曜日

2022 INDYCARレポート R3 アキュラ・グランプリ・オヴ・ロング・ビーチ Race Day ファイナル・プラクティス:ウォーム・アップもコルトン・ハータが最速

Photo:Penske Entertainment(Joe Skibinski)

 ハータ、ユーズド・レッドで予選3位相当のタイム!

 「セッティングで苦しんでいた」という金曜日のプラクティス1でさえ6番手という”悪くない”ポジションだったコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート・ウィズ・カーブ・アガジェニアン)は、土曜日午前中のプラクティス2、予選の全3ステージでトップ・タイムをマーク。トラック・レコードを樹立してポール・ポジションを獲得した。そして今日、決勝を前にしたウォーム・アップ・セッションでも終盤にユーズド・レッド・タイヤを装着すると、涼しいコンディションであったとはいえ、最速ラップとなる1分05秒8645を叩き出した。これは昨日の予選で3位に食い込めるラップ・タイムで、2番手につけたスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)に0.3278秒の差をつけるものだった。第47回グラン・プリ・オヴ・ロング・ビーチは地元カリフォルニアのハータがポール・ポジションから2年連続優勝へ悠々と逃げ切る可能性が高くなっている。

ディクソン、エリクソンのチップ・ガナッシ勢が2、3位に

 今朝のロング・ビーチは雲が多く、少し肌寒いぐらいのコンディションでウォーム・アップ・セッションが行われた。走行開始時の気温は17℃しかなく、路面は24℃。セッション終了時に路面は27℃まで上がっていたが、気温は17℃で変わらずだった。
 そのようなセッションで2番手につけたのは前述の通りディクソンだったが、今回彼のスターティング・グリッドは16番手とかなり後方。どこまでポジション・アップできるだろうか?
 3番時計は予選8位だったマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)で、4番手には予選10位だったシモン・パジェノー(メイヤー・シャンク・レーシング)、そして5番手はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だった。彼らのベスト・ラップ・タイムは、エリクソンが1分06秒3934、パジェノーが1分06秒7766、パワーが1分06秒8203だった。

マルーカス、フレッシュ・ブラックで7番手タイム!

 6番手はロマイン・グロジャン(アンドレッティ・オートスポート)=1分06秒8317。7番手にはルーキーのデイヴィッド・マルーカス(デイル・コイン・レーシング・ウィズHMD)がフレッシュ・ブラックで1分06秒9005を出して食い込んだ。8〜10番手はリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)=1分06秒9144、エリオ・カストロネヴェス(メイヤー・シャンク・レーシング)=1分06秒9409、ルーキーのカルーム・アイロット(フンコス・ホリンジャー・レーシング)=1分07秒1214
だった。

マクロクリン、決勝直前にエンジン交換へ

 予選2位だったジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)は15番手と目立たず。それより問題は、彼のチームメイト、ポイント・リーダーのスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)が2周でマシンをガレージに戻したことだった。タイヤをスカッフィングするラップを行っている間に電気系と思われるトラブル発生。レーシング・スピードでのラップを1周もこなすことができなかった。ガレージに戻ってチェックを行ったチーム・ペンスキーは、ICUユニットなどの部分的な交換ではなく、エンジンを交換し、付属コンポーネントも一気に全部新しくしてレースに臨むこととなった。

佐藤琢磨はブラックのみでの走行で22番手
「クルマは昨日より良くなっています
ここからさらに変更を加えるかは検討中」


 佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング・ウィズRWRのウォーム・アップでのベストは1分08秒3542。レッド・タイヤでの走行はしなかった。レースでの使用を考慮してのことだろう。ポジションは22番手だった。
 「このセッションの走り出しのマシンは結構良かったと思います。しかし、ラバーが乗って来た路面ではまだ今ひとつの感じでした。涼しいコンディションで、決勝は今よりは暑くなるでしょう。でも、本当に暑いコンディションにはなりそうもなくて、そういうコンディションよりは涼しい方がダウンフォースも出るからタイヤのオーヴァーヒートも抑えられるので良い傾向だとは思います。今回トライしたセッティングによってクルマは昨日までと比べるとまぁまぁレース・カーっぽくはなっています。でも、ここから更に変更を……という点はちょっとまだ検討中です。いまエンジニアたちと話していたのはダウン・フォース・レヴェルをどうするかってところでした。いま、結構トリムしているクルマがいたんです。4、5台でしたが。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングで走っていた時はいつも自分たちは決勝にはダウン・フォースをトリムしたセッティングで臨んでましたが、ストレートで速いから前のクルマに着いては行けるんですけど、全体のラップ・タイムとしては犠牲になるんですよ。だから、そのバランスをどうするか。涼しいコンディションではトリムはし易くはなりますが……。このセッションは、最後にタイムを出そうと思っていたんですが、そのラップはトラフィックにひっかかってしまいました。赤旗もあって、計画が狂っちゃったところはありました」と琢磨は語っていた。ウォーム・アップのセッティングから更なる小変更はなされるのか?
重要なポイントとなるダウン・フォース・レヴェルをはどの程度に設定するのか?
ブラック・タイヤでスタートし、早目のピット・インでレッドにスイッチ、コースの空いたところをハイ・ペースで走って大幅ポジション・ゲイン……という作戦採用も考えられる。琢磨の後方からの追い上げはなるか?
以上

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