2016年7月18日月曜日

2016 INDYCAR 佐藤琢磨コメント 第12戦ホンダ・インディー・トロント Race Day 決勝:「ロング・ビーチ以来の5位です。今朝のプラクティスでマシンがピタッと決まった。そういうチャンスを活かせる走り、展開になりました。僕らはだいたいストラテジーでは逆にヤラレてしまってるので、今日ぐらいはいいんじゃないですか?」

フル・コース・コーションの47周目、上位グループと違うタイミングでのピット・インを選んだ作戦が見事的中! Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大
「今日は本当にクルーの頑張りもあって、よかったと思います」

Jack Amano(以下――):トップ5フィニッシュ、おめでとうございます。スタートからゴールまでハードに戦い続けたレースになっていましたね?

佐藤琢磨:そうですね、エキサイティングな展開だったし、もちろんイエローとストラテジーが大きく味方をしてくれましたけど、それをものにしたチームの正しい戦略になっていて、非常によかったと思います。大切な局面でのピット・ストップも速かったです。マシンはレッド・タイヤでもブラック・タイヤでも非常に安定していて、コンペティティブに走れたので、燃料セーブをしながらもアタックして来る後続を抑えることができたし、20番グリッドからトップ5でゴールできたんですから、今日は本当にクルーの頑張りもあってよかったと思います。
「チームと協議して、イエロー中にピットインしました」

――鍵になったイエロー中のピット・インですが、とても悩む状況だったと思います。どういうプロセスがあって入る作戦が選ばれたんですか? 14号車と41号車で作戦が分かれることにもなっていましたが?
ルーティンより早い47周目、イエローでのピット・インを決断し、佐藤琢磨は16位でコースに復帰。同じタイミングでピット・インしたデイリーの前、ヒンチクリフの後ろというポジションだった Photo:INDYCAR (Chris Jones) クリックして拡大




佐藤琢磨:第2スティントでは僕がレッドを履いていて、チームメイトのジャック・ホウクスワースはブラックで、僕の方が全然速かったですよね。でも、僕は41号車を抜きあぐねてました。あそこでプッシュ・トゥ・パスを無駄にたくさん使いたくなかったし、燃費も稼ぎたかったので、ちょっとペースはホールドされてましたけども、何とか我慢していました。今になってみれば、アレがなければジェイムズ・ヒンチクリフの前に出ることができていましたよね? そこはちょと悔しいですけど、まぁ、あの時点でイエローが出て、チームメイト両方がピットに入ってしまうと……というか……あの時僕がもし入ると、おそらく最終スティントをノー・ピットで走り切るのは非常に難しい、と。そういう話をして、でも多少のギャンブルに出ないと上位に進出はできないし、チームとしては戦略を分けるということだったので、僕らが最終的に正しい戦略を採る方になりました。

――琢磨選手とラリー・フォイトが協議して、14号車が入ることになったんですね?
佐藤琢磨:そうです。

――それが大正解でしたね。

佐藤琢磨:はい、大正解でしたね、結果的には。

「最後はアレシンと戦ったし、ピット・アウトしてきたクルマとも
何度もいいバトルをすることができました。内容は濃かったですね」


――でも、やっぱり最後は燃費がキツイ展開になってまりましたよね? しかも、ミカイル・アレシンが攻めて来ました。

佐藤琢磨:アレシンは今週速かったですよね。ヒンチが3位でフィニッシュしたように、今週のシュミット・ピーターソン・モータースポーツはずっと速かった。アレシンもプラクティスから速かったので警戒してました。エリオ・カストロネヴェスにはヤラレてしまいましたけど、アレシンには意地でも負けたくない、とホールドし続けました。いいバトルになってたと思います。今日はヒンチともサイド・バイ・サイドで戦ったし、ライアン・ハンター-レイともバトルしました。そして、最後はアレシンと戦ったし、ピット・アウトしてきたクルマとも何度もいいバトルをすることができました。内容は濃かったですね。

――アレシンもクリーンに戦っていましたね?
佐藤琢磨:そうでしたね。自分としては、なるべく彼にリードをさせないようなレースをかなり意識してました。ちょとでも隙を見せると一気に来ますから。そういう意味では緊張したバトルでしたけど、今になってみれば楽しかったです。

――ターン3でインサイドは絶対に譲らない……という意思表示が明確な走りでしたね?
佐藤琢磨:はい。僕はずっと真っすぐラインを保って走っていたので、ブロックではないと思います。リーグの方からもお咎めはありません。何も聞いてません。

「燃費が厳しい中ではいいペースで走れていたと思います」
――昨日の状況からは一転で5位フィニッシュ。今年のベスト・タイです。
佐藤琢磨:そうですね。ロング・ビーチ以来です。今朝のプラクティスでマシンがピタッと決まった。そういうチャンスを活かせる走り、展開になりました。それは大きいと思います。僕らはだいたいストラテジーでは逆にヤラレてしまってるので、今日ぐらいはいいんじゃないですか?

――最終スティントのパフォーマンスを見れば、トップグループとそんなに遜色はなかった。佐藤琢磨:はい。燃費が厳しい中ではいいペースで走れていたと思います。他のドライバーたちがどれぐらいの状況だったかはわからないけど。

――燃料はあのままゴールまでグリーンだったら、かなり厳しかったですか?
佐藤琢磨:……。

――やっぱり。あと、今日は意外やブラック・タイヤが安定して速かった印象もありましたが、実際にはどう感じてましたか?

佐藤琢磨:ブラックは、一度暖まってしまえば好いパフォーマンスを発揮してました。ただ瞬発力がないので、今日は中盤空に雲がかかっちゃったでしょ? 太陽の日差しがないと、路面の温度が下がってしまって、リスタートからの1周が本当にキツかったですね。ヒンチも僕も横向いちゃって、あの時に何度後ろからヤラレちゃうかわからなかった。

――レッド・タイヤを前のスティントから使い続けたトニー・カナーンが、琢磨選手の前にピット・アウトして来ちゃってましたね?
佐藤琢磨:嫌なタイミングでしたね。

――アレが後ろに出ててくれたら、随分楽な戦いになってたでしょうね。
佐藤琢磨:そうですね。1人後ろに入ってくれたら、アレシンたちを抑えてくれたでしょうしね。でも、そうなっていたら僕がヒンチを抜きに行くことになって、来年の入国が厳しくなってたかも(笑)。

「3日後からのミッド・オハイオもいいテストにしたいですね」
――次はミッド・オハイオで、事前のテストに行きますね?
佐藤琢磨:行きます。もう明後日かな? 走るのは明々後日ですけど。

――この調子でミッド・オハイオも行きたいですね。

佐藤琢磨:はい。ロードコースはこないだロード・アメリカで非常に力強く走れたと思うので、その考え方をミッド・オハイオでもシッカリと反映させて、いいテストにしたいです。
以上

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