2025年7月13日日曜日

2025 INDYCAR レポート R11 シンク 275 パワード・バイ・スーカップ:レース1のポール・ポジションはジョセフ・ニューガーデン、レース2のPPはアレックス・パロウ

Photo:Penske Entertainment

 マクロクリン、予選計測1周目にクラッシュ

 午後12時35分、気温が27℃、路面温度が43℃というコンディションで予選はスタート。驚いたことに、ポール・ポジション候補のスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)が計測1周目のターン1でラインを外れ、スピンしてリヤからウォールにクラッシュした。直前のウォーム・アップ・ラップは平均時速が180mph台に乗っていた。ちょっとプッシュし過ぎたようだ。

レース1用計測ではニューガーデン、デイリーが1-2!

 ポール・ポジションはマクロクリンのチームメイトのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー/シヴォレー)のものとなった。彼のウォーム・アップ・ラップは平均時速179.681mphだった。
 予選2位はテストから速さを見せて来ているコナー・デイリー(フンコス・ホリンジャー・レーシング/シヴォレー)のものとなった。予選2位は2022年のラグナ・セカでのカルーム・アイロット以来となるJHRにとっての予選ベスト・リザルトだ。


Photo:Penske Entertainment

レース2用計測ではパロウがキャリア初のオーヴァルPPを決める

 ニューガーデンとデイリーにより、シヴォレー勢はレース1のフロント・ロウ独占を果たしたが、その一方で、レース2用の計測2周目ではアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)がトップ・タイムをマークし、ショート・オーヴァルでのキャリア初PPを獲得。2位にはフェリックス・ローゼンクヴィスト(メイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)が来て、レース2のグリッドはホンダ勢がフロント・ロウ・スウィープを達成した。しかも、ニューガーデンのPPタイムが17秒4914だったのに対し、パロウのPPタイムは17秒4900。今日の予選での最速ラップ記録者はホンダ・パワーのパロウとなった。2ラップの合計でもニューガーデン=35.0480秒で、パロウが35.0198秒と、パロウの方が速かった。

「1周目と2周目の優先順位でハイブリッドの使い方は変わる」と語るニューガーデン

 

Photo:Penske Entertainment

 今シーズン11戦めにして初PPを手にしたニューガーデンは、「優先順位をどうつけるか。チーム間の差は非常に小さく、タイム差はほとんどなかった。計測1周目を優先するか、2周目を優先するかでハイブリッド・パワーの使い方は違って来る。どちらのレースにおいてもグリッドはとても重要なのだが、どちらかを優先するしかなかった」と話し、「多くのマシンが外側のレーンを走れるようにするためには、空力によるグリップをもっと小さくするしかない。今週末のレースは、どちらもパスができないものになる可能性が高い。必ずそうなると断言はできないが……」と続けた。

オーヴァル初PPのパロウ「レースは長く厳しいものになるだろう」

 今シーズン4回目、ショート・オーヴァルでの初PPを獲得したパロウは、「ダブルヘダーはあまり好きじゃない……」とコメント。この少し前にニューガーデンも「どのレースもダブルヘダーとする必要はないと思う」と同意見を述べていた。アイオワのレースはロジャー・ペンスキーがプロモーターなんだが……。

Photo:Penske Entertainment

 レース1は4番手グリッドからスタートする権利を得たパロウ。彼は、「どちらのレースも好いポジションからスタートを切れることになった。去年も僕らは両レースともトップ5かトップ4からスタートできていたと記憶している。我々は予選用セッティングの良いものに手にしているということだ。しかし、レースは長い。今日も明日も、作戦面などを含め、長く、厳しい1日になるだろう。スタート位置の良さが、そのままレース結果に繋がる保証はない。自分たちのマシンがスティント後半でもスピードのあるものとなっていて、ポジションを上げて行けることを期待している」と話した。

シヴォレー勢がやはり優勢か

 全体で見れば、予選でのシヴォレー・ユーザーの優勢は明確だった。レース1のグリッド・トップ10には7台のシボレー勢が並び、レース2のトップ10も6台がシヴォレーだったのだ。

 レース1のグリッド2列目にはフェリックス・ローゼンクヴィスト(メイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)とパロウが並ぶが、その他のホンダ勢は3列目外側のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)のみ。5位はパト・オーワード(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)、7位はウィル・パワー(チーム・ペンスキー/シヴォレー)、8位はノーラン・シーゲル(アロウ・マクラーレン/シヴォレー)、9位はサンティーノ・フェルッチ(AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレー)、10位はデイヴィッド・マルーカス(AJ・フォイト・エンタープライゼス/シヴォレー)だった。
 キフィン・シンプソン(チップ・ガナッシ・レーシング/ホンダ)はまだショート・オーヴァルでの予選では先輩チームメイトたちに遠く及ばず、レース1が予選22位、レース2が予選18位。ローゼンクヴィストのチームメイトであるマーカス・アームストロング(メイヤー・シャンク・レーシング・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)は予選11位と予選12位で、トップ10にあと一歩届かず。レイホールのチームメイトたちは、ロードコースの予選では速さを見せて来ているルーキーのルイ・フォスター(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)が予選12位と予選16位で、デヴリン・デフランチェスコは予選20位と予選23位だった。

 レース2のグリッドは、前述の通りフロント・ロウはホンダ勢。その他のホンダ・ドライヴァーは8位のディクソンと10位のグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)。その他はシボレー勢で、3位がマルーカス、4位がニューガーデン、5位がシーゲルで、6位はパワー。7位はデイリーで、9位はオーワードだった。

 両レースのグリッドでトップ10入りしているのは、ニューガーデン、デイリー、ローゼンクヴィスト、パロウ、オーワード、ディクソン、パワー、シーゲル、マルーカス。
 昨年のレース1ポール・ウィナーのコルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル・ウィズ・カーブ・アガジェニアン/ホンダ)はレース1=予選23位、レース2=予選19位とマシンが思い通りに仕上がっていない様子。今朝のハイ・レーン・プラクティスでクラッシュしたカイル・カークウッド(アンドレッティ・グローバル/ホンダ)はぶっつけ本番の予選でレース1=予選18位、レース2=予選21位だった。ハータの計測1周目はカークウッドより遅かったということで、悩みはかなり深そうだ。彼らのチームメイト、マーカス・エリクソンはレース1、レース2ともに予選14位とチーム内でベストの結果だった。
以上


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