2016年7月17日日曜日

2016 INDYCAR レポート 第12戦 ホンダ・インディー・トロント Day2 プラクティス3:ブルデイが今週末2回目の最速!

Photo:Anna MacKey
ドライバーの要望でターン1の縁石とターン8のレイアウトを変更
 曇り空と18℃と肌寒いコンディションでトロントでのプラクティス3は始まった。ドライバーたちの要望が聞き入れられ、ターン8はコーナー内側の壁が1.8メートル下げられ、コースが広くなった。ターン1のコンクリート・パッチはグリップが高まるようにサンドブラスト処理がされた。
 走行時間は今回も45分間。赤旗は1回、3分半だけのストップだが、あった。昨日も赤旗の原因を作っていたミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)がセッション終盤にターン5出口のタイヤ・バリアとコンクリート・ウォールにヒットしてフロント・ウィング他を壊し、その先のコースにストップしたからだった。
 この赤旗中断がなければ、もっとラップ・タイムは速くなっていた可能性が高かった。グリップ・レベルは間違いなく上がっていた。セッションが再開された時には残り時間が3分しかなく、ほぼすべてのドライバーが、そこでは自己ベストの更新を果たせなかった。


ブルデイ、昨日のパジェノーのベストを大きく更新
 トップ・タイムはセバスチャン・ブルデイ(KVSHレーシング)による1分00秒6035。コースの後半セクションがタイトにされた新レイアウトながら、昨日のシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)によるベスト=1分01秒7081を楽々と更新、去年のPPタイム(ウィル・パワー)=59秒4280に大きく近づいた。涼しいコンディションが作用もしているのだろう。ブルデイは昨日のプラクティス1に続き、今週二度目の最速だ。
 2番手はポイント・リーダーのパジェノー。タイムは1分00秒78710。
 フランス人ドライバーたちによる1-2となったが、ブルデイの方が0.2675秒も速かった。ふたりは共に24周を走った。


シボレー、このセッションはトップ5をスゥイープ
 3番手はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)。ブルデイと0.3122秒、パジェノーとは0.0447秒差の1分00秒9157が彼のベスト。
 4番手はエリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)の1分00秒9610。ここまでが1分1秒を切ったドライバーたちだ。

 ブルデイはプラクティス1でトップ、プラクィティス2で6番手で、今回またトップと好調だ。パジェノーは3、1、2番手と最も安定して速く、次に安定しているのは、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)の2、4、5番手だ。カストロネヴェスは9、2、4番手。パワーは6、3、3番手だ。

 プラクティス3ではシボレー軍団がトップ5を占めた。プラクティス1でトップ3、プラクティス2でトップ4を占めたシボレー勢は、プラクティスではトップ5を独占。優位を広げている。

ホンダ勢最上位は6位のホウクスワース!

 ホンダ勢トップはジャック・ホウクスワース(AJ・フォイト・エンタープライゼス)による6番手だった。ラップ・タイムは1分01秒0453。ブルデイとの間には0.4418秒の差があったが、「トロントは好きなコース」という“Jホウク”が大きな躍進を見せた。昨日のプラクティス2での彼は10番手だった。

 7番手はグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)で、彼がホンダ・ユーザーでは今週最も安定している。プラクティス1で5番手、プラクティス2で8番手と、3セッションすべてでトップ8入りして来ている。

 佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は、チームメイトが6番手と活躍したセッションで15番手と、今ひとつ振るわなかった。ユーズド・タイヤで1分1秒8473を出してセッション前半に3番手につけていたところまでは快調に映っていたのだが、ブルデイがトップ・タイムを出した後のタイミングで満を持して投入したフレッシュ・タイヤ装着でタイムが縮まらなかった上、ベストが記録できるはずった走行中にアレシンによるレッド・フラッグが出された。

佐藤琢磨、ニュー・タイヤでマシンのバランスが悪化
「予選はセッティングを変えて行きます」


 琢磨は残り3分でグリーン・フラッグが降られた後のアタック2ラップ目=ファイナル・ラップに1分1秒4783のベストを記録し、18番手から15番手にポジション・アップした。この3分間という短い時間帯に自己ベストを更新できたのは、ポジションが15番手以降の後方だった3人だけだった。
 「ニュー・タイヤで走ったタイミングで赤旗が出ましたが、それよりもニュー・タイヤでのマシンのバランスが悪くなっていたので、予選にはセッティングを変えて行きます。マシンは昨日から少しセッティングを変えています。コースはターン8が少し広くされたけれど、改善されたか否かは見方次第といったところ。ターン1のコンクリートを削ったんですが、グリップは多少上がったか……という程度。期待していたほどの効果はなかったですね。予選に向けては、ジャックのデータも自分のデータも見比べ、何でこんなにバランスが悪くなったのかを見極めます。気温が低かったことも関係してるのかと思います」と琢磨は話していた。

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